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魔法会
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しおりを挟むすると吹き抜けのような天井から光が射す、教室3つ分くらいはある部屋が現れた。
こちらに向いている本棚は、半円に並んでいる。
その本棚は3段の棚段になっているようで、ここから見ると、本棚の上に一回り小さくなった本棚が上に乗っているようにも見えた。
書庫ってくらいだから、もっと小さな部屋を想像していたけど……
思ったより広いし、とても綺麗だ。
「突っ立ってないで入れよ」
とドンと背を押されてハッとする。
「あ……うん」
ヤバい、なんか緊張して来た。
右手と右足を同時に出して部屋に足を踏み入れていくと、自分の手や足に色とりどりの光が落ちている事に気付いて立ち止まった。
光の元を辿るように見上げると、天井にある大きな大きなステンドグラスに当たった。
天井の半分くらいはステンドグラスになっていて、そこから射し入る陽の光は言葉に出来ないほどに綺麗で、思わずため息が漏れてしまう。
「う……わぁ……」
こんなの、初めて見た。
「綺麗……」
「ん?そうか?あんなの、色のついたガラスを繋ぎ合わせてるだけだろ」
あぁ、こいつにはこの綺麗さが分からないんだ。
「なんだよ、その哀れみの目は。殺すぞ」
「すみませんね」
「お前……」
……って、しまった!こうしちゃいられない!
2時間半くらいしか時間がないのに!
その事を思い出して、すぐに木目の床を駆けて本棚に向かう。
すると、本棚の横にジャンル名が分かりやすく分類されているのが目に入った。
よかった。これなら早く見つかるはず、と思ったけれど――
結局1段目にも2段目にも私が探しているようなジャンルは無く、なんと残るは3段目だけになった。
心に不安が広がっていく。
もし3段目にもなかったら、どうしよう、って。
その事に眉をひそめていると、背後から声を掛けられる。
「おい、さっきから何も読まずに何してんだ」
探す事に真剣だった私は、驚き小さく飛び跳ねる。
「わっ!ビッ、ビックリした!」
「お前ビックリしすぎだろ」
ドドドと音を立てる胸に手を当てる私に、ディオンは続ける。
「で?読みてぇもの、まだ見つかんねぇのか?」
「うん、まだ」
「なんだ。せっかく連れて来てやったのに、読みてぇのが無ねぇのなら戻るぞ」
「えっ、違!そんなんじゃないよ。ただ、探している本がどこにあるのか分からないだけだから」
「は?お前、本見つけんのにどんなだけ時間かかってんだよ」
「え?……そんな経ってる?」
「ああ、もう30分は経ってんぞ」
返した親指で差された壁にある時計の針を見て、声にならない悲鳴が出る。
「ど……どうしよう……」
近いジャンルの本は中まで目を通していたから……
「しゃーねぇ。探すの手伝ってやるから、どんなのを探してるか言え」
「え!?あっ……。そ、それは……」
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