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「父上、母上こんな状態になったので俺は、ツカサを連れていきますね」
 ツカサ状態を見た王妃は、あららと言うような表情して二人をみる。
「寝ている女性を襲うのは男性としてだめですからね」
「わかっています母上」
 頬を少し搔きつつツカサをお姫様抱っこして会場を後にする」
「んっ…… 何時の間に寝ていた?」
 目を覚まし横にはフリードが寝ていた。
「えっなんでフリードと一緒に寝ている? しかも私パンツだけで寝ているなんて」
 フリードの手がお腹の上に乗っかって居たので外そうと力を込めるが体制が悪く外れない。もぞもぞしていると隣に寝ていたフリードは目を覚ます。
「あっおはよう」
「あぁおはよう」
 挨拶を交わしながらフリードは銀色の髪を撫でられ、気持ち良かったのかツカサは目を細める。
「フリード寝ているのは良いけどなんで二人とも下着なの?」
「ん? ツカサは寝る時ドレス着たままねるのか?」
 何を言っている。言うような表情をする。
「いやいや、そこじゃないから結婚もしていない男女が裸っておかしいでしょ」
「そんなことか、必ず落としてみせるさ」
 恥ずかしいセリフを真顔で言うフリードにツカサは顔を赤らめ、布団を深くかぶる。
 フリードの顔に胸の鼓動が早くなる、感覚に落ち行ってしまったツカサは、少女の体になってしまったからなのかと思い。心の中で俺は男だと呪文を掛ける様に唱え続ける。
 やがて満足したのかフリードは、服を着替えて部屋をでる。入れ違いでキララがはいってきた。
「ツカサ様おはようございます。昨日はゆっくりと寝られましたか?」
「キララおはよう、お蔭でグッスリ寝たよ」
「先ほど、フリード王子様がすごくニコニコして出ていきましたが何か良いことでもありましたか?」
 恋する乙女の様な表情をするキララは胸をたからせながら服の着替えを手伝う。
「なっ…… 何もないよ」
 何かしらの変化に気付いたキララはあえてそれ以上の事は聞かなかった。そして食事の用意が出来ていることを伝え部屋を出る。
 扉をノックすると中から国王の声がかかる。
「どうぞ」
 キララが扉を開ける。
上座に国王、その両サイドに王妃とフリードがすわっている。
 ツカサは部屋に入ると、ワンピースの裾を軽く摘み、膝を軽く折って挨拶をかわす。
「お義父様、お義母様、おはようございます」
 昨日、こちらの世界に来たばかりのツカサが、社交の挨拶を完璧にこなしたことに3人は驚きをかくせなかった。国王が口を開く。
「ツカサは、こっち礼儀も知っていたのだな、さすが神の使いと言ったところかな? それにしても昨日と呼び方が変わっておるのう」
 少し寂しげな表情をしながら髭を触る。
「私の世界では、色々な作法がありました。昨日見た令嬢の作法が少し似ていたので真似をさしていただいただけです」
 実際ツカサは、そんな作法は知らなかったが、ラノベやゲーム類が好きだったため、たまたま真似し出来ただけだった。
 ツカサはフリードの隣に座る。
 並べられた料理を食べはじめる。あらかた食べ終えるとフリードが今後の予定を話してきた。
「ツカサ、三日後に婚約発表を兼ねて城下町でパレードが行われるからな」
「パレード?」
「そうだ、ツカサを民に紹介しないといけないだろ? 俺の妻がこんなにも可愛いことを見せつけてやらないと」
 また、顔が熱くなってくる感覚に襲われる。
「なな…… 何言って」
 いちゃつく二人を見た国王含め使用人たちのニコニコした視線にツカサは俯いた。
 何かを思い出したように王妃が口をあける。
「そうそうツサカ、パレードまで時間があるので確認がてら王宮の中を見学してきてはどうかしら?」
 それは、いい提案だ。と言わんばかりにフリードが席を立ちツカサの手を握る。
「あなたは、毎日している兵士たちとの鍛錬があるでしょ?」
 王妃は、毎日の所を強調する。
「ツカサがいることだし、今日くらいはいいじゃありませんか母上」
「鍛錬を蔑にして、大事なツカサをあなたは、守れるのですか? 一回の気の緩みで一生を後悔したいのですか?」 
 フリードを見る王妃は鋭い眼光を放つ。
「うっ…… それは、わかりました鍛錬をしてきます。ツカサを一生守ると私は決めているので」
 と言うとツカサのサラサラした頭をなでる。
「あっそういう重たいのやめてください」
 そっけなく返すと肩を落として部屋を出ていく。
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