まぼろしの恋

ちづ

文字の大きさ
上 下
56 / 56
終章 神殺し

結び まぼろしの恋(完)

しおりを挟む
 その年の六月、千冬ちふゆの二周忌は晴天だった。

 梅雨の晴れ間、明里あかりは千冬の埋葬地で手を合わせていた。墓土が盛られていただけの寂しい場所に、今は立派な慰霊碑が建てられていた。新生した幻神げんしんの贄として捧げられた千冬の魂。その埋葬地が野ざらしのままというのは体裁が良くないからという思惑の絡んだ理由。けれど、祀る魂は千冬だけではなく、水難や病死、不慮の事故で亡くなった者たちの眠る場所として村の中では扱われていた。明里が供えた花以外の供え物もいくつか置かれている。大事な人を亡くした心の整理をつける場所。区切りをつける場所。死者を慰めたいと思う気持ち。鎮魂。供養。そういう思いを抱えた人間は明里だけではないのだろう。

 明里は閉じていた目を開ける。初夏の陽気を思わせる眩しい日差し。

かがみさま……幻神げんしんさまとは会えた? こっちも相変わらずいろいろ大変だけど上手くやっているよ。私は大丈夫だから、ゆっくり眠ってね。また来年ね、千冬」

 おやすみなさい、と最後に石碑に触れて、明里は立ち上がった。振り返らずに自らの伴侶の待つ家に足を向けた。湿気の含んだ風が緩く吹き抜ける。明日も晴れるだろうか。それとも、雨に逆戻りだろうか。

 千冬が亡くなって二年。千影ちかげと出会って一年経った。

 家に帰ると、千影が夕餉の支度をして待っていてくれた。苦手だった食事の味付けも少しずつ覚え、陶器のひび割れのような傷痕は人間の古傷と呼べるものに変化し、柔らかな指先は農作業や山の整備で皮が厚くなっていた。けれど、明里の顔を見て優しく浮かべる笑顔だけは同じ。

「千冬とゆっくり話はできたか?」
「はい、いろんなことがありましたから、たくさん話しこんじゃいました」

 夕食を終え、寝所に蚊帳かやを吊るし、寝そべりながら千影は団扇うちわで明里をあおぐ。

 二人が本当の夫婦になって半年。鏡が幻神を継いで半年。なにもごともなく平和──というわけでは決してなく。

 神様を殺した忌地いみちではなく神様の再生の地となった村への周辺集落からの目、信仰を束ねる者たちの取り入り。人間になった千影に対するいざこざ、神気の残った明里の“揺らぎ”、邪気払いの巫女がいると聞きつけたあやかし退治の依頼まで厄介事は後を絶たない。二人を取り巻く環境は目まぐるしかったが、村の一員として千影を受け入れてくれた村人たちの手を借りて、今もどうにか二人はやってこれている。

「長老殿が隠居できんとこぼしてたよ。幸いの土地として取り入ろうとする者が多くなったと」
「……長老さまが目を光らせているから、村に怪しい人も入って来ないですしね。またお礼に行かなくちゃ」

 明里は心配そうにしたが、千影は気安く笑った。

「どうだかなあ、そんなに気に病むこともなさそうだけど。口で文句を言ってるだけで生き生きしていたぞ。俺のことなんか小間使いにしてるし。長者ちょうじゃ平太へいたはうまいこと商いに繋げていて逞しいよ。悪いことばかりじゃないってさ」

 千影は長老のそばによく控えるようになり。近隣や遠方から舞い込む面倒事をいなしたり、なだめたりしていた。神がかり的なことは無論できないけれど、元神様として千影を扱うほうが信心深い奴らには話が通りやすくなると年役としやくたちは豪語していたらしい。したたかな年寄りたちらしいと言えばらしい。

「取り入ろうとする者たちを治めることより、明里が呪いを巻き散らかすほうが怖い、だそうだよ。しっかり明里を捕まえとけと言われた。ゆめゆめ浮気心など起こさぬように、あれは怒らすと手に負えないと有難い忠告を受けた」
「ええ、ひどい、呪いなんてそんなことしませ……するかも?」

 む、と反論したあと、思い直した明里を見て、千影はまた笑った。

「心配せずとも、俺はお前に首ったけだ。お前こそ、俺を捨てないでくれよ」
「それこそありえないです。千影さまこそ、また勝手に無茶したら私化けて出ちゃうから」
「それは怖い。俺とお前が仲睦まじくしていることが村の安寧にも繋がるわけだ」

