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第3章 魔族王国の迷子令嬢
95 ノスロンド領の新領主?
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私は地面に倒れて、気絶してしまったそうです。
「お嬢ちゃん、しっかりしろ!」
「魔力切れに違いないわ、マナポーションを飲ませましょう」
リーゼがマリエルの頭を膝の上に乗せて、口を開けポーションを飲ませます。
「ダメ、飲まないわ……仕方ないから口移しで飲ませましょう!」
マッシュが一歩前に出て、
「じゃあ、俺が……」
パッカァァァンッ!
速攻で、リーゼの平手がマッシュの頭をはたきました。
「ダメッ! ミレーヌ、お願い!」
「分かったわ」
トクトクトク……、
「……ングッ、ングッ、ングッ……」
「ん~、ノーカウントって事で……お願い…します」
「気が付いたみたい」
「お嬢ちゃん、【聖域】は当分の間は封印だな」
「はい……ジルベルトさん」
アッコロカムイがいた海岸には、ドロップした宝が山の様に積まれて残っていました。
「マジックバッグを持ってる者が倒されると、その鞄がドロップするとか。収納持ちが倒れると、収納魔法が解けて中身がドロップするとか聞いた事があるけど。これは又、随分と貯め込んでたもんだなぁ」
「俺達全員で山分けしても結構な金持ちに成っちまうぞ」
「お嬢ちゃん、パーテイーの約束事で、依頼中の討伐では金銭を等分にするが、アイテムは貢献度順に1個づつ選んでいく事になってるんだ」
「はい、分かりました。約束事通りで問題ないです」
「でも、収納持ちはお嬢ちゃんだけだから、とりあえず収納して貰わないとな?」
「そうだな、王都に着いてから分配しよう」
「「「オゥ!」」」
ドロップアイテムは全て私のインベントリに一時収納されました。
そして、収納し終わると同時に、メッセージがスグに頭の中に流れ込んで来ました。
ピロリロリィィィンッ!
『マリエルはレベルアップしました』
ピロリロリィィィンッ!
『マリエルはノスロンド領の支配権を得ました』
ピロリロリィィィンッ!
『マリエルはノスロンド男爵の爵位を得ました』
ピロリロリィィィンッ!
『マリエルはノスロンド領の政治、行政、司法権を得ました』
ピロリロリィィィンッ!
『マリエルはノスロンド領の軍事権を得ました』
ピロリロリィィィンッ!
『マリエルはノスロンド領主の財産を全て得ました』
「ど、どうしましょう、何かとんでもない事になってますぅ!」
「「「ははぁ、新御領主様ぁぁ!」」」
両パーテイーの冒険者達は、片膝ついてマリエルに敬意を表します。
「やめてくださぁぁぁい! スグに立ってくださぁぁぁい!」
皆は顔を見合わせて、ニヤニヤしながら立ち上がりました。
「まぁ、領主に成りたくなければ、国王に領地を返上すればいいんじゃないか?」
「怒られないかしらね」
「大丈夫だろう」
「もしかしたら、反乱軍として扱われないかしら?」
「う~ん、分からん」
「まぁ、とりあえず、国王に成り行きを説明するしかないよなぁ」
「あぁ」
「それでは御領主様、そろそろ出発致しましょう」
「もうっ、いい加減にして下さいっ!」
「でも、この世界では勝者が全てを奪うのが常だから、たぶんこのまま領主に成ってしまうかもな……」
「はぁ、はぃ……」
私達は馬車に乗り込み、再び王都に向かって進みました。
2日後には王都に到着する予定です。
その後、無事に何事も無く2日が過ぎました。
「もうすぐジャマング王国の王都ベックスタッドだ、皆覚悟しとけよ」
「いざとなれば、ひと暴れしてやんよ!」
「まぁ、成る様にしか成らんだろうよ」
王都に近づくにつれ、何か異常な雰囲気が伝わってきます。
「何でしょう? ザワザワしてる……」
「止まれ! 今、王都は疫病の為に隔離されている。入るのは危険だ」
「何ですって!」
「我々は犯罪者を輸送してきたんだ。王都の衛兵に引き渡さなければ成らぬのだ」
「そうか……元気な騎士と衛兵は出城にいるから、そっちへ向かってくれ」
「そこに牢屋はあるのか?」
「この人数が入れるかは分からんが、とりあえず行ってくれ」
「しょうがないなぁ」
私達の馬車は、王都の門から壁沿いに、グルッと回って出城に向かいます。
出城は海からの敵に備える為に、海岸沿いの崖の上にありました。
魔族の地には回復魔法の得意な者が少ないそうです。
魔族には光属性魔法を習得している者が、殆どいないからだそうです。闇属性魔法の適正はあるそうなんですが。
「全くいない訳ではないのよ、光属性の上位魔法を使う者が極めて少ないの」
「そうなんですか……」
「あぁ、この地では女神の祝福が得られないからな」
「私は使えます。城下街に伝染病患者を助けに行きましょう」
「マリエルちゃんは光属性の上位魔法が使えるのね?」
「はい、街全体を覆うように魔法を発動したいので、街を見渡せる所を教えてください」
「それなら尖塔の上でしょうね」
「じゃあ、衛兵に見つからない様に忍び込もうか?」
「暗くなってからが良いわね」
「はい」
私達は出城の騎士団に犯罪捕虜を引き渡し、証拠書類も提出しました。
「今は伝染病の為に非常事態宣言が発令中なので即時対応が出来ぬ、とりあえず明日又来るように」
と、言われました。
出城近くの草原に、感染して無い者達がテントを張って避難していたので、私達もその一角に野営させて貰うことにしました。
早速インベントリから食材を取り出し料理して、みんなで美味しく夕食を食べました。
「お嬢ちゃん、一息ついたら王都に入ろうか?」
どうやらA級冒険者は、容易く王都に忍び込む事も出来るようです。
「ジルベルトさんは、簡単そうに仰いますね?」
「なぁに、転移魔道具を使うだけさ。貴重な物だから普段は使わない様にしてるけどな」
「そうなんですね」
「あぁ、使用回数制限があるから、緊急の時だけ使ってるんだ」
ジルベルトは短い杖の様な魔道具を出しました。
「一緒にこの杖を握ってくれ」
「はい」
「王都ベックスタッドの街壁の中に【転移】!」
シュイイイイインッ!
