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第2章 アリタリカ帝国に留学
76 蜂蜜ヌリヌリ
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マリエル達は『未踏のダンジョン』11階の探索を続けています。
私達は大きな木の幹にビートルを見つけました。1メートルぐらいの個体1匹だけです。
「マリちゃん、日本だとクヌギの木の樹液が出てる所で、カブトムシやクワガタが餌場争いをしているんだよ」
「さすが男の子、良く知ってるね。 スズちゃん、近くに他の魔物が居ないか警戒をお願いします」
「は~い」
「アダモちゃんはフレニちゃんを守って下さいね」
『畏まりましたぁ』
「それでは、このフロアのボスであるヘラクレスビートル戦を意識して、このビートルでシュミレーションを致しましょう」
「「「はい」」」
「エリザとエリシャナは正面からビートルを引き付けます。ケンちゃんとスズちゃんは側面に回りこみ足の関節を切断してください。私とサッチャンは魔法で後方からサポートしますね」
「「「はい」」」
ガシッ、バシッ、シャァァァッ、ブッシャァァァッ! ズッシャァァァッ!
エリザとエリシャナが正面でビートルの角攻撃を受けて、側面からケンちゃんとスズちゃんが足の関節を切り落しました。足を切り落されたビートルは、なすすべも無くエリザとエリシャナに横腹を突かれて止めを刺されました。
「良く出来ました。これならボス戦もいけるんじゃないでしょうか?」
「御嬢様、ボスのヘラクレスビートルはこれの2倍以上の大きさだそうですが」
「それに関節も、もっと硬いと思います」
エリザとエリシャナがそう言いました。
「そうですか……」
「マリちゃん、俺とスズちゃんなら、たぶんヘラクレスビートルの関節でも切り落せると思うよ」
「そう……スズちゃんもそう思いますか?」
「はい、御姉様」
「それでは、ボスの居場所を見つけたら戦ってみましょうね?」
「「「は~い」」」
私達はボスを探しながら11階の探索を続けますが、それらしき大きな昆虫は見つかりません。
「エリザ、貴方達がまだ探していない所が有るのではないですか? そこを探して見ましょう」
「はい、畏まりました」
私達は更に数十分程の探索を続けました。
「む~ん、なかなか見付かりませんね。もしかしたら、何かフラグを回収しなければ成らないのでしょうか?」
「ふむ、マリちゃん。ゲームなら良く有る事だよね。むしろ必須とでも言うべきかなぁ」
「スズちゃん、情報収集をお願いできますか?」
「は~い、行って来ま~す」
ボッワワワワァァァンッ!
スズちゃんは一瞬にして煙と共に消えてしまいました。
「「「わっ!」」」
「凄い!」
「ビックリしました!」
「さすがスズちゃんです」
皆でスズちゃんが消えた後をマジマジと眺めました。
「御姉様!」
僅かな間を開けて、マリエルの後ろから、不意にスズちゃんが声を掛けました。
「はい、何か忘れ物ですか?」
「いいえ、この先の森の中の開けた空間に、フィリップ(髭面男)さん達が休憩しています」
「はい、そうですか……おヒゲさんの名前はフィリップさんだったんだね」
「はい……それで、彼らはボス戦の後のようなのです。怪我をしている者も居るのです」
「まぁ、何かお手伝い出来るでしょうか? 行って見ましょう」
「「「はい」」」
「こんにちは~」
「おぅ、譲ちゃん達か。これは恥かしい所を見られちまったなぁ」
「フロアボスと戦ったのですね?」
「あぁ、負けちまったよ。命からがら、やっと逃げてきた所だ」
「怪我をしているのですね?」
「角が厄介でな、でかい角で突かれたり振り回されたりするんで近づけないんだ。どうやら俺は、あばら骨を折られちまったようだ。そっちは腕を折られているのか?」
「うぅっ、そうみたいだ。左肘がすげぇ痛ぇんだ」
「ちょっと、失礼いたします。動かないで下さいね。【洗浄】【消毒】【完全回復】!」
シュワシュワシュワワワァァァンッ!
ピッキィイイイイインッ!
ホワワワワァァァァァンッ!
「次は貴方ですね、【洗浄】【消毒】【完全回復】!」
シュワシュワシュワワワァァァンッ!
ピッキィイイイイインッ!
ホワワワワァァァァァンッ!
