レッド・タイズ

GAリアンデル

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バーサーク・ルサンチマン/3

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「これがスマホというヤツか」
 購入したばかりのスマホを色んな角度から覗きこんでは目を輝かせるアリスを横目に梁人は昼食をどこで取るかを考えていた。
 ショッピングモールの食事処は異様に多い。訪れる人間が多い事を見越しての事だろうが、それでも待ち時間というモノが発生する。正直、梁人としては食事を摂るのに何十分も待ちたくは無い。
「あ! 私はあそこが良い!」
 アリスの指差す先にあるのはスイーツ食べ放題の店であり、その前には長蛇の列。恐らく待ち時間は一時間以上、論外だった。
「あっちにするぞ」
 言って梁人が指し示したのは人が殆ど並んでいない中華料理屋であり大きく掲げられた金色の文字の看板と赤色の壁の店構えが目に痛い。
「えぇ~……」
 と、露骨に嫌そうな声をアリスが上げてみせたが梁人は気にかける様子もなく店へと入っていき、アリスも後を追った。
「ラッシャァァァァイ!!!」  
 入店と同時、やたらにデカい店主の声が響いた。そして即座にウェイターと思しきチャイナ服の女店員がやって来て二人を席へと案内した。
「注文がお決まりになりましたらお呼びくださーい……ネ」
 奇妙な語尾らしきモノを残してチャイナ服の女店員が卓から離れる。厨房の方から言い合う様な声が聞こえた。
 頭を振ってアリスはこそこそと梁人に話しかける。
「客が全然居ないのは店主の声のせいだろうな……脳が破壊されるかと思ったぞ」
「だな」
 同意して梁人は先んじて置かれていた水を口にした。
 アリスは手にしたスマホのボタンを押してどうやって動かすのかを模索している。
「電源のつけ方知らないのか?」
「ん? んー……まぁ」
「貸してみろ」
「はい」
 アリスからスマホを受け取り、横のボタンを長押しすると暗かった画面に灯りが点いてアイコンが表示され、梁人は身を乗り出してその様子を見守っていたアリスにスマホを返した。
「おおっ、流石だな梁人!」
 掲げる様にして喜んだアリスは早速何か操作をして、梁人にその画面を突きつけた。
「番号教えてくれ!」
「それもそうか」
 再度アリスのスマホを受け取って梁人は自分の番号を入力する。
「入れたぞ」
 言って返したスマホを見てアリスは「んふー」と満足げに息を漏らしたが、すぐに真面目な顔付きを取り戻して梁人を見据えた。
「さて、一先ず私の目的は達成された。それで、梁人は何やら気に掛かっている様だけど……それは私の事についてだろう?」
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