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幸せな快楽

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気持ち良すぎて考えることを放棄してしまいたくなった。

ラルフに愛撫されると、いつもどうしようもなく気持ちよくなってしまう。

だって、ラルフが触ってくれてると思うだけで、幸せでこの時間が大切過ぎて……ほかの事なんてどうでもよくなってしまうんだ。

オレが射精したのを見て満足そうに微笑んだラルフが、オレに覆いかぶさってきて、ぎゅう、と強く抱きしめてくれた。肌と肌がぴったりと寄り添って密着していると、ラルフの温かさを感じられてすごく幸せだ。

ラルフの『運命の番』が現れて、もう二度とこんな風にラルフと肌を合わせる事なんてできないと思ってた。

またこんな風に目を合わせて、身体をぴったりくっつけて、大切に抱いて貰えるだなんて。

「気持ち良かった……?」

「うん……」

いつもみたいに、優しく聞いてくれるのが嬉しい。

ラルフの海みたいに深い色の瞳がオレを穏やかに見つめてきて、さっきはちょっと怖かったけど、やっぱり優しいラルフだって安心した。

「こうやってビスチェを抱きしめているとやっぱり最高に幸せだな」

「オレも、幸せ……」

「愛してる、ビスチェ」

チュ、チュ、と頬に瞼に鼻先に、可愛らしいバードキスが降ってくる。

くすぐったくて気持ちよくてクスクスと笑っていたら、ラルフのいたずらな指先が、またオレの肌の上を蠢き始めた。

羽先で触られるようなソフトタッチなのに、さっきイったばかりの体は貪欲に快感を拾っていく。

「……っ」

見上げたら、ラルフの熱をはらんだ青い目がオレをまっすぐに見つめていた。

「僕が世界で一番愛してるのはビスチェだって信じられるまで、大切に大切に抱くからね」

「ラルフ……」

乱れた金の短髪を掻き上げる仕草が、信じられないくらい色っぽかった。

オレが好きな青い瞳が近づいてきて、そのまま唇を奪われる。何度も犯された口内はすぐに快感を拾ってしまって、ラルフの熱い舌に嬲られるだけで下半身が疼いてしまう。

ちゅくちゅくと舌を吸われ、その絶え間ない刺激に翻弄されているうちに、いつの間にかラルフはオレの腰を持ち上げてクッションを押し込んでいた。

「……は、ぁ……」

ようやく唇を開放されて新鮮な空気を取り込むことができたけれど、オレはすぐに息を詰める羽目になった。

「あっ、ん……!」

さっき散々擦られて、射精まで容赦なく高められたというのに、ラルフがまたオレの愚息を愛撫する。オレの弱いところを完璧に理解している手淫は執拗で、簡単に追い上げられてしまうのが怖い。
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