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51 シャンボール城に帰還
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千代はアダモをインベントリに収納してから、ジャンヌを抱いた侭シャンボール城の自室に【転移】した。
シュィイイイイインッ!
ルミナからチヨに戻り、ジャンヌの専属側仕えをスグに呼ぶ。
「ジャンヌ様に湯浴みをさせて、部屋着を着させてください。人払いをして、決して外へ出さないで下さいね」
「畏まりました」
「ジャンヌ様、私は迎賓館に戻ります。ジャンヌ様は御ゆるりとお待ちくださいます様に」
「……分かった。すまぬなチヨ」
「いいえ、お気になさらないでくださいませ。……迎賓館に【転移】」
シュィイイイイインッ!
千代が転移した庭から迎賓館に入ると、ダンスフロア中央でドニロとカシオが英雄として祭り上げらえていた。
そして2人は国王や六皇子の前に呼ばれて跪くと、感謝の言葉を掛けられるのであった。
「騎士ドニロとカシオよ、この度の働き見事であった。後日褒賞を与えるであろう」
「「ははぁぁぁっ」」
ペネロペ王姉が千代を見つけて近づいてきた。
「チヨ様、ジャンヌの様子はどうですか?」
「シャンボール城にお連れしました。御無事で……普段のジャンヌ様に戻っておられます」
「そう良かったわ。どうもありがとうございます」
「いいえ、お役に立てて幸いです」
「チヨ様、ドニロとカシオを置いて、先にシャンボール城に戻りましょうか?」
「はい、ペネロペ様」
ヴィクトリア王太后、ペネロペ王姉、ラルーシア、千代は、英雄と成ったドニロとカシオを国王に預けて、先に馬車で帰る事にした。
王太后専属馬車を玄関前に呼びつけると、馭者が跪いて進言する。
「王太后様。恐れながら、護衛騎士無しでは御帰り頂けませんが?」
「大丈夫です、馬車ごと魔道具で出した【転移門】をくぐりましょう」
と、ラルーシアが馭者に言った。
「お師匠様、私は最上級時空属性魔法である【転移門】を先日習得しました。高価で貴重な魔道具を使わずに、私の魔法で帰りましょう」
「クゥゥゥッ! 遂に師のワシよりも先に【転移門】を習得したか。いつか出来るとは思っておったが早かったのぅ。ワシもそろそろ引退じゃな」
「お師匠様、そんな事言わないで下さいませ。まだまだこれから新しい魔法を一緒に研究していきましょう。チヨにはラルーシア様が必要です」
「フンス、そうじゃろう、そうじゃろう。師は追い越されようとも師じゃ。一緒に魔術研究を続けようぞ」
「はい、これからも宜しくお願い致します」
「それにチヨと一緒に居ないと、美味しいケーキが食べられぬからのぅ」
「まぁ、そっちの方が大事なのですね?」
「違う違う、そっちも大事なのじゃ。ハハハハハ」
「それでは……シャンボール城に【転移門】オープン!」
ブゥウウウウウンッ!
馬車に乗ったヴィクトリア王太后一行は、転移門をくぐってシャンボール城に帰って行った。
帰城すると、ダイニングルームにティーセットを用意して貰い、既に着替え終えていたジャンヌと御茶を喫して、ブルーベリーチーズケーキを堪能する。
千代はケーキをほぼ毎日作っていて、魔道具の冷蔵庫に保管していたのだ。
「やはり、チヨのケーキは美味しいのぅ」
「師匠は迎賓館でも、沢山お菓子を食べてたでしょうに?」
「食べる事しか、する事が無かっただけじゃ。しかしチヨのケーキは格別じゃ、別腹なんじゃよ。ハハハハハ」
「まぁ、それはありがとうございます」
王太后、王姉、ジャンヌもペロリとケーキを平らげていた。
「ジャンヌも元気な様で、安心しました」
「お祖母様、お母様、御心配かけて申し訳ありませんでした」
「いいえ、大丈夫ですよ。何も心配ありません」
「ですが、私が熊に変わる所を誰かに目撃されてないでしょうか?」
「そう言う事も含めて心配いりませんよ。明日国王と事後処理を図りますから、その事にも対処して貰いましょうね」
「ふむ、目撃者がおったら、ワシが【マインドブラスト】で混乱させてやるとしようぞ。夢か現か分からなくなるじゃろうて。ハハハハハ」
「お師匠様、今日は何だか御機嫌ですね?」
「ふむ、中々どうして、色々と面白かったのじゃ。魔法少女勇者ルミナの雄姿も初めて見れたしのぅ」
「まぁ、もう見せませんからね……」
「なにせ50年に1度しか、魔王と勇者の茶番は起きない事に成ってたからのぅ。しかもたぶん、これで最後になるじゃろうのぅ、魔王は封印されずに灰に成ってしまったのじゃから……」
「それではもう、勇者は必要無いのですね?」
「ふむ、そうだと良いがのぅ」
「もうっ! 振りは、いりませんからぁ!」
シュィイイイイインッ!
