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第四章 ~なんだかんだでゲームに沿う形でハーレムっぽい感じになる~
付き合ってるのをオレに内緒にしたいのか
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「俺が、……何だって? ん?」
オレを見るメリクルの顔が、貸金業者として絶対に登録してないタイプの取り立て屋みたいになってる。
メリクルから立ち昇るオーラが余りにもアレ過ぎだ。
「ぇ、ホラ……状況的に、さ。誤解されたかなー、って……。」
そもそもエステードさんが、服装が良くないんだってば。
何でバスローブ一枚なんだよ。着替えてくれってさっさと言えば良かった。
「だけど安心してくれ。オレ……ちゃんと恋人いるからっ。」
「恋人いたって他の男ともヤッてるだろ。」
「うっ、それは……。」
何故それをメリクルが知ってるんだ。
養育所では、何でも知ってるお兄ちゃんだったけど、今でもメリクルは何でも知ってるのか。
だけどオレはここで怯んでる場合じゃないぞ。
「大丈夫だ、メリクル。オレにも好みってもんがあって、それで考えたらオレがエステードさんとどうこう……って話には絶対にならないから。」
「へ~ぇ、お前に好みがあるとはなぁ。」
「そりゃもちろん。可愛くて色気があって、たまにエロくて、可愛い……。あ。」
ちょっとだけメリクルの雰囲気が和らいだから、オレはここぞとばかりに言葉を連ねたんだけど。途中でハッと気付いた。
これだと完全に、エステードさんにはこうした要素が皆無だ。って言ってる。
確かにエステードさんから色気を全く感じないのは事実だけどさ。それはあくまでもオレの主観でしかないワケで。別な人……この場合はメリクル……から見たら違うだろう。
いや、その前に。
聞いてる本人に悪い。悪すぎる。
「ゴメン、あの……オレの好みとは違うけど、エステードさんは割と美形だと思うぞ。」
「……私が、ですか?」
力強く言い訳をするオレに、エステードさんは困惑顔で返事をした。
メリクルが舌打ちしたけど仕方ない。
「髪サラサラだし、賢そうだし。」
「そうですか。」
「それに好い人だし。」
「どうも。」
「身長も高めでスラッとしてて、足も長くてスタイルもいいし。腰とかも細いし。肌も綺麗だし。」
「………。」
「あとは、えぇと……。………。……っ?」
思い付く限りの長所を並べ立てるオレ。
他にも何か無いか考えてたから、エステードさんの表情が徐々に変化してるのに気付けなかった。
そして気付いたら遅い。
「エステードさん……怒ってる?」
「いいえ。」
素っ気ない返事をしてカップに手を伸ばすエステードさん。
こんな表情を見るのは初めてだ。
顔色こそ全く変わってないものの、眼差しに怒り……違う、憎しみが宿ってる。
眉間は険しく寄せられ、眦は吊り上がり、微かに唇が戦慄いてる。
憎悪で人が殺せればいいのに。ってレベルだ。
色気が無いってオレが思ってたのがバレたのか。
取り繕ったオレの言葉が嘘くさかったのか。
一気に焦るオレ。
だけどオレの言葉に不快感を表したのはもう一人いた。
「腰だの肌だの、よく見てるなぁ? ……昔はあんなビービー泣いたクセに。」
「オレってそんな泣いてたのか? オレ、結構忘れてるんだな…」
「お前のトラウマ掘り起こしてやろうか? ぁん? 男、抱けなくなるぞ?」
「それは止めてくれ、メリクル。エロ可愛い恋人いるから、ホント。」
抱けなくなるようなトラウマって……。全く身に覚えが無い。
だけど、ビリーからの告白が全く記憶に無かった、って前科があるからなぁ。
ひょっとしたらメリクルは大袈裟に言ってるだけなのかも知れないけど、もしそんなのがあるなら本当に黙っててくれ。
抱けなくなるって。そんな地獄はゴメンだぞ。
「そういや、年上好きなようだしなぁ……イグゥのクセに。」
何故メリクルまでもがそう思ってるんだ。
ところでメリクル、やっぱりオレがエステードさんに手を出すって考えてるようだな。
幾ら何でもエステードさんとはオレ、絶対に何も無いって。
大体、メリクルとそういう仲だと知ってて、目の前で何かするなん……。
そう言えば……。あれ? ……えっと。
メリクルとエステードさんって、付き合ってるんだよな?
