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26 おかしな発想の根源は?
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学園の裏側に面した森に入り道とも言えない道を進み、どんどん登っていく。
「ルナティちゃん、もう少しで目的地だけど、まだ歩ける?大丈夫?なんならおんぶする?」
少し息が上がってきた私にザカライア様は私の手を引きながら冗談めいた口調で聞いてきた。
「はぁ、はぁ、少しきついですが、大丈夫ですよ!それより何があるんですか?」
「着いてからのお楽しみだね~きっと気にいると思うから」
木々の隙間から光が差し込み木々の揺れる音と私達の足音しか聞こえない。
無心になって歩き続けた。
大きな赤い幹に黄色い葉をつけた木が見えた。
「着いたかな、ほら、ここから向こうを見てごらん。」
ザカライヤ様が指差す方向を見るとそこには、
「うわぁ~綺麗~」
その場所から見える風景は千年樹を中心とした学園が一望でき夕日に照らされた千年樹はオレンジ色に光美しくも幻想的に見えた。
しばらくの間私は無言で眺めていた。
私はボーッと眺めていた、無心だったはずなのに視界が潤み気がついたら涙が頬を伝っていた。
___ザカライヤ__
頑なに何かを思い詰めていた姫さんを元気づける為に連れてきたとっておきの穴場、きっと気にいるだろうと思った。
しばらくキラキラした顔で眺めていたが・・・・、ん?もしかして泣いてる?
その姿があまりに儚く、あまりに悲しげで、今にも消えてしまいそうで・・・気がついたら後ろから抱き締めていた。
その瞬間背中に殿下の殺気を感じヤバイと思ったが、抱き締めたもん勝ちだ!
ヘタレはそこで指咥えて眺めてろ!て思っちまったよ。
「姫、ルナティちゃんどうした?なんで泣いてる?」
俺は後ろから抱き締めたままどうしたのかと尋ねると、
「え?あ!泣いて?・・・どうしてだろ?」
ゴシゴシと手で目を擦り俺の腕から逃れくるりとこちらを向いて無理に笑顔を作る姫さんに胸がツキリと痛んだ。
「そんな無理に笑おうとするな!泣きたいことがあったのなら泣いていいんだぞ!腹ん中にためてないで吐き出せよ!
ここには誰も居ないんだから、ルナティちゃん、なんかあったんだろ?」
ポロポロと涙を流しながらポツリポツリと話始めた。
「・・・何か・・あった・訳じゃなくて、わ、私が、勝手に・・・だめなんです。」
「?何がダメなんだ?」
「気持ちが、・・・勘違いしちゃダメなのに・・どんどん惹かれていて・・でもダメなの彼を好きになっちゃ・・ダメなんです。ダメなの。」
間違いなく殿下の事なんだろうが、相愛なのになんでダメなんだ?
そういえば最初から頑なに距離を取ろうとしていたけどあの頃は殿下がヘタレ発病してなかったからそりゃもうこっちが引くぐらいグイグイ強引にアプローチしていたよな。
うまくいきそうだったところで急に殿下がヘタレ発病してなんかギクシャクしてお互い変に抉れてんじゃねえか?
んで、何がダメなんだ?
「うーん、なんで好きになっちゃダメなの?好きなら好きでいいんじゃない?」
「違うの!ダメなの!殿下、!あ!・・・彼はダメなんです。他の方なら良かったんですけど・・・」
「あー、隠さなくていいよ!わかってるから、そんで殿下がダメで他ならいいってどういう事?」
「・・・・わ、私が殿下を、好きになって、まとわりついたら・・・・ザマァされて国外追放か修道院送りか娼館送りになっちゃうから、殿下以外の方と婚約しないといけないんです。
でもうちは恋愛結婚主義の家なので殿下以外の方を好きになってその方に好きになってもらわないといけなくて」
「???は??チョット待って。国外追放?修道院?娼館?それ絶対ありえないんだけど、なんでそんな考えになるの?」
「・・・なんでって、お母様が、婚約者のいる高位貴族や王族とは距離をとらないといけないって関わっちゃうとイベント起きてザマァされるからって」
「そのザマァってのよくわかんないけど、そっかヴィヴォワール伯爵夫人がそんな事を・・・、でもさぁそれって婚約者がいないやつなら関係ないって事だよね!
殿下は婚約者いないしフリーだよ!好きになってもいいんじゃないの?
そもそも気持ちは自由でしょ?片思いのやついっぱいいるよ」
「・・・え?・?・?あ!アレ?・・・でも・・私なんか・・」
「まぁ、ルナティちゃんが殿下以外と恋をっていうなら、俺なんかどう?」
「え?」
「俺と恋してみない?なかなかの好物件だよ!一途だし、それに、俺ルナティちゃんの事、す「だめだ!」」
ガサリと音がして振り返るとそこには・・・やっとお出ましか!ヘタレが!
「ダメだ!ザカライヤと・・こ、恋なんて・・ダメだ!」
「え?殿下?どうして?(やだ、なんでここに?いったいいつから居たの?やだ、話聞かれた?)」
「ティア、君と話がしたい。いや、俺の話を聞いてくれないか?」
「え?・・・・え?」
チラリと殿下に目配せされたよ!
あーはいはい、邪魔って事ですよねーここて当て馬は退散しますよ。
チッ!あのままヘタレてくれてても良かったんだけどな、そうしたら俺が、
あーあ、もったいなかったなー姫さん手に入れるチャンスだったんだけど、せっかくチャンス作ってやったんだから決めてくれよな!
姫さんも殿下が好きなんじゃしょうがないか!