 千影は明里に頬ずりし、明里は千影の袖を引いた。団扇を置き、いつものように千影は明里に覆いかぶさる。じっとりとした六月の夜。ただでさえ蒸し暑いのに二人は好き好んでお互いの熱を焚きつける。燻る熱を吐き出すように名前を呼ぶと千影がふいに肌を探っていた手を止めた。

「……ところで、いつまで俺のこと“千影さま”呼びするんだ」

 え、明里は目を瞬かせた。

「俺はもう神様でもなんでもない。敬られる立場でもない。ただのお前の夫だ。村の者のほうがよっぽどそれを理解しているのに、なんで妻のお前が一番距離のある言い方をするんだ」
「そう……ですけど、なんですかいきなり」
「別に。前から思っていたことだ」

 もごもごと明里は言いよどむ。今更そんなこと言われても。千影が真面目な顔で「ほら」と名前を呼ぶように促したので、明里は一層口ごもった。

「ち、ちかげ……や、やっぱり無理です」
「何故」

 むにり、と千影が明里の頬をつまむ。痛くはないが、拗ねてしまったようだ。

「だって、なんか馴染んじゃったし……呼び捨ては恥ずかしくて……」

 千影が怪訝な顔をする。自分の下で露わになった明里の肌をじっくり眺め、

「呼び捨てよりよっぽど恥ずかしいことしていると思うが……」

 と、のたまった。明里は真っ赤になり、

「……まさか千影さま、千冬のことは呼び捨てなのに、とか変な焼きもちじゃないですよね? まだ私の気持ち疑ってるんですか?」

 身も心もここまで明里の中に入り込んでおいて、距離があるとかどの口が言うのか。
 明里が睨むと千影は痛いところを突かれたように眉を下げた。

「明里の気持ちを疑ってなんかいないよ。他の誰であってもお前の心に入り込める奴がいるなんて思えない。俺にはお前だけだし、お前には俺だけだ。けど」

 千影は甘えるように、明里の胸元に顔を埋めた。

「……千冬だけは、特別だからな」
「……そうですか」

 二周忌前に物思いにふけっていた明里に千影は何も言わなかった。
 どんなに想いを交わしても、肌を重ねてみても、千影は時折不安そうにする。千冬の影がちらつく瞬間はいつも寂しそうに言葉を呑み込む。
 「もう誰かの代わりは嫌だ」と、蝕神しょくがみけがれに侵されたときに叫んだ悲痛な本音。過去の贄との生活はそれほど深く千影の胸に影を落としている。呼び捨てにしてほしいだとか、千冬より距離があるのは嫌だとか、子どものような我儘を明里にねだるほど。

「でも、私、千冬とあなたを同じにするつもりはないんです。千冬は千冬で──千影さまは千影さまだから」

 千冬にそうしていたから、千影にもそうする、そんな呼び方はしたくない。いつか敬称も飾りもない名前だけで呼ぶ日が来るかもしれないけれど、それは自然と口をついて言葉にするときがいい。それにやっぱり千影は明里にとってただ一人の、明里だけの神様だから。

「それでも不安だって言うのなら、何度でも確かめて」

 明里は腕を伸ばして、その首に抱き着いた。

「あなたが安心できるまで、何度だってあなたのものにして」
「……明里」


 千影もまたその細い背を胸板に押し付けた。凹凸おうとつを無視して二人の身体は重なる。なにひとつ、隔てるものを許さないように。

「結びを交わしましょう。何度でも、何度でも。あなたとわたしが決して解けたりしないように」

 ──この恋が、まぼろしにならないように。


……

………。



 暗い、水の底で。
 苦しくて、苦しくて、息ができない。
 もがいて、あがいて、「たすけて」と、その叫びさえ水に呑まれて。そうして、ふとすべての苦しみから解放されてみると、なにをそんなに必死にあがいていたのか分からなくなる。

 考えてみれば、水の上でだって──生きていた頃だって、空気の薄い世界で必死に呼吸していたようなものだった。それに比べたらここは暗くて寒いけれど、静かで穏やかで苦しくもない。村の中でうまく立ち回ることも、母親の癇癪に振り回されることも、いずれ伴侶となる娘への気遣いもなにもしなくていい。だったら、今のほうがずっと楽。肩の力がようやく抜けた。手足をいっぱいに広げて揺蕩う。生に未練はない。死にたかったわけではないけれど、さして生きたいわけでもなかった。

