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第一章 王国編第一部(初等部)
エピソード86 生誕祭の奇跡? カウントダウン
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アリア様の事情聴取事件やランチが終わり、現在時刻は十三時半。
ちょうどショーン以外みんなが揃っているので、そろそろ本格的にハッピースマイルポテイトンの営業日と時間を決めていこうとオレは考えていた。
ちなみに営業日を週四日に増やし、さらにフライドポテトの元となるジャガイモを二百個に増やす。
まずは営業日と時間だ。
みんなとの話し合いの結果、学院生活に戻った時の事を想定する事を考えて、平日は月曜日と水曜日と金曜日。そして隔週で第二と第四土曜日を営業日が無理がないのではと全員が一致した……ショーンは居ないけど……………………
次に営業時間だが、平日は学校が終わってから準備して十五時過ぎからハッピースマイルポテイトンを開店して、次の日の疲労と十九時の門限を考えて十八時には店を閉める事となった。
土曜日は営業時間を午前九時から十二時までにしてオレ達が負担がないように決めた。
ショーンは居ないけど………………
その後オレは看板に月、水、金曜日、そして第二と第四土曜日の営業日とその営業時間を記載した。
「これでよし!」
(これでお客様が戸惑う事はないだろう)
「クライヴ、十五時までどうする?」
モーガンがオレに予定を聞いてきたので、オレは予定がある事を伝えた。
「アタシもリアナとスイーツ巡りをして、午後からの体力をつけてくるわ!」
フィーネは鼻息荒く意気込んだが…………色々と間違っている。リアナはスイーツ好きとバレたくないのか少し顔が赤くなっていた。
(何でスイーツで体力? 確かに糖分必要だけど……食べたいだけだろ二人とも!)
「それでは、私も私用を済ましてから戻ってきます」
ショパンさんも何か用事があるようだった。
オレ達は一旦解散して、オレは学生寮の自分の部屋に戻った。あのブツを隠す場所に持ち運ぶ為に………………
そしてやってきたハッピースマイルポテイトンへ…………
オレはこっそりと泥棒のように入り、二階に移動して、六畳二間の多目的部屋の奥側の六畳のスペースにやって来た。
実はこの場所には壁にフックを打ち込んでもらっていて、ある程度の重さなら耐えられる作りとなっている。
オレは露店で安かった絵画を飾ったり、皮袋を飾ったり、フックとフックの間に小さな木の板をいくつか置いて台をつくり、その台によくわからない置物を乗せた…………そしてハンドガンも台の上に置き、他の装飾品? と紛れるようにした。
(これで誰に見られても完璧だな)
オレはこの世に存在してはいけないハンドガンを隠して、万が一の事を考えて誰にも見せない、触らせない事を誓った!
将来の事は分からないが……………………
そしてオレは十四時過ぎにショッパーニ商会に向かった。
中に入ると、普段と違って従業員さんがバタバタと慌ただしかった。一人の従業員がオレに気づき、ショッパーニさんを呼びに行った。
(すみません……ただでさえ普段より忙しいのに……)
「これはこれはクライヴ殿、本日はどのような用事でしょうか?」
奥から出てきたショッパーニさんはいつもの血色の良い顔ではなく、疲労の色が隠せない程顔色が悪く、足取りも重たそうにしていた。
そんな疲れ気味のショッパーニさんに対して、オレは生誕祭なのでもっとお店を認知してもらう為にジャガイモ等の材料を大量に注文をして、売れ行きを見ながら生誕祭後も大量注文を継続するかも知れない旨を伝えた。
それを聞いたショッパーニさんは疲労が見える顔でうれしい悲鳴を上げていた…………
「誰でも良いからクライヴ殿をお助けしなさい。私はもう身体が動かんのだ…………」
ショッパーニさんの一言で従業員が内容を確認して、暫くすると奥の方からごっそりと商品を持ってきた。
オレは手押し荷車のレンタルを含めての金額をショッパーニさんに確認した。
「合計で銀貨一枚と小銀貨二枚になりますが、僅かながらサービスさせていただき、銀貨一枚と小銀貨一枚になります」
そう言ってショッパーニさんは、ちょっと疲れた営業スマイルをオレに向けた。
(おぉー! ショッパーニさんの良心に感謝です)
オレは感謝の言葉を伝えて、ハッピースマイルポテイトンへ向かった。
(今日もショーンは居ないが営業開始だ!)
