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進級試験前
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「え?親?」
「……うん」
「へぇ、凄げぇな。その年までバレねぇとか。衣類さえもこの学園には持ち入れないのに」
ディオンは目を丸くして驚く。
「そうらしいんだけど……入園検査の時、タンクトップの中に入ってたから気付かれなかったみたいなの。私も、どうせすぐに気付かれて取り上げられるんだと思ってたんだけど」
「ふぅん。確か……5歳以上の女子は、全部剥いてまでして入園検査しねぇんだったな。まさか、下着姿の中に私物を隠す幼児がいるなんて思ってもなかったんだろうな……」
「うん……。そうみたい」
その時、突然ディオンが思いっきり溜め息をついて額に手を当てた。
「どうしたの?」
「そのネックレス貸せ」
ディオンが手のひらを天井に向けて差し出した。その仕草に、心の奥底で小さな焦りが湧いた。
「え?……なんで?」
「いいから」
「いいからって……嫌だよっ!まさか、私から取り上げる気なの!?このネックレスが可愛いからって……」
そう言って、ネックレスを取られまいと背を向けた。
「んなわけねぇだろ!俺はそんな趣味ねぇよ!」
「じゃあどうして?理由を言ってよ。まさか講師権限とかで没収する気!?」
「しねぇよ」
「じゃあ何よ」
「るせぇな。多分だけど……それは普通のネックレスじゃねぇんだよ。調べてやるから貸せ」
「普通じゃないよ!だって両親がくれた大切なお守りなんだから」
「ちげーよ!そういう事言ってんじゃねぇだろっ!馬鹿が!」
「バッ……っ!!そんなんじゃ絶対に渡せない。ちゃんと分かるように説明してよ」
片方だけ立膝をしたディオンは、「あークソッ!」と苛立つように言って、前髪をクシャっと掴んだ。
「あー、もう知んねぇからな」
舌打ちをするディオンは口を薄く開いた。
「正直、お前に言っていいのか分かんねぇけど……」
ディオンのその言い方に、体に小さな緊張が走った。
「ど……どういう事?」
ディオンはすっと私のネックレスを指さし言った。
「それ、ただのお守りにしちゃ、確実に変なんだよ」
「……変……、って?」
「……うん」
「へぇ、凄げぇな。その年までバレねぇとか。衣類さえもこの学園には持ち入れないのに」
ディオンは目を丸くして驚く。
「そうらしいんだけど……入園検査の時、タンクトップの中に入ってたから気付かれなかったみたいなの。私も、どうせすぐに気付かれて取り上げられるんだと思ってたんだけど」
「ふぅん。確か……5歳以上の女子は、全部剥いてまでして入園検査しねぇんだったな。まさか、下着姿の中に私物を隠す幼児がいるなんて思ってもなかったんだろうな……」
「うん……。そうみたい」
その時、突然ディオンが思いっきり溜め息をついて額に手を当てた。
「どうしたの?」
「そのネックレス貸せ」
ディオンが手のひらを天井に向けて差し出した。その仕草に、心の奥底で小さな焦りが湧いた。
「え?……なんで?」
「いいから」
「いいからって……嫌だよっ!まさか、私から取り上げる気なの!?このネックレスが可愛いからって……」
そう言って、ネックレスを取られまいと背を向けた。
「んなわけねぇだろ!俺はそんな趣味ねぇよ!」
「じゃあどうして?理由を言ってよ。まさか講師権限とかで没収する気!?」
「しねぇよ」
「じゃあ何よ」
「るせぇな。多分だけど……それは普通のネックレスじゃねぇんだよ。調べてやるから貸せ」
「普通じゃないよ!だって両親がくれた大切なお守りなんだから」
「ちげーよ!そういう事言ってんじゃねぇだろっ!馬鹿が!」
「バッ……っ!!そんなんじゃ絶対に渡せない。ちゃんと分かるように説明してよ」
片方だけ立膝をしたディオンは、「あークソッ!」と苛立つように言って、前髪をクシャっと掴んだ。
「あー、もう知んねぇからな」
舌打ちをするディオンは口を薄く開いた。
「正直、お前に言っていいのか分かんねぇけど……」
ディオンのその言い方に、体に小さな緊張が走った。
「ど……どういう事?」
ディオンはすっと私のネックレスを指さし言った。
「それ、ただのお守りにしちゃ、確実に変なんだよ」
「……変……、って?」
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