私達は一瞬で街壁の外から内に転移しました。
「よし、早速尖塔に登ろう」
「はい」
尖塔は街の外を見張る為に1番高い施設です。海の向こうの大地まで見えるそうです。
「それではいきます。広域浄化魔法【フルクリーンピュリフィケーション】!」
シュイイイイイイイイイインッ!
光のドームが街全体を囲む大きさに広がります。
ピッキイイイイイイイイイインッツ!
浄化が始まると、光の小さな粒がドームの中に降り注いで、伝染病菌を残らず撲滅し尽しました。
「次は、具合の悪い人を回復します」
「MPは大丈夫なのか?」
「いいえ、カラッカラなので、マナポーションを飲みます」
ングッ、ングッ、ングッ、ングッ……
尖塔から街中を見下ろすと、苦しんでる人が溢れていました。
すでにウイルスは撲滅されましたが、体力を失い倒れている人が沢山いたのです。
「王都の街全体に【範囲完全回復】!」
シュイイイイイイイイイインッ!
光のドームが街全体を囲む大きさに広がります。
ピッキイイイイイイイイイインッツ!
回復魔法の光の粒がドームの中に降り注いで、全住民の体力を回復しました。
「お嬢ちゃん、やったな。凄いぞ!……って、また倒れてるしっ!」
「……」
「お嬢ちゃん、しっかりしろ!」
「魔力切れに違いないわ、マナポーションを飲ませましょう」
リーゼがマリエルの頭を膝の上に乗せて、口を開けポーションを飲ませます。
「ダメ、飲まないわ……仕方ないから口移しで飲ませましょう!」
マッシュが一歩前に出て、
「じゃあ、俺が……」
パッカァァァンッ!
速攻で、リーゼの平手がマッシュの頭をはたきました。
「ダメッ! ミレーヌ、お願い!」
「分かったわ」
トクトクトク……、
「……ングッ、ングッ、ングッ……」
「ん~、ノーカウントって事で……お願い…します」
「気が付いたみたい」
「お嬢ちゃん、【聖域】は当分の間は封印だな」
「はい……ジルベルトさん」
アッコロカムイがいた海岸には、ドロップした宝が山の様に積まれて残っていました。
「マジックバッグを持ってる者が倒されると、その鞄がドロップするとか。収納持ちが倒れると、収納魔法が解けて中身がドロップするとか聞いた事があるけど。これは又、随分と貯め込んでたもんだなぁ」
「俺達全員で山分けしても結構な金持ちに成っちまうぞ」
「お嬢ちゃん、パーテイーの約束事で、依頼中の討伐では金銭を等分にするが、アイテムは貢献度順に1個づつ選んでいく事になってるんだ」
「はい、分かりました。約束事通りで問題ないです」
「でも、収納持ちはお嬢ちゃんだけだから、とりあえず収納して貰わないとな?」
「そうだな、王都に着いてから分配しよう」
「「「オゥ!」」」
ドロップアイテムは全て私のインベントリに一時収納されました。
そして、収納し終わると同時に、メッセージがスグに頭の中に流れ込んで来ました。
ピロリロリィィィンッ!
『マリエルはレベルアップしました』
ピロリロリィィィンッ!
『マリエルはノスロンド領の支配権を得ました』
ピロリロリィィィンッ!
『マリエルはノスロンド男爵の爵位を得ました』
ピロリロリィィィンッ!
『マリエルはノスロンド領の政治、行政、司法権を得ました』
ピロリロリィィィンッ!
『マリエルはノスロンド領の軍事権を得ました』
ピロリロリィィィンッ!
