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第一章 王国編第一部(初等部)
エピソード29 王都はやっぱり王都でした
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あれからオレたちは、馬車に揺られながら、昼は集落、夕は村。たまに昼は街道沿いで休憩し、夕方町等の一週間の道のりを経て、王都にたどり着いた。
帝国とは違う明るい首都マクウィリアズ城下街。それがオレの第一印象だった。
街は城壁で守られており、入り口は南側の正門と北側の跳ね橋式の城門がある。
正門を抜けた先は大通りとなっており、正門近くは冒険者エリアとなっており、威圧感のある漆黒塗りの壁に茶色の屋根の大きな冒険者協会の本部がある。協会を表す紋章の入ったプレートが何らかの魔道具で常時光を放っており、ライトの役割をしていた。また冒険者協会付近には、飲食店、宿屋、武器屋、魔道具店等、冒険者に必要な店が揃っていた。それらの店は冒険者から目立つように茶色の屋根で統一されていた。
そんな冒険者エリアの奥には鍛冶屋や魔道具等の工房が立ち並んでいた。
そして冒険者エリアの次にファッションエリアとなっており、平民達のお手頃価格から下級貴族向けの少しお高いお店まで色々なお店が立ち並んでいた。それぞれのお店は茶色の壁と茶色の屋根の平民向けのお店と、下級貴族向けの赤レンガのお店と色分けされていた。
大通りを進み街の中心には木々や池やベンチ等がある大きな公園があり、その近くには街のシンボルとなっている大聖堂がある。
大聖堂は、十字架と一緒に女神様の像が屋根についており、立派なステンドグラスが印象的だ。
大聖堂から西側の西通りは通称学生通りと呼ばれ、本屋、服屋、カフェ、雑貨屋等のお店が立ち並んでいた。
その先には中高一貫の王立学院があり、どこぞの領主が住んでいる町ですか? という規模の大きさの中で植物園、大きな池、学生寮があり、学生寮の裏に平原と森が広がっているらしい。
ちなみに初等部は王立学院分校といって、東通りの通称平民通りと呼ばれる住民街や飲食店の先にあるらしく、こちらは前世の小学校の面積を一回り小さくしたニ階建らしい。
一学年に一クラスのみで生徒数はその年にもよるが十~二十名程度との事だ。校舎内に小さな体育館のような多目的ホールがあるらしく、外には学生寮と小さな校庭と花壇があるらしい。
また、住民街奥の隅の方やその近くの下水路にはあまり人が立ち寄らないと注意を受けた。多分スラムや犯罪者などいるのだろう。
次に大聖堂から北の通り緩やかな坂道を登っていく白い石畳みの道の通称貴族通りと呼ばれ一メートル程度の壁が仕切られている。
貴族通りの入り口には門番が立っており、通行証の確認等を行なっている。貴族通りには下級貴族街や高級商店等が建ち並んでいるらしい。
さらに坂道を登ると上級貴族街が見えてくるらしい。そこはさらに高く三メートル近くの城壁で仕切られおり、門番以外に城壁の上には監視兵がいるらしい。
坂道の頂上には、十メートル幅のため池に囲まれたお城が立っているらしい。この街の正門からも見えるまさにキングオブキングなお城があった。この距離からアレだけの大きさなら、絵本やアニメやゲームの世界のイメージを二倍強にした大きさのお城だと思う。
オレとフィーネはテンション上がりっぱなしで、平民通りの王立学院平民分校の入学手続きに向かった。
「何というか、少し年季の入った学院なのね……」
「まぁこれが人間社会だよ。平民向けの学院だからね。それでも平民も勉強する機会を与える為、朝夕食付きの学生寮と授業料込みでこの値段なら殆ど赤字経営じゃないかな?」
「それでも高いわよ!」
「そうだよね、一部の平民、商人の息子か、余程貧乏な貴族、期待されてない下級貴族の四男とか……入学するのにも限られてくるよね」
そんな話をしながら学院の総合窓口に向かい、入学金を支払った。
