16 / 57
十六話 ノランド・ファン・ローベル。アリアサイド
しおりを挟む
◆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◆
アリアサイド。
◆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◆
私とリナリー、ノヴァの三人で屋敷に入った時でした。
笑顔を浮かべた金色の髪をオールバックにしたやせ型の中年男性が出迎えてくれました。
その中年男性というのが私のお父様であるノランド・ファン・ローベルなのです。
お父様は朗らかな笑みを浮かべて、手を広げて近づいていく。
「やぁやぁ、お帰り。アリア」
「あ、ただい帰りました。お父様」
私がにっこりと笑みを浮かべて、お父様に頭を下げて帰宅を告げました。
すると、【ハーネットの指輪】を通してノヴァの声が聞こえてきます。
『誰だ? 気持ち悪い笑顔のオッサンだな』
『ハハ……お父様です』
ノヴァの言葉を聞いて私は心の中で苦笑するしかありませんでした。
ただ、お父様が屋敷にいると思っていませんでした。
今日は休日ではないはずで、しかもまだ昼過ぎなのです。
貴族として役職があるお父様にしてはこんな早くに屋敷に居るのは珍しいです。
そんなことを私が考えていると、お父様は私の隣にいたノヴァに気付いて首を傾げました。
「どこも怪我はない……ん? その猫はなんだい?」
「……あ、はい、この子はノヴァと言います。しばらくの間、この屋敷で飼いたいと思っているのですが、ダメでしょうか? ……もちろん、面倒はすべて私の方でしっかりと見ますので、お許しをいただけないでしょうか?」
お父様の問いかけに私はノヴァを抱きかかえると、ノヴァを家に置く許可をもらうべく軽く頭を下げました
そして、頭を上げて恐る恐るお父様に様子をうかがうと、お父様はニコリと笑って一回頷いていただけました。
「……そうか。アリアが面倒を見るのなら、構わないよ」
「本当ですか。ありがとうございます。お父様。……ふふ、しかし、お父様に出迎えていただけるとは思ってもいませんでした。今日は早いお帰りですね」
「あ、あぁ、そうだね」
私がずっと気になっていたことを問いかけると、お父様はあからさまにばつが悪いと言った表情に……。
ただ、それでもすぐに元の朗らかな笑顔を浮かべました。
「実は……今日、パランラート侯爵と会う約束があったんだ」
「そうでしたか」
「そうなんだよ。パランラート侯爵は大層私の贈り物を気に入ってくれて、私に新しい役職を与えてくれる約束をしてくれたのさ」
「え、しかし、お父様には今現在でも役職があるではないですか。その役職はどうされるのですか?」
お姉様から聞きましたが……。
ローベル家が代々継いでいた役職をやめて、多くの方々に贈り物を送って今の役職を得たのだと。
そして、その贈り物をするために借金し家の財政を傾いたと聞いていました。
……そこまでして手に入れた今の役職を手放すのでしょうか?
私は動揺するのを抑えられませんでした。
ただ、当のお父様の表情は私の問いかけに不機嫌な表情となって、首を横に振りました。
「フン、あれは……もういい、私より若造の指図を聞くなんぞ堪えられん」
「そう……ですか?」
「そんなことより、今回の遠征での教会からのお給金はいくらになるのかな?」
「お給金?」
私はお父様が何のことを言っているのか分からなかったので首を傾げて、聞き返します。
すると、お父様はさらに笑みを深めました。
「あぁ。わざわざ魔法学園を休んでの長期遠征だ。教会から相当な給金が支払われるんだろ?」
「えっと、今回は教会からの依頼というわけではなく、聖獣様との聖約という特別な契約を結び私の治癒魔法の力を向上させるためのものだったので給金は出ないかと」
確かに私は遠征に出掛けました。
ただ、それは今回のノヴァ……聖獣様と【聖約】を結ぶためです。
つまり、この遠征は私のためなのです。
本来、この遠征の旅費を教皇様が出してくれるのもおかしいのだが、教会から給金をもらうのはもっとおかしいのです。
「ほ、本当かい? それは……こ、困ったなぁ。パランラート侯爵にまた贈り物を送ると約束したのに……どうしよう、どうしよう……そうだ、ママに相談しよう」
私から給金が出ないことを告げられると、お父様は頭を抱えながら取り乱されました。そして、ぶつぶつと呟き、去っていったのです。
私は……いや、おそらく私を含めたリナリー、ノヴァの三人はポカンと言った表情で見送るしかできませんでした。
お父様を見送った後、私とリナリー、ノヴァは屋敷の中を私の部屋に向かって歩いていました。
『アイツがアリアの親父か……』
『ハハ……そうです』
後ろから付いてきたノヴァからなんだか呆れたような言葉が聞こえてきました。対して私は苦笑するしかありません。
『アリアの親父さん、役職を手放すのか? ……役職っていうのは簡単に手に入るものなのか?』
『……いえ』
ノヴァの問いかけに私は俯いて言葉を濁します。
ローベル家が代々継いでいた役職をやめたのも、気に食わないことがあったからだと聞いています。
もし、今の役職も同様の理由で辞めたとなると、父親は王宮が管理している貴族のブラックリストに載ってしまうのではないのでしょうか?