 でも──ただひとつ、心残りがあるとするならば。
 どうせこんなふうに終わってしまうのなら。
 もっと早く、あの子と──明里と向き合っていればよかった。

 一人残された明里はずっと自分を想うだろう。そういう娘だ。重くて一途で、まっすぐで。自分にはとても抱えきれない。だったら、はっきりと愛せないと言ってやればよかった。そうすればこんな冷え切った自分に縛られることもなかったのに。愛することも、傷つけることからも全部、全部逃げていた。

 あの日、夕暮れのクスノキの木の根元で、帰る場所が分からず、精一杯身体を縮めて消え入るように膝を抱えていた少女がまるで自分のようだったから。だから、声をかけたのに。声をかけたのは自分なのに。

 だれか、だれか、だれでもいいから。

 あの子のそばにいてあげて。

 その願いは叶ったのか。『神様』に、届いたのか。
 暗い水の底で、不思議なまぼろしを見るようになった。

 泡の中に浮かんでは消える。不思議な夢。

 自分と同じ顔をした“誰か”が、明里と恋に落ちる──そういうまぼろしだった。
 二人は反発し合い、喧嘩し合い、目をそらさず、真正面から向き合い、ゆっくりとお互いを知り、幸せな夫婦になっていた。
 それが眩しい。嫉妬も湧いて出ないほど、自分にはできないことだと分かるから。冷え切った自分にはただ眩しくて。
 でも、あんなに俯いてばかりいた娘が、ちゃんと相手を見て、向き合って、伴侶を見つけて、前を向いて生きていた。

 ──ああ、よかったな、と心から思った。

 それはまぼろしの恋だったけれど、千冬には救いのように思えた。明里と幸せな家庭を築く自分の姿。そうなりたくて、そうなれなかった決して叶わない夢だったから。



……

………。



 どれくらい、夢の泡を見ていただろう。

「──ああ、よかった。やっと浄化できました。あなたに声が届きました」

 光が差した。誰かが千冬の手を取った。

「遅れて申し訳ありませんでした。しつこいけがれで覆い隠されていて。蝕神しょくがみさまが言うには死者の魂を守るためでもあるらしいのですけど、もう、だったら私情で遺灰を使うのはどうなんでしょうね、文句を言わねば」

 千冬は目を見開く。声の主はよく分からない内容を話していたけれど、その顔はよく見知ったものだった。思わず、千冬はその名を呼ぶ。

「──……“明里あかり”?」

 鏡は目を瞬いたあと、困ったように微笑んだ。

「……なんだ、あなたは私にその姿を見るのですね」

 名前を呼ばれ、幻神は贄の望む姿にカタチを変える。贄の心を鏡に映す。
 “明里”はにっこりと微笑んだ。

「──千冬、迎えに来たよ。ここは暗くて寒いでしょう? あっちの明るいほうに行こう」

 千冬は大きく目を見開き、その手を握り返し、ほろりと涙を流した。

「明里……ごめん、ごめんな。ひとりにして。ちゃんと向き合ってやれなくて。俺は怖かった。俺はお前を愛することができないって、誰かを愛することができないって自覚するのが怖かったんだ。俺は俺で手一杯だったから、お前のこと全然見てやれなかった。ごめん、ごめん」

 “明里”は静かに千冬の懺悔を受け取った。
 合わせ鏡は反射する。千冬が聞きたかった言葉を、明里が伝えたかった言葉を。

「そんなことないよ、人を大事にする方法は恋だけじゃないから。千冬は私のことちゃんと大事にしてくれたよ。そんなあなただから好きだったの。あなたを愛することができたから。私は今幸せなの。見ていたでしょう?」
「うん、見てた。よかった、本当に、よかった」

 千冬は微笑んだ。偽物ではない。感情を殺した笑顔ではない。彼本来の優しい笑顔で。“明里”はとびきりの笑顔で微笑み返す。

「千冬のこと、見つけてあげられなくて、ごめんなさい。私のこと、見つけてくれてありがとう。……だから、迎えに来たの」

 たくさんの夢の泡が光の粒になり、暗い水底を照らした。
 優しいまぼろしに抱かれて、千冬は安らかに目を閉じる。

「寒くても大丈夫だなんて、自分をごまかさないで。暖かくて、明るいところに、私が連れて行くから。安心しておやすみなさい──千冬」

 手を引かれ、千冬は水の中から抜け出した。

 夢の泡が消える。
 暗闇に明かりがさす。

 ──常冬とこふゆは溶ける。



                                         <まぼろしの恋 完>
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

みん
2024.07.13 みん

神作品です。最高でした!

