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第一章 王国編第二部(中等部)
エピソード? ショーンサイド 後編
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あんなにも死ぬ気に頑張ったのは……
初めてかもしれん…………
「えっと、読み書きニ十点、計算十五点、歴史十五点…………先生はショーン君が読み書きが二十点あったのに驚きだよ」
(ヨッシャー! テストも終わりじゃ! これで生誕祭楽しむんじゃあ!)
ワシはクライヴに【バッチリじゃ!】と親指を突き出しグーサインのジェスチャーをしたが、クライヴは何とも言えない顔をしていた。
(なんじゃ、ワシの点数を読み上げる先生の声が聞こえてねぇんか?)
そしてワシは生誕祭を目一杯楽しむ為に補修を頑張った……
やっとの事でむかえた生誕祭では、今までのストレスを発散するぐらい楽しんだ。
王都に来て一年目のクライヴ達に生誕祭の目玉の池の飛び込みを解説したり、ワシ自身も近所のガキどもに混じって出場した。
まぁチャンピオンは別格じゃったけどな。
そんなこんなであっという間の一年じゃった。
二年生になると月日の流れは更に早く感じたが、忘れられない思い出もあった。
ワシにとっては忘れられない。
それは二年生の夏を終えた後じゃった。
ミッタールマウスとの壮絶な戦い……
ワシとリアナの連携にクライヴも驚きじゃった。
リアナとは日頃から共にザック先生の元で稽古に励んできたので、お互いの癖は何となく分かるようになったんじゃけど、今日は特に冴えとった。
リアナの攻撃の隙をワシが防ぐ。
そんな時にリアナはミッタールマウスの攻撃を受け流す事が出来ず、リアナの顔に向かってミッタールマウスの爪が襲い掛かっていた。
(ざけんじゃねぇ! 女の顔に、リアナを傷つけたら許さんぞ!)
ワシは………………
ワシ自身も驚くぐらい怒っていた……
「このクソ鼠が! ワシが相手じゃ!」
ワシは全力でミッタールマウスの顔に槍を投げつけたが、ミッタールマウスの顔の筋肉に弾かれてしまった。
(それでええ! ワシに注意を引き付けれたらええんじゃ!)
そしてリアナは何とかミッタールマウスの攻撃を避けた。
「ショーン助かったよ! チュウチュウ耳障りだね……君達は一匹残らず仕留められたいのかな?」
(顔色ひとつ変えずに、頼もしいのぉ)
「ワシが守るけぇ全力でいけや!」
「フッ、善処しよう」
そしてミッタールマウスを退治したワシ達は、冒険者協会に報告し、ワシは晴れて初級冒険者になった……
その後は暫くハッピースマイルポテイトンの方が忙しかった。
その理由はクライヴの新メニューのせいじゃった。
あのシュワシュワは今でも忘れられん。レモネードと言う魅惑の飲み物……
どんな発想であんな革命的な飲み物を生み出すのか……相変わらず不思議なヤツじゃわ。
不思議なヤツと言えば、クライヴの爺さんのヒューゴ師匠もバケモノのような人じゃった。
リアナもワシも全く歯が立たんし、約二週間の訓練も鬼じゃ、きちぃんじゃ。
だがリアナと共に鍛錬に励む事でキツイ訓練もリアナに負けとうない気持ちで乗り越える事ができ、リアナには感謝しとる。
それと少し、ほんの少しリアナの新しい一面等も知る事が出来て、ワシはなんだか落ち着かん。
(なんじゃこの想いは? いかん! 訓練に集中せぇ!)
そして訓練の集大成として、師匠から卒業試験という事でセンチミニッツブルーコンゴの討伐を指示された。
(へっ! 訓練の成果を見せれるけぇ、腕がなるのぉ。リアナもワシと一緒で嬉しそうな顔をしとるのぉ)
センチミニッツブルーコンゴは女好きじゃけぇ、最初はリアナとフィーネを囮にするさくせんじゃったが、クライヴがモーガンを囮にと提案した。
流石に無理じゃろうと思ったが、まさかクライヴの予想通りになるとは……
「クライヴ凄えがぁ! センチミニッツブルーコンゴはモーガンような子が好みなんじゃろうか?」
ワシはクライヴの作戦を誉めたつもりなんじゃが、クライヴは難しい顔をしていた。
(どしたんじゃ? リアナやフィーネよりもモーガンに食いついてくれて作戦通りじゃろうが)
その後、リアナから「デリカシーがない」とボソッと呟かれたが、何の事じゃ?
