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第五章 ~ゲームに無かった展開だから遠慮しないで歯向かう~
フィロウが初々しくてヤバい
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「よいしょ……っと。」
ちょっとジジくさい掛け声と一緒に、オレはフィロウの横に膝立ち状態になった。
床に直接座ってるフィロウより、僅かに目線が高いくらいで丁度いい。
「ぁっ、イグゥ……ダメだってば。ちゃんとソファに…」
「フィロウが隣に座ってくれないから、オレが来ないと、そばに寄れないだろ?」
フィロウは優しくオレの腕を押しやって、ソファに戻そうとする。
つい今さっきまで酒に酔っ払って寝てたもんだから、具合が悪いんじゃないかって心配してくれてるんだろう。
せっかくの気遣いが無駄になるくらい、オレは元気だぞ。
腕に触れてるフィロウの手を優しく取って、繋ぐように握った。
フィロウがオレを見上げる。頬も目の周りも上気して、瞳が潤んでるようで。
……ちゅっ。
気付いたら。
目を瞑ったフィロウと唇を重ねてた。
「んっ……。」
下唇を軽く舐めただけでフィロウが小さく声を漏らす。
自分で出した声にビックリしたみたいに、瞳を開けたフィロウ。
オレも別に上手なワケでも無いけど、なんか……慣れてない感じって言うか。この、初々しい感じ。
すっごい可愛くないかっ?
ヤバい、ホント、ヤバイんだけどぉっ。
フィロウの後頭部を支えながら、さり気なく髪を弄るオレ。
割とシッカリした触感で、ツルツルって手触りがいい。
「ねぇ……イグゥ?」
たどたどしく応じてくれる反応がツボって、すぐに深く舌を絡めるのが何だか勿体なく感じて。
唇に触れては離し、舐めては離し。……を繰り返してたら。
オレの袖をクイクイって、フィロウが引っ張る。
ちょっと呼吸が早くなってるから、興奮してるんだな。良かった。
「ん、どした?」
「ぁの、その……さ。イグゥだけが……その…」
「んん~? ……あぁ~、…分かったぞ。」
物言いたげなフィロウの瞳を探って気付いた。
目線がオレとテーブルとに流されてたから。
つまりフィロウ的には、オレだけ媚薬入りケーキを食べたのが不満なんだろな。
叶わない想いだって諦めてたのに、オレと『そういう行為』をしようって段階になって。フィロウは緊張して来たに違いない。
自分も媚薬のチカラを借りたくなったのかも、な。
「ちょっと待っててくれよ?」
そう声を掛けて、オレはまた指をケーキに伸ばす。
ヒトカケラ、さっきより心持ち大きめに千切ったやつを、オレは口に咥えた。
それから。
お待たせ~って気持ちを含めて、フィロウへと向き直る。
すぐにフィロウが気付いてくれなかったらオレの行動がマヌケ過ぎるから、ややクドイような気もしたけど。自分の口から飛び出てるケーキを、触らない程度に指で指し示した。
フィロウは戸惑ったように、オレから視線を逸らす。
だけど。
「も…っ、恥ずかしいよ……。……ん、はむ…」
恥ずかしい気持ちを持ちつつ顔を寄せて、口を開けた。
ケーキを口に咥えたら、やっぱり唇同士が触れる。
そのタイミングでオレの方からも顔を寄せて。
お互いにケーキを貪り合うような、押し込み合うような。
助走距離の短いポッキーゲーム……ぃや、何でもない。
とにかく、グチャグチャに混ざり合ったチョコレート味と媚薬の甘さみたいに。オレとフィロウの舌も絡み合う。
「ん、ふ…ぅ……。っは……ぅ、ん。」
甘い声を漏らしてフィロウがオレにしがみ付いた。
オレは自分の衝動や本能に任せて貪ってるから良いとして。フィロウは一生懸命に応じてくれてる。
ちゃんと鼻で息継ぎも出来てるっぽい。
てっきり、もっとぎこちなくなるかと思ってたから。
自分の初めてのキスと比べて、オレはちょっとだけ悔しい気もする。
「フィロウ、上手に息継ぎ出来てるな。……もしかして、そういう勉強も、した?」
「そ…んな事……、しないってばぁ……。……意地悪。」
「揶揄ってゴメン。フィロウが可愛くて、つい。」
フィロウがちょっと尖らせた口に、宥めるように軽く唇を触れさせた。
すぐ離して、視線を合わせて。
もっかい「ゴメンな?」って言うと、フィロウは「もぉ……」って呟いて、機嫌を直してくれる。
そろそろ……本格的に、始めてもいい、かな?