「はあっ! 全然痛くないぞ」
「俺も肘が動くぞ!」
「武器と防具を【復元】!」
シュィイイイイインッ!
「なっ、何だ! 剣の刃こぼれも、欠けちまった鎧も直っている。いや新品状態だ!」
「良かったですね。歩いて自力で帰れそうですか?」
「勿論だ。いや、もう1回戦えそうなぐらいだよ。感謝感激だ! お譲ちゃんに何か礼をしなきゃなぁ」
「それなら、ボスと戦うための条件を教えて下さいませんか?」
「えっ、知らないのか? この先のくぬぎの大木にキラービーの蜂蜜を塗ると、何処からともなくボスが現れるんだぞ。ギルドでも教えてくれてるぞ」
「そうだったんですかぁ」
「このフロアに現われる蜜取り爺さんも教えてくれるんだが、まだ会ってないのかな?」
「御嬢様申し訳有りません、私の落ち度です」
「エリザ、そんな事はありませんよ。貴方達は良くやってくれています」
「マリちゃん、さっき戦った蜂のモンスターから、ドロップアイテムの蜂蜜をゲットしてマジックバッグに入れてあるよ」
「おぅ、それだそれだ。その蜂蜜を大木に塗ればいいんだっ!」
「はい、教えて下さり有難う御座います」
「いやぁ、礼を言うのはこっちだよ。元気にしてもらって装備まで新品にして貰ったんだからなぁ」
「じゃあ、お互い様って事ですね?」
「こっちが圧倒的に助かってるだろう。お譲ちゃんが希少な光属性魔法の使い手とは恐れいったなぁ」
「あのぅ、良かったら一緒にもう1度、ボス戦をしませんか?」
「えっ、いいのか? 俺達は嬉しいけど。それなら俺達が前面で囮になるから、譲ちゃん達が側面攻撃してくれよ。この人数なら何とか成るかも知れないな。危ない時は俺達を置いてサッサと逃げてくれて良いからなっ!」
「分かりました、それでいきましょう。よろしくお願い致します」
(うふふ、決して置いて行ったりなんかしませんよ……)
「な~に、光属性魔法の使い手がいれば、多少の怪我は心配ないからなぁ。よろしくな!」
「「「よろしく~!」」」
私達は大きな木の幹にビートルを見つけました。1メートルぐらいの個体1匹だけです。
「マリちゃん、日本だとクヌギの木の樹液が出てる所で、カブトムシやクワガタが餌場争いをしているんだよ」
「さすが男の子、良く知ってるね。 スズちゃん、近くに他の魔物が居ないか警戒をお願いします」
「は~い」
「アダモちゃんはフレニちゃんを守って下さいね」
『畏まりましたぁ』
「それでは、このフロアのボスであるヘラクレスビートル戦を意識して、このビートルでシュミレーションを致しましょう」
「「「はい」」」
「エリザとエリシャナは正面からビートルを引き付けます。ケンちゃんとスズちゃんは側面に回りこみ足の関節を切断してください。私とサッチャンは魔法で後方からサポートしますね」
「「「はい」」」
ガシッ、バシッ、シャァァァッ、ブッシャァァァッ! ズッシャァァァッ!
エリザとエリシャナが正面でビートルの角攻撃を受けて、側面からケンちゃんとスズちゃんが足の関節を切り落しました。足を切り落されたビートルは、なすすべも無くエリザとエリシャナに横腹を突かれて止めを刺されました。
「良く出来ました。これならボス戦もいけるんじゃないでしょうか?」
「御嬢様、ボスのヘラクレスビートルはこれの2倍以上の大きさだそうですが」
「それに関節も、もっと硬いと思います」
エリザとエリシャナがそう言いました。
「そうですか……」
「マリちゃん、俺とスズちゃんなら、たぶんヘラクレスビートルの関節でも切り落せると思うよ」
「そう……スズちゃんもそう思いますか?」
「はい、御姉様」
「それでは、ボスの居場所を見つけたら戦ってみましょうね?」
「「「は~い」」」
私達はボスを探しながら11階の探索を続けますが、それらしき大きな昆虫は見つかりません。
「エリザ、貴方達がまだ探していない所が有るのではないですか? そこを探して見ましょう」
「はい、畏まりました」
私達は更に数十分程の探索を続けました。
「む~ん、なかなか見付かりませんね。もしかしたら、何かフラグを回収しなければ成らないのでしょうか?」
「ふむ、マリちゃん。ゲームなら良く有る事だよね。むしろ必須とでも言うべきかなぁ」
「スズちゃん、情報収集をお願いできますか?」
「は~い、行って来ま~す」
ボッワワワワァァァンッ!
