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第四章 ~なんだかんだでゲームに沿う形でハーレムっぽい感じになる~
この世界に無い言葉だって気付かずに話してた
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「え、いや、っあ……ナンデモナイです。」
「……ナニ言ってんだか、全く。」
舌打ち無しで不思議そうな顔をするメリクル。
本当に、心の底からの『ナニイッテンダ感』が凄い。
……オレもそう思う。
「俺よりイグゥの方が犬っぽいだろ~が。」
「メリクル、その話、続けるの止そうよ……。」
言い出したのはオレだけど、話題として引っ張られると恥ずかしい。
何か、別な話題にしなくちゃ。
「お前が言い出したんだろ、スタンダードプードルって。」
「言い間違えたんだよぉ。」
あぁ~、メリクルがぁ~。犬の話を広げるぅ~。
オレの脳内で、クルクルのもっふもふで足がニョキーンって長い犬が走り回る。
「何をどう言い間違ったら俺が犬、って話になんだよ。」
「だから違うんだって……メリクルはスタンダードな細マッチョだな、って言うハズだったんだ。それが、うっかりプードルって…」
「何でだよ。お前、日頃どんだけスタンダードプードルって言ってんだ。」
苦笑したメリクルが肘をテーブル面に付いたままコップを呷る。
タン、ってテーブルに置いたのと同時に、唇端から焦げ茶色の液体が垂れた。メリクルはそれを、反対側の手の甲でちょっと乱暴に拭う。
あっ……今の仕草、いいなぁ。
タチっぽいし、男っぽいのにちょっと色気もあって。上半身裸だってトコも地味にポイント高いんだろうけど。
……オレもこんな感じで色気、出したい! ルサーにいっつも、子供みたいに飛び掛かっちゃってるから、たまには「色気あるな」って思われたい!
ゴクゴクっ。
おもむろに珈琲紅茶を飲んで……よし。ちょっとだけ、出す…
ダバダバぁ~……。
「っぶおぅ!」
「ナニやってんだ、コラ。」
ちゃんと真似したツモリが、普っ通~に口から零しちゃった。
自分でビックリしたら変な声出たし、口の中の残りも全部ぶちまけちゃった。
しかも残り少なかったけどコップまで倒す始末。
冷静なメリクルが台拭きでテーブルを拭いて、そのままオレの口元や顎、首周りまで拭いてくれた。
台拭きで顔、拭かれるオレ。
「うぅ……ゴメン、メリクル。」
新しい珈琲紅茶をメリクルが注ぎ直してくれた。
項垂れながらオレは、メリクルを真似て色気のある仕草をしようとした挙句の、無残な結果だったことを報告した。
眉間に皺を寄せたメリクルの視線が痛い。
「色気がぁ……。」
「イグゥにはまだ早い。」
言い切られてションボリだけど、確かにその通りだった。
大人しく両手でコップを抱えて飲むオレ。
メリクルは窓の方に視線を流しながら、片手でクイクイってコップを傾けてる。
中身は珈琲紅茶なのに、酒でも飲んでるような大人っぽい雰囲気だ。
その姿勢のまま、メリクルは目だけをオレの方へ向ける。
「それはそうとして……なぁ、イグゥ。」
「ぅん……?」
そう言えばメリクルはオレに聞きたいことがあるんだったな。
いよいよか、って思ったら。
そのタイミングでエステードさんが浴室から戻って来た。
髪を乾かす用の、水分をたっぷり吸い取りそうなタオルを頭から被って。
バスローブじゃなく、ラフな感じで首元がV字に開いてる襟付きシャツと、メリクルと同じような巻スカートみたいにも見えるズボンを履いてる。
襟元からキスマークが覗いてるのさえ目を瞑れば、比較的安全な姿だ。
「イグゥ君、お風呂ありがとう。いいお湯でしたよ。」
濡れ髪をタオルで揉みながら笑みを浮かべるエステードさん。
もっと気まずい感じになりそうで心配だったけど、エステードさんがあまり気にしてないようだから、オレはホッとした。
