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第1章 異世界で生活研修! って、日本に帰れますか?

7 生活方針

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 夕食後、今後の生活方針をオゥちゃんと話し合った。

「ユウちゃん、飯はいつもここで食べろぉ。2人で食べた方が旨いだぁ」

「じゃあ私も料理を手伝いましょう、2人の方が楽しくて早いですから。後片付けと洗濯と掃除もしますね。
 それと、畑と家畜の世話もさせて下さい、勉強したいのです」

「んだなぁ。ただ、樵は俺だけだぁ、伐ってる時は危ねえから決して近づくなよぅ」

「判りました。倒れる木に押し潰されないように離れています。何でも遠慮無く指導して下さいね、お願いします」

「まあ、気楽に楽しくやるだぁ、無理せんでええだぁ。 仕事とかお礼とか考えないで、気楽に手伝ってくれぇ」


 午前中はオゥちゃんが樵をして、俺が畑と家畜の世話をする。
 もちろん状況に応じて、互いに手助けするが。
 完全分業では無く、柔軟に助け合う事にした。

 午後は特定の作業を決めないで、森の探索や見回り、開拓等を自由気儘にする。
 何もしないのも有りで、
「ひねもすのたりのたりかな」と言うやつだ。

 迷子にならないように、森に入る時は基本的に2人一緒に行動する、手は繋がないぞ!



「薪を売ったお金を折半しよう」
 と、オゥちゃんが言いだした。

「欲しいものが有る時だけ伝えますから、その分だけ貸してください。
 今の所、食事もベッドも必要な物は、ほとんど揃ってますからね」

「俺も金を使わないから、増えてくばかりだぁ。必要な時は遠慮するなよぅ」

「はい、ありがとうございます」
 
 
 翌日の午前中、オゥちゃんは2人の家を繋ぐ道の拡幅工事をする。昨日、木を伐採していた所らしい。
 俺は、畑と家畜の世話をしてから洗濯をした。
 お湯を溜めたたらいに洗濯物を入れて、洗濯板と洗濯用石鹸で手洗いをする。
 実は研修所で経験積みだ。
 うぅん? 異世界なら魔法とかで洗えたりしないのかなぁ。

 庭の真ん中で、2本の柱のフックに掛け渡した物干し竿に洗濯物を通し、風で飛ばない様に木製の洗濯鋏で挟む。
 先が二股に成ってる棒を使い、柱の更に高い所にあるフックに物干し竿を持ち上げた。
 


 昼食時に、俺の家まで道が出来た事をオゥちゃんから聞かされた。

「さすがオゥちゃん、早く出来ましたね、凄い凄い」

「そんな事ないだぁ。はぁはっは~」


 昼食後に30分程の食休みをしてから、完成したばかりの道を一緒に見に行くことにした。

 幅5メートルぐらいの平らな道が真っ直ぐ続いて、突当りに俺の家が見える。
 オゥちゃんの家から俺の家までの距離は、1.5キロメートルぐらいだろうか。

 どんな測量技術でどんな道路工事をしたんですかっ!


「オゥちゃん凄過ぎです、マックス感謝です。兄貴、一生付いて行きます!」

「そんな事ないだぁ。はぁはっは~」


 2人の家を貫く道をメインストリートにして、さらに東西に道を伸ばしていく事にした。
 この先の道幅はもう少し狭くても良いだろうと思う。荷馬車を通す必要が無さそうだからね。
 空いてる時間に、ゆっくり道を切り開いていく事にした。
 遠くに見える山脈を目安にメインストリートを目指せば、森で迷子になる確率も減ると思う。
 メインストリートに番地を付けて、オゥちゃんの家を東1番地、俺の家を西1番地とする。それぞれの家から離れていくと番号が増えていく事にした。

 100メートル位の等間隔で木に番号を付けていき。西2、西3、……という具合にするのだ。
 急がないでゆっくり、疲れたら十分に休憩を取りながら作業しよう。

 たまに、見つけた木の実や山菜、薬草を取り、戦争跡などの空き地には、豆と果物の種を撒く。
 誰でも取って食べて良いように、実り豊かな森に成って欲しいからね。


 その日の夕食後、

「何か娯楽が欲しいな……」

 定番のリバーシを作ろうと思う。
 研修所でもお勧めしてたし、材料は全て木材で作ればいい。
 オゥちゃんに絵を描いて説明して、2人で作ってみることにした。

 ゲーム版を作るのは簡単だった。

「よく覚えてないけど、縦横10マスぐらいで良いかなぁ?」

 正方形に材木を切って、小さい材木を定規の代わりにして、インクで線を引いた。

 丸い白黒の石(木製)を作るのは結構難しい。
 まず綺麗な丸に成らないので、時間を掛けてヤスリで整える。
 片面を墨で黒く塗って、一方は小麦を水に溶かして塗ってみたが、あまり白く成らなかった。

「雑貨屋で白のペンキを売ってるかなぁ?」

 あまり綺麗な白黒の石に成らなかったが、見分けは付くので早速遊んでみる事にする。

 遊びながら説明すると、オゥちゃんはすぐに覚えてくれた。
 トロールの知能は低いはずだが、最上位種のオゥちゃんは、かなり賢いようだ。

 そして案の定ハマッタ!

 お互いに負けたくないので長考する時が有り、1局打つのに時間が掛かる様に成ってきたので。
 俺が1日2局までにしましょうと提案すると、オゥちゃんは素直に同意してくれた。


 自分の家に帰るときは、枯れ枝を拾いながら帰る。
 道の掃除に成るし、暖炉や風呂の薪にも成るからだ。
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