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第1章 アストリア王国に転生
11 採取とレベリング
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私達は城下の南の草原で、薬草採取と魔物討伐によるレベリングをしています。
採取した薬草をケンちゃんのお腹のマジックバッグに入れると、レシピに従ってポーションを作る事ができるのです。
作ったポーションは、そのままマジックバッグの中にキープする事も出来ますし、薬草のままキープしとく事も出来ます。
つまり、熊のお人形であるケンちゃんのお腹は、マジックバッグ兼錬金装置に成ってるのです。
「私はまだレベル1だけど、パーティ登録したんだからレベルが上がるといいなぁ」
「お嬢様、私も手を繋いでましたけど、レベルを上げた方が良いのですか?」
「うふふふ、メアリィも一緒に冒険しましょっ!」
「はい……」
「とりあえず今は、ルイスとケンちゃんとピーちゃんに頑張って貰いましょうね」
「「はい」」
「オッケー」
「キュルキュル」
私達は採取しながら、魔物を探します。
「スライム居ないねぇ」
「お城に近いですから……この辺には少ないです」
ルイスが応えました。
「あっ、なんか違う色のスライムが居るよ!」
銀色に鈍く光るスライムがお昼寝していて、鼻提灯が飛んでフワフワと漂っています。
「へタレスライムです! へタレなのでスグに逃げますが、中々倒せず経験値が沢山得られると言われています。一発で仕留めないとスグに逃げてしまうのです」
声を潜めてルイスが教えてくれました。
「ピーちゃん、お願いね」
「キュルキュルッ!」
ピーちゃんが口を大きく開きます。
「ピャッ!」
シュゥゥゥッ、ドォンッ!
ピーちゃんの口から氷の弾丸が飛び、核に命中してへタレスライムを倒しました。
「ピーちゃん凄い! いい子いい子!」
「キュルキュルッ」
パッパカパァァンッ! パッパカパァァンッ! パッパカパァァンッ!
「ワァ、3回もレベルが上がったわぁ。レベル4に成ったのぅ!」
「「おめでとうございます、お嬢様」」
「光属性魔法と土属性魔法が、レベル1だって!」
「お嬢様おめでとうございます。光属性魔法を使える者は少ないのですよ」
「わーい、やったぁぁ。……貴方達もレベルが上がったんでしょう?」
「私達は自分で確認できませんが、たぶん上がっていると思います」
「そぅ……じゃあ見てあげるね、ルイスとメアリィを【鑑定】!」
シュィイイインッ!
「まぁ、ルイスがレベル24で、メアリィがレベル5だわ!」
「はい、有難う御座います」
「マリちゃん、俺はレベル8だよ!」
「ケンちゃんは、何か魔法が増えたの?」
「【火炎槍】ファイヤーランスが増えたよ」
「凄ぉぉいっ! 良かったねぇ」
「お嬢様、ファイヤーランスは、ファイヤーボールの上位魔法です」
「そうなんだ。教えてくれてありがとう、ルイス」
暫く行くと、又銀色に鈍く光るスライムが居ました。
「あっ! 同じ銀色のスライムだけど、何か態度が悪そうに見えるわ!」
「ヤサグレへタレスライムです! 群れから独立してヤサグレてますが、やはりへタレなのでスグに逃げます。更に倒すのが難しいので、経験値がもっと沢山得られると言われています。一発で仕留めないと逃げてしまうのも同じです」
「じゃあ、逃げられない様に私が目潰しするね。……ヤサグレへタレスライムを【ブラインド】!」
ピッキィイイインッ!
ヒギィッ!
ヤサグレへタレスライムは目が見えないので、ウロウロ、ジタバタしています。
「ケンちゃん、ファイヤーランスを使ってみたら?」
「オッケー……ヤサグレへタレスライムに【火炎槍】ファイヤーラーンス!」
ボワッ…シュゥゥゥッ…ヴァアアアンッ!
火炎槍が核に命中し、ヤサグレへタレスライムを倒しました。
「ケンちゃん凄い! いい子いい子!」
「ヘヘヘヘ~ッ」
パッパカパァァンッ! パッパカパァァンッ! パッパカパァァンッ!