スズちゃんは一瞬にして煙と共に消えてしまいました。
「「「わっ!」」」
「凄い!」
「ビックリしました!」
「さすがスズちゃんです」
皆でスズちゃんが消えた後をマジマジと眺めました。
「御姉様!」
僅かな間を開けて、マリエルの後ろから、不意にスズちゃんが声を掛けました。
「はい、何か忘れ物ですか?」
「いいえ、この先の森の中の開けた空間に、フィリップ(髭面男)さん達が休憩しています」
「はい、そうですか……おヒゲさんの名前はフィリップさんだったんだね」
「はい……それで、彼らはボス戦の後のようなのです。怪我をしている者も居るのです」
「まぁ、何かお手伝い出来るでしょうか? 行って見ましょう」
「「「はい」」」
「こんにちは~」
「おぅ、譲ちゃん達か。これは恥かしい所を見られちまったなぁ」
「フロアボスと戦ったのですね?」
「あぁ、負けちまったよ。命からがら、やっと逃げてきた所だ」
「怪我をしているのですね?」
「角が厄介でな、でかい角で突かれたり振り回されたりするんで近づけないんだ。どうやら俺は、あばら骨を折られちまったようだ。そっちは腕を折られているのか?」
「うぅっ、そうみたいだ。左肘がすげぇ痛ぇんだ」
「ちょっと、失礼いたします。動かないで下さいね。【洗浄】【消毒】【完全回復】!」
シュワシュワシュワワワァァァンッ!
ピッキィイイイイインッ!
ホワワワワァァァァァンッ!
「次は貴方ですね、【洗浄】【消毒】【完全回復】!」
シュワシュワシュワワワァァァンッ!
ピッキィイイイイインッ!
ホワワワワァァァァァンッ!
「はあっ! 全然痛くないぞ」
「俺も肘が動くぞ!」
「武器と防具を【復元】!」
シュィイイイイインッ!
「なっ、何だ! 剣の刃こぼれも、欠けちまった鎧も直っている。いや新品状態だ!」
「良かったですね。歩いて自力で帰れそうですか?」
「勿論だ。いや、もう1回戦えそうなぐらいだよ。感謝感激だ! お譲ちゃんに何か礼をしなきゃなぁ」
「それなら、ボスと戦うための条件を教えて下さいませんか?」
「えっ、知らないのか? この先のくぬぎの大木にキラービーの蜂蜜を塗ると、何処からともなくボスが現れるんだぞ。ギルドでも教えてくれてるぞ」
「そうだったんですかぁ」
「このフロアに現われる蜜取り爺さんも教えてくれるんだが、まだ会ってないのかな?」
「御嬢様申し訳有りません、私の落ち度です」
「エリザ、そんな事はありませんよ。貴方達は良くやってくれています」
「マリちゃん、さっき戦った蜂のモンスターから、ドロップアイテムの蜂蜜をゲットしてマジックバッグに入れてあるよ」
「おぅ、それだそれだ。その蜂蜜を大木に塗ればいいんだっ!」
「はい、教えて下さり有難う御座います」
「いやぁ、礼を言うのはこっちだよ。元気にしてもらって装備まで新品にして貰ったんだからなぁ」
「じゃあ、お互い様って事ですね?」
「こっちが圧倒的に助かってるだろう。お譲ちゃんが希少な光属性魔法の使い手とは恐れいったなぁ」
「あのぅ、良かったら一緒にもう1度、ボス戦をしませんか?」
「えっ、いいのか? 俺達は嬉しいけど。それなら俺達が前面で囮になるから、譲ちゃん達が側面攻撃してくれよ。この人数なら何とか成るかも知れないな。危ない時は俺達を置いてサッサと逃げてくれて良いからなっ!」
「分かりました、それでいきましょう。よろしくお願い致します」
(うふふ、決して置いて行ったりなんかしませんよ……)
「な~に、光属性魔法の使い手がいれば、多少の怪我は心配ないからなぁ。よろしくな!」
「「「よろしく~!」」」
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