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第五章 ~ゲームに無かった展開だから遠慮しないで歯向かう~
ここが病室なのは分かってる
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唐突な展開にリオは固まってる。
瞬きもしないで、ジッとオレを見上げたままだ。
「リオがこれ以上、ハーレムの滞在費なんて払わないようにしたい。」
オレもリオを見つめ返して、今度はもっと分かりやすいように言葉を選んだ。
ようやくリオが瞬きする。
「リオとハーレムとの繋がりを無くしたいんだ。だから…」
「待って、そんな事って……出来るのか?」
「リオから聞いた話が事実なら、そもそもハーレム側に支払いを請求する権利は無いからな。不当な請求を止めさせるだけだ。」
「……イグゥって、たまぁに頭良さそうな言い方するよな。」
リオからの素直な評価にオレ、思わず苦笑。
頭良いじゃなく、良さそうなってトコがポイントだな。
ハーレム法は一昨日、頭に入れたばっかりだ。
必要な部分はメモもしてあるし、またフィロウに頼んで本を見せて貰えばいい。
この町で本を売ってるなら、今後に備えて買っておくのもアリか。
普通の法律についてはオレ、この町に来る前からシッカリ勉強してる。
養育所の子供時代には最低限、自分が厄介事に巻き込まれないよう自衛する程度で教えられた。
オレは養育所を『卒業』しないのが確定だったからな。センセイをやる為にもっと詳しく、民法……特に金銭の絡む『契約』周りはガッチリ押さえてある。
子供達にさせる『お手伝い』を契約するのはセンセイだから。子供達と、ひいては養育所を守る為に、センセイ達にはキッチリした契約が出来るよう求められるんだ。
オレは他のセンセイ達の契約を見せて貰ってたし、知識だけじゃなく、一応、経験もある。
この二つの法律を踏まえた上で、リオの話を聞いたら。
日本人のオレが「この裁判は勝てる」とか「オレが弁護士なら、この依頼は受ける」とか言って来るんだ。
そんな風に言い切るなら、コトの運び方は日本人の知識と経験を利用させて貰うぞ。
イグザは弁護士じゃないからな。
「天守として、リオの夫として。ちゃんとした手続きでリオを解放したい。オレが代理人になって全部、キッチリ終わらせたい。……リオ……、オレの妻になってくれ。」
裁判を起こせるのは本人か、家族か、業務上の代理人だけだ。
こういうトコは流石、ゲーム世界だなって思う。
ゲーム中じゃ出て来ない部分については結構、現代日本のそれを、反映可能な範囲で反映させてる。それにフィクション的な都合良さをプラスした感じだ。
リオは無表情に近い。
躊躇ってるんだろうけど、もしかしたら嫌なのかもって。
オレはちょっと焦る。焦りながら返事を待つ。
「それって、おれの代理人になる為……?」
「違う、違わないけど違うっ。それ関係ナシで、オレ、リオには妻になって欲しいって、思ってる。……なぁ、リオぉ……、オレのものになってくれよ。」
「返事は今日じゃなくていいって、言ってたのにぃ。」
「そこはゴメン、本当にゴメンだけど、その言葉は撤回させてくれ。」
それに関しては平謝りだ。
今の状況は、まるで逆だからな。
オレはひたすら、妻にしたいって口説いて、了承してくれるよう強請る。
「リオを大事にする。約束する。リオの悪いようにはしないから。」
「イグゥ、それ……悪いコト考えてる奴の言いそうなセリフだぞ。」
「あ……ホントだな。」
リオに指摘されて自分の言葉を振り返ってみたら。なるほど。
いかにも詐欺師。又は、返せるアテの無い借金の連帯保証人にしよう、って考えてる人間が言う台詞だ。
「で、でも本当にオレ…」
「…いいよ、分かった。」
「り、リオ……?」
「イグゥに任せる。……おれ、イグゥになら騙されてもいい。」