ルミナからチヨに戻り、ジャンヌの専属側仕えをスグに呼ぶ。
「ジャンヌ様に湯浴みをさせて、部屋着を着させてください。人払いをして、決して外へ出さないで下さいね」
「畏まりました」
「ジャンヌ様、私は迎賓館に戻ります。ジャンヌ様は御ゆるりとお待ちくださいます様に」
「……分かった。すまぬなチヨ」
「いいえ、お気になさらないでくださいませ。……迎賓館に【転移】」
シュィイイイイインッ!
千代が転移した庭から迎賓館に入ると、ダンスフロア中央でドニロとカシオが英雄として祭り上げらえていた。
そして2人は国王や六皇子の前に呼ばれて跪くと、感謝の言葉を掛けられるのであった。
「騎士ドニロとカシオよ、この度の働き見事であった。後日褒賞を与えるであろう」
「「ははぁぁぁっ」」
ペネロペ王姉が千代を見つけて近づいてきた。
「チヨ様、ジャンヌの様子はどうですか?」
「シャンボール城にお連れしました。御無事で……普段のジャンヌ様に戻っておられます」
「そう良かったわ。どうもありがとうございます」
「いいえ、お役に立てて幸いです」
「チヨ様、ドニロとカシオを置いて、先にシャンボール城に戻りましょうか?」
「はい、ペネロペ様」
ヴィクトリア王太后、ペネロペ王姉、ラルーシア、千代は、英雄と成ったドニロとカシオを国王に預けて、先に馬車で帰る事にした。
王太后専属馬車を玄関前に呼びつけると、馭者が跪いて進言する。
「王太后様。恐れながら、護衛騎士無しでは御帰り頂けませんが?」
「大丈夫です、馬車ごと魔道具で出した【転移門】をくぐりましょう」
と、ラルーシアが馭者に言った。
「お師匠様、私は最上級時空属性魔法である【転移門】を先日習得しました。高価で貴重な魔道具を使わずに、私の魔法で帰りましょう」
「クゥゥゥッ! 遂に師のワシよりも先に【転移門】を習得したか。いつか出来るとは思っておったが早かったのぅ。ワシもそろそろ引退じゃな」
「お師匠様、そんな事言わないで下さいませ。まだまだこれから新しい魔法を一緒に研究していきましょう。チヨにはラルーシア様が必要です」
「フンス、そうじゃろう、そうじゃろう。師は追い越されようとも師じゃ。一緒に魔術研究を続けようぞ」
「はい、これからも宜しくお願い致します」
「それにチヨと一緒に居ないと、美味しいケーキが食べられぬからのぅ」
「まぁ、そっちの方が大事なのですね?」
「違う違う、そっちも大事なのじゃ。ハハハハハ」
「それでは……シャンボール城に【転移門】オープン!」
ブゥウウウウウンッ!
馬車に乗ったヴィクトリア王太后一行は、転移門をくぐってシャンボール城に帰って行った。
帰城すると、ダイニングルームにティーセットを用意して貰い、既に着替え終えていたジャンヌと御茶を喫して、ブルーベリーチーズケーキを堪能する。
千代はケーキをほぼ毎日作っていて、魔道具の冷蔵庫に保管していたのだ。
「やはり、チヨのケーキは美味しいのぅ」
「師匠は迎賓館でも、沢山お菓子を食べてたでしょうに?」
「食べる事しか、する事が無かっただけじゃ。しかしチヨのケーキは格別じゃ、別腹なんじゃよ。ハハハハハ」
「まぁ、それはありがとうございます」
王太后、王姉、ジャンヌもペロリとケーキを平らげていた。
「ジャンヌも元気な様で、安心しました」
「お祖母様、お母様、御心配かけて申し訳ありませんでした」
「いいえ、大丈夫ですよ。何も心配ありません」
「ですが、私が熊に変わる所を誰かに目撃されてないでしょうか?」
「そう言う事も含めて心配いりませんよ。明日国王と事後処理を図りますから、その事にも対処して貰いましょうね」
「ふむ、目撃者がおったら、ワシが【マインドブラスト】で混乱させてやるとしようぞ。夢か現か分からなくなるじゃろうて。ハハハハハ」
「お師匠様、今日は何だか御機嫌ですね?」
「ふむ、中々どうして、色々と面白かったのじゃ。魔法少女勇者ルミナの雄姿も初めて見れたしのぅ」
「まぁ、もう見せませんからね……」
「なにせ50年に1度しか、魔王と勇者の茶番は起きない事に成ってたからのぅ。しかもたぶん、これで最後になるじゃろうのぅ、魔王は封印されずに灰に成ってしまったのじゃから……」
「それではもう、勇者は必要無いのですね?」
「ふむ、そうだと良いがのぅ」
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