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4章 世界樹のダンジョンと失われし焔たちの記憶
95話
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焔は電撃を受けながら、じわりじわりとLPを削られていく。
なんとか逃れようともがいているが、電撃による状態異常のような効果があり力が入らない。
そこに明日香が風魔法を打ち込んで黒魔導士を攻撃するが、なんとまったく反応することなく雷魔法を使い続けていた。
「な、なんで……」
電撃をまとう今の黒魔導士に触れると、焔と同じように行動不能になる可能性があるため、明日香は少し離れたところから風魔法を放ち続けた。
舞依の攻撃はなぜか魔法障壁ですべて弾かれてしまう。
焔は身動きが取れない。
明日香の魔法攻撃しか、今はLPを削ることができていない。
焔のLPが尽きるのが先か、黒魔導士のLPが尽きるのが先か。
いつの間にか追い込まれた状態になっていた。
「きゃはは、お兄ちゃん、私と一緒に死んでくれるよね?」
「ぐっ、そんなわけ……、ないだろうが……」
「きゃはは!」
少しでも早くLPを削りたい明日香だったが、焔が抱きつかれているせいで大型の魔法が使用できない。
とにかく発動が早いもので威力のある魔法を連射していた。
そのおかげでとりあえず焔よりは黒魔導士の方がLPが早く減っていく。
「む~……、そろそろ限界かな? じゃあねお兄ちゃん、私のこと忘れないでね♪」
黒魔導士はLPが0になると、笑顔のまま光の玉となって消えていった。
電撃から解放された焔は、その場に座り込んで息を整えていた。
「焔さん!」
「お兄ちゃん!」
明日香と舞依が焔のそばに駆け付ける。
「死ぬかと思ったぜ……」
「モンスター相手にバカなことするからですよ」
「すまん、だが、いい感触だった」
「……」
電撃で死にかけている間にも、黒魔導士の胸の感触を楽しんでいたらしい焔。
明日香は何も言わず、笑顔のまま焔の頭に拳を叩き込んだ。
「ぐおっ」
「反省してないようですねぇ~」
「やめてくれ! LPが0になっちまうから!」
「いっそ0になったらいいのに」
「そういうこと言わないで! ちゃんと反省するから!」
焔は自分の魔法でLPを全回復すると、先に螺旋階段へむかった明日香を舞依とともに追いかける。
「なんか明日香怒ってる?」
「別に怒ってないですよ」
「もしかして嫉妬してる? 仕方ないなぁ、帰ったら明日香の胸に顔をうずめるとするよ」
「この変態!」
「や、やめろ! 冗談だから! 今殴られたら転落して死んでしまう!」
「死んだらいいんじゃないですか?」
「ひでぇな」
そんなやり取りをしながら階段を上っていき、次のフロアへとたどり着く。
フロア内に入ると、今までとは違い、反対側には階段へつながる扉がなかった。
どうやらここが最上階ということらしい。
しばらくすると、光とともにモンスターが出現する。
レベルは99の大型モンスター。
ユグドラシルという名前を持っていた。
どことなく神聖さを感じさせる雰囲気をまとい、辺りの空気がピリピリと張り詰めるような感覚が焔たちを襲う。
両手には巨大な剣が一本ずつ握られている。
「これは世界樹をイメージしたモンスターっぽいな」
「気を付けましょう、私と舞依さんはレベル差がもうありませんよ」
「ああ、いざとなったら汐音さんの力を使うさ」
そしてユグドラシルの剣を振る動作で戦闘が開始される。
「植物には炎、なんて単純な話だったらいいんだけどな」
焔は刀に炎をまとわせ、一気に突撃をする。
どれほどダメージが通るのか様子見のつもりだった。
しかし、ユグドラシルは剣を振り上げると、予想をはるかに超える速度で剣を振りかざしてくる。
「うぉっ!?」
間一髪で刀を剣にぶつけるが、そのまま力で吹き飛ばされてしまう。
「お兄ちゃん、大丈夫!?」
「ああ、なんとかな……、こいつ結構やばいな」
