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吉田冬吾
retry14:謎多き男
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丸井の心の杭が消えた翌日。教室は少しざわついていた。あの丸井が誰かと一緒にいるという光景が意外らしく、みんなの視線が集まる。
「……居心地悪ぃ」
紙パックのレモンティーを飲みながら丸井が嫌そうに呟く。それを聞いてミカは「諦めろ」と淡々と返した。
「そのうち飽きる。放っておけ」
「マルマル繊細なんだね」
「注目の的の丸井さんも素敵ですね」
三者三様の答えに丸井は壁に寄りかかりながら、ため息を吐く。特に示し合わせたわけではないが、ミカの席の周りに集まる望杏達。リイの「今朝見かけた素敵だった人」の話を聞きつつ、スマホゲームをする望杏。それを眺めつつミカは丸井に視線を向けると目が合う。
「どうした?」
「……その、ありがとな。お前のおかげで、ちゃんと親と話ができた」
丸井はミカに向けて小声で言う。それに、ミカは微笑んだ。
「丸井のピンチだったからな。友達として当然だ」
その返答に丸井は目を大きく見開いたが、すぐに顔を逸らす。そして小さく呟いた。
「……お前、変なヤツだな」
そんな丸井の呟きを聞いていた望杏とリイは顔を見合わせる。そして2人して笑ったのだった。
昼休みになり、4人は屋上に向かう。その途中で、ミカは飲み物を買い忘れていることに気づいた。
「ごめん、先に行っててくれ」
「一緒に行きますよー?」
「いや、大丈夫。あとでな」
リイの気遣いに遠慮してミカは1人一階の自販機へ向かった。少しピークの時間からはずれたからか、廊下に人はいない。並ぶことなく自販機で目当てのお茶を買い、ミカは屋上へ行こうと足を向けた。
「あれ?四季さんや。こないなとこで会うなんてなぁ」
軽快な声に特徴のある関西弁。ミカは声のした方へ振り返る。そこには、吉田が悠々と歩いてきていた。
「僕も飲み物買おう思て。四季さん何にしたん?」
「お茶だが」
「緑茶もええなぁ。でも今の僕の気分は紅茶やから、こっちにしよ」
そう言ってミルクティーを選び、下から手にとる吉田。自然と吉田のペースで会話が進む。ミカは早くこの場から離れたかったが、吉田はわざとなのか、なかなか会話をやめない。
「最近四季さんの周りも賑やかになったなぁ?春江くんに、夏実ちゃん。オマケに丸井くんもやろ?なかなかなメンツやんな」
「……どういう意味だ?」
吉田の言葉の意図がわからずミカは眉根を寄せて尋ねる。すると彼はいつもと変わらない笑みを浮かべたまま、ミカを見つめた。
「いんや、別に?仲良しこよしなんは、ええことやん?」
言葉としては悪意がないのに、どこか含みを持たせるその言い方にミカは顔を顰める。
「私の貴重な友達を悪く言うような言い方はやめてくれないか?」
「貴重って。言い方おもろ」
「本当のことだ。私は君と違って友達が少ないんだ」
「そんなんやったら僕も少ないでー?」
カラカラと笑う吉田にミカは眉をさらに顰める。普段のクラスの様子を見ても彼の周りには人が溢れている。決して友達が少ないようにはみえない。ミカの反応はあからさまだったが、吉田はそんなことを気に留めずそのまま話を続けた。
「けどなぁ、あんまり仲良しこよししとると危ないで?裏切られたら傷つくんやから」
そう言って笑う吉田の顔は笑顔のはずなのにどこか怖かった。まるでその痛みを知っているかのような……。それに気づいてミカは驚いたように目を見開く。そしてすぐに、彼から目を逸らした。正確には、彼の心の杭から。
吉田の心の杭は、無数の細い針が突き刺さるものだった。それは数が多すぎて、彼の本来の心すら見えないほどに覆い尽くされている。
ーーいつみても、不気味な心の杭だ。