今更だけど確認しとくかな。
「メリクルは、さ…」
「あ゛あ゛っ?」
「……何でもない。」
メリクル……何もそんなダミ声の、しゃくれ声で威嚇して来なくたっていいじゃないか。
オレをあんなに可愛がってくれた優しいお兄ちゃんなメリクルはもう居ないのか。
こうなったら、たぶんだけどメリクルが答えてはくれなさそうだ。
仕方ない。質問対象者をエステードさんに変更しよう。
「エステードさん。一応聞くけど、メリクルと付き合っ…」
「付き合ってません。」
「……え。ホント?」
オレの言葉に重ねるように、食い気味に答えるエステードさん。
予想よりも明確・簡潔で、絶対に聞き違えが生じない返答だ。
ビックリして思わず前のめりで聞き返しちゃったオレ。
エステードさんの表情が、ススー……って冷たくなる。
「付き合ってません。」
キッパリと否定するエステードさん。
同じ返事を二回繰り返す間に、エステードさんの顔は氷点下になった。
眉間に皺が寄ってるわけでもなく、口元が歪んでるわけでもない。無表情にも近いけど、見下し感……いや、蔑み感が漂ってる気がする。
この眼差しを受け止めるの、憎悪よりもキツイぞ。
エステードさんに聞いたのは間違いだったな。
オレを見るメリクルの顔が、貸金業者として絶対に登録してないタイプの取り立て屋みたいになってる。
メリクルから立ち昇るオーラが余りにもアレ過ぎだ。
「ぇ、ホラ……状況的に、さ。誤解されたかなー、って……。」
そもそもエステードさんが、服装が良くないんだってば。
何でバスローブ一枚なんだよ。着替えてくれってさっさと言えば良かった。
「だけど安心してくれ。オレ……ちゃんと恋人いるからっ。」
「恋人いたって他の男ともヤッてるだろ。」
「うっ、それは……。」
何故それをメリクルが知ってるんだ。
養育所では、何でも知ってるお兄ちゃんだったけど、今でもメリクルは何でも知ってるのか。
だけどオレはここで怯んでる場合じゃないぞ。
「大丈夫だ、メリクル。オレにも好みってもんがあって、それで考えたらオレがエステードさんとどうこう……って話には絶対にならないから。」
「へ~ぇ、お前に好みがあるとはなぁ。」
「そりゃもちろん。可愛くて色気があって、たまにエロくて、可愛い……。あ。」
ちょっとだけメリクルの雰囲気が和らいだから、オレはここぞとばかりに言葉を連ねたんだけど。途中でハッと気付いた。
これだと完全に、エステードさんにはこうした要素が皆無だ。って言ってる。
確かにエステードさんから色気を全く感じないのは事実だけどさ。それはあくまでもオレの主観でしかないワケで。別な人……この場合はメリクル……から見たら違うだろう。
いや、その前に。
聞いてる本人に悪い。悪すぎる。
「ゴメン、あの……オレの好みとは違うけど、エステードさんは割と美形だと思うぞ。」
「……私が、ですか?」
力強く言い訳をするオレに、エステードさんは困惑顔で返事をした。
メリクルが舌打ちしたけど仕方ない。
「髪サラサラだし、賢そうだし。」
「そうですか。」
「それに好い人だし。」
「どうも。」
「身長も高めでスラッとしてて、足も長くてスタイルもいいし。腰とかも細いし。肌も綺麗だし。」
「………。」
「あとは、えぇと……。………。……っ?」
思い付く限りの長所を並べ立てるオレ。
他にも何か無いか考えてたから、エステードさんの表情が徐々に変化してるのに気付けなかった。
そして気付いたら遅い。
「エステードさん……怒ってる?」
「いいえ。」
素っ気ない返事をしてカップに手を伸ばすエステードさん。
こんな表情を見るのは初めてだ。
顔色こそ全く変わってないものの、眼差しに怒り……違う、憎しみが宿ってる。
眉間は険しく寄せられ、眦は吊り上がり、微かに唇が戦慄いてる。
憎悪で人が殺せればいいのに。ってレベルだ。
色気が無いってオレが思ってたのがバレたのか。
取り繕ったオレの言葉が嘘くさかったのか。
一気に焦るオレ。
だけどオレの言葉に不快感を表したのはもう一人いた。
「腰だの肌だの、よく見てるなぁ? ……昔はあんなビービー泣いたクセに。」
「オレってそんな泣いてたのか? オレ、結構忘れてるんだな…」
「お前のトラウマ掘り起こしてやろうか? ぁん? 男、抱けなくなるぞ?」
「それは止めてくれ、メリクル。エロ可愛い恋人いるから、ホント。」
抱けなくなるようなトラウマって……。全く身に覚えが無い。
だけど、ビリーからの告白が全く記憶に無かった、って前科があるからなぁ。
ひょっとしたらメリクルは大袈裟に言ってるだけなのかも知れないけど、もしそんなのがあるなら本当に黙っててくれ。
抱けなくなるって。そんな地獄はゴメンだぞ。
「そういや、年上好きなようだしなぁ……イグゥのクセに。」
何故メリクルまでもがそう思ってるんだ。
ところでメリクル、やっぱりオレがエステードさんに手を出すって考えてるようだな。
幾ら何でもエステードさんとはオレ、絶対に何も無いって。
大体、メリクルとそういう仲だと知ってて、目の前で何かするなん……。
そう言えば……。あれ? ……えっと。
メリクルとエステードさんって、付き合ってるんだよな?
今更だけど確認しとくかな。
「メリクルは、さ…」
「あ゛あ゛っ?」
「……何でもない。」
メリクル……何もそんなダミ声の、しゃくれ声で威嚇して来なくたっていいじゃないか。
オレをあんなに可愛がってくれた優しいお兄ちゃんなメリクルはもう居ないのか。
こうなったら、たぶんだけどメリクルが答えてはくれなさそうだ。
仕方ない。質問対象者をエステードさんに変更しよう。
「エステードさん。一応聞くけど、メリクルと付き合っ…」
「付き合ってません。」
「……え。ホント?」
オレの言葉に重ねるように、食い気味に答えるエステードさん。
予想よりも明確・簡潔で、絶対に聞き違えが生じない返答だ。
ビックリして思わず前のめりで聞き返しちゃったオレ。
エステードさんの表情が、ススー……って冷たくなる。
「付き合ってません。」
キッパリと否定するエステードさん。
同じ返事を二回繰り返す間に、エステードさんの顔は氷点下になった。
眉間に皺が寄ってるわけでもなく、口元が歪んでるわけでもない。無表情にも近いけど、見下し感……いや、蔑み感が漂ってる気がする。
この眼差しを受け止めるの、憎悪よりもキツイぞ。
エステードさんに聞いたのは間違いだったな。
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