ところが。
メリクルへと視線をやったエステードさんの表情がみるみる凍ってく。
「そんな格好で寒くないんですか?」
「いや? 別に?」
むしろアナタの視線で凍えるんじゃ? ってエステードさんに言いたい。
なんでそんな、挑戦的な目で笑うんだ? ってメリクルに聞きたい。
メリクルの返事を聞くや否や、無言で寝室へ行くエステードさん。
すぐに戻って来た。
手には柔らかそうな、だけど生地は薄くないシャツを持って。
「見てられないので着てください。」
実に冷ややかな目でメリクルに服を突き付けた。
対するメリクルはと言えば唇の片端を吊り上げて、見下ろされる冷たい眼差しを平然と受け止めてる。
いや、平然とじゃなくて、ちょっと面白がってる感じか。
「……早く着てくださいっ。」
メリクルは何も言わず、右腕をエステードさんに向かって伸ばした。
文句を言いながらも甲斐甲斐しく、前開きシャツを着せてあげるエステードさん。
さっきの視線からの~、この世話焼きっぷり。
色んな解釈があるとは思うんだけど、これってさ。
いわゆるツンデレじゃないか? 別にアンタの為を思ってじゃないんだから勘違いしないでよね、ってヤツだ。
「なぁ、メリクルってツンデレ好き? エステードさん、なんかツンデレっぽい。」
「はァ~? イグゥ、さっきからナニ言ってんだ。」
「何を言ってるんです?」
オレの質問に。
メリクルは呆れ顔になり、エステードさんは不思議顔をした。
「ツンデレなんかノーサンキューだ。罵倒されて喜ぶ趣味なんか無いっつの。」
「だって、見てたらさぁ…」
「…るっさい、黙れ。……エステードも、変な勘違いすんなよ?」
「私が勘違いするも何も……。」
メリクルの方がツンデレのテンプレみたいな台詞。
ラグの上にペタンって座ったエステードさんは困惑顔になった。
「ツンデレって何ですか?」
ピシ……って固まるオレとメリクル。
「食べ物では、ないですよね?」
ある意味でお約束的なボケ方をするエステードさん。
オレとメリクルは無言で顔を見合わせた。
冷蔵庫とかレンジとか、スイーツ文化もあったから油断してた。
この世界にツンデレって言葉は無かったようだ。
メリクルとは普通に会話が通じてたから気付かなかったけどさ。
もしかしてスタンダードプードルも、そうかも。
……ってことは、メリクルもオレと同じ、かなぁ。
「……ナニ言ってんだか、全く。」
舌打ち無しで不思議そうな顔をするメリクル。
本当に、心の底からの『ナニイッテンダ感』が凄い。
……オレもそう思う。
「俺よりイグゥの方が犬っぽいだろ~が。」
「メリクル、その話、続けるの止そうよ……。」
言い出したのはオレだけど、話題として引っ張られると恥ずかしい。
何か、別な話題にしなくちゃ。
「お前が言い出したんだろ、スタンダードプードルって。」
「言い間違えたんだよぉ。」
あぁ~、メリクルがぁ~。犬の話を広げるぅ~。
オレの脳内で、クルクルのもっふもふで足がニョキーンって長い犬が走り回る。
「何をどう言い間違ったら俺が犬、って話になんだよ。」
「だから違うんだって……メリクルはスタンダードな細マッチョだな、って言うハズだったんだ。それが、うっかりプードルって…」
「何でだよ。お前、日頃どんだけスタンダードプードルって言ってんだ。」
苦笑したメリクルが肘をテーブル面に付いたままコップを呷る。
タン、ってテーブルに置いたのと同時に、唇端から焦げ茶色の液体が垂れた。メリクルはそれを、反対側の手の甲でちょっと乱暴に拭う。
あっ……今の仕草、いいなぁ。
タチっぽいし、男っぽいのにちょっと色気もあって。上半身裸だってトコも地味にポイント高いんだろうけど。
……オレもこんな感じで色気、出したい! ルサーにいっつも、子供みたいに飛び掛かっちゃってるから、たまには「色気あるな」って思われたい!
