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第33話 雪合戦
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この間、風呂に入っていたら雪女とかいう闖入者が現れて、足の爪先だけ湯につけて逆上せてぶっ倒れた。
本当に見た目は美人なんだが、中身が残念過ぎる女である。
そんな雪女が冷凍室と化している部屋から出て来て。
「雪合戦やろうぜ!」
なんて事を言い出した。
俺は本気でやりたくなかったので、嫌そうな顔をしていると。
「爺は審判で良いぞ!」
俺よりお前のが確実に婆の癖に、爺呼ばわりするなよ。
なんて事を思ったりもしたが、五子達もやる気なので雪合戦イベントの開催が決定した。
一子達はいつの間に外に出られる様になったんだ?
雪合戦の参加者は雪女、座敷童、河童の合計15人。
俺は二足歩行はあやかしだろうと人で数える。
加えて人魂と鬼火が15体。
存在が謎の奴らは、体で数える。
こいつらは一人につき一体ずつ付いて、雪玉からペアを守るガード役になる。
これによってアグレッシブな攻めも可能になるのだそうだ。
因みに狼みたいな四足歩行や虫とか、爬虫類みたいなあやかしは、匹で数えている。
正解は知らんが、誰も指摘する奴はいないから俺が答えだ。
「準備出来たら始めるぞ」
完全防備でも縁側にいたら寒い。
酒を飲んで体の中から温めて火の玉に近くを飛んで貰っても、一面の雪化粧ってのは綺麗だがそれだけで寒さを感じるもんだ。
雪女と五子達は元気一杯だけどな。
河童は震えてるけど。
「いつでも良いぞ!」
審判は俺だが、実質的な仕切りは雪女がやっている。
こんもりとした雪山を作って、安全地帯を幾つか作ったりして、結構本格的だ。
化け狐は興味無さそうに俺の隣で酒を飲んでいる。
第一試合は雪女四子組と一子三子組の対決。
一応役に立たなそうな河童が、三人ずつチームに加わっている。
両者がコート中央(で良いのか?)で向かい合い、雪玉を持たない状態からスタートするみたいだな。
「始め!」
俺の掛け声で両チーム自陣側に散って安全地帯に隠れ、雪玉を作って相手側に投げ込む。
雪玉が当たりそうになっても優秀なガードが雪玉を溶かすので、中々アウトになる者が出ない。
と言うかこれ、ガードが優秀過ぎて終わらなくね?
結局、誰もアウトが出ずに、一セット目の三分間は終了した。
「始め!」
そして二セット目。
コート中央でノーガードの投げ合いがスタートした。
もう、絵面的には子供の喧嘩だ。
動きの遅い河童が三人ずつ早々に脱落しての壮絶な戦い。
結局ガードが優秀過ぎるのと、座敷童が身軽に避けるので決着はつかなかった。
但し。
「雪女、失格!」
「はぁ!?」
俺の宣告に物凄く驚いた様子だが。
「お前、雪玉操作して避けてただろ。一子達の雪玉がお前の手前でグイングイン曲がってたぞ」
「くそぉ!バレてたか!」
バレてたかも何も、バレるだろ。
ピンポン玉を爪で弾いて回転を加えた時みたいに急激に曲がってたんだから。
ちょっと面白かったから最後まで続けたけれども。
第二試合は二子五子組と一子三子組の対決だったが、これは末っ子の可愛さを発揮したのか、わざと手を抜いた一子三子組が負け。
第三試合は雪女四子組と二子五子組だ。
雪女はさっき不正がバレて負けているので気合十分。
「始め!」
試合開始から脳筋的なノーガードの投げ合いが始まるかと思われたが、雪女は狡猾にも河童が生きている内に二子に一斉射撃をして、見事にアウトにしてみせた。
その代償として三人の河童達はアウトになったが、将棋で言えば歩を三枚犠牲にして飛車を取った様なもの。
あとは雪女と四子で五子をアウトにすれば勝利が決まる。
かに思われたのだが。
「楽しいね!」
「うっ!」
邪気の無い無垢な笑顔で雪玉を作る幼女に、全力で雪玉を投げる事が躊躇われたのか、ヘロヘロの雪玉がガードの火の玉に吸い込まれて溶ける。
そして、どうやら気を使ったらしい雪女と四子のガードが仕事をせずに、五子の雪玉が二人に当たり。
「やったぁ!」
五子は末っ子らしく可愛さを発揮して完全勝利を飾ったのであった。
本当に見た目は美人なんだが、中身が残念過ぎる女である。
そんな雪女が冷凍室と化している部屋から出て来て。
「雪合戦やろうぜ!」
なんて事を言い出した。
俺は本気でやりたくなかったので、嫌そうな顔をしていると。
「爺は審判で良いぞ!」
俺よりお前のが確実に婆の癖に、爺呼ばわりするなよ。
なんて事を思ったりもしたが、五子達もやる気なので雪合戦イベントの開催が決定した。
一子達はいつの間に外に出られる様になったんだ?