「わあ、又3回レベルが上がったわぁ。レベル7に成ったのぅ!」
「「お嬢様おめでとうございます」」
「う~ん、ちょっと気持ち悪く成ったから、今日はもぅ帰りましょうか?」
「マリちゃん、それたぶんレベル上げ酔いってヤツだよ」
「そう……メアリィも気持ち悪いの?」
「はい、ちょっと気分が悪いです」
「じゃあ、帰りましょう」
「「はい、お嬢様」」
「オッケー」
「キュルキュル」
私達は馬車に乗ってお城に帰ります。
しばらく馬車で走ると、道端に座り込む母子が居ました。
「ルイス馬車を停めてちょうだいな」
「はい、お嬢様」
御者をしているルイスが馬車を停めました。
「こんにちは、どうしたのですか?」
「母が病気で……城下のお医者様に見て貰おうと向かっているのですが、具合が酷く成ってしまって歩けないのです」
「まあ大変。ちょうど、お薬を持っていますから、お飲みになってくださいな」
「有難う御座います。お金は、これだけしか持っていないのですが足りますでしょうか?」
「お金は要りませんわ、遠慮なくお飲みになって下さいな」
(初めて作ったポーションだから、効き目が分からないしね)
「有難う御座います、頂きます」
ゴクゴクゴクゴク……、
ホワワワワァァァン!
「まぁ、飲んだばかりなのに……体が軽くなって、気分も爽やかに成りました!」
「そんなスグに?」
「はい。これ程良く効く薬とは、キット宮廷魔道師様が作った物なのですね。高価な物を有難う御座います、このご恩は忘れません。どうぞ御名前をお聞かせくださいませ」
「クロッシュア・ラグリス・レオポルド辺境伯様の一子、マリエル・ウォルフ・レオポルド様です」
「ははぁぁっ、御領主様のお子様で。知らぬ事とは言え、ご無礼致しました」
母子はそろって、その場に平伏しました。
「病気が治った様で良かったですね、ごきげんよう」
私達は平伏する母子を置いて、さっさと馬車に乗って城に向かいました。
(試しに作ったポーションが効いて良かったわ)
「エイルちゃん、こんばんは。
草原でレベリングをしています。
レベル7に成って、光属性魔法と土属性魔法がレベル2に成りました。
完全回復ポーションを病気の母親にあげたらスグに治りました。
いつも見守ってくれて、ありがとう。
おやすみなさい。
親友のマリエルより」
「マリエルちゃん、こんばんは。
レベルが上がって良かったね。
土属性が有るのは分かってたけど、光属性も覚えて良かったね。
光属性は、人族では珍しい魔法です。
おやすみなさい。
親友のエイルより」
採取した薬草をケンちゃんのお腹のマジックバッグに入れると、レシピに従ってポーションを作る事ができるのです。
作ったポーションは、そのままマジックバッグの中にキープする事も出来ますし、薬草のままキープしとく事も出来ます。
つまり、熊のお人形であるケンちゃんのお腹は、マジックバッグ兼錬金装置に成ってるのです。
「私はまだレベル1だけど、パーティ登録したんだからレベルが上がるといいなぁ」
「お嬢様、私も手を繋いでましたけど、レベルを上げた方が良いのですか?」
「うふふふ、メアリィも一緒に冒険しましょっ!」
「はい……」
「とりあえず今は、ルイスとケンちゃんとピーちゃんに頑張って貰いましょうね」
「「はい」」
「オッケー」
「キュルキュル」
私達は採取しながら、魔物を探します。
「スライム居ないねぇ」
「お城に近いですから……この辺には少ないです」
ルイスが応えました。
「あっ、なんか違う色のスライムが居るよ!」
銀色に鈍く光るスライムがお昼寝していて、鼻提灯が飛んでフワフワと漂っています。
「へタレスライムです! へタレなのでスグに逃げますが、中々倒せず経験値が沢山得られると言われています。一発で仕留めないとスグに逃げてしまうのです」
声を潜めてルイスが教えてくれました。
「ピーちゃん、お願いね」
「キュルキュルッ!」
ピーちゃんが口を大きく開きます。
「ピャッ!」
シュゥゥゥッ、ドォンッ!
ピーちゃんの口から氷の弾丸が飛び、核に命中してへタレスライムを倒しました。
「ピーちゃん凄い! いい子いい子!」
「キュルキュルッ」
パッパカパァァンッ! パッパカパァァンッ! パッパカパァァンッ!
「ワァ、3回もレベルが上がったわぁ。レベル4に成ったのぅ!」
「「おめでとうございます、お嬢様」」
「光属性魔法と土属性魔法が、レベル1だって!」
「お嬢様おめでとうございます。光属性魔法を使える者は少ないのですよ」
「わーい、やったぁぁ。……貴方達もレベルが上がったんでしょう?」
「私達は自分で確認できませんが、たぶん上がっていると思います」
「そぅ……じゃあ見てあげるね、ルイスとメアリィを【鑑定】!」
シュィイイインッ!
