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本当は日ごろツカサと遊べないため、少しぐらい独占しても良いだろうと思いフリードには何も告げずに出てきている。
馬を護衛に預けて馬車に乗り込みツカサを膝の上に乗せる。
「ななっ!フリード何しているのさ!」
ジタバタ暴れるがフリードの拘束からは逃れられずにいる。それを見ているアレン王妃はツカサが取られたと思いため息をつく。やがて力を使い切ったツカサは諦める。
そんなこんなで馬車はゆったりと進行していく昼が来るころに真っ白な屋敷が見えてくる。
正門を過ぎ本館前に馬車停止すると中から複数のメイドと執事が出て来て屋敷に中に入る。
扉を開けたらエントランスが広がる。正面には二階に続く大きな階段が見え、天井には綺麗なシャンデリラがある。
エントランスの中央に行くと二階からアレンと顔は似ていないが美しい金髪の女性と二人の子供が降りてくる。
「初めましてツカサさん第二王妃のローズと言います」
ローズと名乗る女性の後に子供達がツカサに近寄る。
「「はじめましてツカサおねえちゃん。ルイス(マリア)といいます」」
可愛らしい子供に見とれてしまう。
「初めましてローズさんルイスくんマリアちゃん」
歯が見えるぐらい笑顔をするツカサ。子供達は二人の顔を見合われる。
「「ツカサおねえちゃん可愛い」」
と言いながら二人はツカサの両手を握り引っ張りながら二階に上がっていく姿を少し寂しそうにフリードはみている。
「あいつらめ……」
「あらあらツカサちゃんを取られてしまいましたね。私たちはあちらで紅茶でも頂きましょうか?」
「そうね。フリード行きますわよ」
見えなくなったツカサを何時までも見ているフリードの手を引き紅茶を勧める。
紅茶を飲みながらアレン王妃は呟く。
「だから貴方を誘わなかったのに……。 成人した男性が何時まで子供に嫉妬しているのですか……」
ため息を漏らす。
「別に嫉妬などはしていないです母上」
言葉はすました様に言っているが、内心当たっている。そんな事は言わずに二人には見抜かれている。
「あら~フリードがここまでお熱だったなんて私は知りませんでしたわ。ツカサの事もっと教えてくれませんか?」
フリードは今まで迫られる女性に対してそっけない態度しか見せんなかったのに、ツカサと出会ってからは追われる側では無く追う側になっている事に興味を持つ。
アレン王妃はこれまでの事をローズと楽しみながら話し込む。
日が落ちはじめキララがツカサ達を呼びに行こうとする。
軽くノックをするが返事がないために扉をそっと開けると三人は仲良く川の字になり寝ている姿を見る。
キララは眼福ですと言わんばかりに手のひらを合わして頭を下げる。良い物を見た事を三人に伝える。
メイドに言われて見に来た3人もほっこりとした表情になる。
そのまま寝入ってしまったツカサは余程疲れていたのか朝まで起きることは無かった。
朝皆で昼食をすます。フリードは仕事があるために明朝一時帰国をしていた。
森の中なのでいくらか太陽が遮断されて涼しく感じるが現代の冷房器具に勝る物は無く、相変わらず気だるそうにしている。見かねアレン王妃は近くに湖があると言うので水浴びを提案する。
「ツカサ湖行きますわよ。それならツカサも涼しいでしょう?」
ツカサは湖、涼しい、泳げると連想させて目をキラキラさせる。自分が女性だと言う事を忘れて。
「行きたい」
無邪気に喜びを表す姿は子供そのものだった。マリアも浮かれているがルイスはあまり乗る気にはなっていなかった。
「ルイスどうしたの? 湖嫌い?」
気を使うようにツカサは聞く。
「あっいえ、違いますよ。ツカサお姉さま、婚約もしていない異性に肌を見せる行為はいただけないので僕はお留守番ですよ」
すこし残念そうにする。
「別にいいでしょ? 皆家族なのだから?」
アレン王妃を見る。
「そうね。私たちは別に気にしないわよ? 一番気にしないといけないのはツカサなのだけどね?」
首を傾げるツカサ。この世界は婚約者以外には基本肌を見せる事はしない。淑女の嗜みの中にも入っているらしいが、現代では普通に異性と泳ぎに行くのは当たり前の事なのでそこいらの常識はなかった。
「私はきにしないよ? ルイスもいこうよ?」
