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第14話 種蒔き
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屋敷から離れると、やはり蒸し暑い。
特に山頂付近から麓まで下りるので、普通よりも暑さを感じやすいのかもな。
「震々ってあれだな。着るエアコンみたいだな。
本来は恐怖を感じた時に、寒気を感じるとかってあやかしだよな?」
『そうだ。お主の場合はあやかしに対しての感受性が強い。
それ自身でも、お主が快適になる様に調整はしているのだろうがな』
「ふぅん。戻ったら酒を飲ませてやろう。
夏の間は外出する時にまた頼む。今度は俺が盛大にスベらなくても頼むわ」
そんな会話をしながら屋敷まで戻ると、池が冷たすぎるのか河童がブルブル震えていた。
お前らが作った池なのに、すまんな。
しかし、俺の快適生活には変えられないんだ。
快適なスローライフを送る為には、多少の犠牲も必要なのである。
「何か良い方法を考えておくから、桶に水張るとかして我慢してくれ」
俺が声を掛けると、九人の河童はちょっと決め顔を作って、サムズアップしてみせた。
体がブルっているので、あまり決まってはいないのだが。
あれ?一人増えてね?
「今日はもう出掛けたし、家で酒を飲むつもりだったんだがな。
やるかな家庭菜園」
『出掛けたと言っても、ミミズと我の背に乗って鞄に物を詰めただけだろう』
仰る通りで。
帰りは化け狐に乗った訳だが、ミミズのペースに合わせたので普通に快適だった。
いつもはとんでもない速度で駆け上がるからな。
俺の体への負担も考えて欲しい。
『む、すまぬ』
素直な事でよござんすね。
「いつもありがとうな」
、、、
何だかお互いに小っ恥ずかしくなったので、作業に移ろう。
幾らあやかし任せで快適なスローライフを送っていると言っても、種蒔きぐらいは自分でやりたい。
種さえ蒔けば、その後の全てを放り出したとしても、俺の手柄と言って問題ないだろう。
『問題しか感じないが?』
「細かい事は気にするな。
そんな訳だからミミズはまた俺を乗せてくれ。俺が適当に種を蒔くからな」
俺は経を唱える事には少しばかり自信があるが、家庭菜園に関しては素人だ。
だから一度やってみて、もし上手くいかなければ別の方法を試す、トライアンドエラーでやっていく。
一々動画を見たりだの、まとめブログを漁るのは、正直ちょっと面倒臭い。
俺は種まき権兵衛リスペクトで家庭菜園に挑む所存だ。
その為に種を大人買いしておいたのだから。
恐らく種蒔きの歴史上でも、ワースト五万以内に入るであろう雑な種蒔きを済ませたら、家に入って酒を飲む。
雪女は清酒を好むので飲ませてやると、機嫌良く丸氷を作ってくれる。
丸氷はグラスに入れて、化け狐とウイスキーをオンザロックで。
氷を削る訳ではなく、何処から出しているのかわからないが、不純物を感じさせない透明度の丸氷。
味だけでなく、芸術点も高い酒を化け狐と楽しんで、今日もグダグダと一日が過ぎていく。
特に山頂付近から麓まで下りるので、普通よりも暑さを感じやすいのかもな。
「震々ってあれだな。着るエアコンみたいだな。
本来は恐怖を感じた時に、寒気を感じるとかってあやかしだよな?」
『そうだ。お主の場合はあやかしに対しての感受性が強い。
それ自身でも、お主が快適になる様に調整はしているのだろうがな』
「ふぅん。戻ったら酒を飲ませてやろう。
夏の間は外出する時にまた頼む。今度は俺が盛大にスベらなくても頼むわ」
そんな会話をしながら屋敷まで戻ると、池が冷たすぎるのか河童がブルブル震えていた。
お前らが作った池なのに、すまんな。
しかし、俺の快適生活には変えられないんだ。
快適なスローライフを送る為には、多少の犠牲も必要なのである。
「何か良い方法を考えておくから、桶に水張るとかして我慢してくれ」
俺が声を掛けると、九人の河童はちょっと決め顔を作って、サムズアップしてみせた。
体がブルっているので、あまり決まってはいないのだが。
あれ?一人増えてね?
「今日はもう出掛けたし、家で酒を飲むつもりだったんだがな。
やるかな家庭菜園」
『出掛けたと言っても、ミミズと我の背に乗って鞄に物を詰めただけだろう』
仰る通りで。
帰りは化け狐に乗った訳だが、ミミズのペースに合わせたので普通に快適だった。
いつもはとんでもない速度で駆け上がるからな。
俺の体への負担も考えて欲しい。
『む、すまぬ』
素直な事でよござんすね。
「いつもありがとうな」
、、、
何だかお互いに小っ恥ずかしくなったので、作業に移ろう。
幾らあやかし任せで快適なスローライフを送っていると言っても、種蒔きぐらいは自分でやりたい。
種さえ蒔けば、その後の全てを放り出したとしても、俺の手柄と言って問題ないだろう。
『問題しか感じないが?』
「細かい事は気にするな。
そんな訳だからミミズはまた俺を乗せてくれ。俺が適当に種を蒔くからな」
俺は経を唱える事には少しばかり自信があるが、家庭菜園に関しては素人だ。
だから一度やってみて、もし上手くいかなければ別の方法を試す、トライアンドエラーでやっていく。
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