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 忌まわしき戦いから、はや10年が過ぎる。
 戦場の跡地では戦いで亡くなった者の慰霊碑が建てられている。
 今でも多くの人が来て手を会わせていく。
 そして今日はライルが12歳を迎え、成人式が行われている。
 ツカサの息子だと言うことで、お城ではなく、慰霊碑でしたいと本人の希望であった。
 そんな彼は大きく成長して、ぱっちりとした目、銀髪の髪をなびかせて、慰霊碑の前にたっていた。
 民達も各国から集まって、祈りを捧げていた。
「お母様、僕は貴方のおかげで、今を生きる事が出来ています」
 周囲に聞こえない程度に言葉にする。
 祈りを終えて民達の方に振り返る。
 すると女性の姿が見える。一際目立ち、ライルと同じ髪の女性が、民達の間に敷かれている絨毯の上をゆっくりと歩んでくる。
 そう亡きツカサの姿であった。
 ツカサに気がつき戦場で共にした兵士達はすすり泣き、民達も声を殺していた。
 フリード達の前に来たツカサはジロジロと3人を見るや、口を開く。
「年を取ったね」
 まさかの一声が見た目から来ると思わずフリードは笑う。
 確かにフリードとマリンはもう30に差し掛かるが、まだまだ現役だ。衰えを感じさせないほどだ。
「クックック、ツカサも相変わらず美しいな、年を取っていないようだな」
「死んでるからね」
 クスクスと笑い会う。
「マリンも久しぶりね」
「えぇ、本当に久しぶりですね」
「そっちのお嬢さんは?」
マリンの隣にいる金髪の少女、少しキツメの目をしているが、マリンの子供だとすぐにわかる。
「エルターナと申します」
 ドレスの両端を軽く摘まみ、膝を軽くおって挨拶をする。
「マリンと一緒で口数少ないね。そこがまた可愛いね」
 エルターナの頭を軽く撫でる。せっかく整えた髪が崩れてもいけないので、そして最後にライルの正面に立つ。
 無言のままライルを見る。
 痺れを切らしたライルが何かを言いかけたころ、強く抱き締める。
 人前で恥ずかしそうにするが、意識を持って包容されるのは、初めてなので、なされるがままにされる。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
 ツカサは小さい声でライルに謝り続ける。
 子供の大事な時期に居なくなってしまった事に謝り続ける。
「お母様、大丈夫です。お母様のおかげで僕は生きています」
 目尻に涙を貯めるライル、今にも泣きそうなのを我慢する。
「ありがとう、不出来な母親でごめんなさい」
「それは、違います。僕はお母様を誇りに思います。見てくださいお母様が、あれほどの人を助けたのですから」
 ライルの指を指す方向を見ると民達は一斉に拍手をしながら、感謝をのべる。
「そうね、辛気くさいのは終わり、それにしても良い男になったねライル」
「お父様とお母様の子供ですから」
 その言葉にツカサはライルのオデコをこいつ~と言うように軽く突く。
「さて、そろそろ時間も無くなって来たから私は行くわね」
 そう言うと4人は暗い顔をする。
 わかっていたが、それでも行って欲しくないと願うがそれは叶うことはなかった。
「大丈夫、私は何時でもあなた達を見ています。だから悲しむ必要はありません。フリード、マリン、エルターナそして私の息子ライル、力を合わせて、良き未来に繋いで下さいね」
 ツカサの体は光の粒子となり消え始め、咄嗟にフリードが手を伸ばすが虚しく空をきる。
 そして皆は何時までも空を見ていた。
 その後、大陸は無駄な争い無く、豊かに歴史に記憶を残していく。



ーーーーーーーーーーーーーーーー

 文章力のなさや誤字脱字が多い中、読んでくれてありがとうございます。
 これからは読みやすい用に努力は続けていきます。
 
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みんなの感想(2件)

なぎ
2018.04.04 なぎ

とても素敵です!
素晴らしい小説ありがとうごさいました!

ユミル
2018.04.04 ユミル

コメントありがとうございます。
始めての作品だったので不安などありましたが、面白いと思って頂き嬉しいです。
 今後も恋愛もの等投稿する予定なので、そちらも読んでいただけるよう頑張ります。

解除
2017.09.13 ユーザー名の登録がありません

退会済ユーザのコメントです

ユミル
2017.09.22 ユミル


中身が男性の設定で書いてみたかったので書かしてもらっています。
色々不自然な場面あると思いますがよろしくお願いします。
コメントをバネにあまり更新が遅くならないようがんばります?
コメントをありがとうございました( 〃▽〃)

解除

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