十五時より少し前にみんなは集まっていた。
オレはみんなに今日のフォーメーションを説明した。
「今日は呼び込みはショパンさんにお願いしたいと思います。他国の方を相手にするのに子どもよりショパンさんの方が反応があるかと思いますので……」
「かしこまりました」
鼻を触るように眼鏡を少し持ち上げて、一つ返事でショパンさんは了承した。
「モーガンは会計で、フィーネはモーガンの補助と庭に不備がないかチェックね」
「分かったよクライヴ」
モーガンは会計にも慣れているので特に緊張もなく、オレも心配はしていない。問題はもう一名の方だ……
「アタシが会計の補助なの? 間違わないように気をつけるわ……」
少し頼りない返事のフィーネだった。
「本当はクライヴの補助に付けないからフィーネは少し落ち込んでるんでしょ」
モーガンの余計一言にフィーネはあたふたしていた。
「ア、アタシが! そんなわけないじゃない! アンタも何か言いなさいよ! アタシが勘違いされているわよ!」
うん、肩の力が抜けていつものフィーネだ。
「リアナはフライドポテト係をお願いしたい。ジャガイモの皮剥きから揚げるまでの全行程をメインで頼みたい。一応オレが補助に入るから」
「わかった期待に応えよう」
リアナもここ最近、皮剥きスキルが高くなっており、もともと料理の才能があるのではないだろうか……そこでオレはリアナにメインを任すことにした。
「それではハッピースマイルポテイトン開店します! 大変だけど目指せ二時間!」
こうしてオレ達の挑戦は始まった。
二十分後………………
予想通り大人の魅力を兼ね備えたクール眼鏡系お兄さんが呼び込む事で、歳上に憧れを抱くちょっと背伸びしたい女の子や、ガチ勢のお姉様方、そして目の保養にとマダム達がホイホイ集まる。
まさにクール眼鏡ホイホイだ。
そこからは予想通りの展開だ!
人が集まる事で注目を浴び、ましてや他国では珍しいフライドポテトと店内やテラス席と言った最先端すぎる匠の技が光るお店の作りは凄く評判が良かった。
それほど気に入ってくれる事となった要因は数々あり、店内から見えるテラス席とその先のイングリッシュガーデン風の庭と噴水。
また店内とテラス席を扉で繋ぐ事で開放感のあるテラス席への移動がスムーズになっている近代的な作り。
噴水の縁で休みながらポテトを食べたり、庭の足湯で休みながら、そのベンチでポテトを食べたり、食べ方も店内以外に色々な所で食べる事ができるのも魅力的だ。
最後に庭にある屋外トイレが水洗式で手洗いも完備だけでなく、カーテン付きの大きな窓によって季節の花の香りと太陽の光が広がる。この時代には考えられない最最最先端の技術の結晶だ。
そんなこんなでお店は大繁盛!
最初は余るかもと思っていたジャガイモ達も、今は二百個用意して良かったとジャガイモ様に感謝している。
開店三十分後からずっと客足が途絶えない状態が続いており、リアナの疲労はピークを迎えていた。
一旦リアナを厨房からキッチンエリアに移動させて休憩を促した。
「すまないクライヴ……後五十個なんだが……ぼくはこれまでのようだ」
オレはリアナの跡を引き継ぎ、四十二個分のフライドポテトを作った…………残りは八個。
その時、常連客が来たようだ。
ちょうどショーン以外みんなが揃っているので、そろそろ本格的にハッピースマイルポテイトンの営業日と時間を決めていこうとオレは考えていた。
ちなみに営業日を週四日に増やし、さらにフライドポテトの元となるジャガイモを二百個に増やす。
まずは営業日と時間だ。
みんなとの話し合いの結果、学院生活に戻った時の事を想定する事を考えて、平日は月曜日と水曜日と金曜日。そして隔週で第二と第四土曜日を営業日が無理がないのではと全員が一致した……ショーンは居ないけど……………………
次に営業時間だが、平日は学校が終わってから準備して十五時過ぎからハッピースマイルポテイトンを開店して、次の日の疲労と十九時の門限を考えて十八時には店を閉める事となった。
土曜日は営業時間を午前九時から十二時までにしてオレ達が負担がないように決めた。
ショーンは居ないけど………………
その後オレは看板に月、水、金曜日、そして第二と第四土曜日の営業日とその営業時間を記載した。
「これでよし!」
(これでお客様が戸惑う事はないだろう)
「クライヴ、十五時までどうする?」
モーガンがオレに予定を聞いてきたので、オレは予定がある事を伝えた。
「アタシもリアナとスイーツ巡りをして、午後からの体力をつけてくるわ!」
フィーネは鼻息荒く意気込んだが…………色々と間違っている。リアナはスイーツ好きとバレたくないのか少し顔が赤くなっていた。
(何でスイーツで体力? 確かに糖分必要だけど……食べたいだけだろ二人とも!)
「それでは、私も私用を済ましてから戻ってきます」
ショパンさんも何か用事があるようだった。
オレ達は一旦解散して、オレは学生寮の自分の部屋に戻った。あのブツを隠す場所に持ち運ぶ為に………………
そしてやってきたハッピースマイルポテイトンへ…………
オレはこっそりと泥棒のように入り、二階に移動して、六畳二間の多目的部屋の奥側の六畳のスペースにやって来た。
実はこの場所には壁にフックを打ち込んでもらっていて、ある程度の重さなら耐えられる作りとなっている。
オレは露店で安かった絵画を飾ったり、皮袋を飾ったり、フックとフックの間に小さな木の板をいくつか置いて台をつくり、その台によくわからない置物を乗せた…………そしてハンドガンも台の上に置き、他の装飾品? と紛れるようにした。
(これで誰に見られても完璧だな)
オレはこの世に存在してはいけないハンドガンを隠して、万が一の事を考えて誰にも見せない、触らせない事を誓った!
