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私、死にたくない……

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…………

……

「……おい!聞こえてんだろ!?開けろ!」
それと同時にパリンとガラスが割れるような音が何度も聞こえてくる。

「うぜぇ、何重にしてんだよ、この壁……」

でも、そんな状況に目をやる気も起きない。


私は、学園長の話を聞いた後、すぐに自分の部屋まで飛んで来た。
そんな私を追って来たディオンから逃げるように、私はこの部屋を取り囲む光る防御壁を何重にも張り巡らせた。


「……あっち行って……」
ベットの上で小さくお山座りし、ひざに顔をうずめる。
ラブは、そんな私の横で目をうるまませて私に寄り添っている。

「またそうやって引きこもるのかよ。今度はキノコじゃなくてコケでも作る気か?」
その言葉に、バッと顔を上げた。
こんな非常事態だというのに、鼻で笑られた事に腹が立ってディオンにらむ。

ディオンは大魔法使いで無敵だから、1か月後には自分が死んでしまっているかもしれないという、この不安や恐怖なんて分からない。
だからそんな事が言えるんだ!

「作るわけないでしょ!私の気持ちなんて分からないクセに!あっち行ってよ!」

「またそれかよ。俺はお前じゃねぇからお前の気持ちなんて分かるわけねぇだろ」
その言葉にさらにイラつく。

「俺は戦争も出た事もねぇし、命じられた事もない。……でも、それだとお前のそばにいちゃいけねぇのかよ」
そう言われて分からなくなる。

「あと、前から思ってたんだけど、お前いつも俺の事を勝手に決め付けるよな。お前は俺の何を知ってんだよ」
その言葉に、とても悲しくなった。
本当の事なのに、まるで私との間に線引きされたように感じたから。


「そ……そうだよ……。私はディオンの事なんて何も知らないっ!」
本当は、すごく知りたいのに……。

「なんで大魔法使いという事を隠してるのかも、どんな風にして生きて来たのかも、普段は何してるのかとかも……知りたいのに一切教えてくれないのはディオンじゃん!!」

こんなに一緒に居るのに、ディオンの私生活はいまだにオブラートに包まれたままだ。
私だって人の事なんて言える状況じゃないのに、それがやっぱり凄く淋しい。


「……まさかお前……」
目を大きくしたディオンは、次にとんでもない事を口にした。


「俺の事好きなのか?」

その言葉に、カチンと体が固まってしまう。

「……へ?」
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