吉田のような人柄でこのような心の杭という真逆の状態がミカにとって気味が悪かった。どれだけの後悔をしたら、あんな風になるのか。飄々としているその裏側に、自分でもどうしようもできないほどの後悔があるのか、とミカは考える。
「急に黙り込んで、どうしたん?」
吉田の声にミカはハッとして「なんでもない」と首を横に振った。ミカの態度は明らかに変だが、吉田はニヤリと口もとに弧を描くだけで、特につっこんではこない。
「さよか。ほな、僕行くわ」
吉田はヒラヒラと片手を振ってミカに背を向ける。しばらくその姿を見て、ミカも屋上へと向かった。
放課後になり、図書室で丸井の曲作りを待つ間に窓の外を眺めるミカ。中庭の奥にあるグラウンドの方にはサッカー部や野球部などの運動部の面々が和気藹々としている。ふと右の方を見ると、剣道場から人が出てきた。それは吉田だった。吉田は通りがかる人と話をしている様子で一向に練習する気配がない。
部活動ってあんなに自由でいいのか?とミカが眉根を寄せると、望杏が「何見てんのー?」と一緒に吉田の姿を捉えた。
「あ、吉田冬吾くんだ。いつも誰かとおしゃべりしてるよね」
「部活中まで、あの態度はどうかと思うがな」
「え?レベルが合わなくて暇なんじゃない?」
ミカは望杏の言葉に疑問符を浮かべる。レベルとはいったい何のことだと。吉田のことをそんな風に言う望杏にミカは詳しく話すように尋ねた。
「レベルって、望杏は吉田の何を知っているんだ?」
「んーと、4月の頃にクラスメイトになった人のこと覚えるためにいろいろ調べたんだけど。その時に吉田冬吾くんの昔の経歴を見つけてさ。小学生くらいの頃、めちゃくちゃ強い選手だったみたいだよ」
人を観察する望杏の癖から思いもよらない情報を得たミカは、少し驚いた。望杏の話が事実ならば、なぜ今は真面目に取り組んでいないのか。やる気がないのなら、部活に入らなければいいのにと、ミカは思った。
「へぇ、意外だな。あの軽薄な姿からはそんな風には見えないな」
「でしょ?昔は優勝しまくりで凄かったみたいだよ。でも今はやる気がないみたいでさ。それでレベルが合わないんじゃないかって言ったの」
「やる気か……」
望杏の話によると、吉田の過去の経歴は小学生のときから始まっているようだった。それならば実力がある程度あるのだろう。しかし今現在の彼の様子は部活に対する熱意がないように見える。
「やる気がないなら、わざわざ剣道部になんて入らなければいいのに」
「内申点の為じゃねぇの?普段はだらけても試合で結果出せば成績に影響するだろ」
ミカと望杏の話を聞いていた丸井も吉田について考察する。それに対して望杏が首を横に振った。
「高校では一度も勝ってないらしいよ。大会も練習試合も負けてばっかりだって」
「はぁ?じゃあただのお荷物じゃねぇか」
イラッとしたように呟く丸井。実力があるのにわけのわからない行動をとることが理解できないのだろう。そこへ今度はリイが話に加わる。
「でも以前にちらっと練習してる姿を見ましたけど、吉田さんとってもかっこよかったですよ!1人で素振りしてるだけなのに、思わず見惚れてしまいました!」
「リイはすぐに見惚れてそうだからな。……その時に、彼の他には誰もいなかったのか?」
「え?はい、そうですよ?外からチラッとしか見てませんが、吉田さん以外誰の姿もなかったと思います」
リイの返しにミカは少し考える。普段は練習する素振りを見せないのに、1人になると真面目に取り組む……その理由はいったいなんなのだろう。陰ながら努力したいのか?たまたまリイがくるのがわかってアピールしただけなのか。
「……んな気になるなら、見に行けば?」
そう声をかけてきたのは丸井だった。
「どうせお前、何かしらアクションを起こしそうだし。なら、早い方がよくね?」
「そうだね。オレも賛成ー」
「みんなで行きましょうか!」
