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第三話 スライムと会話とステータス
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「あ!佐藤さんレベルアップしてますね!
ゴブリンと戦い終え落ち着きを取り戻し一息ついた頃何やら空中で手を動かしているユイがそう言った。
「キュピピ?(レベルアップ?)」
「えっへん!レベルアップっていうのはですね、人にテイムされたモンスターが持てる特殊な能力のことです。他のモンスターを倒すことで強くなれるんですよー!」
「キュピー(へえー)」
「そしてなんと!ここからがミソなんですが、レベルアップしたモンスターはスキルをゲットできちゃうのです!まあものは試しです。一つ今回ゲットしたポイントを使ってスキルをとってみましょう。うーんと、じゃあこれとこれ!」
ユイは顔に興奮した笑みを浮かべて僕に彼女特徴付けるその活発そうな瞳を向ける。
「どうです?佐藤さんなにか変わりました!?」
「特に変わりはないけど...?」
!?
「ウフフ!気づきましたか、佐藤さん!」
「あ、あー本日は晴天なり」
僕しゃべれてる!?
彼女は僕のその驚いた様子が大層満足したようだ。なんのことはない彼女のさっきの興奮した表情は僕にドッキリを仕掛けたことによるものだったのだ。
「これでわたしと佐藤さんはもっと仲良く慣れますね」
なぜか彼女は頬に手を当てうっとりとした表情で僕に語りかけてくる。彼女の頭の中はどうなっているのだろうか、ちょっとだけ興味があるがやっぱりかなり知りたくない。
ユイはハッとした表情を浮かべ、再び話し始める
「実はもう一つスキルをとってあります。佐藤さん、【ステータスオープン】と唱えてみてください」
「【ステータスオープン】」
目の前に僕のものと思しきステータスが表示された。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
レベル:2 種族:スライム 状態:通常
スキル:【人語Lv1(+Lv2)】【ステータス表示Lv1(+Lv2)】【スキル能力向上Lv?[ユニーク][シークレット]】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
と表示されている。
「ステータスには【人語Lv1】と【ステータス表示Lv1】と表示されていると思います」
ユイはかけてもいないメガネをクイっとあげるような仕草をして解説をする。そして続けて話し始める。
「そして横に書いてあるLvがどんどん上がっていくともっと色々なことができるようになります。人語のレベルが上がるともっと流暢に話せたり、ステーラス表示のレベルが上がるとステータスについてもっと色々なことがわかるようになります」
って昔読んだ本に書いてありました、と目をそらしながらユイは締めくくった。
当然のごとく僕は疑問に思ったことを質問する。
「もう一つある【スキル能力向上】っていうのはなんなの?」
ユイは少し不思議そうな表情をしながら首をかしげる。
「佐藤さん、なんの話をしているんですか?」
なんで?会話が噛み合ってない。
「...うーん、じゃあ持ってるスキルについてもっと詳しく知るにはどうしたらいいの?」
「ああ、それならステータスに表示されているスキルをタッチしてみてください。でもがっかりさせるようで申し訳ないんですがいまの佐藤さんにはほとんど情報は表示されないと思いますよ、まだ、ステータス表示のレベルが低いので」
僕はユイに言われた通りステータスのスキル能力アップという箇所をタッチしてみる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【スキル能力向上】
ユニークスキル。シークレットスキル。世界の超常的存在からの贈り物。全てのスキルレベルが向上する。
追伸:謙虚な転生者さんへプレゼントです。そうしても不要な場合は破棄することもできますがしばらくは所持したままでいることをお勧めします。天使より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ははあ、そういうことか。転生関連でもらったスキルだったのか。これには感謝しないと。正直、ユイから逃げ出すにしろ、しばらく様子を伺うにしろ、能力はあったほうが都合がいい。もちろん夢のスローライフのためにもね。
「どうです?多分ほとんど何もわからなかったでしょう?」
「うん、そうだね。全くわからなかったよ」
当然だが嘘をつく。能ある鷹は爪を隠すのだ。今この能力を彼女に知られてしまえばいざ逃げ出すとなったとき不利になるかもしれないのだから。
無垢な表情で見つめてくるユイに少しだけ罪悪感を覚えながら僕は頭の中でそんなことを考えるのだった。
ゴブリンと戦い終え落ち着きを取り戻し一息ついた頃何やら空中で手を動かしているユイがそう言った。
「キュピピ?(レベルアップ?)」
「えっへん!レベルアップっていうのはですね、人にテイムされたモンスターが持てる特殊な能力のことです。他のモンスターを倒すことで強くなれるんですよー!」
「キュピー(へえー)」
「そしてなんと!ここからがミソなんですが、レベルアップしたモンスターはスキルをゲットできちゃうのです!まあものは試しです。一つ今回ゲットしたポイントを使ってスキルをとってみましょう。うーんと、じゃあこれとこれ!」
ユイは顔に興奮した笑みを浮かべて僕に彼女特徴付けるその活発そうな瞳を向ける。
「どうです?佐藤さんなにか変わりました!?」
「特に変わりはないけど...?」
!?