半ばツカサに押し切られ一向は湖に向かう。
馬を護衛に預けて馬車に乗り込みツカサを膝の上に乗せる。
「ななっ!フリード何しているのさ!」
ジタバタ暴れるがフリードの拘束からは逃れられずにいる。それを見ているアレン王妃はツカサが取られたと思いため息をつく。やがて力を使い切ったツカサは諦める。
そんなこんなで馬車はゆったりと進行していく昼が来るころに真っ白な屋敷が見えてくる。
正門を過ぎ本館前に馬車停止すると中から複数のメイドと執事が出て来て屋敷に中に入る。
扉を開けたらエントランスが広がる。正面には二階に続く大きな階段が見え、天井には綺麗なシャンデリラがある。
エントランスの中央に行くと二階からアレンと顔は似ていないが美しい金髪の女性と二人の子供が降りてくる。
「初めましてツカサさん第二王妃のローズと言います」
ローズと名乗る女性の後に子供達がツカサに近寄る。
「「はじめましてツカサおねえちゃん。ルイス(マリア)といいます」」
可愛らしい子供に見とれてしまう。
「初めましてローズさんルイスくんマリアちゃん」
歯が見えるぐらい笑顔をするツカサ。子供達は二人の顔を見合われる。
「「ツカサおねえちゃん可愛い」」
と言いながら二人はツカサの両手を握り引っ張りながら二階に上がっていく姿を少し寂しそうにフリードはみている。
「あいつらめ……」
「あらあらツカサちゃんを取られてしまいましたね。私たちはあちらで紅茶でも頂きましょうか?」
「そうね。フリード行きますわよ」
見えなくなったツカサを何時までも見ているフリードの手を引き紅茶を勧める。
紅茶を飲みながらアレン王妃は呟く。
「だから貴方を誘わなかったのに……。 成人した男性が何時まで子供に嫉妬しているのですか……」
ため息を漏らす。
「別に嫉妬などはしていないです母上」
言葉はすました様に言っているが、内心当たっている。そんな事は言わずに二人には見抜かれている。
「あら~フリードがここまでお熱だったなんて私は知りませんでしたわ。ツカサの事もっと教えてくれませんか?」
フリードは今まで迫られる女性に対してそっけない態度しか見せんなかったのに、ツカサと出会ってからは追われる側では無く追う側になっている事に興味を持つ。
アレン王妃はこれまでの事をローズと楽しみながら話し込む。
日が落ちはじめキララがツカサ達を呼びに行こうとする。
軽くノックをするが返事がないために扉をそっと開けると三人は仲良く川の字になり寝ている姿を見る。
キララは眼福ですと言わんばかりに手のひらを合わして頭を下げる。良い物を見た事を三人に伝える。
メイドに言われて見に来た3人もほっこりとした表情になる。
そのまま寝入ってしまったツカサは余程疲れていたのか朝まで起きることは無かった。
朝皆で昼食をすます。フリードは仕事があるために明朝一時帰国をしていた。
森の中なのでいくらか太陽が遮断されて涼しく感じるが現代の冷房器具に勝る物は無く、相変わらず気だるそうにしている。見かねアレン王妃は近くに湖があると言うので水浴びを提案する。
「ツカサ湖行きますわよ。それならツカサも涼しいでしょう?」
ツカサは湖、涼しい、泳げると連想させて目をキラキラさせる。自分が女性だと言う事を忘れて。
「行きたい」
無邪気に喜びを表す姿は子供そのものだった。マリアも浮かれているがルイスはあまり乗る気にはなっていなかった。
「ルイスどうしたの? 湖嫌い?」
気を使うようにツカサは聞く。
「あっいえ、違いますよ。ツカサお姉さま、婚約もしていない異性に肌を見せる行為はいただけないので僕はお留守番ですよ」
すこし残念そうにする。
「別にいいでしょ? 皆家族なのだから?」
アレン王妃を見る。
「そうね。私たちは別に気にしないわよ? 一番気にしないといけないのはツカサなのだけどね?」
首を傾げるツカサ。この世界は婚約者以外には基本肌を見せる事はしない。淑女の嗜みの中にも入っているらしいが、現代では普通に異性と泳ぎに行くのは当たり前の事なのでそこいらの常識はなかった。
「私はきにしないよ? ルイスもいこうよ?」
半ばツカサに押し切られ一向は湖に向かう。
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