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手紙の謎
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平均年齢7~9歳のFクラスと違って、Dクラスは年齢層バラバラだけど10代が多い。だからその分、色恋も多いのかもしれない。
アランがあまりにも普通に接して来るから、つい忘れがちになるけど、アランはまだ、私の事を想ってたりするんだろうか?
『俺……こんな気持ち初めてなんや。まだ出会ったばっかやけど、シエルちゃんが好きや。俺と付き合ってほしい』
って出会ったばかりの頃に言われたけど……
その時の台詞を思い出して恥ずかしくなっていると、アランとハイタッチを終えた女子達が、私に睨みを利かせてくる。
ああ。私、このクラスで上手くやってけるのかな……。不安しかない。
その時、心を落ち着かそうと、服越しにネックレスの石を触ろうとした。
でもスカスカと服の布を掴んだだけで、何も掴めない。
不思議な気持ちになった私は、すぐにこの前の出来事を思い出す。
……あっ。そうだった。今無かったんだった。
つい、いつもの癖で……
…………
……
半身だけ夕日に染まるディオンは、ネックレスを手にして言った。
『これは俺が持ってるから』
『どうして?』
『分かるだろ。これに魔力制御する闇魔法がかけられてんだぞ』
『そう……だよね……』
取り上げるには十分すぎる理由だけど、頭では納得しようとしてもできない。
『それに……今のお前は、これが無い方がいいんじゃねぇか?』
と私の心を見透かすような目が向く。
ネックレスに関して、戸惑いがあった私は、その言葉に何も返せなかった。
…………
……
ずっとここにあったネックレス。
無いと凄く淋しい。
でも、あったらあったで悲しかったはず……。
最初っからあのネックレスを付けて無かったら、今頃わたしは卒業間近とかだったんだろうかとか?そんなたらればを、何度も考えてしまう。
こんな事なら、言いつけなんて守らずに、早いうちに外しておけばよかった。
そしたら、早くあのネックレスの効力に気付けていたのに。
でも……、そんな事したら両親が捕まる可能性があったのかもしれない。
だって、あのネックレスは禁忌魔法で作った闇魔法の魔道具なんだから。
それに意外な事に、本当の私の魔力はかなり多いようで、ディオンでも魔力の暴走を完全に抑えきれなかったそうだ。
そう考えると、ディオンの居ない時にネックレスを外していたら、暴走で死んでいた可能性もあるのかもしれない。
そんな事を考えていると、魔法訓練場の大きなドアが開いて学園の雑務係の制服を着た人が入って来た。
その瞬間、強い風が一気に吹き込む。
雑務係の人はめくり上がりそうなスカートを片手で押さえ、もう片手で大事そうに紙の束を持っている。
しかし、突風が彼女の持つ紙を天井に向かって舞い上がらせた。
「ああー!」
と雑務係が叫び、紙が散乱する中、数枚がクラスイトの出した火の玉に当たった。
その一枚の紙が風に乗って私の足元に落ちる。
さすが、大型台風が接近中なだけあるな、と思いながら、真っ黒焦げではないが、ほんのり茶色っぽく焦げた紙をそっと持ち上げる。
その時、ふと目に入って来たその焦げた跡が、何かの模様に見えるような気がした。
過去にこんな光景をどこかで見た気がして、勝手に過去の記憶の中からあら捜しを始める。
すると、「ありがとうございます」という声が聞こえて紙から視線を上げた。
目の前には手を差し出す雑務係がいる。
「あーあ、焦げちゃいましたね」
「……そうですね」
なんだっけ。
せっかく今、一瞬思い出しかけたのに、と思ってプリントを差し出すと――
『シエル。面白い事をしてあげる』
アランがあまりにも普通に接して来るから、つい忘れがちになるけど、アランはまだ、私の事を想ってたりするんだろうか?
『俺……こんな気持ち初めてなんや。まだ出会ったばっかやけど、シエルちゃんが好きや。俺と付き合ってほしい』
って出会ったばかりの頃に言われたけど……
その時の台詞を思い出して恥ずかしくなっていると、アランとハイタッチを終えた女子達が、私に睨みを利かせてくる。
ああ。私、このクラスで上手くやってけるのかな……。不安しかない。
その時、心を落ち着かそうと、服越しにネックレスの石を触ろうとした。
でもスカスカと服の布を掴んだだけで、何も掴めない。
不思議な気持ちになった私は、すぐにこの前の出来事を思い出す。
……あっ。そうだった。今無かったんだった。
つい、いつもの癖で……
…………
……
半身だけ夕日に染まるディオンは、ネックレスを手にして言った。
『これは俺が持ってるから』
『どうして?』
『分かるだろ。これに魔力制御する闇魔法がかけられてんだぞ』
『そう……だよね……』
取り上げるには十分すぎる理由だけど、頭では納得しようとしてもできない。
『それに……今のお前は、これが無い方がいいんじゃねぇか?』
と私の心を見透かすような目が向く。
ネックレスに関して、戸惑いがあった私は、その言葉に何も返せなかった。
…………
……
ずっとここにあったネックレス。
無いと凄く淋しい。
でも、あったらあったで悲しかったはず……。
最初っからあのネックレスを付けて無かったら、今頃わたしは卒業間近とかだったんだろうかとか?そんなたらればを、何度も考えてしまう。
こんな事なら、言いつけなんて守らずに、早いうちに外しておけばよかった。
そしたら、早くあのネックレスの効力に気付けていたのに。
でも……、そんな事したら両親が捕まる可能性があったのかもしれない。
だって、あのネックレスは禁忌魔法で作った闇魔法の魔道具なんだから。
それに意外な事に、本当の私の魔力はかなり多いようで、ディオンでも魔力の暴走を完全に抑えきれなかったそうだ。
そう考えると、ディオンの居ない時にネックレスを外していたら、暴走で死んでいた可能性もあるのかもしれない。
そんな事を考えていると、魔法訓練場の大きなドアが開いて学園の雑務係の制服を着た人が入って来た。
その瞬間、強い風が一気に吹き込む。
雑務係の人はめくり上がりそうなスカートを片手で押さえ、もう片手で大事そうに紙の束を持っている。
しかし、突風が彼女の持つ紙を天井に向かって舞い上がらせた。
「ああー!」
と雑務係が叫び、紙が散乱する中、数枚がクラスイトの出した火の玉に当たった。
その一枚の紙が風に乗って私の足元に落ちる。
さすが、大型台風が接近中なだけあるな、と思いながら、真っ黒焦げではないが、ほんのり茶色っぽく焦げた紙をそっと持ち上げる。
その時、ふと目に入って来たその焦げた跡が、何かの模様に見えるような気がした。
過去にこんな光景をどこかで見た気がして、勝手に過去の記憶の中からあら捜しを始める。
すると、「ありがとうございます」という声が聞こえて紙から視線を上げた。
目の前には手を差し出す雑務係がいる。
「あーあ、焦げちゃいましたね」
「……そうですね」
なんだっけ。
せっかく今、一瞬思い出しかけたのに、と思ってプリントを差し出すと――
『シエル。面白い事をしてあげる』
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