大剣での攻撃範囲が広く、速度も速いため、近距離での攻撃はかなり厳しい状態だった。
「これは近づかない方がいいかもしれませんね」
「くそっ、これじゃ俺のダークフレイム・ソードダンスが披露できないじゃないか!!」
「まあ首チョンパされたかったらご自由に突っ込んでいってください」
「……おとなしく遠距離攻撃にするか」
「その方がいいですよ」
明日香は即その場で風魔法を発動して連続で攻撃を仕掛ける。
特に障壁のようなものもなく、簡単に全弾が命中。
しかし、ユグドラシルのLPはほとんど減少しなかった。
「き、効いてない?」
「いや、一応ダメージは通ってる。LPが多すぎるのかもな」
次の手を考える明日香だったが、その前にユグドラシルが両腕をあげて構える。
そして信じられないようなスピードで焔たちにむかって突っ込んできた。
「うおっ!?」
「きゃっ」
なんとか全員が回避に成功。
そこにすかさず焔が炎の魔法を打ち込んだ。
炎の渦がユグドラシルを囲い、徐々にLPを削っていく。
「この魔法でもこんだけしか減らないのか」
「これはもう手加減してられませんね」
「一気にいこう!」
舞依の雷魔法、明日香の風魔法、焔の火魔法が連続でユグドラシルを攻める。
それでもLPはまだ四分の一も削れていない。
さらに、この攻撃を受けながらも、ユグドラシルは何事もないように突撃をしてくる。
焔たちはそれを回避しつつ魔法を放ち続けるが、このままだとMPが先に底をつきそうだった。
「この戦い方じゃまずいな」
「そうですね……」
とはいえ、不用意に近づくこともできず、しばらく魔法を使い続ける。
そしてLPをようやく四分の一削ったあたりで、ユグドラシルは突然自身のまわりに障壁のようなものを展開し始めた。
それによって魔法攻撃によるダメージが軽減されているようだ。
さらにユグドラシルの体が光ると、なんとLPがゆっくりと回復し始め、すぐに全回復してしまった。
「おいおい、マジかよ……」
「焔さん、舞依さん、一度撤退しましょう!」
「ああ……」
焔たちは入ってきた扉から螺旋階段の方へと撤退することにした。
なんとか逃れようともがいているが、電撃による状態異常のような効果があり力が入らない。
そこに明日香が風魔法を打ち込んで黒魔導士を攻撃するが、なんとまったく反応することなく雷魔法を使い続けていた。
「な、なんで……」
電撃をまとう今の黒魔導士に触れると、焔と同じように行動不能になる可能性があるため、明日香は少し離れたところから風魔法を放ち続けた。
舞依の攻撃はなぜか魔法障壁ですべて弾かれてしまう。
焔は身動きが取れない。
明日香の魔法攻撃しか、今はLPを削ることができていない。
焔のLPが尽きるのが先か、黒魔導士のLPが尽きるのが先か。
いつの間にか追い込まれた状態になっていた。
「きゃはは、お兄ちゃん、私と一緒に死んでくれるよね?」
「ぐっ、そんなわけ……、ないだろうが……」
「きゃはは!」
少しでも早くLPを削りたい明日香だったが、焔が抱きつかれているせいで大型の魔法が使用できない。
とにかく発動が早いもので威力のある魔法を連射していた。
そのおかげでとりあえず焔よりは黒魔導士の方がLPが早く減っていく。
「む~……、そろそろ限界かな? じゃあねお兄ちゃん、私のこと忘れないでね♪」
黒魔導士はLPが0になると、笑顔のまま光の玉となって消えていった。
電撃から解放された焔は、その場に座り込んで息を整えていた。
「焔さん!」
「お兄ちゃん!」
明日香と舞依が焔のそばに駆け付ける。
「死ぬかと思ったぜ……」
「モンスター相手にバカなことするからですよ」
「すまん、だが、いい感触だった」
「……」
電撃で死にかけている間にも、黒魔導士の胸の感触を楽しんでいたらしい焔。
明日香は何も言わず、笑顔のまま焔の頭に拳を叩き込んだ。
「ぐおっ」
「反省してないようですねぇ~」
「やめてくれ! LPが0になっちまうから!」
「いっそ0になったらいいのに」