コツコツコツ。
私が思い悩んでいると、廊下の前方から複数の足音が聞こえてきました。
「何だ? 出掛けていると聞いていたが、帰っていたのか?」
視線を前に向けると、私の兄にあたるフィリップ・ファン・ローベルがメイドを二人連れだって歩いてきた。
お兄様はゆくゆくお父様が今やっている役職を引き継ぐために騎士見習いの仕事をしています。
ちなみに騎士見習いは寮生活ということで屋敷にで見掛かるのは本当に久しぶりです。
「……はい、ただいま帰りました。お兄様、お久しぶりです」
「あぁ、久しぶり。アリアは魔法学校に通っているんだってな。無理はしないようにな」
「ありがとうございます」
「どうした? 元気無いようだが……何かあったのか?」
お兄様はお父様とそりが合わなく、ことあるごとに言い争いしているので、先ほどお父様が役職をやめると言い出した件について伝えるべきか悩むところなのです。
そもそも、まだお父様は一時的な感情で言っているだけで本当に役職をやめることになるか分からないのです。
もし伝えたら、今日は一日、二人の口喧嘩することになるかも知れません。
お父様は短気なので、口喧嘩の結果……役職をやめることをお父様が本当に決断してしまうかも知れないのです。
しかし……このまま何も伝えなかったとしても……お兄様は私のことを勘ぐってお父様に話を聞きに行ってしまうかもしれません。
んーここは本当のことを言った方がいいのでしょう。
私は一瞬の沈黙のあとに、言いづらさを感じながら口を開きました。
「……えっと、今の役職をやめると話していました」
「な……本当かそれは?」
私の言葉を聞いたお兄様は目を見開いて驚きの声を上げる。
「確かにそうおっしゃっていました」
「何を馬鹿な! すまんな、お父様に話をしてくる!」
声を荒げたお兄様は居てもたっても居られないと言った様子で、おそらくお父様の部屋へ向かって走っていってしまいました。
「はぁ……」
お兄様の後ろ姿を見送ると自然とため息が漏れてしまいました。すると、リナリーに背中をポンと軽く叩きました。
「アリア様、今日はお疲れでしょう。軽い軽食を後でお持ちするのでそれを食べたら、もうお休みした方がいいです」
「そうですね。お願いします。なんだか疲れてしまいました」
◆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◆
アリアサイド。
◆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◆
私とリナリー、ノヴァの三人で屋敷に入った時でした。
笑顔を浮かべた金色の髪をオールバックにしたやせ型の中年男性が出迎えてくれました。
その中年男性というのが私のお父様であるノランド・ファン・ローベルなのです。
お父様は朗らかな笑みを浮かべて、手を広げて近づいていく。
「やぁやぁ、お帰り。アリア」
「あ、ただい帰りました。お父様」
私がにっこりと笑みを浮かべて、お父様に頭を下げて帰宅を告げました。
すると、【ハーネットの指輪】を通してノヴァの声が聞こえてきます。
『誰だ? 気持ち悪い笑顔のオッサンだな』
『ハハ……お父様です』
ノヴァの言葉を聞いて私は心の中で苦笑するしかありませんでした。
ただ、お父様が屋敷にいると思っていませんでした。
今日は休日ではないはずで、しかもまだ昼過ぎなのです。
貴族として役職があるお父様にしてはこんな早くに屋敷に居るのは珍しいです。
そんなことを私が考えていると、お父様は私の隣にいたノヴァに気付いて首を傾げました。
「どこも怪我はない……ん? その猫はなんだい?」
「……あ、はい、この子はノヴァと言います。しばらくの間、この屋敷で飼いたいと思っているのですが、ダメでしょうか? ……もちろん、面倒はすべて私の方でしっかりと見ますので、お許しをいただけないでしょうか?」
お父様の問いかけに私はノヴァを抱きかかえると、ノヴァを家に置く許可をもらうべく軽く頭を下げました
そして、頭を上げて恐る恐るお父様に様子をうかがうと、お父様はニコリと笑って一回頷いていただけました。
「……そうか。アリアが面倒を見るのなら、構わないよ」
「本当ですか。ありがとうございます。お父様。……ふふ、しかし、お父様に出迎えていただけるとは思ってもいませんでした。今日は早いお帰りですね」
「あ、あぁ、そうだね」
私がずっと気になっていたことを問いかけると、お父様はあからさまにばつが悪いと言った表情に……。
ただ、それでもすぐに元の朗らかな笑顔を浮かべました。
「実は……今日、パランラート侯爵と会う約束があったんだ」
「そうでしたか」
「そうなんだよ。パランラート侯爵は大層私の贈り物を気に入ってくれて、私に新しい役職を与えてくれる約束をしてくれたのさ」
「え、しかし、お父様には今現在でも役職があるではないですか。その役職はどうされるのですか?」
お姉様から聞きましたが……。
ローベル家が代々継いでいた役職をやめて、多くの方々に贈り物を送って今の役職を得たのだと。
そして、その贈り物をするために借金し家の財政を傾いたと聞いていました。
……そこまでして手に入れた今の役職を手放すのでしょうか?