3人の言葉にミカは呆気にとられつつも、クスリと笑ってしまう。3人は気にしてなどいないだろうに、自分のために動いてくれるそのことがミカは嬉しかった。
「……居心地悪ぃ」
紙パックのレモンティーを飲みながら丸井が嫌そうに呟く。それを聞いてミカは「諦めろ」と淡々と返した。
「そのうち飽きる。放っておけ」
「マルマル繊細なんだね」
「注目の的の丸井さんも素敵ですね」
三者三様の答えに丸井は壁に寄りかかりながら、ため息を吐く。特に示し合わせたわけではないが、ミカの席の周りに集まる望杏達。リイの「今朝見かけた素敵だった人」の話を聞きつつ、スマホゲームをする望杏。それを眺めつつミカは丸井に視線を向けると目が合う。
「どうした?」
「……その、ありがとな。お前のおかげで、ちゃんと親と話ができた」
丸井はミカに向けて小声で言う。それに、ミカは微笑んだ。
「丸井のピンチだったからな。友達として当然だ」
その返答に丸井は目を大きく見開いたが、すぐに顔を逸らす。そして小さく呟いた。
「……お前、変なヤツだな」
そんな丸井の呟きを聞いていた望杏とリイは顔を見合わせる。そして2人して笑ったのだった。
昼休みになり、4人は屋上に向かう。その途中で、ミカは飲み物を買い忘れていることに気づいた。
「ごめん、先に行っててくれ」
「一緒に行きますよー?」
「いや、大丈夫。あとでな」
リイの気遣いに遠慮してミカは1人一階の自販機へ向かった。少しピークの時間からはずれたからか、廊下に人はいない。並ぶことなく自販機で目当てのお茶を買い、ミカは屋上へ行こうと足を向けた。
「あれ?四季さんや。こないなとこで会うなんてなぁ」
軽快な声に特徴のある関西弁。ミカは声のした方へ振り返る。そこには、吉田が悠々と歩いてきていた。
「僕も飲み物買おう思て。四季さん何にしたん?」
「お茶だが」
「緑茶もええなぁ。でも今の僕の気分は紅茶やから、こっちにしよ」
そう言ってミルクティーを選び、下から手にとる吉田。自然と吉田のペースで会話が進む。ミカは早くこの場から離れたかったが、吉田はわざとなのか、なかなか会話をやめない。
「最近四季さんの周りも賑やかになったなぁ?春江くんに、夏実ちゃん。オマケに丸井くんもやろ?なかなかなメンツやんな」
「……どういう意味だ?」
吉田の言葉の意図がわからずミカは眉根を寄せて尋ねる。すると彼はいつもと変わらない笑みを浮かべたまま、ミカを見つめた。
「いんや、別に?仲良しこよしなんは、ええことやん?」
言葉としては悪意がないのに、どこか含みを持たせるその言い方にミカは顔を顰める。
「私の貴重な友達を悪く言うような言い方はやめてくれないか?」
「貴重って。言い方おもろ」
「本当のことだ。私は君と違って友達が少ないんだ」
「そんなんやったら僕も少ないでー?」
カラカラと笑う吉田にミカは眉をさらに顰める。普段のクラスの様子を見ても彼の周りには人が溢れている。決して友達が少ないようにはみえない。ミカの反応はあからさまだったが、吉田はそんなことを気に留めずそのまま話を続けた。
「けどなぁ、あんまり仲良しこよししとると危ないで?裏切られたら傷つくんやから」
そう言って笑う吉田の顔は笑顔のはずなのにどこか怖かった。まるでその痛みを知っているかのような……。それに気づいてミカは驚いたように目を見開く。そしてすぐに、彼から目を逸らした。正確には、彼の心の杭から。
吉田の心の杭は、無数の細い針が突き刺さるものだった。それは数が多すぎて、彼の本来の心すら見えないほどに覆い尽くされている。
ーーいつみても、不気味な心の杭だ。
吉田のような人柄でこのような心の杭という真逆の状態がミカにとって気味が悪かった。どれだけの後悔をしたら、あんな風になるのか。飄々としているその裏側に、自分でもどうしようもできないほどの後悔があるのか、とミカは考える。
「急に黙り込んで、どうしたん?」