将来の事は分からないが……………………
そしてオレは十四時過ぎにショッパーニ商会に向かった。
中に入ると、普段と違って従業員さんがバタバタと慌ただしかった。一人の従業員がオレに気づき、ショッパーニさんを呼びに行った。
(すみません……ただでさえ普段より忙しいのに……)
「これはこれはクライヴ殿、本日はどのような用事でしょうか?」
奥から出てきたショッパーニさんはいつもの血色の良い顔ではなく、疲労の色が隠せない程顔色が悪く、足取りも重たそうにしていた。
そんな疲れ気味のショッパーニさんに対して、オレは生誕祭なのでもっとお店を認知してもらう為にジャガイモ等の材料を大量に注文をして、売れ行きを見ながら生誕祭後も大量注文を継続するかも知れない旨を伝えた。
それを聞いたショッパーニさんは疲労が見える顔でうれしい悲鳴を上げていた…………
「誰でも良いからクライヴ殿をお助けしなさい。私はもう身体が動かんのだ…………」
ショッパーニさんの一言で従業員が内容を確認して、暫くすると奥の方からごっそりと商品を持ってきた。
オレは手押し荷車のレンタルを含めての金額をショッパーニさんに確認した。
「合計で銀貨一枚と小銀貨二枚になりますが、僅かながらサービスさせていただき、銀貨一枚と小銀貨一枚になります」
そう言ってショッパーニさんは、ちょっと疲れた営業スマイルをオレに向けた。
(おぉー! ショッパーニさんの良心に感謝です)
オレは感謝の言葉を伝えて、ハッピースマイルポテイトンへ向かった。
(今日もショーンは居ないが営業開始だ!)
十五時より少し前にみんなは集まっていた。
オレはみんなに今日のフォーメーションを説明した。
「今日は呼び込みはショパンさんにお願いしたいと思います。他国の方を相手にするのに子どもよりショパンさんの方が反応があるかと思いますので……」
「かしこまりました」
鼻を触るように眼鏡を少し持ち上げて、一つ返事でショパンさんは了承した。
「モーガンは会計で、フィーネはモーガンの補助と庭に不備がないかチェックね」
「分かったよクライヴ」
モーガンは会計にも慣れているので特に緊張もなく、オレも心配はしていない。問題はもう一名の方だ……
「アタシが会計の補助なの? 間違わないように気をつけるわ……」
少し頼りない返事のフィーネだった。
「本当はクライヴの補助に付けないからフィーネは少し落ち込んでるんでしょ」
モーガンの余計一言にフィーネはあたふたしていた。
「ア、アタシが! そんなわけないじゃない! アンタも何か言いなさいよ! アタシが勘違いされているわよ!」
うん、肩の力が抜けていつものフィーネだ。
「リアナはフライドポテト係をお願いしたい。ジャガイモの皮剥きから揚げるまでの全行程をメインで頼みたい。一応オレが補助に入るから」
「わかった期待に応えよう」
リアナもここ最近、皮剥きスキルが高くなっており、もともと料理の才能があるのではないだろうか……そこでオレはリアナにメインを任すことにした。
「それではハッピースマイルポテイトン開店します! 大変だけど目指せ二時間!」
こうしてオレ達の挑戦は始まった。
二十分後………………
予想通り大人の魅力を兼ね備えたクール眼鏡系お兄さんが呼び込む事で、歳上に憧れを抱くちょっと背伸びしたい女の子や、ガチ勢のお姉様方、そして目の保養にとマダム達がホイホイ集まる。
まさにクール眼鏡ホイホイだ。
そこからは予想通りの展開だ!
人が集まる事で注目を浴び、ましてや他国では珍しいフライドポテトと店内やテラス席と言った最先端すぎる匠の技が光るお店の作りは凄く評判が良かった。
それほど気に入ってくれる事となった要因は数々あり、店内から見えるテラス席とその先のイングリッシュガーデン風の庭と噴水。
また店内とテラス席を扉で繋ぐ事で開放感のあるテラス席への移動がスムーズになっている近代的な作り。
噴水の縁で休みながらポテトを食べたり、庭の足湯で休みながら、そのベンチでポテトを食べたり、食べ方も店内以外に色々な所で食べる事ができるのも魅力的だ。
最後に庭にある屋外トイレが水洗式で手洗いも完備だけでなく、カーテン付きの大きな窓によって季節の花の香りと太陽の光が広がる。この時代には考えられない最最最先端の技術の結晶だ。
そんなこんなでお店は大繁盛!
最初は余るかもと思っていたジャガイモ達も、今は二百個用意して良かったとジャガイモ様に感謝している。
開店三十分後からずっと客足が途絶えない状態が続いており、リアナの疲労はピークを迎えていた。
一旦リアナを厨房からキッチンエリアに移動させて休憩を促した。
「すまないクライヴ……後五十個なんだが……ぼくはこれまでのようだ」
オレはリアナの跡を引き継ぎ、四十二個分のフライドポテトを作った…………残りは八個。
その時、常連客が来たようだ。
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