「フィロウ……。」
「っ、ぁ……。」
腰を抱いた意図はフィロウにちゃんと伝わったっぽい。
抱き寄せる動きに逆らわず、フィロウはオレに寄り掛かった。
「ベッド、行こっか。……ソファは流石に狭いだろ?」
「ぅん……。……ぁ、待って。先にシャワーを…」
「ダメだ。浴室で倒れたら大変だろ?」
ちょっとだけど媚薬を口にしてるからな。
フィロウの言いっぷりだと、一人で入りたがってる感じだし。
「そんな……。ねぇ、お願い。汗を洗い流すだけで良いから……ねっ? お願い。」
「でもなぁ。……ぅう~ん。」
「ゃだ、ボク、汗だくなんだもん。恥ずかしい……。」
あぁ~、もおぉ~。甘い王子様フェイスの涙目なオネガイって、ズルいぞ。
威力が半端ないってば。これは負ける。
「仕方ないなぁ……分かった。その代わり…」
目に見えて嬉しそうな表情になるフィロウ。
オレも下心丸出しでニッコリ笑う。
「オレも一緒に、だぞ? フィロウが倒れないように、な?」
ちょっとジジくさい掛け声と一緒に、オレはフィロウの横に膝立ち状態になった。
床に直接座ってるフィロウより、僅かに目線が高いくらいで丁度いい。
「ぁっ、イグゥ……ダメだってば。ちゃんとソファに…」
「フィロウが隣に座ってくれないから、オレが来ないと、そばに寄れないだろ?」
フィロウは優しくオレの腕を押しやって、ソファに戻そうとする。
つい今さっきまで酒に酔っ払って寝てたもんだから、具合が悪いんじゃないかって心配してくれてるんだろう。
せっかくの気遣いが無駄になるくらい、オレは元気だぞ。
腕に触れてるフィロウの手を優しく取って、繋ぐように握った。
フィロウがオレを見上げる。頬も目の周りも上気して、瞳が潤んでるようで。
……ちゅっ。
気付いたら。
目を瞑ったフィロウと唇を重ねてた。
「んっ……。」
下唇を軽く舐めただけでフィロウが小さく声を漏らす。
自分で出した声にビックリしたみたいに、瞳を開けたフィロウ。
オレも別に上手なワケでも無いけど、なんか……慣れてない感じって言うか。この、初々しい感じ。
すっごい可愛くないかっ?
ヤバい、ホント、ヤバイんだけどぉっ。
フィロウの後頭部を支えながら、さり気なく髪を弄るオレ。
割とシッカリした触感で、ツルツルって手触りがいい。
「ねぇ……イグゥ?」
たどたどしく応じてくれる反応がツボって、すぐに深く舌を絡めるのが何だか勿体なく感じて。
唇に触れては離し、舐めては離し。……を繰り返してたら。
オレの袖をクイクイって、フィロウが引っ張る。
ちょっと呼吸が早くなってるから、興奮してるんだな。良かった。
「ん、どした?」
「ぁの、その……さ。イグゥだけが……その…」
「んん~? ……あぁ~、…分かったぞ。」
物言いたげなフィロウの瞳を探って気付いた。
目線がオレとテーブルとに流されてたから。
つまりフィロウ的には、オレだけ媚薬入りケーキを食べたのが不満なんだろな。
叶わない想いだって諦めてたのに、オレと『そういう行為』をしようって段階になって。フィロウは緊張して来たに違いない。
自分も媚薬のチカラを借りたくなったのかも、な。
「ちょっと待っててくれよ?」
そう声を掛けて、オレはまた指をケーキに伸ばす。
ヒトカケラ、さっきより心持ち大きめに千切ったやつを、オレは口に咥えた。
それから。
お待たせ~って気持ちを含めて、フィロウへと向き直る。
すぐにフィロウが気付いてくれなかったらオレの行動がマヌケ過ぎるから、ややクドイような気もしたけど。自分の口から飛び出てるケーキを、触らない程度に指で指し示した。
フィロウは戸惑ったように、オレから視線を逸らす。
だけど。
「も…っ、恥ずかしいよ……。……ん、はむ…」
恥ずかしい気持ちを持ちつつ顔を寄せて、口を開けた。
ケーキを口に咥えたら、やっぱり唇同士が触れる。
そのタイミングでオレの方からも顔を寄せて。
お互いにケーキを貪り合うような、押し込み合うような。
助走距離の短いポッキーゲーム……ぃや、何でもない。
とにかく、グチャグチャに混ざり合ったチョコレート味と媚薬の甘さみたいに。オレとフィロウの舌も絡み合う。
「ん、ふ…ぅ……。っは……ぅ、ん。」
甘い声を漏らしてフィロウがオレにしがみ付いた。
オレは自分の衝動や本能に任せて貪ってるから良いとして。フィロウは一生懸命に応じてくれてる。
ちゃんと鼻で息継ぎも出来てるっぽい。
てっきり、もっとぎこちなくなるかと思ってたから。
自分の初めてのキスと比べて、オレはちょっとだけ悔しい気もする。
「フィロウ、上手に息継ぎ出来てるな。……もしかして、そういう勉強も、した?」
「そ…んな事……、しないってばぁ……。……意地悪。」
「揶揄ってゴメン。フィロウが可愛くて、つい。」
フィロウがちょっと尖らせた口に、宥めるように軽く唇を触れさせた。
すぐ離して、視線を合わせて。
もっかい「ゴメンな?」って言うと、フィロウは「もぉ……」って呟いて、機嫌を直してくれる。
そろそろ……本格的に、始めてもいい、かな?
「フィロウ……。」
「っ、ぁ……。」
腰を抱いた意図はフィロウにちゃんと伝わったっぽい。
抱き寄せる動きに逆らわず、フィロウはオレに寄り掛かった。
「ベッド、行こっか。……ソファは流石に狭いだろ?」
「ぅん……。……ぁ、待って。先にシャワーを…」
「ダメだ。浴室で倒れたら大変だろ?」
ちょっとだけど媚薬を口にしてるからな。
フィロウの言いっぷりだと、一人で入りたがってる感じだし。
「そんな……。ねぇ、お願い。汗を洗い流すだけで良いから……ねっ? お願い。」
「でもなぁ。……ぅう~ん。」
「ゃだ、ボク、汗だくなんだもん。恥ずかしい……。」
あぁ~、もおぉ~。甘い王子様フェイスの涙目なオネガイって、ズルいぞ。
威力が半端ないってば。これは負ける。
「仕方ないなぁ……分かった。その代わり…」
目に見えて嬉しそうな表情になるフィロウ。
オレも下心丸出しでニッコリ笑う。
「オレも一緒に、だぞ? フィロウが倒れないように、な?」
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