ちづ
2024.07.13 ちづ

わぁなんと嬉しいお言葉です!!読んでくださりありがとうございました!!(*´▽`*)

解除

あなたにおすすめの小説

年上カメラマンと訳あり彼女の蜜月までー月の名前ー

玖羽 望月
恋愛
綿貫 咲月 (わたぬき さつき) 26歳 コンプレックスをバネに、ヘアメイクの仕事に生きがいを見つけた女子。 でも、恋愛は奥手。今だにバージン守ってます。 岡田 睦月 (おかだ むつき) 38歳 カメラマンとして独立したばかりの笑い上戸。 誰にも分け隔てなく優しくしてしまうためフラれてしまう男。 拗らせ女子のジレジレ年の差ラブ……?に見せかけたジェットコースターラブ。 ヒロインとヒーローの相互視点です。 R18シーンのあるページは*が付きます。 更新は毎日21時。 初出はエブリスタ様にて。 本編  2020.11.1〜2021.11.18 完結済 多少の加筆修正はしていますが、話は変わっておりません。 関連作品 (読んでいただくとより楽しんでいただけるかと) 「One night stand after〜俺様カメラマンは私を捉えて離さない〜」恋愛 R18 「天使に出会った日」BL R15

sinful relations

雛瀬智美
恋愛
「もう会うこともないだろうが……気をつけろよ」 彼女は少し笑いながら、こくりと頷いた。 それから一緒に眠りに落ち、目覚めたのは夜が明けた頃。  年上男性×年下少女の重ねる甘く危険な罪。すれ違いじれじれからハッピー甘々な展開になります。 階段から落ちたOLと医師のラブストーリー。

教師と生徒とアイツと俺と

本宮瑚子
恋愛
高校教師1年目、沢谷敬介。 教師という立場にありながら、一人の男としては屈折した感情を持て余す。 そんな敬介が、教師として男として、日に日に目で追ってしまうのは……、一人の女であり、生徒でもあった。 ★教師×生徒のストーリーながら、中身は大人風味の恋愛仕立て。 ★未成年による飲酒、喫煙の描写が含まれますが、あくまでストーリー上によるものであり、法令をお守り下さい。 ★こちらの作品は、他サイトでも掲載中のものに、加筆・修正を加えたものです。

犬、やめました。【コミカライズ企画進行中作品】

たんたん
恋愛
✨あらすじ✨ そんな物で脅さなくたって、特上の女がわんさか寄ってくるのに ⋯⋯どうして私にこんな事するの? 「お前、俺にそんな態度とっていいと思ってんの?」 その言葉に奥歯を噛み締め振り返る。 すると誰もが認める程の端正な顔をした奴が、私を見下ろしてニヤリと笑っていた。 こいつは日本を代表する程の大企業の御曹司。 そして⋯⋯ 私がこの世で1番嫌いな幼馴染でもある。 あんたに何度傷付けられたか分からない。 あんたのせいで散々な人生を歩んできた。 もう嫌っ もう私の人生に干渉しないで 早く私の前から消えてよ そう、思うのに⋯⋯ 【主要登場人物】 ・白藤遥 20歳 訳あって夜の店で働く女子大生 ミスキャンパスにも選ばれる美人 男を毛嫌いしている ・東十条彰 20歳 遥の幼馴染 目付きも口も悪い御曹司 ある物で脅して遥を自分の犬にした男 ・東十条崇 23歳 彰の兄で、遥の初恋の人 優しくて王子様のような笑顔が素敵 でも、謎多き男 ✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼ 注意:強引なえっちでえろっぽいシーンもチラホラあります。苦手な方はご注意下さい。 本棚、スタンプ、コメントなど、本当に嬉しいです。ありがとうございます😭 イラストはミカスケさんのフリー素材を使用させて頂いております。 三角関係 身分差 溺愛(できあい) じれじれ いじめられっ子 両片思い 嫌われ すれ違い

薔薇のまねごと

るうあ
恋愛
人外美形(吸血鬼)の青年ユエルに仕える、元人間の少女で「眷族」のミズカ。 ある日ミズカは「眷族」の存在理由を知らされます。それはただ従属するための存在ではなくて…。 夏の避暑地、何かが変わってゆくような、そんな予感にとまどいがちなユエルとミズカの物語。

