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第六章 ~ゲームと違ってオレのハーレムは自動生成されない~

公けのチカラを借りるには妻の人数が足りない

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あっという間に挨拶が終わって、四人で早めのお昼御飯。
大至急の慌ててだったけど、下ごしらえを済ませてた甲斐もあって、オレの料理はまずまず良い評価を貰えた。
美味しそうに食べてくれる姿を見れたのは大収穫だぞ。

食後のデザートは、せっかくリッカとユーグが買って来てくれたスイーツを出した。
お茶も一緒に、和やかな雰囲気でハーレムに関するお喋りを楽しんでる。



「宮殿をどうするかはまだ決めてないんだ。あれば便利なんだろうけどさ。」
「特に急ぐ理由も無ぇんだしよ、必要になったら作りゃいいだろ。」
「そも宮殿という建物は、何人もの妻を一ヶ所で住まわせる為に建てられるものだ。妻の現住居が遠方にあったり、定まった住居が無い、あるいは天守が訪問するには適さないような場合にな。この町に妻達の住居が既にあるのなら、慌てる必要は無かろう。イグザが妻の家を訪ねれば良いだけの話なのだから。」

ルサーやユーグの言う通りだ。
オレが妻にしたい人達にはそれぞれ自宅があるんだから、宮殿の利点は乏しい。
強いて言えば、ビリーとカシュが一緒に住んでるから。カシュの家でビリーとセックスするのは気が引ける、ってくらいか。


「ちょっと思ったんだけどさ。宮殿を作ったら、ハーレムの存在がおおっぴらになっちゃうのかな?」
「宮殿を建てるならきっとそうなるでしょうネ。大きな建物だもの。特にこの町は、しばらくずっとハーレムが無かったから。ちょっとした話題になっちゃうかもよン。」
「現実は、休止状態のハーレムは存在したのだが。」
「ユーグぅ? もう、そういう事を言わないのっ。」
「あのハーレムが完全に消滅していれば、良い場所が空いていたのに。残念だ。」

ちょっと頬っぺたを膨らませたリッカ。
ユーグは涼しい顔だ。

オレは今更になって気付いた。
リッカとユーグがまだ妻になれないんだから、オレの妻人数、六人未満なのでは。
ルサー。リオ。ビリー。カシュ。もしフィロウが間に合っても……うん、五人だ。
ってことは。
資金についても土地についても、公的な手続きをするには足りないじゃないか。


「そう言えば、そもそも公的に宮殿建設を申請するには人数が足りなかったな。妻が六人以上って条件だから。それなら宮殿についてはしばらく保留、かなぁ。」
「ご免なさいね、アタシ達の為に面倒な…」
「リッカやユーグが悪いんじゃないから謝らないでくれ。オレが天守になった後でなら、一応、考えもあるからさ。」
「イグザが天守になった後でなら。前に言ったと思うが……私はすぐにでも、自由な立場にして貰える金額を用意出来るのだが?」

余裕を持ってたユーグの表情が曇る。
ルサーも薄っすらと、似たような表情になった。
天守になった途端、オレがイクシィズに無茶な勝負を挑むんじゃないかって。心配してるのが分かる。
ルサーとユーグを……いや、リッカも……安心させようと、オレは力強く頷いた。
その途端、リッカまでもが心配そうな表情になった。

……なんでだ?
オレの力強い頷きはどうも、あんまり安心感を与えないっぽいぞ。


「まずは天守としての通常手段で、普通に頑張ってみるよ。必ず成功するとは限らないし、ユーグの準備は有難いから、それはそれで維持しといてくれ。」
「そうか、分かった。慰謝料などに消費しなかったら、その分はいずれの宮殿建設の為に使おう。あぁそれと……ハーレムリング購入の為にも、な。」
「リングはオレが買いたいなぁ。もちろん、ルサーの分も、リッカの分も。」
「おい、リングぐらい自分で買えるぞ。……親父から貰った金もまだ残ってるし。」
「あ、アタシだって一応、そのぐらいの貯えはあるわン。」

へぇ~、ハーレムリングって妻が費用を出すものなんだ~。知らなかった~。
いや、そうじゃなくて。感心してる場合じゃなくて。


「皆の気持ちは有難いんだけど、オレが買いたいんだ。働いてないオレが言うのもナンだって、分かってるけど。確か天守は、国とかから手当てを貰えるハズだから、それを貰ってから……になるけど。」
「働かずとも良いだろう? タチで、しかも天守だというのに。……変な男だ。」
「もう……ユーグったら、しょうがないわねン。」

リッカの口振りと表情からして、ユーグは照れてる。間違いない。
そっか、ユーグはツンデレか。本当に機嫌を損ねたんじゃないかって心配しなくても大丈夫な、安心出来る、怖くないタイプのツンデレだ。


「イグザがそうしてぇンなら、俺は……リングは、いつでもいい。」

何処となく擽ったがるような声音のルサー。
ツンデレっぽいトコもちょっとあるけど、ルサーは激デレ。異論は認める。

もしオレがリングを贈ったら、ルサーはあの小箱に仕舞ってくれるかな。
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