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 二人は戦場に向かう。
「いいかい? 今から見る者をきっちりと受け止めるのだ。戦いにおいて注意が削がれる時が危ないんだ。例えば、陛下が倒れてしまっても……」
 本陣を抜けると、そこには無残な兵士達の死体が転がっている。
 四肢が破損したものや顔が半分無くなった者や食いちぎられている者と様々だ。ツカサは込み上げて来るものがあるが、それに耐える。
 命を賭けて戦った者に失礼が無いように心の中で手を合わした。
 戦場の奥に進むにつれて、鉄錆びの匂いが濃くなる。
 至るところには血溜まりが出来ている。一体どれ程の人数が亡くなってしまったのだろう。
 しばらくすると兵士達の声が聞こえる。
 どうやら前に追いついたらしい。
 その兵士達はもとより戦い続けて、疲労が溜まっているのか、生気が薄く感じる。
 その場所を過ぎると戦場に着く。
 戦っている兵士達はもはや戦略は存在せず、魔物のに次々に攻撃を仕掛けている。
 魔物の攻撃を受け、倒れていくものに目を向けず、ただ目標に向かって攻撃を仕掛けるだけだ。
 ドコーン!所々に火柱が上がる。
きっとマリンやカルロ見たいな魔法使いが、戦っている兵士のだろうと思い、周囲を見渡す。
 一部隊敵の中腹まで潜っている部隊がる。
 そこには先ほどの出ていった3人の姿にが見える。
 フリードとレインがマリンを守りながら戦い。マリンの魔法で敵を倒していく。
 それに同行している兵士達は、ボロボロになりながらも、命尽きるまで燃やし続ける。
 「どうだい? これが戦場と言う物だ」
 ツカサは無言のまま頷く。
 自分が住んでいた世界では見ることもなかった光景だ。
 3人の姿を見ていると、ふと疑問が浮かんだ。
 どうしてあの部隊だけが、あんなに無理をして中腹まで潜っているのか、素人目でも何かの拍子に破られれば囲まれて孤立してしまうと言うことに。
「ねぇ、ランスどうしてフリード達は……」
「気がつきましたか? 今回の作戦にはツカサ様は入っていないのです。
戦争に無縁だったツカサ様が無理に戦うと必要は無いと」
「そんな……」
 自分の知らない場所で勝手に決められて居たことに衝撃をうける。
「ちなみに言い始めたのは、今ここに戦っている者やすでに命をとした兵士達だったのですよ。勇者に選ばれようが、我々の大事な人を守りたいと、そのためならば命惜しくないと、だからこの部隊はこんな状況でも戦っていられれるのです。3人もここで全てを終らすつもりだったのでしょうね」
 衝撃的な言葉にツカサは俯いてしまう。
「どうしますか? 天幕までお戻りになりますか?」
 首を横にふる。
「絶対に今からでも助けれる人を助けたい!」
 その言葉にランスは笑う。
「いやー さすがツカサ様ですね。
では、私はツカサ様を守りましょう。存分に戦って下さい」
「ツカサって呼んで。今から背中を預けるなら、呼びやすい方が良いでしょ?」
「では、ツカサ行きますよ!!」
「えぇ!」
 二人を乗せた馬はフリード達の所に向けて駆ける。
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