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1章 憧れのゲームの世界へ
18話
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宿に戻ってきた焔が部屋に入ると、すでに舞依が眠りに落ちていた。
千歳はまだ起きていて、デバイスのメニュー画面をいろいろ操作しているようだ。
「舞依寝っちゃったのか」
「やっぱり疲れてたんじゃないかな。クエストの時、かなり頑張ってたから」
「そうか、さすが舞依だな」
舞依のゲームの腕はかなりのもので、どんなゲームでも実力ではいつも上位にいた。
いままでのゲームと違ってVRではあっても、やはり舞依の力は十分発揮されるようだ。
「さて、結構早いけど俺も寝るとするかな」
「そうだね、明日も何が起こるかわからないしね」
「怖いこと言わないでくれよ」
「だって初日に魔王と会ってるんだよ? きっと焔はこの先もいろんなことに巻き込まれると思う」
「そう言われるとそんな気がしてきたぞ……」
「ふふ、それじゃあ頑張ってね、おやすみ」
「うわ~、すごい他人事だな……」
焔はベッドに入ると、端の方で寝ていた舞依の隣に移動する。
自然と千歳は舞依とは反対の端になり、焔を真ん中にして両側に舞依と千歳がいる形になる。
焔は両手に花状態となった。
「なんだか夢のような状況だな。まるでハーレムだ」
「よかったね」
千歳は興味なさげに言葉を返す。
「俺、我慢できるかな」
「我慢して。男と妹に挟まれてるだけだからね」
千歳は焔に現実を突きつける。
しかし、焔にはそんなこと関係はなかった。
「千歳、寝てる間に何かしちゃったらごめんな」
「我慢してね」
「ああ、千歳~」
「静かにしてね」
と、口ではいろいろ言っているが、お互い冗談だとわかってるのでまったく体は動いていない。
その時、舞依が寝返りを打ち、舞依の顔が焔の胸におさまった。
焔はそっと舞依を抱きしめると、その甘い香りに心がざわついてしまう。
「千歳、まずいぞ。俺は冷静ではいられないかもしれない」
「本当にやめてね! 私は念のために後ろむいておくけど、よくあることなんだから我慢して!」
千歳は一応注意をしつつ、無関係を装うために焔から距離をとる。
「そういえば俺、寝るとき裸族なんだよね」
「嘘でしょ、そんなの初めて聞いたけど!? 本当だとしても今日は我慢してね」
「ははは、冗談だよ」
「もう、私は寝るからね。おやすみ」
「おやすみ」
そしてその一分後。
「……寝たか。今なら千歳のあんなところやこんなところも触り放題だな」
「やめて」
「はい」
さすがにこのテンションにも疲れてきた焔は、ようやくおとなしく寝ることにした。
車などの音がしない、静かな夜。
焔も千歳もこんな夜はひさしぶりだった。
思うことや考えるべきことはたくさんあるが、それでも心地いい眠気に包まれていった。
千歳はまだ起きていて、デバイスのメニュー画面をいろいろ操作しているようだ。
「舞依寝っちゃったのか」
「やっぱり疲れてたんじゃないかな。クエストの時、かなり頑張ってたから」
「そうか、さすが舞依だな」
舞依のゲームの腕はかなりのもので、どんなゲームでも実力ではいつも上位にいた。
いままでのゲームと違ってVRではあっても、やはり舞依の力は十分発揮されるようだ。
「さて、結構早いけど俺も寝るとするかな」
「そうだね、明日も何が起こるかわからないしね」
「怖いこと言わないでくれよ」
「だって初日に魔王と会ってるんだよ? きっと焔はこの先もいろんなことに巻き込まれると思う」
「そう言われるとそんな気がしてきたぞ……」
「ふふ、それじゃあ頑張ってね、おやすみ」
「うわ~、すごい他人事だな……」
焔はベッドに入ると、端の方で寝ていた舞依の隣に移動する。
自然と千歳は舞依とは反対の端になり、焔を真ん中にして両側に舞依と千歳がいる形になる。
焔は両手に花状態となった。
「なんだか夢のような状況だな。まるでハーレムだ」
「よかったね」
千歳は興味なさげに言葉を返す。
「俺、我慢できるかな」
「我慢して。男と妹に挟まれてるだけだからね」
千歳は焔に現実を突きつける。
しかし、焔にはそんなこと関係はなかった。
「千歳、寝てる間に何かしちゃったらごめんな」
「我慢してね」
「ああ、千歳~」
「静かにしてね」
と、口ではいろいろ言っているが、お互い冗談だとわかってるのでまったく体は動いていない。
その時、舞依が寝返りを打ち、舞依の顔が焔の胸におさまった。
焔はそっと舞依を抱きしめると、その甘い香りに心がざわついてしまう。
「千歳、まずいぞ。俺は冷静ではいられないかもしれない」
「本当にやめてね! 私は念のために後ろむいておくけど、よくあることなんだから我慢して!」
千歳は一応注意をしつつ、無関係を装うために焔から距離をとる。
「そういえば俺、寝るとき裸族なんだよね」
「嘘でしょ、そんなの初めて聞いたけど!? 本当だとしても今日は我慢してね」
「ははは、冗談だよ」
「もう、私は寝るからね。おやすみ」
「おやすみ」
そしてその一分後。
「……寝たか。今なら千歳のあんなところやこんなところも触り放題だな」
「やめて」
「はい」
さすがにこのテンションにも疲れてきた焔は、ようやくおとなしく寝ることにした。
車などの音がしない、静かな夜。
焔も千歳もこんな夜はひさしぶりだった。
思うことや考えるべきことはたくさんあるが、それでも心地いい眠気に包まれていった。
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