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第四章 ~なんだかんだでゲームに沿う形でハーレムっぽい感じになる~
可愛いって思ったのは事実
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十歳のオレがビリーにした仕打ちが酷い。
子供だからって言えばそれまでだけど酷い。
なのにビリーは、それを恨むでもなく、小さく微笑んでる。
「嫌な、思い出、あるから……イグゥは、恋愛とか……しないと、思ってた。」
「いやいや、流石にそれを嫌な思い出って……いやいや。」
ビリーがこんな言い方をするなんて、よっぽどオレの態度がショックだったんだ。
そんな思いをさせてたとは、流石にオレの方が申し訳ないってば。
『嫌な思い出』『恋愛なんかしない』って思われるような、オレはそこまでの泣き方だったのか。
「忘れてる、なら……いい。……俺の、事……嫌いに、ならな…」
「嫌いじゃないからっ。ゴメン、ホント。嫌いじゃないぞ。」
「嫌いじゃ、ない……? ちょっとは……好き?」
「ど……どっちかって言えば。……うん。」
結構ビリー、ぐいぐい来る。
気付いたらオレは、しょうもない内心を暴露してた。
今の返事は明らかに、ただ流されてるって分かるやつだろ。
それか、ヤラシイことはしたいけど責任は取りたくないって奴の言葉だ。
「そっかぁ~。ヴィルがイグゥさんの話でちょっと暗い顔になるのってぇ、そういう事だったんだぁ。」
何かを納得したようなカシュ。
ちょっと前傾姿勢で、悪戯っぽい視線をオレに向ける。
「イグゥさんにその辺りの記憶が無いのは、もう置いとくとしてぇ。この際だから、改めてどう? 家に入る前にも言ったけど~。ヴィルの事、そういう目で見てみたら?」
「そういう目って……恋愛的に、って意味でか?」
「うん、もちろん。今だってイグゥさん、ヴィルから告白されてるんだよ?」
「……あー。だよなぁ。」
キッパリ断言するカシュの思い切りに比べ、煮え切らない返事のオレ。
隣ではビリーが、ちょっと嬉しそうな、ちょっと不安そうな、複雑な微笑で見詰めて来る。
告白されたらちゃんと聞こうって覚悟はあったけど、それをきっちり断ろうって決意までは無かったわけで……その時点でもう『お察し』だよな。
オレってば、軽過ぎないか? 好意を持たれたら自分も好きになるのか?
好きだって言われたら誰でもいい、わけじゃないって思いたい。
でも今のトコ……。ルサーはオレから告白したから置いとくとして……。
順番に思い返してみれば、告白されてアワアワ動揺する割に、迷惑だって感じた記憶は無い。気持ちは嬉しいけど何て言って断ろうか、そっちの方で悩んだ覚えも無い。
なんだったら今、みんな可愛いって思ってるくらいだ。
「もしルサーの事が気になるなら……ルサーには、さぁ……。後で報告したらいいんじゃない? 急な事でぇ、事前に話しておけないっていうのもぉ、恋愛には割とよくあるからね~。」
「ルサーに報告、か……。」
報告が必要になるかどうかは分かんない。けど……こうやって考えてるんだから、そうなる可能性は高いか?
ビリーを可愛いなって思ってる。それは事実だ。
単なる幼馴染み補正なのか、久し振りに会えた嬉しさと懐かしさなのか、それがまだ分かんないだけだ。
自分の気持ちに正直に。ってよく聞きがちな言葉だけど。
自分の気持ちがどうなのかを、正確に知る方法。あるなら誰か教えてくれ。
「あ~っ、なんか腑に落ちない顔してるぅ。」
「んん、まぁな。」
「迷ってるんだぁ……そうだ、キスしてみたら?」
「っぶ…、グっ!」
むせそうになったのを必死に堪えた。
オレを尻目にカシュは平然として続ける。
「それでドキドキするかぁ、興奮するかぁ……ちょっとは分かるんじゃない?」
「そうかも知れないけど。それよか、カシュはそれでいいのか? ……オレとビリーが、その…キスするとか。」
「うん、だってヴィルが恋人で居てくれるんだもん。ヴィルがもっと幸せになるなら、そうしてあげたいもん。」
心が広いな、カシュ。
人数比が多いネコだからなのか……。違うな、カシュの性格だろうな。
「そういうもんか。……うーん。」
しばらく微笑でいたビリーが、さっきより不安の方が勝ってる表情になる。
本当に僅かな変化だけど、またオレが拒絶反応を示すかもって怯えてる。
この状況での正解行動が何かは分かんない。
でもビリーにいつまでも怯えさせておけない、って思った。
別にオレ、そんな嫌な思い出とか無いからな?
「イグゥ……無理、しないで……?」
「ビリーは、嫌じゃないか? 中途半端な関係で、するのは。」
「……ヤじゃ、ない………っ、んん。」
ビリーの答えを確認してから唇を重ねた。
肝心な、自分の気持ちの確認については。
ビリーが可愛いって思ったし、ドキドキもした、と思う。
でもこれが、オレがビリーを好きだって気持ちなら。
オレの『好き』は多過ぎじゃないか? 大丈夫か?