「はい! 小金貨二枚ですね。確かに受けとりました。こちらが学生証と学院から支給される学生服になります」
痛い出費……オレは小金貨四枚と銀貨八枚になっていた。
王都までの道中でフィーネは余り節約しておらずまた、入学金が銀貨二枚分足りなかった……
もちろんフィーネの銀貨二枚分はオレが出したが。
何だかフィーネが静かになり落ち込んでいるのが、ある意味怖い……
「続いて学生寮を案内しますね」
受付の人の案内について行き、学院の校庭の東側にある学生寮に向かった。
学生寮は一棟のみで、石造りの三階建てになっている。
一階にある玄関のカウンター? には学院専属の衛兵が一名警備しており、その奥の警備室のような所? にも衛兵が二名いるらしい。三交代制で働いているようで、警備室の中は部屋が三つに分かれているらしく各部屋の広さは十二畳あるらしい。また警備室と反対方向には改築の後が残る煙突付きの平屋が建っていた。
「男の子が二階で女の子が三階になります。隅の建物は食堂と、身体を洗う所があります」
「「へぇー」」
オレ達は早く学生寮に入りたい気持ちを抑えて受付の方の説明を聞いた。
「学院が始まるのが三日後になりますので、その日は校舎内の端にある多目的ホールで簡易な入学式を行います。それまでは街を散策したり、入学に向けての準備をしたりして下さいね。あっちなみに学生寮は夜遅くになると鍵が閉まりますので、夜七時には帰ってきましょうね」
ですよね……まだ十歳児、門限七時はありがたいが、する事ねぇー
「それでは説明は以上となります。二人は最初の学生寮に入るので好きな部屋を選んで、後で衛兵さんからその部屋の鍵を受け取って下さい。また外出の際も衛兵さんに預けて下さいね。他に何か分からない事があれば校舎に入ってすぐにある総合相談室に来て下さいね」
「「はい! ありがとうございました」」
オレ達はすぐ学生寮に向かった。
「「初めまして、これからお世話りなります」」
「クライヴと言います」
「フィーネです。よろしくお願いします」
あっ早速フィーネがぶりっ子しやがった。
普段はツンツンガールのくせに、こう言う時は上手なんだよなー
「それでは学生証を見せてくれるかな?」
「「はい」」
「それでは君達が学生寮利用者の第一号だから好きな部屋を選んで来ていいよ」
「「わーい!」」
イカン! つい無邪気さが出てしまった。でも楽しみじゃん! どんな部屋なのか!
オレは二階の部屋を一通りチェックする。日当たり、間取り、最初から固定されている家具類等、全て同じで。六畳ワンルームで風呂トイレ無し。
しかし! 角部屋の一部屋だけ見つけたぜ! 部屋に入ると家具等が一切ないが窓が二つあり光が入る明るい室内、しかも広さは七畳! そして驚く勿れ! 奥にもう一室あり二畳の寝室スペースの合計九畳二間だ。
オレはこの部屋に即決して衛兵さんに伝えに行った。ちょうどフィーネも降りて来て部屋を決めたようだ。
「アタシは日当たりの良い角部屋にしたわ。どれも同じ作りだったし、少しでも光が入って欲しいし……ク、クライヴの、その、部屋はどこにしたの?」
少し部屋の場所を聞きづらそうに聞いて来た。
どうした? フィーネ?
「オレもフィーネと一緒で角部屋だよ。じゃあフィーネが真上の部屋かそれとも向かいの部屋の上がどっちかになるんだね。」
「な、な、なに言ってんのよ! この変態! アタシの物音を下から聞いて喜んでいるの! アンタ本当に気持ち悪いわね!」
今のはオレが悪いのか? セクハラ発言? 相手が嫌がると全てセクハラとも言われているし、フィーネにとってオレは一体何なんだ? 歩くセクハラか? あっどうしよう目が熱くなって来た。目からなんか汁が出そうだ……
「えっ! クライヴ………………あのぉ……そのぉ……えっとぉ……………………もう! ごめんなさい! 言い過ぎだったわよバカ!」
流石フィーネ! ブレてないよ君は、それで良いんだよ。この二週間程度、君のおかげでオレのメンタルは強くなったよ!
よし! オレはもう一つフィーネに爆弾を落とそう!