そんなセンチミニッツブルーコンゴとの戦いはリアナの掛け声から始まった。
「二匹か……先に向かってくるのは通常の大きさだが、後ろから向かってくる個体は少し大きいセンチミニッツブルーコンゴだ。ショーン、気を抜かぬように! モーガンが下がってクライヴが来るまでは守備に専念して欲しい! ぼくが先に通常の個体を相手にするから、ショーンはクライヴが来てから攻撃に転じてくれないか?」
(へっ! リアナだけに任せてたまるか! 何の為にワシも一緒に訓練したと思っとるんじゃ!)
「言われんでもわかっとるわぁ! おめぇこそ無理するんじゃなかろうが?」
「フフッ君に言われたくないがな」
(ああ言えばこう言うヤツじゃのお。まぁでも、そんな強気なリアナじゃから、ワシも気が楽なんか、遠慮せずに喋ってしまう)
「じゃあ先に行かせてもらうよ」
「好きにせぇ。後でワシも追いつくから無理はするんじゃねぇ」
何もおかしな事を言っていないが、ワシがリアナを心配して気をつけるようにと言っただけなんじゃが、リアナは一瞬驚いた顔をして、その後に花が開いた様な笑顔を見せてワシに声をかけた。
「あぁ、わかったよ。ありがとうショーン」
「…………」
(ワシの顔が赤うなるんは何でじゃ! これは恋じゃない! アレや! 同じ志を持つ者同士の掛け合いや!)
意気込んで戦ったセンチミニッツブルーコンゴ戦はワシとリアナにとっては苦い記憶となった。
リアナは気絶、ワシは武器を取られるという失態をおかしてしまった…………
(師匠の訓練でせっかく強うなっても慢心したらダメじゃ)
この一件でワシはより一層強くなりたいと願うようになった。
だから…………
生誕祭では公園の広場の一角で先生と師匠に鍛えてもらった。
「フンフン!」
リアナが汗を流しながら素振りをしている。
ワシも負けてられん!
「うおおおお!」
リアナに負けじと素振りをしていたら先生と師匠が手合わせをしていた。
「これが目指すべき姿か……はるかに遠いのぉ」
「あぁ……だがその高みにぼく達も目指す理由がある」
「そうじゃのぉ。騎士と冒険者を目指すんなら当たり前じゃ」
ワシとリアナはお互いに頷き、鍛錬に励んだ。
そして初等部を卒業したワシ達は中等部に入学する事になった。
クライヴとモーガンとフィーネとは違うクラスになったが、何の縁か分からんがリアナとは一緒のクラスになり、恥ずかしい様な嬉しい様な何とも言えん気持ちになったんじゃ…………
そうそうハッピースマイルポテイトンに新しい仲間のクラリネって言う女の子が入ったんじゃが、どうやらグラタンのクラスの子らしい。
それよりも新商品の薄切りポテトの方が、ワシには驚きじゃった。
アレは革命や……最先端の近代芋菓子じゃ!
そう言えば、中等部に入学してからの冒険者稼業である事件が起こった。
それは、オオトカゲの大量発生で討伐依頼を受けた時だった…………
ワシとリアナは師匠や先生の元で厳しい訓練を受けていたので、小柄なオオトカゲなら二人だけで倒す事が出来た。
ワシが惹き付けて、リアナが仕留める。
その為に筋トレをして少々の衝撃では吹き飛ばされない身体作りをしてきた。
(ワシは、みんなより小柄な分、もっと鍛えんといけん! ぜってぇにみんなを守れるような盾となるんじゃあ!)
鍛えた成果は直ぐに現れた。
オオトカゲの爪を大盾で防ぐ事が出来て、リアナが細剣で隙だらけのオオトカゲの口の中に突き刺す。
「ギイイイイイ………………」
短い断末魔とともにオオトカゲは動かなくなり、ワシらの連携による勝利を実感した。
(コイツとなら負ける気がせんのぉ! 流石リアナじゃ!)
その後にリーゼントカゲが現れた……
(なるほどのぉ。コイツが親玉か! 圧倒的なプレッシャー! コイツはホンモノじゃ)
そしてワシ達は苦戦を虐げられる事なり、頼みの綱のモーガンの魔法も伏兵のオオトカゲで使ってしまい、正直残りはクライヴの力が頼りじゃった。
モーガンも前衛に参加して戦おうとしていたら、またクライヴが変な魔道具を使った。
あのハントチェンジという魔道具で、今度は土の壁が出てきて、モーガンを守っていた……
流石のトカゲも驚いとった…………
そんな一瞬の隙をつきリアナが飛び出すが、ワシにはリーゼントカゲが笑ったように見えた!
