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第1章 アストリア王国に転生

22 ダンジョン攻略

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「マリちゃん、行ける所までダンジョン攻略しようよ」

「無理をしないで『命大事に』って方針なら良いかもね」


「ルイスと一緒に行って貰って、ルイスに判断して貰ったら?」

 ガチャリ!
 と、ドアが開きました。

「ワシが一緒に行ってやろう」

「お父様!」


「ワシはダンジョンボスを倒した事があるのじゃ、保護者として退却のタイミングを図ってやろう」

「わ~い、お父様大好きですぅ」

 マリエルは、お父様に抱きつきます。
 お父様の目尻と口元が『デレッ』っと下がりました。


「お父様は南の森のダンジョンを攻略してたのですね?」

「こう見えても騎士学校を主席で卒業しているのだぞ」

「まぁ、お父様尊敬いたしますわ」

「そうじゃろう、そうじゃろう」

 私達は明日、お父様と一緒にダンジョン攻略に行く事に成りました。



 翌日の朝食後、私達は2台の馬車に分乗して出かけました。

 お父様が魔物除けの結界を馬車に張りましたので、魔物に襲われる事無くダンジョンに到着しました。
 ロベルトが、広場で2台の馬車のお留守番をしてくれます。
 ルイス・ケンちゃん・スズちゃん・ピーちゃん・お父様・私・ルディくん・メアリィの順番でダンジョンに入りました。

 お父様は基本手を出しません。
 ルディくんも1番幼いので、パーティとして経験値を積んで貰うだけの予定です。
 お父様も含めて、全員『マリエル隊』としてパーティ登録しましたので、戦闘に参加しなくても経験値が入るのです。
 前回は1階をマッピングしたので、軽く魔物をあしらいながら真っ直ぐ2階に向かいました。


 〇 ▼ 〇


 2階にはゴブリン・ゴースト・ジャイアントトードが出現しました。

 ジャイアントトードは全長2メートルぐらいの大きなカエルです。
 メアリィが見ただけで悲鳴を上げました。
 私は大丈夫です。普通のカエルなら手の平に仰向けに載せ、お腹を撫でる事も出来ます。

 ヌメリのある緑色の光った体をしていて、長い舌で巻き付き飲み込もうとしてきました。
 ルイスに巻き付きましたが、ケンちゃんとスズちゃんが剣で刺して簡単に倒しました。
 動きが遅く皮膚が柔らかいので、舌さえ避ければ初撃で倒せます。


 3階はジャイアントトード・コボルト・スケルトンが出現しました。

 コボルトは2足歩行で短剣を持つ犬型の魔物です。身長130センチぐらいです。
 魔法を使わず真っ直ぐ向かって来て、短剣で切りかかります。
 攻撃が単調で前衛が簡単にあしらいました。

 スケルトンは人の骸骨だけが動いてる魔物です。【浄化】魔法も効きますが、火属性魔法が弱点です。
 剣での攻撃では、魔核を狙わなければ効果がありません。
 骨を斬っても痛がらず、そのまま攻撃を続けてきます。
 ケンちゃんは【火弾】ファイヤーボールで大活躍でした。


 4階はコボルト・スケルトン・トレントが出現しました。

 トレントは木の魔物で、1~2メートルぐらいの木が歩いて、ワサワサと動きながら枝を振り回して攻撃してきます。
 枝を真っ直ぐ伸ばして突き出して来る時は危険です。中々鋭いです。
 トレントには剣も魔法も効きます。幹の中ほどに目や口があり、そこが弱点です。
 顔に【石弾】や【火弾】を撃ち込んで倒しました。


 5階はトレント・オーク・ゾンビが出現しました。

 オークはおなじみ2足歩行の豚の魔物です。対人戦闘の要領で戦います。
 ゾンビは死んで腐った人間が歩いてます。動きが遅く噛み付いてきます。頭が弱点です。


 6階はオーク・ゾンビ・ウエアウルフが出現しました。

 ウエアウルフは狼男です。月を見ると変身して狼になると言われてますが、ここではいつも狼の姿です。
 銀製品が弱点だそうですが、剣等で首を斬りおとしたり魔核を斬ったりしても倒せます。
 動きが早く、攻撃も鋭いので【ブラインド】で目潰ししたり、【石化】で足止めしたりして剣で切り掛かり倒しました。


 7階はウエアウルフ・ミノタウロス・グールが出現しました。

 ミノタウロスは首から上が牛の魔物です。身長2メートルぐらいで大斧を持っています。
 力が強く大斧が当ったら大変です。【ブラインド】で目潰しして、離れた所から魔法を撃ち込んで倒しました。

 グールはゾンビの上位種です。対応の仕方も同じです。動きが少し早く耐久力も上がってるようですが、特に問題はありませんでした。【火弾】や【石弾】を撃って剣で頭を斬りおとしました。


 8階はミノタウロス・グール・死霊が出現しました。

 死霊はゾンビやグールの上位種の様に見えますが、物理攻撃があまり効きません。
 【火弾】【浄化】等の魔法攻撃が弱点でした。私達のパーティは相性が良く、簡単に倒せました。


 9階は死霊・ラミア・バンパイアが出現しました。

 ラミアは上半身が女性で下半身が蛇の魔物です。通常の物理と魔法攻撃で倒しました。
 バンパイアは吸血鬼でコウモリから人間に変身します。

「ケンちゃんマジックバッグから銀を出してちょうだい」
 マジックバッグには、採取した鉱物が数種類入ってます。

「はい、マリちゃん」

「ありがとう。【鍛冶】で銀をロングソードに成型」

 シュィイイイイインッ!

「ケンちゃんこの剣を使って!」

「ありがとう、マリちゃん」

 ケンちゃんは銀製のロングソードでバンパイアに斬りかかり、止めを刺しました。
 私は、コウモリに変身して飛んでるバンパイアの羽を【石化】して落とします。
 それをケンちゃんが銀製のロングソードで倒しました。


 10階はラミア・バンパイア・シャドウナイトが出現しました。

 シャドウナイトは、骸骨が武器や鎧で武装してる魔物です。
 人間と同じ様に動きます。物理攻撃は効き難く、魔核を斬らないとダメージを与えられません。
 腕を斬りおとしても、首を斬りおとしても、拾って元に戻してしまいます。
 魔法攻撃は結構有効でした。【浄化】も効きますが面白くないので、皆で戦って経験を積んで貰いました。


 10階のボス部屋はデスナイトが出現しました。

 結果、全てのアンデッド系は、私の【浄化】で一瞬で消えてしまう事が分かりました。
 デスナイトも例外では有りません、瞬殺しました。
 他の魔物達も物理と魔法のコラボで、ほとんど苦戦しませんでした。
 バンパイアだけは、首を切り落としたり心臓を突いたりと、少しだけ苦労しましたが。
 次からはマジックバッグに銀製品を沢山入れときます。


「あの~お父様、ダンジョン攻略出来ちゃいました、ありがとうございます。相性が良かったのかしら、テヘペロ!」

「う~む、ここまで簡単に攻略してしまうとは、想定外だったわい」

 私達はドロップアイテムと討伐証明部位を回収して地上に帰ります。


 〇 ▼ 〇


「お父様、本日は御引率有難う御座いました」

「うむ、ワシの出る幕は無かったのぅ」

「そんな事は有りません。お父様がいらっしゃったので、安心してダンジョン攻略する事が出来ました」

「そうか、それなら良かった」

 私達は意気揚々とお城に帰りました。
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