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一瞬の再会-東十条彰Side-
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どん臭くて、バカなのに頑張り屋で、ヘコ垂れる事を知らない遥。
悲しむ顔も、困った顔も、俺がさせたものならいいんだと思っていた。
本当はそんな事に違和感を感じていたのに。
でも、この長年連れ添ったよく分からない気持ちの正体が理解出来なくて、考えることを諦めて蓋をしていた。
……でも、やっと分かった気がする。
本当は悲しませたり困らせたりなんて、したく無かったんだ。
ただ、俺はその方法でしか遥をこっちに向かせる方法を知らなかっただけで、悲しませる事が目的ではなかった。
俺は、
遥を幸せにしたかったんだ。
遥を守りたい。誰からも傷付けられる事のないように。
そして遥を笑顔にしてやりたい。
もし笑えないような壁にぶち当たったら、一緒に乗り越えたい。
それでも駄目なら、せめて俺の前だけで涙してほしい。
俺だけを見てほしい。
遥の傍にいるのは、他の誰でもない
俺であって欲しい。
あぁ、俺
……ずっと昔から
遥の事が好きだったんだ。
…………
……
俺の目にはボヤけた白っぽい天井が映る。
暫くすると薬品の匂いが漂って来た。
よく分からなくて起き上がろうとすると、何故か力が全然入らなくて、酷く重い体に驚く。
……なんだこれ。
じわじわとピントがハッキリしてくると、この天井は見たことの無い天井だと分かってくる。
どこだ、ここ……。
朧げな思考で目だけでこの場所を知ろうとすると、微かに遥の声が聞こえた。
「は、るか……?」
自分の声は、思っていたより随分と掠れていて驚く。
直後バタバタっと慌てた足音が近付いて来て、俺の視界には泣きそうな顔をした遥が占めた。
「彰!気がついたの!?」
なんの事だか分からないけど、俺を見た途端にボロボロと涙を零すから、自然と遥の頭に手が向く。
でも、その手は重りでもついてるのかと思うくらいに酷く重く、上手く上がらない。
「ふっ、ブサイクな顔……」
「酷い……あっ、今お医者さん呼んでくるね」
医者……?
あぁ、そういえば俺事故ったんだっけ。
それで……
「……待て」
俺から離れようする遥を引き止めようとしたのに、全身の動きが鈍く、腕を掴み損ねる。
何?
みたいな顔で振り返る遥を見て、決心した。
ここが病室だったとしても、どうでもいい。
伝えたい。
きっと、今しかこんなクソ恥ずかしい気持ち、言えない気がするから。
言うなら、今しかない。
「遥」
「どう……したの?」
悲しむ顔も、困った顔も、俺がさせたものならいいんだと思っていた。
本当はそんな事に違和感を感じていたのに。
でも、この長年連れ添ったよく分からない気持ちの正体が理解出来なくて、考えることを諦めて蓋をしていた。
……でも、やっと分かった気がする。
本当は悲しませたり困らせたりなんて、したく無かったんだ。
ただ、俺はその方法でしか遥をこっちに向かせる方法を知らなかっただけで、悲しませる事が目的ではなかった。
俺は、
遥を幸せにしたかったんだ。
遥を守りたい。誰からも傷付けられる事のないように。
そして遥を笑顔にしてやりたい。
もし笑えないような壁にぶち当たったら、一緒に乗り越えたい。
それでも駄目なら、せめて俺の前だけで涙してほしい。
俺だけを見てほしい。
遥の傍にいるのは、他の誰でもない
俺であって欲しい。
あぁ、俺
……ずっと昔から
遥の事が好きだったんだ。
…………
……
俺の目にはボヤけた白っぽい天井が映る。
暫くすると薬品の匂いが漂って来た。
よく分からなくて起き上がろうとすると、何故か力が全然入らなくて、酷く重い体に驚く。
……なんだこれ。
じわじわとピントがハッキリしてくると、この天井は見たことの無い天井だと分かってくる。
どこだ、ここ……。
朧げな思考で目だけでこの場所を知ろうとすると、微かに遥の声が聞こえた。
「は、るか……?」
自分の声は、思っていたより随分と掠れていて驚く。
直後バタバタっと慌てた足音が近付いて来て、俺の視界には泣きそうな顔をした遥が占めた。
「彰!気がついたの!?」
なんの事だか分からないけど、俺を見た途端にボロボロと涙を零すから、自然と遥の頭に手が向く。
でも、その手は重りでもついてるのかと思うくらいに酷く重く、上手く上がらない。
「ふっ、ブサイクな顔……」
「酷い……あっ、今お医者さん呼んでくるね」
医者……?
あぁ、そういえば俺事故ったんだっけ。
それで……
「……待て」
俺から離れようする遥を引き止めようとしたのに、全身の動きが鈍く、腕を掴み損ねる。
何?
みたいな顔で振り返る遥を見て、決心した。
ここが病室だったとしても、どうでもいい。
伝えたい。
きっと、今しかこんなクソ恥ずかしい気持ち、言えない気がするから。
言うなら、今しかない。
「遥」
「どう……したの?」
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