私は動揺するのを抑えられませんでした。
ただ、当のお父様の表情は私の問いかけに不機嫌な表情となって、首を横に振りました。
「フン、あれは……もういい、私より若造の指図を聞くなんぞ堪えられん」
「そう……ですか?」
「そんなことより、今回の遠征での教会からのお給金はいくらになるのかな?」
「お給金?」
私はお父様が何のことを言っているのか分からなかったので首を傾げて、聞き返します。
すると、お父様はさらに笑みを深めました。
「あぁ。わざわざ魔法学園を休んでの長期遠征だ。教会から相当な給金が支払われるんだろ?」
「えっと、今回は教会からの依頼というわけではなく、聖獣様との聖約という特別な契約を結び私の治癒魔法の力を向上させるためのものだったので給金は出ないかと」
確かに私は遠征に出掛けました。
ただ、それは今回のノヴァ……聖獣様と【聖約】を結ぶためです。
つまり、この遠征は私のためなのです。
本来、この遠征の旅費を教皇様が出してくれるのもおかしいのだが、教会から給金をもらうのはもっとおかしいのです。
「ほ、本当かい? それは……こ、困ったなぁ。パランラート侯爵にまた贈り物を送ると約束したのに……どうしよう、どうしよう……そうだ、ママに相談しよう」
私から給金が出ないことを告げられると、お父様は頭を抱えながら取り乱されました。そして、ぶつぶつと呟き、去っていったのです。
私は……いや、おそらく私を含めたリナリー、ノヴァの三人はポカンと言った表情で見送るしかできませんでした。
お父様を見送った後、私とリナリー、ノヴァは屋敷の中を私の部屋に向かって歩いていました。
『アイツがアリアの親父か……』
『ハハ……そうです』
後ろから付いてきたノヴァからなんだか呆れたような言葉が聞こえてきました。対して私は苦笑するしかありません。
『アリアの親父さん、役職を手放すのか? ……役職っていうのは簡単に手に入るものなのか?』
『……いえ』
ノヴァの問いかけに私は俯いて言葉を濁します。
ローベル家が代々継いでいた役職をやめたのも、気に食わないことがあったからだと聞いています。
もし、今の役職も同様の理由で辞めたとなると、父親は王宮が管理している貴族のブラックリストに載ってしまうのではないのでしょうか?
コツコツコツ。
私が思い悩んでいると、廊下の前方から複数の足音が聞こえてきました。
「何だ? 出掛けていると聞いていたが、帰っていたのか?」
視線を前に向けると、私の兄にあたるフィリップ・ファン・ローベルがメイドを二人連れだって歩いてきた。
お兄様はゆくゆくお父様が今やっている役職を引き継ぐために騎士見習いの仕事をしています。
ちなみに騎士見習いは寮生活ということで屋敷にで見掛かるのは本当に久しぶりです。
「……はい、ただいま帰りました。お兄様、お久しぶりです」
「あぁ、久しぶり。アリアは魔法学校に通っているんだってな。無理はしないようにな」
「ありがとうございます」
「どうした? 元気無いようだが……何かあったのか?」
お兄様はお父様とそりが合わなく、ことあるごとに言い争いしているので、先ほどお父様が役職をやめると言い出した件について伝えるべきか悩むところなのです。
そもそも、まだお父様は一時的な感情で言っているだけで本当に役職をやめることになるか分からないのです。
もし伝えたら、今日は一日、二人の口喧嘩することになるかも知れません。
お父様は短気なので、口喧嘩の結果……役職をやめることをお父様が本当に決断してしまうかも知れないのです。
しかし……このまま何も伝えなかったとしても……お兄様は私のことを勘ぐってお父様に話を聞きに行ってしまうかもしれません。
んーここは本当のことを言った方がいいのでしょう。
私は一瞬の沈黙のあとに、言いづらさを感じながら口を開きました。
「……えっと、今の役職をやめると話していました」
「な……本当かそれは?」
私の言葉を聞いたお兄様は目を見開いて驚きの声を上げる。
「確かにそうおっしゃっていました」
「何を馬鹿な! すまんな、お父様に話をしてくる!」
声を荒げたお兄様は居てもたっても居られないと言った様子で、おそらくお父様の部屋へ向かって走っていってしまいました。
「はぁ……」
お兄様の後ろ姿を見送ると自然とため息が漏れてしまいました。すると、リナリーに背中をポンと軽く叩きました。
「アリア様、今日はお疲れでしょう。軽い軽食を後でお持ちするのでそれを食べたら、もうお休みした方がいいです」
「そうですね。お願いします。なんだか疲れてしまいました」
◆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◆
0
お気に入りに追加
290
あなたにおすすめの小説
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
残滓と呼ばれたウィザード、絶望の底で大覚醒! 僕を虐げてくれたみんなのおかげだよ(ニヤリ)
SHO
ファンタジー
15歳になり、女神からの神託の儀で魔法使い(ウィザード)のジョブを授かった少年ショーンは、幼馴染で剣闘士(ソードファイター)のジョブを授かったデライラと共に、冒険者になるべく街に出た。