ゴクゴクっ。
おもむろに珈琲紅茶を飲んで……よし。ちょっとだけ、出す…
ダバダバぁ~……。
「っぶおぅ!」
「ナニやってんだ、コラ。」
ちゃんと真似したツモリが、普っ通~に口から零しちゃった。
自分でビックリしたら変な声出たし、口の中の残りも全部ぶちまけちゃった。
しかも残り少なかったけどコップまで倒す始末。
冷静なメリクルが台拭きでテーブルを拭いて、そのままオレの口元や顎、首周りまで拭いてくれた。
台拭きで顔、拭かれるオレ。
「うぅ……ゴメン、メリクル。」
新しい珈琲紅茶をメリクルが注ぎ直してくれた。
項垂れながらオレは、メリクルを真似て色気のある仕草をしようとした挙句の、無残な結果だったことを報告した。
眉間に皺を寄せたメリクルの視線が痛い。
「色気がぁ……。」
「イグゥにはまだ早い。」
言い切られてションボリだけど、確かにその通りだった。
大人しく両手でコップを抱えて飲むオレ。
メリクルは窓の方に視線を流しながら、片手でクイクイってコップを傾けてる。
中身は珈琲紅茶なのに、酒でも飲んでるような大人っぽい雰囲気だ。
その姿勢のまま、メリクルは目だけをオレの方へ向ける。
「それはそうとして……なぁ、イグゥ。」
「ぅん……?」
そう言えばメリクルはオレに聞きたいことがあるんだったな。
いよいよか、って思ったら。
そのタイミングでエステードさんが浴室から戻って来た。
髪を乾かす用の、水分をたっぷり吸い取りそうなタオルを頭から被って。
バスローブじゃなく、ラフな感じで首元がV字に開いてる襟付きシャツと、メリクルと同じような巻スカートみたいにも見えるズボンを履いてる。
襟元からキスマークが覗いてるのさえ目を瞑れば、比較的安全な姿だ。
「イグゥ君、お風呂ありがとう。いいお湯でしたよ。」
濡れ髪をタオルで揉みながら笑みを浮かべるエステードさん。
もっと気まずい感じになりそうで心配だったけど、エステードさんがあまり気にしてないようだから、オレはホッとした。
ところが。
メリクルへと視線をやったエステードさんの表情がみるみる凍ってく。
「そんな格好で寒くないんですか?」
「いや? 別に?」
むしろアナタの視線で凍えるんじゃ? ってエステードさんに言いたい。
なんでそんな、挑戦的な目で笑うんだ? ってメリクルに聞きたい。
メリクルの返事を聞くや否や、無言で寝室へ行くエステードさん。
すぐに戻って来た。
手には柔らかそうな、だけど生地は薄くないシャツを持って。
「見てられないので着てください。」
実に冷ややかな目でメリクルに服を突き付けた。
対するメリクルはと言えば唇の片端を吊り上げて、見下ろされる冷たい眼差しを平然と受け止めてる。
いや、平然とじゃなくて、ちょっと面白がってる感じか。
「……早く着てくださいっ。」
メリクルは何も言わず、右腕をエステードさんに向かって伸ばした。
文句を言いながらも甲斐甲斐しく、前開きシャツを着せてあげるエステードさん。
さっきの視線からの~、この世話焼きっぷり。
色んな解釈があるとは思うんだけど、これってさ。
いわゆるツンデレじゃないか? 別にアンタの為を思ってじゃないんだから勘違いしないでよね、ってヤツだ。
「なぁ、メリクルってツンデレ好き? エステードさん、なんかツンデレっぽい。」
「はァ~? イグゥ、さっきからナニ言ってんだ。」
「何を言ってるんです?」
オレの質問に。
メリクルは呆れ顔になり、エステードさんは不思議顔をした。
「ツンデレなんかノーサンキューだ。罵倒されて喜ぶ趣味なんか無いっつの。」
「だって、見てたらさぁ…」
「…るっさい、黙れ。……エステードも、変な勘違いすんなよ?」
「私が勘違いするも何も……。」
メリクルの方がツンデレのテンプレみたいな台詞。
ラグの上にペタンって座ったエステードさんは困惑顔になった。
「ツンデレって何ですか?」
ピシ……って固まるオレとメリクル。
「食べ物では、ないですよね?」
ある意味でお約束的なボケ方をするエステードさん。
オレとメリクルは無言で顔を見合わせた。
冷蔵庫とかレンジとか、スイーツ文化もあったから油断してた。
この世界にツンデレって言葉は無かったようだ。
メリクルとは普通に会話が通じてたから気付かなかったけどさ。
もしかしてスタンダードプードルも、そうかも。
……ってことは、メリクルもオレと同じ、かなぁ。
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