それにしても伯爵夫人の言うザマァってなんだろ?
「ルナティちゃん、もう少しで目的地だけど、まだ歩ける?大丈夫?なんならおんぶする?」
少し息が上がってきた私にザカライア様は私の手を引きながら冗談めいた口調で聞いてきた。
「はぁ、はぁ、少しきついですが、大丈夫ですよ!それより何があるんですか?」
「着いてからのお楽しみだね~きっと気にいると思うから」
木々の隙間から光が差し込み木々の揺れる音と私達の足音しか聞こえない。
無心になって歩き続けた。
大きな赤い幹に黄色い葉をつけた木が見えた。
「着いたかな、ほら、ここから向こうを見てごらん。」
ザカライヤ様が指差す方向を見るとそこには、
「うわぁ~綺麗~」
その場所から見える風景は千年樹を中心とした学園が一望でき夕日に照らされた千年樹はオレンジ色に光美しくも幻想的に見えた。
しばらくの間私は無言で眺めていた。
私はボーッと眺めていた、無心だったはずなのに視界が潤み気がついたら涙が頬を伝っていた。
___ザカライヤ__
頑なに何かを思い詰めていた姫さんを元気づける為に連れてきたとっておきの穴場、きっと気にいるだろうと思った。
しばらくキラキラした顔で眺めていたが・・・・、ん?もしかして泣いてる?
その姿があまりに儚く、あまりに悲しげで、今にも消えてしまいそうで・・・気がついたら後ろから抱き締めていた。
その瞬間背中に殿下の殺気を感じヤバイと思ったが、抱き締めたもん勝ちだ!
ヘタレはそこで指咥えて眺めてろ!て思っちまったよ。
「姫、ルナティちゃんどうした?なんで泣いてる?」
俺は後ろから抱き締めたままどうしたのかと尋ねると、
「え?あ!泣いて?・・・どうしてだろ?」
ゴシゴシと手で目を擦り俺の腕から逃れくるりとこちらを向いて無理に笑顔を作る姫さんに胸がツキリと痛んだ。
「そんな無理に笑おうとするな!泣きたいことがあったのなら泣いていいんだぞ!腹ん中にためてないで吐き出せよ!
ここには誰も居ないんだから、ルナティちゃん、なんかあったんだろ?」
ポロポロと涙を流しながらポツリポツリと話始めた。
「・・・何か・・あった・訳じゃなくて、わ、私が、勝手に・・・だめなんです。」
「?何がダメなんだ?」
「気持ちが、・・・勘違いしちゃダメなのに・・どんどん惹かれていて・・でもダメなの彼を好きになっちゃ・・ダメなんです。ダメなの。」
間違いなく殿下の事なんだろうが、相愛なのになんでダメなんだ?
そういえば最初から頑なに距離を取ろうとしていたけどあの頃は殿下がヘタレ発病してなかったからそりゃもうこっちが引くぐらいグイグイ強引にアプローチしていたよな。
うまくいきそうだったところで急に殿下がヘタレ発病してなんかギクシャクしてお互い変に抉れてんじゃねえか?
んで、何がダメなんだ?
「うーん、なんで好きになっちゃダメなの?好きなら好きでいいんじゃない?」
「違うの!ダメなの!殿下、!あ!・・・彼はダメなんです。他の方なら良かったんですけど・・・」
「あー、隠さなくていいよ!わかってるから、そんで殿下がダメで他ならいいってどういう事?」
「・・・・わ、私が殿下を、好きになって、まとわりついたら・・・・ザマァされて国外追放か修道院送りか娼館送りになっちゃうから、殿下以外の方と婚約しないといけないんです。
でもうちは恋愛結婚主義の家なので殿下以外の方を好きになってその方に好きになってもらわないといけなくて」
「???は??チョット待って。国外追放?修道院?娼館?それ絶対ありえないんだけど、なんでそんな考えになるの?」
「・・・なんでって、お母様が、婚約者のいる高位貴族や王族とは距離をとらないといけないって関わっちゃうとイベント起きてザマァされるからって」
「そのザマァってのよくわかんないけど、そっかヴィヴォワール伯爵夫人がそんな事を・・・、でもさぁそれって婚約者がいないやつなら関係ないって事だよね!
殿下は婚約者いないしフリーだよ!好きになってもいいんじゃないの?
そもそも気持ちは自由でしょ?片思いのやついっぱいいるよ」
「・・・え?・?・?あ!アレ?・・・でも・・私なんか・・」
「まぁ、ルナティちゃんが殿下以外と恋をっていうなら、俺なんかどう?」
「え?」
「俺と恋してみない?なかなかの好物件だよ!一途だし、それに、俺ルナティちゃんの事、す「だめだ!」」
ガサリと音がして振り返るとそこには・・・やっとお出ましか!ヘタレが!
「ダメだ!ザカライヤと・・こ、恋なんて・・ダメだ!」
「え?殿下?どうして?(やだ、なんでここに?いったいいつから居たの?やだ、話聞かれた?)」
「ティア、君と話がしたい。いや、俺の話を聞いてくれないか?」
「え?・・・・え?」
チラリと殿下に目配せされたよ!
あーはいはい、邪魔って事ですよねーここて当て馬は退散しますよ。
チッ!あのままヘタレてくれてても良かったんだけどな、そうしたら俺が、
あーあ、もったいなかったなー姫さん手に入れるチャンスだったんだけど、せっかくチャンス作ってやったんだから決めてくれよな!
姫さんも殿下が好きなんじゃしょうがないか!
それにしても伯爵夫人の言うザマァってなんだろ?
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