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少し、お酒が回ってきたのかツカサは、色々な料理に手を付け始めた。
「この肉すごく美味しい、何のお肉?」
 たまたま近くに居たフリードが答えてくる。
「そいつは、ワイルドボアっていうモンスターの肉だな、ツカサのためにあそこにいる5番隊の連中が山まで行って取ってきたらしいぞ」
 そう言いながらフリードは、声を張り一人の男性を呼ぶ。
「おーいランス」
 まるで友達を呼ぶ様な感じで手招きをする。
フリードに呼ばれた青年は、軽く駆け足で王子の前まで来て膝をついた。
「なんでしょうか? フリード王子」 
「ツカサがワイルドボアの肉を大層美味しいと評判で、何か言ってやると助かるのだが」
 ツカサの前に来た青年は、フリードとは違い少し幼げな雰囲気を残し、肩に緑髪が少しかかる位長く凛とした黄色い瞳がよく見える。
「初めまして神の使い様、5番隊隊長のランスといいます。今回ために隊員総出で狩りに行かしてもらいました。ボアの肉を美味しいと言って頂きありがとうございます。隊員達もきっと喜ばれると思います」
「わざわざ危険を冒してまで取ってきてくれてありがとうございました」
 少し酔っていたツカサは、ランスに対して自然な笑顔で返すことができた。普通にしていてもすごく美しいが、それに加え自然的な笑みは魅了される様な感覚に陥るほどうつくしかった。
 正面居たフリードとランスは笑みを見た瞬間顔がすごく熱くなる間隔おちいる。
「なぁランス、この笑顔卑怯だとおもわないか?」
「全くですね。この王国いえ全大陸入れても一番美しい方だと私はおもいますね」
 ツカサには聞こえない程度で二人は話、ランスは先ほどの席にもどっていった。席に戻ったランスは、他の隊員たちに囲まれているのが見えた。そっちの方を見ていたツカサは、数人兵士と目が合い軽く手を振る。
 顔を紅葉するものや、大きく手を振るもの様々だが、この国は兵士とかでも分け隔てなく良い国だなと思った。それを見ていた王妃は。
「ツカサは、男の人を口説くのが得意みたいですね。フリードがシッカリとしないと折角の奥さんが取られてしまうわねー」
紅葉が収まっていないフリードに冗談を含めながらからかっている。
「えっ俺は、婚約者としては良いですが、嫁になるとは言っていませんよ?」
 3人は驚いた。婚約をして後には結婚をして国を支えてくれるものだと思っていた3人だがツカサの一言で空間は冷え込む。
 フリード少し怒り気味ツカサに問う。
「ツカサそれはどういうことなのだ? 冗談でも言っていいことと悪いことがあるぞ」
「だいたいフリード王子は、婚約前の女性に口づけ迫る男性なのですか? しかも寝て意識がない人ですよ。それに貴方だけには一線置いている事も分からないほど頭がかたいのですか?」
 大分お酒がまわってきているツカサは、言いたかった事をすべていった。
 国王と王妃はツカサの方を見るとツカサは二人に片目をつむる。
 二人は、何かをくみ取りフリードを見る。

「はぁ…… フリードよ。 わしは、そんな奴に育てた覚えは無いのだが」
隣に、座っている王妃は扇子で口元を隠しながらフリードを睨んでいた。
「そうですね。あなたはツカサにどういった責任を取るつもりですか?」
王妃に睨まれたフリードは、少し怯えた表情になる。
「それは…… ツカ」
フリードが話終える前に王妃が問う。
「あなた、ツカサを嫁にするとかいう簡単な方法を取るつもりではないでしょうね?」 
 図星を突かれたのかフリードはよりしかめた面をする。
 ツカサの位置から見える王妃の扇子で隠している口元は、表情と裏腹に息子をからかって楽しんでいるようにも見える。
「母上私はいったいどうすれば良いのでしょうか?」
 王妃は、大きくため息をついた。
「情けない息子ですね。学力、武力と優秀なのに女性一人の扱いは全く駄目なのですね。 あれ程色々な社交場に出したというのに情けないですね」
 もう自分で答えが見つけられないと思ったフリードは、ツカサがいる机に勢いよく両手を乗せる。
「ツカサ昼間の事は申し訳ないと思っている。そなたの寝顔を見ていたら自分の欲望に負けてあんな行動にでてしまった」
「ひっ……ひゃい」
 ツカサは、フリードの行動に驚いて変な声を出したが、それ以前に3人のやり取りの間に果実酒を飲みすぎて既に出来上がっていた。
「もういいよ、フリード昼間の事は許してつかわすー」
 ツカサは、飲みすぎて自分の口調がおかしくなっている。だがフリードは酔っているとは言えフリードと初めて名前だけで呼ばれたことに嬉しくなる。
「初めて俺を名前で呼んでくれたな。そんなことよりいささかツカサ飲み過ぎではないか?」
 と言いながらグラスを奪うとプクッと頬を膨らませ奪い返すように両手を伸ばす。
 精神は成人しているのに関わらず体に合わせて、退化しているように感じるツカサだがお酒のせいでそれどころではなかった。
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