吉田の声にミカはハッとして「なんでもない」と首を横に振った。ミカの態度は明らかに変だが、吉田はニヤリと口もとに弧を描くだけで、特につっこんではこない。
「さよか。ほな、僕行くわ」
吉田はヒラヒラと片手を振ってミカに背を向ける。しばらくその姿を見て、ミカも屋上へと向かった。
放課後になり、図書室で丸井の曲作りを待つ間に窓の外を眺めるミカ。中庭の奥にあるグラウンドの方にはサッカー部や野球部などの運動部の面々が和気藹々としている。ふと右の方を見ると、剣道場から人が出てきた。それは吉田だった。吉田は通りがかる人と話をしている様子で一向に練習する気配がない。
部活動ってあんなに自由でいいのか?とミカが眉根を寄せると、望杏が「何見てんのー?」と一緒に吉田の姿を捉えた。
「あ、吉田冬吾くんだ。いつも誰かとおしゃべりしてるよね」
「部活中まで、あの態度はどうかと思うがな」
「え?レベルが合わなくて暇なんじゃない?」
ミカは望杏の言葉に疑問符を浮かべる。レベルとはいったい何のことだと。吉田のことをそんな風に言う望杏にミカは詳しく話すように尋ねた。
「レベルって、望杏は吉田の何を知っているんだ?」
「んーと、4月の頃にクラスメイトになった人のこと覚えるためにいろいろ調べたんだけど。その時に吉田冬吾くんの昔の経歴を見つけてさ。小学生くらいの頃、めちゃくちゃ強い選手だったみたいだよ」
人を観察する望杏の癖から思いもよらない情報を得たミカは、少し驚いた。望杏の話が事実ならば、なぜ今は真面目に取り組んでいないのか。やる気がないのなら、部活に入らなければいいのにと、ミカは思った。
「へぇ、意外だな。あの軽薄な姿からはそんな風には見えないな」
「でしょ?昔は優勝しまくりで凄かったみたいだよ。でも今はやる気がないみたいでさ。それでレベルが合わないんじゃないかって言ったの」
「やる気か……」
望杏の話によると、吉田の過去の経歴は小学生のときから始まっているようだった。それならば実力がある程度あるのだろう。しかし今現在の彼の様子は部活に対する熱意がないように見える。
「やる気がないなら、わざわざ剣道部になんて入らなければいいのに」
「内申点の為じゃねぇの?普段はだらけても試合で結果出せば成績に影響するだろ」
ミカと望杏の話を聞いていた丸井も吉田について考察する。それに対して望杏が首を横に振った。
「高校では一度も勝ってないらしいよ。大会も練習試合も負けてばっかりだって」
「はぁ?じゃあただのお荷物じゃねぇか」
イラッとしたように呟く丸井。実力があるのにわけのわからない行動をとることが理解できないのだろう。そこへ今度はリイが話に加わる。
「でも以前にちらっと練習してる姿を見ましたけど、吉田さんとってもかっこよかったですよ!1人で素振りしてるだけなのに、思わず見惚れてしまいました!」
「リイはすぐに見惚れてそうだからな。……その時に、彼の他には誰もいなかったのか?」
「え?はい、そうですよ?外からチラッとしか見てませんが、吉田さん以外誰の姿もなかったと思います」
リイの返しにミカは少し考える。普段は練習する素振りを見せないのに、1人になると真面目に取り組む……その理由はいったいなんなのだろう。陰ながら努力したいのか?たまたまリイがくるのがわかってアピールしただけなのか。
「……んな気になるなら、見に行けば?」
そう声をかけてきたのは丸井だった。
「どうせお前、何かしらアクションを起こしそうだし。なら、早い方がよくね?」
「そうだね。オレも賛成ー」
「みんなで行きましょうか!」
3人の言葉にミカは呆気にとられつつも、クスリと笑ってしまう。3人は気にしてなどいないだろうに、自分のために動いてくれるそのことがミカは嬉しかった。
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