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第六章 ~ゲームと違ってオレのハーレムは自動生成されない~
まだまだ知らないことがあるもんだ
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ビリーとカシュが二人揃ってオレの妻になる。
その方向で話が纏まって、ちょうど良いタイミングで食事が運ばれて来た。
注文した飲み物が手元に届いて、それから話を始めたんだから……。結構、いや、凄くコンパクトな時間でここまで終わったんだな。
まぁ、そもそも方向性は決まってたようなもんだから、これが普通か。
ビリーとカシュ、それにルサーが嫌がらなければ、長引くものじゃない、のかも。
食事を始める前に、ビリーとカシュの、ルサーとの顔合わせも済ませた。
ここに来た目的のクライマックス的な部分を終えて、オレはかなり気がラクになる。
もちろん、これで全ての用事が終わったワケじゃないけどさ。
「出来ればさ……。オレ、近い内にハーレム登録して、天守になりたいんだ。」
一通り食べて、腹を満たして。
ミント味の発泡酒を咽喉に流し込みつつ、オレはそう切り出した。
「具体的に言ったら、三日後にルサーが休暇だから、その日に教会で手続きを取れたらいいって考えてる。何か準備とかが必要で、その日が無理だったとしても、来週中には手続きを始めたいんだ。……ダメ、かな?」
「それは別に構わねぇんだが……やけに急ぐじゃねぇか。なンかあったか?」
「オレ……なるべく急いで『天守』って立場を手に入れたいんだ。」
ルサーの問い掛けにコックリするオレ。
全部をこの場で言っちゃう予定は無いけど、ちょっとは説明しようって考えてる。
もしかしたらだけど、リオの借金とか、リッカやユーグの立場とかで、オレがこれからやるだろうアレコレって。ひょっとしたら、何か面倒臭い話にもなっちゃうかも知れないからな。
皆には先に言っとこうって、思ったんだ。
基本的には、妻のやらかしが天守の責任になりはしても、天守のやらかしを妻がどうにかしなきゃいけない、って話にはならない。
だけど後から、天守が他の妻に関して『何かやってた』って知るよりは。
気持ちの問題だけかも知れないけど、そういうのは先に伝えといた方がいいだろ?
「ここにいるルサーや、ビリーや、カシュが他の天守に目を付けられる前に。っていうのも、もちろんあるんだけど。他に……ちょっと。……リオと、リッカとユーグについて。早くオレが天守になる、必要が生じたんだ。」
オレのハーレムに『本妻制度』を適用する以上、本妻のルサーには他の妻に関する重要項目を秘密には出来ない。
本妻以外の妻にとっても、自分が属するハーレムの設立時期に大きく関わって来るんだから。一体どうしてなのかを、詳細は伏せてもいいから、大まかでも一部でも概要でも知らせておきたい。
とりあえず、サワリの部分だけ話して。オレは三人の様子を窺った。
腕組みをしたルサーが目を瞑り、ちょっと息を吐く。
それから目を開けて、ビリーとカシュを見てから片手の指で頬を掻いた。
「そういう話なら、よ……。ビリーとカシュは、まだ聞かねぇ方がいいかもな。」
「あっ、そうかもねぇ~。」
「……俺も、そう…思う……。」
ルサーの言葉に続き、カシュとビリーも同意する。
ここら辺も、オレじゃ気付いてない『ハーレムの常識』があるみたいだな。
やっぱりちょっとだけ話して、確認してみて良かったぞ。
「ってことは、リッカとユーグが顔合わせにも、同席しない方がいい感じか?」
「あぁ、まぁそうだな……。」
ルサーは頬を掻いてた指を、自分の口端付近にトントンしだす。
どう話してやろうか、って考えてる感じ。
たぶんこれから大事な説明をしてくれるって場面なのに、色気が漏れ出してる。
「既に顔合わせを済ませたビリーとカシュがな? 俺と他の妻候補との顔合わせに立ち会うって事は、だ。ビリーとカシュが本妻側に立って、顔合わせを見守るって事だ。それだと、この二人は先輩だぞ、……って紹介してる意味になる。」
「そっか……。顔合わせと一緒に、他の妻同士の挨拶もって考えたんだけど、そんなワケにも行かないんだな。」
「まだ顔合わせ前の全員を集めて、ならアリだろう。その場にいる一部の妻が先に済ませてたら、ソイツらは『先輩』って事になっちまう、って話だ。んで……情報の扱いについても、同じようなモンだ。ハーレムに入る前の妻について、本妻の俺と一緒に聞いたら、よ? ビリーとカシュがハーレムの二番と三番、みたいな感じになっちまうぞ?」
「なるほど。」
「顔合わせ後だったら特に何ともねぇぞ。」
またもやルサーがシッカリ、ガッチリ教えてくれる。
ルサーは本当に『本妻』とかその辺について、よ~く分かってるな。