「ウフフ!気づきましたか、佐藤さん!」
「あ、あー本日は晴天なり」
僕しゃべれてる!?
彼女は僕のその驚いた様子が大層満足したようだ。なんのことはない彼女のさっきの興奮した表情は僕にドッキリを仕掛けたことによるものだったのだ。
「これでわたしと佐藤さんはもっと仲良く慣れますね」
なぜか彼女は頬に手を当てうっとりとした表情で僕に語りかけてくる。彼女の頭の中はどうなっているのだろうか、ちょっとだけ興味があるがやっぱりかなり知りたくない。
ユイはハッとした表情を浮かべ、再び話し始める
「実はもう一つスキルをとってあります。佐藤さん、【ステータスオープン】と唱えてみてください」
「【ステータスオープン】」
目の前に僕のものと思しきステータスが表示された。
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レベル:2 種族:スライム 状態:通常
スキル:【人語Lv1(+Lv2)】【ステータス表示Lv1(+Lv2)】【スキル能力向上Lv?[ユニーク][シークレット]】
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と表示されている。
「ステータスには【人語Lv1】と【ステータス表示Lv1】と表示されていると思います」
ユイはかけてもいないメガネをクイっとあげるような仕草をして解説をする。そして続けて話し始める。
「そして横に書いてあるLvがどんどん上がっていくともっと色々なことができるようになります。人語のレベルが上がるともっと流暢に話せたり、ステーラス表示のレベルが上がるとステータスについてもっと色々なことがわかるようになります」
って昔読んだ本に書いてありました、と目をそらしながらユイは締めくくった。
当然のごとく僕は疑問に思ったことを質問する。
「もう一つある【スキル能力向上】っていうのはなんなの?」
ユイは少し不思議そうな表情をしながら首をかしげる。
「佐藤さん、なんの話をしているんですか?」
なんで?会話が噛み合ってない。
「...うーん、じゃあ持ってるスキルについてもっと詳しく知るにはどうしたらいいの?」
「ああ、それならステータスに表示されているスキルをタッチしてみてください。でもがっかりさせるようで申し訳ないんですがいまの佐藤さんにはほとんど情報は表示されないと思いますよ、まだ、ステータス表示のレベルが低いので」
僕はユイに言われた通りステータスのスキル能力アップという箇所をタッチしてみる。
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【スキル能力向上】
ユニークスキル。シークレットスキル。世界の超常的存在からの贈り物。全てのスキルレベルが向上する。
追伸:謙虚な転生者さんへプレゼントです。そうしても不要な場合は破棄することもできますがしばらくは所持したままでいることをお勧めします。天使より
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ははあ、そういうことか。転生関連でもらったスキルだったのか。これには感謝しないと。正直、ユイから逃げ出すにしろ、しばらく様子を伺うにしろ、能力はあったほうが都合がいい。もちろん夢のスローライフのためにもね。
「どうです?多分ほとんど何もわからなかったでしょう?」
「うん、そうだね。全くわからなかったよ」
当然だが嘘をつく。能ある鷹は爪を隠すのだ。今この能力を彼女に知られてしまえばいざ逃げ出すとなったとき不利になるかもしれないのだから。
無垢な表情で見つめてくるユイに少しだけ罪悪感を覚えながら僕は頭の中でそんなことを考えるのだった。
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