愛されない花嫁は初夜を一人で過ごす

リオール
恋愛
「俺はお前を妻と思わないし愛する事もない」  夫となったバジルはそう言って部屋を出て行った。妻となったアルビナは、初夜を一人で過ごすこととなる。  後に夫から聞かされた衝撃の事実。  アルビナは夫への復讐に、静かに心を燃やすのだった。 ※シリアスです。 ※ざまあが行き過ぎ・過剰だといったご意見を頂戴しております。年齢制限は設定しておりませんが、お読みになる場合は自己責任でお願い致します。

【R18】黒猫は月を愛でる

夢乃 空大
恋愛
■2021.8.21 本編完結しました ■2021.9.4 番外編更新始めました ■2021.9.17 番外編&スピンオフ「初恋やり直しませんか?」更新始めました ■2021.11.3 第1話から加筆修正始めました。 大手商社に勤める仲原 名月(なかはら なつき) は5年付き合った同期の誠治からプロポーズされる! ……と思っていたデートで、「結婚するから別れてくれ」と一方的に別れを告げられる。 傷心の名月は公園でやけ酒をしている時に出会った黒猫に癒しを求めるが… 目が覚めたら知らない人とベッドを共にしていた!? その相手とは…会社の上司でスーパー営業マンだった。 大手商社の営業マン猫実 弦(ねこざね げん) は一見人あたりの良いスーパー営業マンだが、実は他人に興味がない色々と問題のある外面建前男だった?! それぞれ傷のあったふたりが恋に落ちる? 他人に興味が持てない猫さんの長い初恋は実を結ぶ? 名月は幸せになれる? ※ヒロイン目線とヒーロー目線でお話が進みます。 ※ヒーローは紳士系ちょっとSな初恋拗らせ男子です。 ※ヒーロー目線の物語と第一章はとにかく焦れ焦れします。 ※溺愛ハピエン、いちゃラブは番外編です。 ◇改稿多めです。キチンと出来上がってから投稿したいのですが、勢いで投稿してしまう癖があります。ご迷惑をおかけしてすみません。 ◇改稿後の作品には、新要素や新描写が沢山あります。 ◇焦れるのが好きな方どうぞ♡ ◇R話は※マークで注意喚起してます。ねちっこめです。

【完結】サルビアの育てかた

朱村びすりん
恋愛
「血の繋がりなんて関係ないだろ!」  彼女を傷つける奴は誰であろうと許さない。例えそれが、彼女自身であったとしても──  それは、元孤児の少女と彼女の義理の兄であるヒルスの愛情物語。  ハニーストーンの家々が並ぶ、ある田舎町。ダンスの練習に励む少年ヒルスは、グリマルディ家の一人息子として平凡な暮らしをしていた。  そんなヒルスが十歳のとき、七歳年下のレイという女の子が家族としてやってきた。  だが、血の繋がりのない妹に戸惑うヒルスは、彼女のことをただの「同居人」としてしか見ておらず無干渉を貫いてきた。  レイとまともに会話すら交わさない日々を送る中、二人にとってあるきっかけが訪れる。  レイが八歳になった頃だった。ひょんなことからヒルスが通うダンススクールへ、彼女もレッスンを受けることになったのだ。これを機に、二人の関係は徐々に深いものになっていく。  ダンスに対するレイの真面目な姿勢を目の当たりにしたヒルスは、常に彼女を気にかけ「家族として」守りたいと思うようになった。  しかしグリマルディ家の一員になる前、レイには辛く惨い過去があり──心の奥に居座り続けるトラウマによって、彼女は苦しんでいた。  さまざまな事件、悲しい事故、彼女をさいなめようとする人々、そして大切な人たちとの別れ。  周囲の仲間たちに支えられながら苦難の壁を乗り越えていき、二人の絆は固くなる──  義兄妹の純愛、ダンス仲間との友情、家族の愛情をテーマにしたドラマティックヒューマンラブストーリー。 ※当作品は現代英国を舞台としておりますが、一部架空の地名や店名、会場、施設等が登場します。ダンススクールやダンススタジオ、ストーリー上の事件・事故は全てフィクションです。 ★special thanks★ 表紙・ベアしゅう様 第3話挿絵・ベアしゅう様 第40話挿絵・黒木メイ様 第126話挿絵・テン様 第156話挿絵・陰東 愛香音様 最終話挿絵・ベアしゅう様 ■本作品はエブリスタ様、ノベルアップ+様にて一部内容が変更されたものを公開しております。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。