ずっと背中に回ってたリオの手が滑って、オレの顔に触った。
頬を撫でて、リオは口端を吊り上げる。自信の塊みたいな、綺麗で強気な顔して。
「おれで良ければ、イグゥの妻になってやるよ。」
パパアァ~~~ッ♪
またもや、オレの気分が一気に上昇する。
さっきの比じゃないくらい。
「リオ……っ。」
「ちょ、イグ…ぅン゛ん……っ、んふ…」
こんなん、興奮して当たり前っ。
今のリオ、すっっごい可愛くて綺麗で……もう、最高っ。
一気に滾ったオレ。
気付いたらリオの唇を奪ってた。
柔らかな感触が堪らなく気持ち良くって、何回もチュッチュする。
「~~~っ! ……こらっ、イグゥっ!」
まだ閉じてるリオの下唇をペロッてしたオレ。リオにポカスカ、肩を叩かれた。
口を離してリオを見たら、顔を真っ赤にして睨まれる。
潤んだ瞳の色っぽさに、つい、またキスしたくなった。
寄せた顔を掴んで阻止されるオレ。
「な、なんでいきなりキスするんだよっ。」
「好きだから。可愛くて。」
「いや、だから……もうちょっと、あるだろ、雰囲気とかっ。初めてなのにっ。」
プンプンって感じのリオ。頬っぺたを膨らませてる。
それはそれで堪らない表情を楽しみつつ。
言われてみれば確かに、リオの言う通りだ。
せっかくのリオとのファーストキスを、勢いでやっちゃったぞ。
オレは反省した。
反省したからやり直そう。
「そうだな、ゴメン。それじゃあ改めて…」
「ダメ。」
「そんなっ。」
「アンタに任せたら、また好き勝手するだろ。」
「そんなぁ…」
醜い粘りを見せるオレ。
リオが悪戯っぽく笑う。
「…だから、おれが、する。」
…………ちゅ。
本当にちょっとだけ。
音を立てて離れたリオの唇。
自分からしたのに、やっちゃった~、って表情のリオ。
それを見て、オレの興奮が頂点に達した。
「え、ちょ……嘘だろ、タオルタオルっ。」
慌てたリオがオレの顔にタオルを押し付ける。
オレは鼻血を垂らしてた。
危なかった。
ここが病室だって意識が無かったら。
間違い無く、このベッドに、リオを押し倒すトコだった。
瞬きもしないで、ジッとオレを見上げたままだ。
「リオがこれ以上、ハーレムの滞在費なんて払わないようにしたい。」
オレもリオを見つめ返して、今度はもっと分かりやすいように言葉を選んだ。
ようやくリオが瞬きする。
「リオとハーレムとの繋がりを無くしたいんだ。だから…」
「待って、そんな事って……出来るのか?」
「リオから聞いた話が事実なら、そもそもハーレム側に支払いを請求する権利は無いからな。不当な請求を止めさせるだけだ。」
「……イグゥって、たまぁに頭良さそうな言い方するよな。」
リオからの素直な評価にオレ、思わず苦笑。
頭良いじゃなく、良さそうなってトコがポイントだな。
ハーレム法は一昨日、頭に入れたばっかりだ。
必要な部分はメモもしてあるし、またフィロウに頼んで本を見せて貰えばいい。
この町で本を売ってるなら、今後に備えて買っておくのもアリか。
普通の法律についてはオレ、この町に来る前からシッカリ勉強してる。
養育所の子供時代には最低限、自分が厄介事に巻き込まれないよう自衛する程度で教えられた。
オレは養育所を『卒業』しないのが確定だったからな。センセイをやる為にもっと詳しく、民法……特に金銭の絡む『契約』周りはガッチリ押さえてある。
子供達にさせる『お手伝い』を契約するのはセンセイだから。子供達と、ひいては養育所を守る為に、センセイ達にはキッチリした契約が出来るよう求められるんだ。
オレは他のセンセイ達の契約を見せて貰ってたし、知識だけじゃなく、一応、経験もある。
この二つの法律を踏まえた上で、リオの話を聞いたら。
日本人のオレが「この裁判は勝てる」とか「オレが弁護士なら、この依頼は受ける」とか言って来るんだ。
そんな風に言い切るなら、コトの運び方は日本人の知識と経験を利用させて貰うぞ。