「実はオレの部屋は特別な作りで、七畳の部屋の奥にもう一つ二畳の寝室がついているんだぜ」
見事に爆弾投下だ! フィーネの眉がピクッと動いた。
「ちょっと何でアンタの部屋だけなのよ! 納得できないわ! ちょっと見せなさいよ!」
オレの部屋の初めての招待客は……
「ハァー! 何でこの部屋だけ! よりによって私の部屋の真下じゃないの! 部屋の広さだけでもムカつくのに下に変態クライヴがいるのも腹が立つわ! 勝手に夜中窓から這い上がって来たりしたら精霊魔法で学院の敷地外まで吹き飛ばすからね!」
そんな物騒なことを言ういつもの通常運転のフィーネだった。
帝国とは違う明るい首都マクウィリアズ城下街。それがオレの第一印象だった。
街は城壁で守られており、入り口は南側の正門と北側の跳ね橋式の城門がある。
正門を抜けた先は大通りとなっており、正門近くは冒険者エリアとなっており、威圧感のある漆黒塗りの壁に茶色の屋根の大きな冒険者協会の本部がある。協会を表す紋章の入ったプレートが何らかの魔道具で常時光を放っており、ライトの役割をしていた。また冒険者協会付近には、飲食店、宿屋、武器屋、魔道具店等、冒険者に必要な店が揃っていた。それらの店は冒険者から目立つように茶色の屋根で統一されていた。
そんな冒険者エリアの奥には鍛冶屋や魔道具等の工房が立ち並んでいた。
そして冒険者エリアの次にファッションエリアとなっており、平民達のお手頃価格から下級貴族向けの少しお高いお店まで色々なお店が立ち並んでいた。それぞれのお店は茶色の壁と茶色の屋根の平民向けのお店と、下級貴族向けの赤レンガのお店と色分けされていた。
大通りを進み街の中心には木々や池やベンチ等がある大きな公園があり、その近くには街のシンボルとなっている大聖堂がある。
大聖堂は、十字架と一緒に女神様の像が屋根についており、立派なステンドグラスが印象的だ。
大聖堂から西側の西通りは通称学生通りと呼ばれ、本屋、服屋、カフェ、雑貨屋等のお店が立ち並んでいた。
その先には中高一貫の王立学院があり、どこぞの領主が住んでいる町ですか? という規模の大きさの中で植物園、大きな池、学生寮があり、学生寮の裏に平原と森が広がっているらしい。
ちなみに初等部は王立学院分校といって、東通りの通称平民通りと呼ばれる住民街や飲食店の先にあるらしく、こちらは前世の小学校の面積を一回り小さくしたニ階建らしい。
一学年に一クラスのみで生徒数はその年にもよるが十~二十名程度との事だ。校舎内に小さな体育館のような多目的ホールがあるらしく、外には学生寮と小さな校庭と花壇があるらしい。
また、住民街奥の隅の方やその近くの下水路にはあまり人が立ち寄らないと注意を受けた。多分スラムや犯罪者などいるのだろう。
次に大聖堂から北の通り緩やかな坂道を登っていく白い石畳みの道の通称貴族通りと呼ばれ一メートル程度の壁が仕切られている。
貴族通りの入り口には門番が立っており、通行証の確認等を行なっている。貴族通りには下級貴族街や高級商店等が建ち並んでいるらしい。
さらに坂道を登ると上級貴族街が見えてくるらしい。そこはさらに高く三メートル近くの城壁で仕切られおり、門番以外に城壁の上には監視兵がいるらしい。
坂道の頂上には、十メートル幅のため池に囲まれたお城が立っているらしい。この街の正門からも見えるまさにキングオブキングなお城があった。この距離からアレだけの大きさなら、絵本やアニメやゲームの世界のイメージを二倍強にした大きさのお城だと思う。
オレとフィーネはテンション上がりっぱなしで、平民通りの王立学院平民分校の入学手続きに向かった。
「何というか、少し年季の入った学院なのね……」
「まぁこれが人間社会だよ。平民向けの学院だからね。それでも平民も勉強する機会を与える為、朝夕食付きの学生寮と授業料込みでこの値段なら殆ど赤字経営じゃないかな?」
「それでも高いわよ!」
「そうだよね、一部の平民、商人の息子か、余程貧乏な貴族、期待されてない下級貴族の四男とか……入学するのにも限られてくるよね」
そんな話をしながら学院の総合窓口に向かい、入学金を支払った。
「はい! 小金貨二枚ですね。確かに受けとりました。こちらが学生証と学院から支給される学生服になります」
痛い出費……オレは小金貨四枚と銀貨八枚になっていた。
王都までの道中でフィーネは余り節約しておらずまた、入学金が銀貨二枚分足りなかった……
