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【書籍化記念SS】塩対応の理由は…?①
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読んでくださった皆様のおかげで、12月13日に書籍として発行していただける事になりました!
イラストは都みめこ先生で、ほんっっっっっっとうに!!!!可愛くカッコよく描いてくださいましたー(感涙)
しかも裏表紙に真っ黒ワンコに埋もれて眠るラスクのちびキャラ描いてくださってまして、これがまためちゃくちゃ可愛いのです!!!
ぜひぜひ書籍で楽しんで欲しいですー!!!
ってわけで嬉しいので書籍化記念SSを気まぐれに更新しようかなぁと思っております。
楽しんでいただけると嬉しいです。
********************
「ただいまー……」
「お帰りラスク!!!」
「うわっ!!!」
玄関の扉を開けるなり飛びかかってきた黒髪イケメンに、危うく押し倒されるところだった。
ディエゴが単なるワンコじゃなくて、狼獣人だって事が分かってからこっち、家に帰るとちょいちょいこういう事がある。
ぎゅうぎゅう抱きついてきて恥ずかしいし苦しいし、僕の首に形のいい鼻をくっつけてスンスン嗅いでみたり舐めてきたりするもんだから思わず「待て」っていいたくなるんだけど、もふもふしっぽがめちゃくちゃフリフリ動いて嬉しさを表してくるから、文句も言えずにいる。
まぁ、結婚するって約束したしディエゴ的にはもう伴侶というか番認定だから、こんな風に抱きついてくるのも当然なのかもしれないけど。
ぽんぽんと背中を叩いてこっちからも抱きしめてやれば、さらにぎゅうっと抱きしめて返してきて、もはやしっぽなんかブブブブブって高速すぎて目で追えないくらいの勢いで動いてる。
可愛いんだよなぁ。
自分でも甘いとは思いつつ、苦笑しながら魔法の言葉を口にする。
「ディエゴ、お前が好きな唐揚げ買ってきたんだけど、食う?」
「食う!!!」
ほらな。バッと音がしそうな勢いで顔を上げた。
顔はクールなイケメンだけど、中身は食い意地の張った『真っ黒ワンコ』なんだよなぁ。
くすくす笑いながら唐揚げを大皿に盛ってやると、ディエゴは嬉しそうにニカっと笑った。
「ラスクと一緒に美味いモン食えるの、最高だな!」
「いっぱい買ってきたから、好きなだけ食っていいぞ」
「俺アレやりたい! はい、あーん、ってやつ」
満面の笑みで、しっぽをファサッファサッと揺らしながら言われると、まぁそれくらいいいか……って気持ちになる。
ひと口でいけるかどうか……って感じのでっかい唐揚げをフォークで刺して、「はい、あーん」なんていいながらディエゴ目の前に差し出したら、嬉しそうにバクっと食いついた。
ほっぺたをぱんぱんにして幸せを噛み締めるみたいにモッキュモッキュと口を動かすディエゴの笑顔を見て、ふと疑問に思う。
「そういえばさ」
「ん?」
「ディエゴって獣人だってバレる前はさ、僕が帰って来ても塩対応だったじゃん?」
「塩対応?」
「扉を開けて入って来てもさ、暖炉の前で丸くなったまま片目だけ開けてチラッと僕を見るだけだったよ。つまんなそうに大欠伸してフイってあっち向いちゃうから、結構寂しかったんだけど」
「あー……」
「今の態度と違いすぎて、ちょっと納得いかないんだよな」
イラストは都みめこ先生で、ほんっっっっっっとうに!!!!可愛くカッコよく描いてくださいましたー(感涙)
しかも裏表紙に真っ黒ワンコに埋もれて眠るラスクのちびキャラ描いてくださってまして、これがまためちゃくちゃ可愛いのです!!!
ぜひぜひ書籍で楽しんで欲しいですー!!!
ってわけで嬉しいので書籍化記念SSを気まぐれに更新しようかなぁと思っております。
楽しんでいただけると嬉しいです。
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「ただいまー……」
「お帰りラスク!!!」
「うわっ!!!」
玄関の扉を開けるなり飛びかかってきた黒髪イケメンに、危うく押し倒されるところだった。
ディエゴが単なるワンコじゃなくて、狼獣人だって事が分かってからこっち、家に帰るとちょいちょいこういう事がある。
ぎゅうぎゅう抱きついてきて恥ずかしいし苦しいし、僕の首に形のいい鼻をくっつけてスンスン嗅いでみたり舐めてきたりするもんだから思わず「待て」っていいたくなるんだけど、もふもふしっぽがめちゃくちゃフリフリ動いて嬉しさを表してくるから、文句も言えずにいる。
まぁ、結婚するって約束したしディエゴ的にはもう伴侶というか番認定だから、こんな風に抱きついてくるのも当然なのかもしれないけど。
ぽんぽんと背中を叩いてこっちからも抱きしめてやれば、さらにぎゅうっと抱きしめて返してきて、もはやしっぽなんかブブブブブって高速すぎて目で追えないくらいの勢いで動いてる。
可愛いんだよなぁ。
自分でも甘いとは思いつつ、苦笑しながら魔法の言葉を口にする。
「ディエゴ、お前が好きな唐揚げ買ってきたんだけど、食う?」
「食う!!!」
ほらな。バッと音がしそうな勢いで顔を上げた。
顔はクールなイケメンだけど、中身は食い意地の張った『真っ黒ワンコ』なんだよなぁ。
くすくす笑いながら唐揚げを大皿に盛ってやると、ディエゴは嬉しそうにニカっと笑った。
「ラスクと一緒に美味いモン食えるの、最高だな!」
「いっぱい買ってきたから、好きなだけ食っていいぞ」
「俺アレやりたい! はい、あーん、ってやつ」
満面の笑みで、しっぽをファサッファサッと揺らしながら言われると、まぁそれくらいいいか……って気持ちになる。
ひと口でいけるかどうか……って感じのでっかい唐揚げをフォークで刺して、「はい、あーん」なんていいながらディエゴ目の前に差し出したら、嬉しそうにバクっと食いついた。
ほっぺたをぱんぱんにして幸せを噛み締めるみたいにモッキュモッキュと口を動かすディエゴの笑顔を見て、ふと疑問に思う。
「そういえばさ」
「ん?」
「ディエゴって獣人だってバレる前はさ、僕が帰って来ても塩対応だったじゃん?」
「塩対応?」
「扉を開けて入って来てもさ、暖炉の前で丸くなったまま片目だけ開けてチラッと僕を見るだけだったよ。つまんなそうに大欠伸してフイってあっち向いちゃうから、結構寂しかったんだけど」
「あー……」
「今の態度と違いすぎて、ちょっと納得いかないんだよな」
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