悪者の定義

桜樹璃音

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1.始まりの音

Prologue

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 私は、貴方を待っている。
 無責任に愛して愛された、貴方のことを。

 ただ好きだった。
 それだけだった。


 感情に溺れて沈んだ私たちは、身の程知らずの餓鬼だった。


 私たちだけの優しい世界は、虚偽と欺瞞の偽物だった。


 そんな時空は、薄すぎて脆すぎて、砕けて壊れて散ってしまった。


 さぁ、喜怒哀楽を抱えたその手で、モノクロの世界に、鮮やかな終焉を。



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