もちろんフィーネの銀貨二枚分はオレが出したが。
何だかフィーネが静かになり落ち込んでいるのが、ある意味怖い……
「続いて学生寮を案内しますね」
受付の人の案内について行き、学院の校庭の東側にある学生寮に向かった。
学生寮は一棟のみで、石造りの三階建てになっている。
一階にある玄関のカウンター? には学院専属の衛兵が一名警備しており、その奥の警備室のような所? にも衛兵が二名いるらしい。三交代制で働いているようで、警備室の中は部屋が三つに分かれているらしく各部屋の広さは十二畳あるらしい。また警備室と反対方向には改築の後が残る煙突付きの平屋が建っていた。
「男の子が二階で女の子が三階になります。隅の建物は食堂と、身体を洗う所があります」
「「へぇー」」
オレ達は早く学生寮に入りたい気持ちを抑えて受付の方の説明を聞いた。
「学院が始まるのが三日後になりますので、その日は校舎内の端にある多目的ホールで簡易な入学式を行います。それまでは街を散策したり、入学に向けての準備をしたりして下さいね。あっちなみに学生寮は夜遅くになると鍵が閉まりますので、夜七時には帰ってきましょうね」
ですよね……まだ十歳児、門限七時はありがたいが、する事ねぇー
「それでは説明は以上となります。二人は最初の学生寮に入るので好きな部屋を選んで、後で衛兵さんからその部屋の鍵を受け取って下さい。また外出の際も衛兵さんに預けて下さいね。他に何か分からない事があれば校舎に入ってすぐにある総合相談室に来て下さいね」
「「はい! ありがとうございました」」
オレ達はすぐ学生寮に向かった。
「「初めまして、これからお世話りなります」」
「クライヴと言います」
「フィーネです。よろしくお願いします」
あっ早速フィーネがぶりっ子しやがった。
普段はツンツンガールのくせに、こう言う時は上手なんだよなー
「それでは学生証を見せてくれるかな?」
「「はい」」
「それでは君達が学生寮利用者の第一号だから好きな部屋を選んで来ていいよ」
「「わーい!」」
イカン! つい無邪気さが出てしまった。でも楽しみじゃん! どんな部屋なのか!
オレは二階の部屋を一通りチェックする。日当たり、間取り、最初から固定されている家具類等、全て同じで。六畳ワンルームで風呂トイレ無し。
しかし! 角部屋の一部屋だけ見つけたぜ! 部屋に入ると家具等が一切ないが窓が二つあり光が入る明るい室内、しかも広さは七畳! そして驚く勿れ! 奥にもう一室あり二畳の寝室スペースの合計九畳二間だ。
オレはこの部屋に即決して衛兵さんに伝えに行った。ちょうどフィーネも降りて来て部屋を決めたようだ。
「アタシは日当たりの良い角部屋にしたわ。どれも同じ作りだったし、少しでも光が入って欲しいし……ク、クライヴの、その、部屋はどこにしたの?」
少し部屋の場所を聞きづらそうに聞いて来た。
どうした? フィーネ?
「オレもフィーネと一緒で角部屋だよ。じゃあフィーネが真上の部屋かそれとも向かいの部屋の上がどっちかになるんだね。」
「な、な、なに言ってんのよ! この変態! アタシの物音を下から聞いて喜んでいるの! アンタ本当に気持ち悪いわね!」
今のはオレが悪いのか? セクハラ発言? 相手が嫌がると全てセクハラとも言われているし、フィーネにとってオレは一体何なんだ? 歩くセクハラか? あっどうしよう目が熱くなって来た。目からなんか汁が出そうだ……
「えっ! クライヴ………………あのぉ……そのぉ……えっとぉ……………………もう! ごめんなさい! 言い過ぎだったわよバカ!」
流石フィーネ! ブレてないよ君は、それで良いんだよ。この二週間程度、君のおかげでオレのメンタルは強くなったよ!
よし! オレはもう一つフィーネに爆弾を落とそう!
「実はオレの部屋は特別な作りで、七畳の部屋の奥にもう一つ二畳の寝室がついているんだぜ」
見事に爆弾投下だ! フィーネの眉がピクッと動いた。
「ちょっと何でアンタの部屋だけなのよ! 納得できないわ! ちょっと見せなさいよ!」
オレの部屋の初めての招待客は……
「ハァー! 何でこの部屋だけ! よりによって私の部屋の真下じゃないの! 部屋の広さだけでもムカつくのに下に変態クライヴがいるのも腹が立つわ! 勝手に夜中窓から這い上がって来たりしたら精霊魔法で学院の敷地外まで吹き飛ばすからね!」
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