雪合戦の参加者は雪女、座敷童、河童の合計15人。
俺は二足歩行はあやかしだろうと人で数える。
加えて人魂と鬼火が15体。
存在が謎の奴らは、体で数える。
こいつらは一人につき一体ずつ付いて、雪玉からペアを守るガード役になる。
これによってアグレッシブな攻めも可能になるのだそうだ。
因みに狼みたいな四足歩行や虫とか、爬虫類みたいなあやかしは、匹で数えている。
正解は知らんが、誰も指摘する奴はいないから俺が答えだ。
「準備出来たら始めるぞ」
完全防備でも縁側にいたら寒い。
酒を飲んで体の中から温めて火の玉に近くを飛んで貰っても、一面の雪化粧ってのは綺麗だがそれだけで寒さを感じるもんだ。
雪女と五子達は元気一杯だけどな。
河童は震えてるけど。
「いつでも良いぞ!」
審判は俺だが、実質的な仕切りは雪女がやっている。
こんもりとした雪山を作って、安全地帯を幾つか作ったりして、結構本格的だ。
化け狐は興味無さそうに俺の隣で酒を飲んでいる。
第一試合は雪女四子組と一子三子組の対決。
一応役に立たなそうな河童が、三人ずつチームに加わっている。
両者がコート中央(で良いのか?)で向かい合い、雪玉を持たない状態からスタートするみたいだな。
「始め!」
俺の掛け声で両チーム自陣側に散って安全地帯に隠れ、雪玉を作って相手側に投げ込む。
雪玉が当たりそうになっても優秀なガードが雪玉を溶かすので、中々アウトになる者が出ない。
と言うかこれ、ガードが優秀過ぎて終わらなくね?
結局、誰もアウトが出ずに、一セット目の三分間は終了した。
「始め!」
そして二セット目。
コート中央でノーガードの投げ合いがスタートした。
もう、絵面的には子供の喧嘩だ。
動きの遅い河童が三人ずつ早々に脱落しての壮絶な戦い。
結局ガードが優秀過ぎるのと、座敷童が身軽に避けるので決着はつかなかった。
但し。
「雪女、失格!」
「はぁ!?」
俺の宣告に物凄く驚いた様子だが。
「お前、雪玉操作して避けてただろ。一子達の雪玉がお前の手前でグイングイン曲がってたぞ」
「くそぉ!バレてたか!」
バレてたかも何も、バレるだろ。
ピンポン玉を爪で弾いて回転を加えた時みたいに急激に曲がってたんだから。
ちょっと面白かったから最後まで続けたけれども。
第二試合は二子五子組と一子三子組の対決だったが、これは末っ子の可愛さを発揮したのか、わざと手を抜いた一子三子組が負け。
第三試合は雪女四子組と二子五子組だ。
雪女はさっき不正がバレて負けているので気合十分。
「始め!」
試合開始から脳筋的なノーガードの投げ合いが始まるかと思われたが、雪女は狡猾にも河童が生きている内に二子に一斉射撃をして、見事にアウトにしてみせた。
その代償として三人の河童達はアウトになったが、将棋で言えば歩を三枚犠牲にして飛車を取った様なもの。
あとは雪女と四子で五子をアウトにすれば勝利が決まる。
かに思われたのだが。
「楽しいね!」
「うっ!」
邪気の無い無垢な笑顔で雪玉を作る幼女に、全力で雪玉を投げる事が躊躇われたのか、ヘロヘロの雪玉がガードの火の玉に吸い込まれて溶ける。
そして、どうやら気を使ったらしい雪女と四子のガードが仕事をせずに、五子の雪玉が二人に当たり。
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