異世界召喚 王子様の婚約者

２４

　馬車の中でキララに聞いた事だが、王国に帰る重役達とちょっとした食事会が開かれるらしい。
 聞いたツカサは、帰りたくないと本気で思う。
　目的地に着いて、馬車から降りたツカサは、山の中腹と言う事で景色に目を奪われる。ふと下を見ると先ほど居た町が見え、人々の生活が良く見える。視線を戻すと、今居る王国が見える。
　今までに経験をした事の無い風景に感動を覚える。
 フリードに呼ばれ中に入る準備が出来たので、洞窟中に入る。　
　洞窟の中なのに整備されている。警備で常駐している兵下達がいる。
　少し進んでいくと、祭壇が見え始める。その上に置かれている勇者達の武器がある。
　近くに行くと、祭壇の上ある武器を覗く。置いてある。武器はショートソード、杖、刀が置いてあった。
　こんな物が、あるのだろうと不思議に思う。刀はしっかりと鞘に収まってる。
　好奇心に襲われたツカサは、刀を手にとって鞘から抜いてしまう。抜かれた刀の刀身は、見る位置によって、その美しさをかもし出す。それを見せようとフリードの方に向くと、一緒に来ていた人、周囲に居る人がツカサを見て固まっている。
　どうしたと思い声を掛けようとすると、視界が一気に真っ白になる。
「ツカサ」
　何処からか、聞こえる声に目を覚ます。
「ん？　ここは？」
　ツカサが見た物は、ただたに真っ白い空間だった。
　先ほどから、呼ばれる声を探し始める。
　突如空間が歪み、そこに一人の人物が現れる。
「初めましてツカサ、僕の名前はユーノだよ」
　突如現れた人物は、ユーノと名乗るが何故か顔がはっきりと見えない。
「初めまして、ユーノさんここは？」
「ユーノでいいよ。ここはね、簡単に言うと僕の部屋だね」
「そうですか……　どうして私は、ここに呼ばれたのですか？」
　首をかしげる。　
「実は君に、謝らないといけない事があってね」
「はぁ……　それはなんですか？」
　何があったかなと考える。
「それは、この世界に呼んでしまった事と、君が望んでも、もう前の世界には戻れないことだね。ほんとゴメンね」
　顔下で手を合わせて謝るが、すごく軽いノリである。
「その事は、何となく予想していたのでいいです」