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2 お待ちかねの?破棄?

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今日、学園の卒業式は筒がなく問題が起きるとこなく終わった。

流石に国王夫婦出席のこの場で騒ぎを起こす馬鹿な輩はいない(事件)起きるとすればこの後の卒業生によるパーティーで起こるはず。

パーティーは勿論ドレスそれぞれのパートナーがお互いの衣装を送り合ういわば貴族にとっては結婚へのカウントダウンイベントとなる。

私はというと、こういう華やかな場にはあまり使う事がないが彼の色である黒と紫でオーダーした黒いレースとシルクを基調とし紫の刺繍とコサージュで飾られたデコルテと胸の谷間が少し見え体のラインがはっきり出るマーメイドラインのドレスで参加している。
そんな私のパートナーもお揃いの黒を基調とし金と薄紫私の色の私と同じ模様の刺繍のジャケットに薄紫のクラバットタイピンとカフスは金細工にイエローダイヤとアメジストが使われている。勿論私のピアスとネックレス、髪飾りもお揃い、並ぶと独占欲が丸出しの彼が私の腰に手を回し耳元で囁く

「アイリス、そろそろ、始まりそうだね。見てごらんピンクのドレスの彼女」

ピンク色のドレスに青に金に緑に茶に赤のリボンと宝石のついた賑やかな装いの小柄で胸の半分出た巨乳少女を4人の男性が守るように取り囲んでいた。

「あ、あれが噂の逆ハーってことかしら?これは見ものだけど、彼女ローズは大丈夫かしら?あれ以来静かすぎて少し気になっていたんだけど、刺激が強すぎたのかしら?」

「うーん、どうかな?婚約解消になった話も聞こえてこないから、……おそらくそろそろ、始まるんじゃない?」


__ローズ=キャストここへ__

周りがシーンと静かになった。
ホール上段に件の女性を囲む様に4人の男が侍る様子は実にシュール。

「ローズ=キャスト今日、この場で貴様との婚約を破棄する。そして、ここにいるアリスを私クライド=ルーガンの婚約者とし卒業と同時に結婚する」

………あまりに強烈な出来事に常識のある貴族の子息令嬢はポカンとしていた。

「なんとかいえ!ローズ=キャスト」

「婚約破棄謹んでお受けいたします。差し支えなければ理由をうかがってもよろしいですか?」

「理由は私の寵愛するアリスに嫉妬して嫌がらせや暴言を吐きゴロツキを雇い襲わせた、そんな醜い心の女は私の妻に、ましては王妃になどさせない!ここにいるアリスの様に心優しい女こそ王妃に相応しい。」

「……嫉妬?ですか?あり得ませんね!私はそこにいる、えーっとアリスさんとは直接面識がないのですよ…お見かけしたのは1ヶ月前のあるあき教室で殿下達5人で、…5人で変わるがわる睦あってるのをお見かけしたのが初めてですよ。」

「そんなあーひどいですー何度も私を、、うう」

「ああ、アリス、睨まれて怖かっただろう?ローズ!貴様は国外追放に処す!衛兵!ローズを連れて行け!」

衛兵が動かないので、アリスに侍ってた騎士団長の3男はローズを引きずって会場を出ようとしたとき

「待ちなさい!なんの権限があって男爵3男如きが侯爵令嬢に無体を働くんだ!その手を離しなさい」

「あ、あ、キ、キース=ルーガン王太子殿下…私の為にやはり助けに来てくれたのですね、嬉しいです」
と擦り寄るローズをさらりと交わし、クライドに向き合う。

「さて、クライドいつから、次期国王になったのだ?その股の緩い女が王妃だと!誰の子を宿すか判らない様な教養のない女を王家に入れるつもりか?」

「あ、兄上、ち違います。王子妃というつもりが間違えてしまって、」

「えークライド王様になるからアリスが王妃だよって言ったじゃない、私はみんなに愛されてるから、シリルとアシュレイとジュミルを愛人にして一緒に住むって約束したのに、もしかしてこっちの人が王様になるの?なら、この人王太子の方がイケメンだからこっちと結婚するー」

「え?何言ってるんだよアリス、クライドを1番愛してるって言ったじゃないか?」

「うーん、今2番になったの我慢してね」

「あなた、何おっしゃてるの?王太子様はローズと結婚するのよ、その為にここに来たんだから」

妙な茶番がいつまで続くのかしら?ちょっと飽きてきたから帰ろうかしら?
会場の出口に向かおうとしたら、ガシっと手首を掴まれた。

見えてたのね、残念

「まさかと思うけど帰ろうなんてしてないよね?この僕を置いて」

ま、まずい!一人称が僕になった、、……。

「も、勿論よ、ハハハハ、…ごめん少し飽きちゃって、…」

「いいよ、後でお仕置きだね、今日からずっと一緒だからね!いいね!」

「……?ええ、」
私の腰をがっちり抱き寄せ首元にキスを落とす、

キャー ざわざわ あちこちで悲鳴?とざわつきが聞こえるけど本人キースはどこ吹く風でお構いなくいちゃついてくる。

「あ、あのそちらの方は?、.!!あなた!なぜ王太子殿下にしがみついてるんです?無礼ですよ離れなさい!」

私に手を伸ばそうとしたところで待機していた護衛に阻まれた.

「このお方はお前が馴れ馴れしく声をかけても触れたりして良いお方ではない!」

「なんですって!あなたこそ無礼では?私はこの国の侯爵令嬢ですよ王太子殿下の婚約者になるんですよ!下がるのはお前です.」

相変わらず空気よまない発言は健在なのね、ふふふ、!!今お尻撫でたわね、キっとキースを睨むと知らん顔されたわ。

「キャスト嬢、彼女は私の婚約者でアイリス=シャナーザ皇女だシャナーザ帝国の皇女だ。この金色の瞳で解らなかったか?この瞳は帝国の皇族の証でもあるのだが、勉強不足の様だな。それと、そこのアリスお前は禁止されている魅了魔法を使った罪で裁かれる。連れて行け!」

「なんで~どうしてよ~クライド~シリル~アシュレイ~ジュミル~助けてよ~」

「兄上…これは…どう言う事ですか?」

「見たままだが、お前に関しては元々の欲に弱く女へのだらしなさが魅了によるのか本来の質なのかはこれから、調べる。
本来、王族の血は魅了魔法にはかからない。魅了にかかったならばそれを意味するのが何かわかるな。この4人も連れて行け!……思い出を作るための卒業パーティーでこのような茶番を起こしたことを皆に詫びる。この後は存分に楽しむがいい。では失礼する」

王族でも失態を招いたときは潔く詫びる、勤勉であり誠実でもある私の婚約者は去り際もカッコイイ。
じゃぁ、私も今度こそ帰りましょうと出口に向かおうとしたが、腰に回された手が外れない。

「まさか!部屋に帰ろうなんて思ってないよね?」

「え?だって帰るって?違うの?」

「違わないけど、今日から、アイリスの部屋は王太子妃の部屋だよ!知ってると思うけど寝室は一つだよ。言っただろ、卒業の後が楽しみだって!ね!それに君も楽しみにしてただろ?絶倫王太子を、楽しそうに笑っていただろ?」

「え?あの時?私もしかして……また口にしてた?」

「うん!だから試してみたいだろ?僕がそう絶倫か。」

妖艶に微笑む美貌の彼にゾクリとした、まるで蜘蛛の巣にかかった蝶になった気分だった。

逃げられない…食われる…

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