他に顔合わせしてないのは、後はリッカとユーグだけだ。
三日後にルサーが二人と会ったら、その後は割とフリー、か。分かったぞ。
その方向で話が纏まって、ちょうど良いタイミングで食事が運ばれて来た。
注文した飲み物が手元に届いて、それから話を始めたんだから……。結構、いや、凄くコンパクトな時間でここまで終わったんだな。
まぁ、そもそも方向性は決まってたようなもんだから、これが普通か。
ビリーとカシュ、それにルサーが嫌がらなければ、長引くものじゃない、のかも。
食事を始める前に、ビリーとカシュの、ルサーとの顔合わせも済ませた。
ここに来た目的のクライマックス的な部分を終えて、オレはかなり気がラクになる。
もちろん、これで全ての用事が終わったワケじゃないけどさ。
「出来ればさ……。オレ、近い内にハーレム登録して、天守になりたいんだ。」
一通り食べて、腹を満たして。
ミント味の発泡酒を咽喉に流し込みつつ、オレはそう切り出した。
「具体的に言ったら、三日後にルサーが休暇だから、その日に教会で手続きを取れたらいいって考えてる。何か準備とかが必要で、その日が無理だったとしても、来週中には手続きを始めたいんだ。……ダメ、かな?」
「それは別に構わねぇんだが……やけに急ぐじゃねぇか。なンかあったか?」
「オレ……なるべく急いで『天守』って立場を手に入れたいんだ。」
ルサーの問い掛けにコックリするオレ。
全部をこの場で言っちゃう予定は無いけど、ちょっとは説明しようって考えてる。
もしかしたらだけど、リオの借金とか、リッカやユーグの立場とかで、オレがこれからやるだろうアレコレって。ひょっとしたら、何か面倒臭い話にもなっちゃうかも知れないからな。
皆には先に言っとこうって、思ったんだ。
基本的には、妻のやらかしが天守の責任になりはしても、天守のやらかしを妻がどうにかしなきゃいけない、って話にはならない。
だけど後から、天守が他の妻に関して『何かやってた』って知るよりは。
気持ちの問題だけかも知れないけど、そういうのは先に伝えといた方がいいだろ?
「ここにいるルサーや、ビリーや、カシュが他の天守に目を付けられる前に。っていうのも、もちろんあるんだけど。他に……ちょっと。……リオと、リッカとユーグについて。早くオレが天守になる、必要が生じたんだ。」
オレのハーレムに『本妻制度』を適用する以上、本妻のルサーには他の妻に関する重要項目を秘密には出来ない。
本妻以外の妻にとっても、自分が属するハーレムの設立時期に大きく関わって来るんだから。一体どうしてなのかを、詳細は伏せてもいいから、大まかでも一部でも概要でも知らせておきたい。
とりあえず、サワリの部分だけ話して。オレは三人の様子を窺った。
腕組みをしたルサーが目を瞑り、ちょっと息を吐く。
それから目を開けて、ビリーとカシュを見てから片手の指で頬を掻いた。
「そういう話なら、よ……。ビリーとカシュは、まだ聞かねぇ方がいいかもな。」
「あっ、そうかもねぇ~。」
「……俺も、そう…思う……。」
ルサーの言葉に続き、カシュとビリーも同意する。
ここら辺も、オレじゃ気付いてない『ハーレムの常識』があるみたいだな。
やっぱりちょっとだけ話して、確認してみて良かったぞ。
「ってことは、リッカとユーグが顔合わせにも、同席しない方がいい感じか?」
「あぁ、まぁそうだな……。」
ルサーは頬を掻いてた指を、自分の口端付近にトントンしだす。
どう話してやろうか、って考えてる感じ。
たぶんこれから大事な説明をしてくれるって場面なのに、色気が漏れ出してる。
「既に顔合わせを済ませたビリーとカシュがな? 俺と他の妻候補との顔合わせに立ち会うって事は、だ。ビリーとカシュが本妻側に立って、顔合わせを見守るって事だ。それだと、この二人は先輩だぞ、……って紹介してる意味になる。」
「そっか……。顔合わせと一緒に、他の妻同士の挨拶もって考えたんだけど、そんなワケにも行かないんだな。」
「まだ顔合わせ前の全員を集めて、ならアリだろう。その場にいる一部の妻が先に済ませてたら、ソイツらは『先輩』って事になっちまう、って話だ。んで……情報の扱いについても、同じようなモンだ。ハーレムに入る前の妻について、本妻の俺と一緒に聞いたら、よ? ビリーとカシュがハーレムの二番と三番、みたいな感じになっちまうぞ?」
「なるほど。」
「顔合わせ後だったら特に何ともねぇぞ。」
またもやルサーがシッカリ、ガッチリ教えてくれる。
ルサーは本当に『本妻』とかその辺について、よ~く分かってるな。
他に顔合わせしてないのは、後はリッカとユーグだけだ。
三日後にルサーが二人と会ったら、その後は割とフリー、か。分かったぞ。
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