イグザは弁護士じゃないからな。
「天守として、リオの夫として。ちゃんとした手続きでリオを解放したい。オレが代理人になって全部、キッチリ終わらせたい。……リオ……、オレの妻になってくれ。」
裁判を起こせるのは本人か、家族か、業務上の代理人だけだ。
こういうトコは流石、ゲーム世界だなって思う。
ゲーム中じゃ出て来ない部分については結構、現代日本のそれを、反映可能な範囲で反映させてる。それにフィクション的な都合良さをプラスした感じだ。
リオは無表情に近い。
躊躇ってるんだろうけど、もしかしたら嫌なのかもって。
オレはちょっと焦る。焦りながら返事を待つ。
「それって、おれの代理人になる為……?」
「違う、違わないけど違うっ。それ関係ナシで、オレ、リオには妻になって欲しいって、思ってる。……なぁ、リオぉ……、オレのものになってくれよ。」
「返事は今日じゃなくていいって、言ってたのにぃ。」
「そこはゴメン、本当にゴメンだけど、その言葉は撤回させてくれ。」
それに関しては平謝りだ。
今の状況は、まるで逆だからな。
オレはひたすら、妻にしたいって口説いて、了承してくれるよう強請る。
「リオを大事にする。約束する。リオの悪いようにはしないから。」
「イグゥ、それ……悪いコト考えてる奴の言いそうなセリフだぞ。」
「あ……ホントだな。」
リオに指摘されて自分の言葉を振り返ってみたら。なるほど。
いかにも詐欺師。又は、返せるアテの無い借金の連帯保証人にしよう、って考えてる人間が言う台詞だ。
「で、でも本当にオレ…」
「…いいよ、分かった。」
「り、リオ……?」
「イグゥに任せる。……おれ、イグゥになら騙されてもいい。」
ずっと背中に回ってたリオの手が滑って、オレの顔に触った。
頬を撫でて、リオは口端を吊り上げる。自信の塊みたいな、綺麗で強気な顔して。
「おれで良ければ、イグゥの妻になってやるよ。」
パパアァ~~~ッ♪
またもや、オレの気分が一気に上昇する。
さっきの比じゃないくらい。
「リオ……っ。」
「ちょ、イグ…ぅン゛ん……っ、んふ…」
こんなん、興奮して当たり前っ。
今のリオ、すっっごい可愛くて綺麗で……もう、最高っ。
一気に滾ったオレ。
気付いたらリオの唇を奪ってた。
柔らかな感触が堪らなく気持ち良くって、何回もチュッチュする。
「~~~っ! ……こらっ、イグゥっ!」
まだ閉じてるリオの下唇をペロッてしたオレ。リオにポカスカ、肩を叩かれた。
口を離してリオを見たら、顔を真っ赤にして睨まれる。
潤んだ瞳の色っぽさに、つい、またキスしたくなった。
寄せた顔を掴んで阻止されるオレ。
「な、なんでいきなりキスするんだよっ。」
「好きだから。可愛くて。」
「いや、だから……もうちょっと、あるだろ、雰囲気とかっ。初めてなのにっ。」
プンプンって感じのリオ。頬っぺたを膨らませてる。
それはそれで堪らない表情を楽しみつつ。
言われてみれば確かに、リオの言う通りだ。
せっかくのリオとのファーストキスを、勢いでやっちゃったぞ。
オレは反省した。
反省したからやり直そう。
「そうだな、ゴメン。それじゃあ改めて…」
「ダメ。」
「そんなっ。」
「アンタに任せたら、また好き勝手するだろ。」
「そんなぁ…」
醜い粘りを見せるオレ。
リオが悪戯っぽく笑う。
「…だから、おれが、する。」
…………ちゅ。
本当にちょっとだけ。
音を立てて離れたリオの唇。
自分からしたのに、やっちゃった~、って表情のリオ。
それを見て、オレの興奮が頂点に達した。
「え、ちょ……嘘だろ、タオルタオルっ。」
慌てたリオがオレの顔にタオルを押し付ける。
オレは鼻血を垂らしてた。
危なかった。
ここが病室だって意識が無かったら。
間違い無く、このベッドに、リオを押し倒すトコだった。
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