気付けばワシは走っとった。
リアナに向かって……
「リアナ罠じゃ! そいつ笑うとるんじゃ!」
リーゼントカゲの一撃を細剣で受け止めたリアナだが、リーゼントカゲの力の前に細剣はガラス細工のように儚く壊れそうじゃった。
パキン!
(クライヴも駆けつけようとするが間に合わん! ワシの方が近い! 絶対に助けるんじゃ!)
完全にリアナの細剣が砕かれ、リーゼントカゲの爪がリアナに当たる寸前で、ワシはリアナに飛びついた。
「うぉりゃぁぁ!」
リアナを抱きしめるようにタックルをして何とか攻撃を避けることができたけぇ礼を言われると思ってたんじゃけど…………
「大丈夫かリアナ!」
「あ……ああ」
「ギリギリのところじゃったのリアナ。どうしたんじゃリアナ? どこか痛むのか?」
「キャァァ!」
パチン!
(なんでじゃ……それにこの感触? ハードレーザーの弾力の奥にも弾力がある? 新素材か?)
「き、貴様! そそそ、その手をどけないか!」
そこには、真っ赤な顔のリアナと、がっつりリアナの女性の膨らみの部分を掴んどったワシがおり…………とにかく気まずかった。
(これは流石にいけまー! 謝らんと……えーと、なんじゃこういう時は、その、わざとじゃ無いんじゃし……よし!)
「な、わざとじゃねぇわ! それに鎧じゃからセーブじゃろが!」
(完璧じゃ! これでリアナも許してくれるはずじゃ)
「そう言う問題では無い!」
パシン!
(何でじゃ? 何がおえんのじゃ?)
リーゼントトカゲはクライヴが倒したが、その後クライヴから言われた「おめでとうラッキースケベ」は意味が分からんかった…………
色々あったが報酬が良かったから嫌な事は全部帳消しじゃ。
なに? 嫌な事が他にもある? 前期試験の結果?
そんなものは知らん。赤点は無かったけぇ、ええじゃろ。
そして夏休みをむかえたワシは、実家の手伝いと自己鍛錬に励んで、リアナに負けんようにこの夏休み頑張ろうとした。
じゃが、やっぱり公園でリアナに出会い、時々一緒に訓練をする事となった。
(まぁ腐れ縁じゃのぉ)
初めてかもしれん…………
「えっと、読み書きニ十点、計算十五点、歴史十五点…………先生はショーン君が読み書きが二十点あったのに驚きだよ」
(ヨッシャー! テストも終わりじゃ! これで生誕祭楽しむんじゃあ!)
ワシはクライヴに【バッチリじゃ!】と親指を突き出しグーサインのジェスチャーをしたが、クライヴは何とも言えない顔をしていた。
(なんじゃ、ワシの点数を読み上げる先生の声が聞こえてねぇんか?)
そしてワシは生誕祭を目一杯楽しむ為に補修を頑張った……
やっとの事でむかえた生誕祭では、今までのストレスを発散するぐらい楽しんだ。
王都に来て一年目のクライヴ達に生誕祭の目玉の池の飛び込みを解説したり、ワシ自身も近所のガキどもに混じって出場した。
まぁチャンピオンは別格じゃったけどな。
そんなこんなであっという間の一年じゃった。
二年生になると月日の流れは更に早く感じたが、忘れられない思い出もあった。
ワシにとっては忘れられない。
それは二年生の夏を終えた後じゃった。
ミッタールマウスとの壮絶な戦い……
ワシとリアナの連携にクライヴも驚きじゃった。
リアナとは日頃から共にザック先生の元で稽古に励んできたので、お互いの癖は何となく分かるようになったんじゃけど、今日は特に冴えとった。
リアナの攻撃の隙をワシが防ぐ。
そんな時にリアナはミッタールマウスの攻撃を受け流す事が出来ず、リアナの顔に向かってミッタールマウスの爪が襲い掛かっていた。
(ざけんじゃねぇ! 女の顔に、リアナを傷つけたら許さんぞ!)
ワシは………………
ワシ自身も驚くぐらい怒っていた……
「このクソ鼠が! ワシが相手じゃ!」
ワシは全力でミッタールマウスの顔に槍を投げつけたが、ミッタールマウスの顔の筋肉に弾かれてしまった。
(それでええ! ワシに注意を引き付けれたらええんじゃ!)