子供だからって言えばそれまでだけど酷い。
なのにビリーは、それを恨むでもなく、小さく微笑んでる。
「嫌な、思い出、あるから……イグゥは、恋愛とか……しないと、思ってた。」
「いやいや、流石にそれを嫌な思い出って……いやいや。」
ビリーがこんな言い方をするなんて、よっぽどオレの態度がショックだったんだ。
そんな思いをさせてたとは、流石にオレの方が申し訳ないってば。
『嫌な思い出』『恋愛なんかしない』って思われるような、オレはそこまでの泣き方だったのか。
「忘れてる、なら……いい。……俺の、事……嫌いに、ならな…」
「嫌いじゃないからっ。ゴメン、ホント。嫌いじゃないぞ。」
「嫌いじゃ、ない……? ちょっとは……好き?」
「ど……どっちかって言えば。……うん。」
結構ビリー、ぐいぐい来る。
気付いたらオレは、しょうもない内心を暴露してた。
今の返事は明らかに、ただ流されてるって分かるやつだろ。
それか、ヤラシイことはしたいけど責任は取りたくないって奴の言葉だ。
「そっかぁ~。ヴィルがイグゥさんの話でちょっと暗い顔になるのってぇ、そういう事だったんだぁ。」
何かを納得したようなカシュ。
ちょっと前傾姿勢で、悪戯っぽい視線をオレに向ける。
「イグゥさんにその辺りの記憶が無いのは、もう置いとくとしてぇ。この際だから、改めてどう? 家に入る前にも言ったけど~。ヴィルの事、そういう目で見てみたら?」
「そういう目って……恋愛的に、って意味でか?」
「うん、もちろん。今だってイグゥさん、ヴィルから告白されてるんだよ?」
「……あー。だよなぁ。」
キッパリ断言するカシュの思い切りに比べ、煮え切らない返事のオレ。
隣ではビリーが、ちょっと嬉しそうな、ちょっと不安そうな、複雑な微笑で見詰めて来る。
告白されたらちゃんと聞こうって覚悟はあったけど、それをきっちり断ろうって決意までは無かったわけで……その時点でもう『お察し』だよな。
オレってば、軽過ぎないか? 好意を持たれたら自分も好きになるのか?
好きだって言われたら誰でもいい、わけじゃないって思いたい。
でも今のトコ……。ルサーはオレから告白したから置いとくとして……。
順番に思い返してみれば、告白されてアワアワ動揺する割に、迷惑だって感じた記憶は無い。気持ちは嬉しいけど何て言って断ろうか、そっちの方で悩んだ覚えも無い。
なんだったら今、みんな可愛いって思ってるくらいだ。
「もしルサーの事が気になるなら……ルサーには、さぁ……。後で報告したらいいんじゃない? 急な事でぇ、事前に話しておけないっていうのもぉ、恋愛には割とよくあるからね~。」
「ルサーに報告、か……。」
報告が必要になるかどうかは分かんない。けど……こうやって考えてるんだから、そうなる可能性は高いか?
ビリーを可愛いなって思ってる。それは事実だ。
単なる幼馴染み補正なのか、久し振りに会えた嬉しさと懐かしさなのか、それがまだ分かんないだけだ。
自分の気持ちに正直に。ってよく聞きがちな言葉だけど。
自分の気持ちがどうなのかを、正確に知る方法。あるなら誰か教えてくれ。
「あ~っ、なんか腑に落ちない顔してるぅ。」
「んん、まぁな。」
「迷ってるんだぁ……そうだ、キスしてみたら?」
「っぶ…、グっ!」
むせそうになったのを必死に堪えた。
オレを尻目にカシュは平然として続ける。
「それでドキドキするかぁ、興奮するかぁ……ちょっとは分かるんじゃない?」
「そうかも知れないけど。それよか、カシュはそれでいいのか? ……オレとビリーが、その…キスするとか。」
「うん、だってヴィルが恋人で居てくれるんだもん。ヴィルがもっと幸せになるなら、そうしてあげたいもん。」
心が広いな、カシュ。
人数比が多いネコだからなのか……。違うな、カシュの性格だろうな。
「そういうもんか。……うーん。」
しばらく微笑でいたビリーが、さっきより不安の方が勝ってる表情になる。
本当に僅かな変化だけど、またオレが拒絶反応を示すかもって怯えてる。
この状況での正解行動が何かは分かんない。
でもビリーにいつまでも怯えさせておけない、って思った。
別にオレ、そんな嫌な思い出とか無いからな?
「イグゥ……無理、しないで……?」
「ビリーは、嫌じゃないか? 中途半端な関係で、するのは。」
「……ヤじゃ、ない………っ、んん。」
ビリーの答えを確認してから唇を重ねた。
肝心な、自分の気持ちの確認については。
ビリーが可愛いって思ったし、ドキドキもした、と思う。
でもこれが、オレがビリーを好きだって気持ちなら。
オレの『好き』は多過ぎじゃないか? 大丈夫か?
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