『マリエルはノスロンド領主の財産を全て得ました』
「ど、どうしましょう、何かとんでもない事になってますぅ!」
「「「ははぁ、新御領主様ぁぁ!」」」
両パーテイーの冒険者達は、片膝ついてマリエルに敬意を表します。
「やめてくださぁぁぁい! スグに立ってくださぁぁぁい!」
皆は顔を見合わせて、ニヤニヤしながら立ち上がりました。
「まぁ、領主に成りたくなければ、国王に領地を返上すればいいんじゃないか?」
「怒られないかしらね」
「大丈夫だろう」
「もしかしたら、反乱軍として扱われないかしら?」
「う~ん、分からん」
「まぁ、とりあえず、国王に成り行きを説明するしかないよなぁ」
「あぁ」
「それでは御領主様、そろそろ出発致しましょう」
「もうっ、いい加減にして下さいっ!」
「でも、この世界では勝者が全てを奪うのが常だから、たぶんこのまま領主に成ってしまうかもな……」
「はぁ、はぃ……」
私達は馬車に乗り込み、再び王都に向かって進みました。
2日後には王都に到着する予定です。
その後、無事に何事も無く2日が過ぎました。
「もうすぐジャマング王国の王都ベックスタッドだ、皆覚悟しとけよ」
「いざとなれば、ひと暴れしてやんよ!」
「まぁ、成る様にしか成らんだろうよ」
王都に近づくにつれ、何か異常な雰囲気が伝わってきます。
「何でしょう? ザワザワしてる……」
「止まれ! 今、王都は疫病の為に隔離されている。入るのは危険だ」
「何ですって!」
「我々は犯罪者を輸送してきたんだ。王都の衛兵に引き渡さなければ成らぬのだ」
「そうか……元気な騎士と衛兵は出城にいるから、そっちへ向かってくれ」
「そこに牢屋はあるのか?」
「この人数が入れるかは分からんが、とりあえず行ってくれ」
「しょうがないなぁ」
私達の馬車は、王都の門から壁沿いに、グルッと回って出城に向かいます。
出城は海からの敵に備える為に、海岸沿いの崖の上にありました。
魔族の地には回復魔法の得意な者が少ないそうです。
魔族には光属性魔法を習得している者が、殆どいないからだそうです。闇属性魔法の適正はあるそうなんですが。
「全くいない訳ではないのよ、光属性の上位魔法を使う者が極めて少ないの」
「そうなんですか……」
「あぁ、この地では女神の祝福が得られないからな」
「私は使えます。城下街に伝染病患者を助けに行きましょう」
「マリエルちゃんは光属性の上位魔法が使えるのね?」
「はい、街全体を覆うように魔法を発動したいので、街を見渡せる所を教えてください」
「それなら尖塔の上でしょうね」
「じゃあ、衛兵に見つからない様に忍び込もうか?」
「暗くなってからが良いわね」
「はい」
私達は出城の騎士団に犯罪捕虜を引き渡し、証拠書類も提出しました。
「今は伝染病の為に非常事態宣言が発令中なので即時対応が出来ぬ、とりあえず明日又来るように」
と、言われました。
出城近くの草原に、感染して無い者達がテントを張って避難していたので、私達もその一角に野営させて貰うことにしました。
早速インベントリから食材を取り出し料理して、みんなで美味しく夕食を食べました。
「お嬢ちゃん、一息ついたら王都に入ろうか?」
どうやらA級冒険者は、容易く王都に忍び込む事も出来るようです。
「ジルベルトさんは、簡単そうに仰いますね?」
「なぁに、転移魔道具を使うだけさ。貴重な物だから普段は使わない様にしてるけどな」
「そうなんですね」
「あぁ、使用回数制限があるから、緊急の時だけ使ってるんだ」
ジルベルトは短い杖の様な魔道具を出しました。
「一緒にこの杖を握ってくれ」
「はい」
「王都ベックスタッドの街壁の中に【転移】!」
シュイイイイインッ!
私達は一瞬で街壁の外から内に転移しました。
「よし、早速尖塔に登ろう」
「はい」
尖塔は街の外を見張る為に1番高い施設です。海の向こうの大地まで見えるそうです。
「それではいきます。広域浄化魔法【フルクリーンピュリフィケーション】!」
シュイイイイイイイイイインッ!
光のドームが街全体を囲む大きさに広がります。
ピッキイイイイイイイイイインッツ!
浄化が始まると、光の小さな粒がドームの中に降り注いで、伝染病菌を残らず撲滅し尽しました。
「次は、具合の悪い人を回復します」
「MPは大丈夫なのか?」
「いいえ、カラッカラなので、マナポーションを飲みます」
ングッ、ングッ、ングッ、ングッ……
尖塔から街中を見下ろすと、苦しんでる人が溢れていました。
すでにウイルスは撲滅されましたが、体力を失い倒れている人が沢山いたのです。
「王都の街全体に【範囲完全回復】!」
シュイイイイイイイイイインッ!
光のドームが街全体を囲む大きさに広がります。
ピッキイイイイイイイイイインッツ!
回復魔法の光の粒がドームの中に降り注いで、全住民の体力を回復しました。
「お嬢ちゃん、やったな。凄いぞ!……って、また倒れてるしっ!」
「……」
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