「まぁ、ルイスがレベル24で、メアリィがレベル5だわ!」
「はい、有難う御座います」
「マリちゃん、俺はレベル8だよ!」
「ケンちゃんは、何か魔法が増えたの?」
「【火炎槍】ファイヤーランスが増えたよ」
「凄ぉぉいっ! 良かったねぇ」
「お嬢様、ファイヤーランスは、ファイヤーボールの上位魔法です」
「そうなんだ。教えてくれてありがとう、ルイス」
暫く行くと、又銀色に鈍く光るスライムが居ました。
「あっ! 同じ銀色のスライムだけど、何か態度が悪そうに見えるわ!」
「ヤサグレへタレスライムです! 群れから独立してヤサグレてますが、やはりへタレなのでスグに逃げます。更に倒すのが難しいので、経験値がもっと沢山得られると言われています。一発で仕留めないと逃げてしまうのも同じです」
「じゃあ、逃げられない様に私が目潰しするね。……ヤサグレへタレスライムを【ブラインド】!」
ピッキィイイインッ!
ヒギィッ!
ヤサグレへタレスライムは目が見えないので、ウロウロ、ジタバタしています。
「ケンちゃん、ファイヤーランスを使ってみたら?」
「オッケー……ヤサグレへタレスライムに【火炎槍】ファイヤーラーンス!」
ボワッ…シュゥゥゥッ…ヴァアアアンッ!
火炎槍が核に命中し、ヤサグレへタレスライムを倒しました。
「ケンちゃん凄い! いい子いい子!」
「ヘヘヘヘ~ッ」
パッパカパァァンッ! パッパカパァァンッ! パッパカパァァンッ!
「わあ、又3回レベルが上がったわぁ。レベル7に成ったのぅ!」
「「お嬢様おめでとうございます」」
「う~ん、ちょっと気持ち悪く成ったから、今日はもぅ帰りましょうか?」
「マリちゃん、それたぶんレベル上げ酔いってヤツだよ」
「そう……メアリィも気持ち悪いの?」
「はい、ちょっと気分が悪いです」
「じゃあ、帰りましょう」
「「はい、お嬢様」」
「オッケー」
「キュルキュル」
私達は馬車に乗ってお城に帰ります。
しばらく馬車で走ると、道端に座り込む母子が居ました。
「ルイス馬車を停めてちょうだいな」
「はい、お嬢様」
御者をしているルイスが馬車を停めました。
「こんにちは、どうしたのですか?」
「母が病気で……城下のお医者様に見て貰おうと向かっているのですが、具合が酷く成ってしまって歩けないのです」
「まあ大変。ちょうど、お薬を持っていますから、お飲みになってくださいな」
「有難う御座います。お金は、これだけしか持っていないのですが足りますでしょうか?」
「お金は要りませんわ、遠慮なくお飲みになって下さいな」
(初めて作ったポーションだから、効き目が分からないしね)
「有難う御座います、頂きます」
ゴクゴクゴクゴク……、
ホワワワワァァァン!
「まぁ、飲んだばかりなのに……体が軽くなって、気分も爽やかに成りました!」
「そんなスグに?」
「はい。これ程良く効く薬とは、キット宮廷魔道師様が作った物なのですね。高価な物を有難う御座います、このご恩は忘れません。どうぞ御名前をお聞かせくださいませ」
「クロッシュア・ラグリス・レオポルド辺境伯様の一子、マリエル・ウォルフ・レオポルド様です」
「ははぁぁっ、御領主様のお子様で。知らぬ事とは言え、ご無礼致しました」
母子はそろって、その場に平伏しました。
「病気が治った様で良かったですね、ごきげんよう」
私達は平伏する母子を置いて、さっさと馬車に乗って城に向かいました。
(試しに作ったポーションが効いて良かったわ)
「エイルちゃん、こんばんは。
草原でレベリングをしています。
レベル7に成って、光属性魔法と土属性魔法がレベル2に成りました。
完全回復ポーションを病気の母親にあげたらスグに治りました。
いつも見守ってくれて、ありがとう。
おやすみなさい。
親友のマリエルより」
「マリエルちゃん、こんばんは。
レベルが上がって良かったね。
土属性が有るのは分かってたけど、光属性も覚えて良かったね。
光属性は、人族では珍しい魔法です。
おやすみなさい。
親友のエイルより」
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