そしてリアナは何とかミッタールマウスの攻撃を避けた。
「ショーン助かったよ! チュウチュウ耳障りだね……君達は一匹残らず仕留められたいのかな?」
(顔色ひとつ変えずに、頼もしいのぉ)
「ワシが守るけぇ全力でいけや!」
「フッ、善処しよう」
そしてミッタールマウスを退治したワシ達は、冒険者協会に報告し、ワシは晴れて初級冒険者になった……
その後は暫くハッピースマイルポテイトンの方が忙しかった。
その理由はクライヴの新メニューのせいじゃった。
あのシュワシュワは今でも忘れられん。レモネードと言う魅惑の飲み物……
どんな発想であんな革命的な飲み物を生み出すのか……相変わらず不思議なヤツじゃわ。
不思議なヤツと言えば、クライヴの爺さんのヒューゴ師匠もバケモノのような人じゃった。
リアナもワシも全く歯が立たんし、約二週間の訓練も鬼じゃ、きちぃんじゃ。
だがリアナと共に鍛錬に励む事でキツイ訓練もリアナに負けとうない気持ちで乗り越える事ができ、リアナには感謝しとる。
それと少し、ほんの少しリアナの新しい一面等も知る事が出来て、ワシはなんだか落ち着かん。
(なんじゃこの想いは? いかん! 訓練に集中せぇ!)
そして訓練の集大成として、師匠から卒業試験という事でセンチミニッツブルーコンゴの討伐を指示された。
(へっ! 訓練の成果を見せれるけぇ、腕がなるのぉ。リアナもワシと一緒で嬉しそうな顔をしとるのぉ)
センチミニッツブルーコンゴは女好きじゃけぇ、最初はリアナとフィーネを囮にするさくせんじゃったが、クライヴがモーガンを囮にと提案した。
流石に無理じゃろうと思ったが、まさかクライヴの予想通りになるとは……
「クライヴ凄えがぁ! センチミニッツブルーコンゴはモーガンような子が好みなんじゃろうか?」
ワシはクライヴの作戦を誉めたつもりなんじゃが、クライヴは難しい顔をしていた。
(どしたんじゃ? リアナやフィーネよりもモーガンに食いついてくれて作戦通りじゃろうが)
その後、リアナから「デリカシーがない」とボソッと呟かれたが、何の事じゃ?
そんなセンチミニッツブルーコンゴとの戦いはリアナの掛け声から始まった。
「二匹か……先に向かってくるのは通常の大きさだが、後ろから向かってくる個体は少し大きいセンチミニッツブルーコンゴだ。ショーン、気を抜かぬように! モーガンが下がってクライヴが来るまでは守備に専念して欲しい! ぼくが先に通常の個体を相手にするから、ショーンはクライヴが来てから攻撃に転じてくれないか?」
(へっ! リアナだけに任せてたまるか! 何の為にワシも一緒に訓練したと思っとるんじゃ!)
「言われんでもわかっとるわぁ! おめぇこそ無理するんじゃなかろうが?」
「フフッ君に言われたくないがな」
(ああ言えばこう言うヤツじゃのお。まぁでも、そんな強気なリアナじゃから、ワシも気が楽なんか、遠慮せずに喋ってしまう)
「じゃあ先に行かせてもらうよ」
「好きにせぇ。後でワシも追いつくから無理はするんじゃねぇ」
何もおかしな事を言っていないが、ワシがリアナを心配して気をつけるようにと言っただけなんじゃが、リアナは一瞬驚いた顔をして、その後に花が開いた様な笑顔を見せてワシに声をかけた。
「あぁ、わかったよ。ありがとうショーン」
「…………」
(ワシの顔が赤うなるんは何でじゃ! これは恋じゃない! アレや! 同じ志を持つ者同士の掛け合いや!)
意気込んで戦ったセンチミニッツブルーコンゴ戦はワシとリアナにとっては苦い記憶となった。
リアナは気絶、ワシは武器を取られるという失態をおかしてしまった…………
(師匠の訓練でせっかく強うなっても慢心したらダメじゃ)
この一件でワシはより一層強くなりたいと願うようになった。
だから…………
生誕祭では公園の広場の一角で先生と師匠に鍛えてもらった。
「フンフン!」
リアナが汗を流しながら素振りをしている。
ワシも負けてられん!