「そういうこと言わないで! ちゃんと反省するから!」
焔は自分の魔法でLPを全回復すると、先に螺旋階段へむかった明日香を舞依とともに追いかける。
「なんか明日香怒ってる?」
「別に怒ってないですよ」
「もしかして嫉妬してる? 仕方ないなぁ、帰ったら明日香の胸に顔をうずめるとするよ」
「この変態!」
「や、やめろ! 冗談だから! 今殴られたら転落して死んでしまう!」
「死んだらいいんじゃないですか?」
「ひでぇな」
そんなやり取りをしながら階段を上っていき、次のフロアへとたどり着く。
フロア内に入ると、今までとは違い、反対側には階段へつながる扉がなかった。
どうやらここが最上階ということらしい。
しばらくすると、光とともにモンスターが出現する。
レベルは99の大型モンスター。
ユグドラシルという名前を持っていた。
どことなく神聖さを感じさせる雰囲気をまとい、辺りの空気がピリピリと張り詰めるような感覚が焔たちを襲う。
両手には巨大な剣が一本ずつ握られている。
「これは世界樹をイメージしたモンスターっぽいな」
「気を付けましょう、私と舞依さんはレベル差がもうありませんよ」
「ああ、いざとなったら汐音さんの力を使うさ」
そしてユグドラシルの剣を振る動作で戦闘が開始される。
「植物には炎、なんて単純な話だったらいいんだけどな」
焔は刀に炎をまとわせ、一気に突撃をする。
どれほどダメージが通るのか様子見のつもりだった。
しかし、ユグドラシルは剣を振り上げると、予想をはるかに超える速度で剣を振りかざしてくる。
「うぉっ!?」
間一髪で刀を剣にぶつけるが、そのまま力で吹き飛ばされてしまう。
「お兄ちゃん、大丈夫!?」
「ああ、なんとかな……、こいつ結構やばいな」
大剣での攻撃範囲が広く、速度も速いため、近距離での攻撃はかなり厳しい状態だった。
「これは近づかない方がいいかもしれませんね」
「くそっ、これじゃ俺のダークフレイム・ソードダンスが披露できないじゃないか!!」
「まあ首チョンパされたかったらご自由に突っ込んでいってください」
「……おとなしく遠距離攻撃にするか」
「その方がいいですよ」
明日香は即その場で風魔法を発動して連続で攻撃を仕掛ける。
特に障壁のようなものもなく、簡単に全弾が命中。
しかし、ユグドラシルのLPはほとんど減少しなかった。
「き、効いてない?」
「いや、一応ダメージは通ってる。LPが多すぎるのかもな」
次の手を考える明日香だったが、その前にユグドラシルが両腕をあげて構える。
そして信じられないようなスピードで焔たちにむかって突っ込んできた。
「うおっ!?」
「きゃっ」
なんとか全員が回避に成功。
そこにすかさず焔が炎の魔法を打ち込んだ。
炎の渦がユグドラシルを囲い、徐々にLPを削っていく。
「この魔法でもこんだけしか減らないのか」
「これはもう手加減してられませんね」
「一気にいこう!」
舞依の雷魔法、明日香の風魔法、焔の火魔法が連続でユグドラシルを攻める。
それでもLPはまだ四分の一も削れていない。
さらに、この攻撃を受けながらも、ユグドラシルは何事もないように突撃をしてくる。
焔たちはそれを回避しつつ魔法を放ち続けるが、このままだとMPが先に底をつきそうだった。
「この戦い方じゃまずいな」
「そうですね……」
とはいえ、不用意に近づくこともできず、しばらく魔法を使い続ける。
そしてLPをようやく四分の一削ったあたりで、ユグドラシルは突然自身のまわりに障壁のようなものを展開し始めた。
それによって魔法攻撃によるダメージが軽減されているようだ。
さらにユグドラシルの体が光ると、なんとLPがゆっくりと回復し始め、すぐに全回復してしまった。
「おいおい、マジかよ……」
「焔さん、舞依さん、一度撤退しましょう!」
「ああ……」
焔たちは入ってきた扉から螺旋階段の方へと撤退することにした。
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