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手紙の謎
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しおりを挟む「……あれ?」
年配の男性のような声に、ディオンは体を壁の方に向けたまま、本を片手に首だけ振り返った。
「カミヅキ様でしたか」
「なんだ?」
「カミヅキ様が資料室にいらっしゃるなんて、珍しいですね」
「居たらいけないのか?」
「いえいえ、とんでもございません。ただ、近くを通りかかった時に資料室の方から声が聞こえましたので、確認に来ただけです」
まるで女生徒みたいに声が高かったような気がしたのですが、聞き間違いだったようです、と続けた。
「そうか」
「お調べ物でございますか?」
「ああ、ちょっと生徒から難しい質問が来てな。度忘れしたから調べてたんだ」
「へぇ。大魔法使い様でも分からない事などあるのですね」
………………へ?
今、大魔法使い様って……言った?
目を白黒させて、コートの中からゆっくりとディオンの顔を見上げる。
「では大魔法使い様、私はそろそろ失礼致しますね。今日は学園長が終日不在ですので、教頭の私が最高責任者になっておりまして……」
また言った!大魔法使い様って!
ど、どういう事!?
「そうか」
「お調べ中の所失礼いたしました。ではごゆっくり」
少し経った頃、やっと扉が閉まる音が部屋に響いた。
その時を待っていた私は、すぐにディオンに掴みかかる。
「ちょっと!」
「んだよ。引っ張るな、伸びるだろ」
そして、部屋の外に漏れないくらいの小さな声で聞いた。
「ディオンは、まさか…………大魔法使いなの?」
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