「うおおおお!」
リアナに負けじと素振りをしていたら先生と師匠が手合わせをしていた。
「これが目指すべき姿か……はるかに遠いのぉ」
「あぁ……だがその高みにぼく達も目指す理由がある」
「そうじゃのぉ。騎士と冒険者を目指すんなら当たり前じゃ」
ワシとリアナはお互いに頷き、鍛錬に励んだ。
そして初等部を卒業したワシ達は中等部に入学する事になった。
クライヴとモーガンとフィーネとは違うクラスになったが、何の縁か分からんがリアナとは一緒のクラスになり、恥ずかしい様な嬉しい様な何とも言えん気持ちになったんじゃ…………
そうそうハッピースマイルポテイトンに新しい仲間のクラリネって言う女の子が入ったんじゃが、どうやらグラタンのクラスの子らしい。
それよりも新商品の薄切りポテトの方が、ワシには驚きじゃった。
アレは革命や……最先端の近代芋菓子じゃ!
そう言えば、中等部に入学してからの冒険者稼業である事件が起こった。
それは、オオトカゲの大量発生で討伐依頼を受けた時だった…………
ワシとリアナは師匠や先生の元で厳しい訓練を受けていたので、小柄なオオトカゲなら二人だけで倒す事が出来た。
ワシが惹き付けて、リアナが仕留める。
その為に筋トレをして少々の衝撃では吹き飛ばされない身体作りをしてきた。
(ワシは、みんなより小柄な分、もっと鍛えんといけん! ぜってぇにみんなを守れるような盾となるんじゃあ!)
鍛えた成果は直ぐに現れた。
オオトカゲの爪を大盾で防ぐ事が出来て、リアナが細剣で隙だらけのオオトカゲの口の中に突き刺す。
「ギイイイイイ………………」
短い断末魔とともにオオトカゲは動かなくなり、ワシらの連携による勝利を実感した。
(コイツとなら負ける気がせんのぉ! 流石リアナじゃ!)
その後にリーゼントカゲが現れた……
(なるほどのぉ。コイツが親玉か! 圧倒的なプレッシャー! コイツはホンモノじゃ)
そしてワシ達は苦戦を虐げられる事なり、頼みの綱のモーガンの魔法も伏兵のオオトカゲで使ってしまい、正直残りはクライヴの力が頼りじゃった。
モーガンも前衛に参加して戦おうとしていたら、またクライヴが変な魔道具を使った。
あのハントチェンジという魔道具で、今度は土の壁が出てきて、モーガンを守っていた……
流石のトカゲも驚いとった…………
そんな一瞬の隙をつきリアナが飛び出すが、ワシにはリーゼントカゲが笑ったように見えた!
気付けばワシは走っとった。
リアナに向かって……
「リアナ罠じゃ! そいつ笑うとるんじゃ!」
リーゼントカゲの一撃を細剣で受け止めたリアナだが、リーゼントカゲの力の前に細剣はガラス細工のように儚く壊れそうじゃった。
パキン!
(クライヴも駆けつけようとするが間に合わん! ワシの方が近い! 絶対に助けるんじゃ!)
完全にリアナの細剣が砕かれ、リーゼントカゲの爪がリアナに当たる寸前で、ワシはリアナに飛びついた。
「うぉりゃぁぁ!」
リアナを抱きしめるようにタックルをして何とか攻撃を避けることができたけぇ礼を言われると思ってたんじゃけど…………
「大丈夫かリアナ!」
「あ……ああ」
「ギリギリのところじゃったのリアナ。どうしたんじゃリアナ? どこか痛むのか?」
「キャァァ!」
パチン!
(なんでじゃ……それにこの感触? ハードレーザーの弾力の奥にも弾力がある? 新素材か?)
「き、貴様! そそそ、その手をどけないか!」
そこには、真っ赤な顔のリアナと、がっつりリアナの女性の膨らみの部分を掴んどったワシがおり…………とにかく気まずかった。
(これは流石にいけまー! 謝らんと……えーと、なんじゃこういう時は、その、わざとじゃ無いんじゃし……よし!)
「な、わざとじゃねぇわ! それに鎧じゃからセーブじゃろが!」
(完璧じゃ! これでリアナも許してくれるはずじゃ)
「そう言う問題では無い!」
パシン!
(何でじゃ? 何がおえんのじゃ?)
リーゼントトカゲはクライヴが倒したが、その後クライヴから言われた「おめでとうラッキースケベ」は意味が分からんかった…………
色々あったが報酬が良かったから嫌な事は全部帳消しじゃ。
なに? 嫌な事が他にもある? 前期試験の結果?
そんなものは知らん。赤点は無かったけぇ、ええじゃろ。
そして夏休みをむかえたワシは、実家の手伝いと自己鍛錬に励んで、リアナに負けんようにこの夏休み頑張ろうとした。
じゃが、やっぱり公園でリアナに出会い、時々一緒に訓練をする事となった。
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