しかし、着々と実績を上げていくデライラとは正反対に、ショーンはまともに魔法を発動する事すら出来ない。
相棒のデライラからは愛想を尽かされ、他の冒険者たちからも孤立していくショーンのたった一つの心の拠り所は、森で助けた黒ウサギのノワールだった。
そんなある日、ショーンに悲劇が襲い掛かる。しかしその悲劇が、彼の人生を一変させた。
無双あり、ザマァあり、復讐あり、もふもふありの大冒険、いざ開幕!
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
今さら帰ってこいなんて言われても。~森に移住した追放聖女は快適で優雅に暮らす~
ケンノジ
ファンタジー
「もうお前は要らない女だ!」
聖女として国に奉仕し続けてきたシルヴィは、第一王子ヴィンセントに婚約破棄と国外追放を言い渡される。
その理由は、シルヴィより強い力を持つ公爵家のご令嬢が現れたからだという。
ヴィンセントは態度を一変させシルヴィを蔑んだ。
王子で婚約者だから、と態度も物言いも目に余るすべてに耐えてきたが、シルヴィは我慢の限界に達した。
「では、そう仰るならそう致しましょう」
だが、真の聖女不在の国に一大事が起きるとは誰も知るよしもなかった……。
言われた通り国外に追放されたシルヴィは、聖女の力を駆使し、
森の奥で出会った魔物や動物たちと静かで快適な移住生活を送りはじめる。
これは虐げられた聖女が移住先の森の奥で楽しく幸せな生活を送る物語。
不幸な少女の”日常”探し
榊原ひなた
ファンタジー
夜の暗闇の中、弱々しく歩く少女の姿があった。
03:31という時間なので車や人が通らず、街灯もない道を歩く少女の姿を見る者はいない。
もしその少女の姿を見たら思わず目を背けてしまうだろう。裸足で…異様なほど痩せていて…痛々しい痣や傷を全身に作り、服はだらしなく伸びきっており…肩口が破け…髪はボサボサで…。
だが…その少女は虚ろな目をしながら微かに笑っていた。
………
……
…
これは…不幸な少女の”日常”を探す物語。
_________________________
*一話毎文字数少ないです。
*多分R18じゃないはずです、でも一応そういった事も書いてあります。
*初めて書く小説なので文章力や表現力が無く、所々間違っているかも知れません。
*伝わらない表現があるかも知れません。
*それでも読んで頂けたら嬉しいです。
*本編完結済みです。
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。
異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。
そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。
異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。
龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。
現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定
完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-
ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。
断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。
彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。
通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。
お惣菜お安いですよ?いかがです?
物語はまったり、のんびりと進みます。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったため、異世界でふわふわパンを焼こうと思います!
伊桜らな
ファンタジー
家業パン屋さんで働くメルは、パンが大好き。
いきなり聖女召喚の儀やらで異世界に呼ばれちゃったのに「いらない」と言われて追い出されてしまう。どうすればいいか分からなかったとき、公爵家当主に拾われ公爵家にお世話になる。
衣食住は確保できたって思ったのに、パンが美味しくないしめちゃくちゃ硬い!!
パン好きなメルは、厨房を使いふわふわパン作りを始める。
*表紙画は月兎なつめ様に描いて頂きました。*
ー(*)のマークはRシーンがあります。ー
少しだけ展開を変えました。申し訳ありません。
ホットランキング 1位(2021.10.17)
ファンタジーランキング1位(2021.10.17)
小説ランキング 1位(2021.10.17)
ありがとうございます。読んでくださる皆様に感謝です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる