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第四章 ~なんだかんだでゲームに沿う形でハーレムっぽい感じになる~
オレが知らなかった話・3 $カシュ$
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「はぁ……。フィロウ君、行っちゃった。」
「うん……。」
「ま、せっかく御馳走して貰ったんだしぃ、勿体無いから食べよ? ね?」
他のお客さんからの視線も、だいぶ減った事だし、やっとのんびり出来るねぇ。
はー。部外者なのに一人で焦って馬鹿みたいだったぁ。
でもこれぐらいバタバタしてる方がいいかなぁ~?
ヴィルに「恋人やめたい」って言われるかもって、ビクビクしてる余裕は無かったもんね。
「ほらぁ、ヴィルぅ? ……あーんっ。」
「ぁ、あー……?」
難しい顔してないで、美味しいデザート食べようよ。ねっ?
パンケーキ、一口あげるからぁ。
……ほら、美味しいでしょっ? キャラメルのほろ苦さがいいよねぇ。
「あー、美味しっ。ねっ、ヴィル? ……ヴィル?」
「食べたら……帰る。」
「えっ、なん…で?」
急に頬を撫でられたと思ったら。まだ難しい顔してる。
……ヴィル、どうしたの? 具合悪い? それとも機嫌悪い?
「カシュ。顔色、良くない……。」
「……ヤ、だ…」
……ヤだぁ、もう少しデートしたいよぉ。
このお店、昼間しか開いてないんだよ?
それに、食べた後は一緒に買い物するって、言ってたじゃない。
明るい内に一緒に出掛けるなんて、次はいつになるか分かんないのに。
「カシュの、お休みに……来よう。」
「だって…」
それどころか、もう、デート自体が出来るかどうかも…
「カ、シュ?」
「ぅ……。分かったよぉ。」
ヴィルに起こられたら……嫌われたら、もぉ、泣き暮らすもん……。
分かった。って言うしか無いじゃない……。
「また……来る、から。」
「ホント……?」
「うん。……約束。」
ヴィルがそこまで言うなら。
約束って言ってくれた事、信じるから……ね?
* * * * * *
結局、すぐ食べ終わって、変な時間に帰って来ちゃった。
しかも夕食の支度しようとしたら、ヴィルに寝かし付けられちゃった~。
自分の部屋でベッドに寝転がりながら、ヴィルが食事を作るのを待ってる……なんて。もしかしたら、初めてかも知れないねぇ。
一緒に暮らしてどれぐらい経つ? 出会ってすぐ、だからぁ……。
えっとぉ……二か月? そんなには経ってない?
結構経つのに、ヴィルが食事を作れるって事も知らなかった。
まぁ、作らせなかったしね。
ネコの自分がそんな事、恋人にさせられないよぉ。
「やっぱり……怖いもん。」
ヴィルの事をあんまり知らないって、本当は前から分かってる。
出会った時は色々……「恋人いる?」とか「好きな人は?」とか聞いてたなぁ。
だけど、好きになっちゃって。てっきりネコだと思ってたのに違うって分かって。頼み込んで恋人にして貰って。なのに勇気が出なくてなかなかデートに誘えなくて。
これまでの経験上、好きになるのはネコばっかり。
面食いって言うツモリないけど、繊細な顔立ちが好きだから。
ゴツイ系統の人は苦手。タチとは長続きした事ない。
だから『リバ』のヴィルとは、どうしたらいいのか、よく分かんない。
やっぱりタチと同じ性質あるのかなぁ? 自分から話さない事を詮索されるのって嫌だよね?
ヴィルって口数が少なくて、表情にもあんまり表さないタイプだから。
急に嫌われて居なくなっちゃいそうで怖いよ……。
一緒に居てくれるだけで、それだけで充分幸せだから。だから、ね……?
「カシュ、ご飯……。大丈夫?」
あっ、いけない。
たぶんノックしてくれたと思うけど、気付かなかった。
「ぅん、大丈夫っ。」
「ちょっと、良くなった。けど……まだ…」
「お腹空いてるから、かも~。食べるよ?」
せっかくヴィルが作ってくれたんだもん。
* * *
後片付け、ヴィルがやってくれるって言うから、今日は甘えちゃった~。
今晩の夜勤は、午前一時からぁ。
だから本当はそろそろ横にならなきゃ、なんだけど……。
今日はデートも出来たしぃ、作ってくれた御飯も美味しかったしぃ、そもそもヴィルとはまだ肉体関係無いしぃ、もう何を言ってんだか自分でも分かんないけどぉ。
このまま家族……兄弟みたいになるのも、いいかも、ね。
クルッフワッな髪を伸ばして可愛い振りしてたけど、これでも二十七歳だし。
そろそろ髪型、変えよっかな……?
綺麗系な顔立ちなら、このままロン毛もアリなんだけど。そうじゃないからぁ……よし、切ろう!
サクッ。
「カシュ。」
「あっ、ヴィル。ご免ね、気付かなくって~。」
「……ハサミ。どう、したの?」
「髪、切ろうと思ってさ~。……ほら、今日。一番年上なのに、ちっとも大人っぽくなかったでしょ? やっぱり髪型かなぁ、って。」
「………。」
え、ヴィルってば……なんで、そんな見るの~? 変なコト言ったかなぁ?
まぁいーや、切ってる途中だしぃ……。
って、鏡見たら、ナニコレぇ~!
ヴィルだって驚くよぉ。
前髪っ、左側から横髪の方っ、切り過ぎたぁ~!
さっき振り向いた時に、ココって位置に当ててたハサミがずれちゃったんだ……。
「ヴィル、整えてくれる……?」
「……頑張る。」
ヴィルの返事が「いいよ」じゃなく「頑張る」な時点で、気付けたら良かったんだけど。
切り過ぎた部分を基準にした所為かもだけど。
あーだこーだって、失敗しては誤魔化す為に更に切る……を繰り返した挙句。
「ぁは、ははっ、卵みたい~。」
すっっごい短くなったよ! 全体的にっ! 前髪なんて二センチ以下っ!
ヴィルも意外と不器用だったんだねっ! それとも、こういうのが好みっ?
「カシュ。可愛いし、……大人っぽい、よ?」
ちゅ。
「……そうかな? えへっ。」
やだなぁ、ホント、単純でぇ~。
ヴィルが褒めてくれて、頭にキスしてくれたら。この髪型も悪くないかな、って。
もう少し恋人でいたいな、って。……思っちゃった。
「うん……。」
「ま、せっかく御馳走して貰ったんだしぃ、勿体無いから食べよ? ね?」
他のお客さんからの視線も、だいぶ減った事だし、やっとのんびり出来るねぇ。
はー。部外者なのに一人で焦って馬鹿みたいだったぁ。
でもこれぐらいバタバタしてる方がいいかなぁ~?
ヴィルに「恋人やめたい」って言われるかもって、ビクビクしてる余裕は無かったもんね。
「ほらぁ、ヴィルぅ? ……あーんっ。」
「ぁ、あー……?」
難しい顔してないで、美味しいデザート食べようよ。ねっ?
パンケーキ、一口あげるからぁ。
……ほら、美味しいでしょっ? キャラメルのほろ苦さがいいよねぇ。
「あー、美味しっ。ねっ、ヴィル? ……ヴィル?」
「食べたら……帰る。」
「えっ、なん…で?」
急に頬を撫でられたと思ったら。まだ難しい顔してる。
……ヴィル、どうしたの? 具合悪い? それとも機嫌悪い?
「カシュ。顔色、良くない……。」
「……ヤ、だ…」
……ヤだぁ、もう少しデートしたいよぉ。
このお店、昼間しか開いてないんだよ?
それに、食べた後は一緒に買い物するって、言ってたじゃない。
明るい内に一緒に出掛けるなんて、次はいつになるか分かんないのに。
「カシュの、お休みに……来よう。」
「だって…」
それどころか、もう、デート自体が出来るかどうかも…
「カ、シュ?」
「ぅ……。分かったよぉ。」
ヴィルに起こられたら……嫌われたら、もぉ、泣き暮らすもん……。
分かった。って言うしか無いじゃない……。
「また……来る、から。」
「ホント……?」
「うん。……約束。」
ヴィルがそこまで言うなら。
約束って言ってくれた事、信じるから……ね?
* * * * * *
結局、すぐ食べ終わって、変な時間に帰って来ちゃった。
しかも夕食の支度しようとしたら、ヴィルに寝かし付けられちゃった~。
自分の部屋でベッドに寝転がりながら、ヴィルが食事を作るのを待ってる……なんて。もしかしたら、初めてかも知れないねぇ。
一緒に暮らしてどれぐらい経つ? 出会ってすぐ、だからぁ……。
えっとぉ……二か月? そんなには経ってない?
結構経つのに、ヴィルが食事を作れるって事も知らなかった。
まぁ、作らせなかったしね。
ネコの自分がそんな事、恋人にさせられないよぉ。
「やっぱり……怖いもん。」
ヴィルの事をあんまり知らないって、本当は前から分かってる。
出会った時は色々……「恋人いる?」とか「好きな人は?」とか聞いてたなぁ。
だけど、好きになっちゃって。てっきりネコだと思ってたのに違うって分かって。頼み込んで恋人にして貰って。なのに勇気が出なくてなかなかデートに誘えなくて。
これまでの経験上、好きになるのはネコばっかり。
面食いって言うツモリないけど、繊細な顔立ちが好きだから。
ゴツイ系統の人は苦手。タチとは長続きした事ない。
だから『リバ』のヴィルとは、どうしたらいいのか、よく分かんない。
やっぱりタチと同じ性質あるのかなぁ? 自分から話さない事を詮索されるのって嫌だよね?
ヴィルって口数が少なくて、表情にもあんまり表さないタイプだから。
急に嫌われて居なくなっちゃいそうで怖いよ……。
一緒に居てくれるだけで、それだけで充分幸せだから。だから、ね……?
「カシュ、ご飯……。大丈夫?」
あっ、いけない。
たぶんノックしてくれたと思うけど、気付かなかった。
「ぅん、大丈夫っ。」
「ちょっと、良くなった。けど……まだ…」
「お腹空いてるから、かも~。食べるよ?」
せっかくヴィルが作ってくれたんだもん。
* * *
後片付け、ヴィルがやってくれるって言うから、今日は甘えちゃった~。
今晩の夜勤は、午前一時からぁ。
だから本当はそろそろ横にならなきゃ、なんだけど……。
今日はデートも出来たしぃ、作ってくれた御飯も美味しかったしぃ、そもそもヴィルとはまだ肉体関係無いしぃ、もう何を言ってんだか自分でも分かんないけどぉ。
このまま家族……兄弟みたいになるのも、いいかも、ね。
クルッフワッな髪を伸ばして可愛い振りしてたけど、これでも二十七歳だし。
そろそろ髪型、変えよっかな……?
綺麗系な顔立ちなら、このままロン毛もアリなんだけど。そうじゃないからぁ……よし、切ろう!
サクッ。
「カシュ。」
「あっ、ヴィル。ご免ね、気付かなくって~。」
「……ハサミ。どう、したの?」
「髪、切ろうと思ってさ~。……ほら、今日。一番年上なのに、ちっとも大人っぽくなかったでしょ? やっぱり髪型かなぁ、って。」
「………。」
え、ヴィルってば……なんで、そんな見るの~? 変なコト言ったかなぁ?
まぁいーや、切ってる途中だしぃ……。
って、鏡見たら、ナニコレぇ~!
ヴィルだって驚くよぉ。
前髪っ、左側から横髪の方っ、切り過ぎたぁ~!
さっき振り向いた時に、ココって位置に当ててたハサミがずれちゃったんだ……。
「ヴィル、整えてくれる……?」
「……頑張る。」
ヴィルの返事が「いいよ」じゃなく「頑張る」な時点で、気付けたら良かったんだけど。
切り過ぎた部分を基準にした所為かもだけど。
あーだこーだって、失敗しては誤魔化す為に更に切る……を繰り返した挙句。
「ぁは、ははっ、卵みたい~。」
すっっごい短くなったよ! 全体的にっ! 前髪なんて二センチ以下っ!
ヴィルも意外と不器用だったんだねっ! それとも、こういうのが好みっ?
「カシュ。可愛いし、……大人っぽい、よ?」
ちゅ。
「……そうかな? えへっ。」
やだなぁ、ホント、単純でぇ~。
ヴィルが褒めてくれて、頭にキスしてくれたら。この髪型も悪くないかな、って。
もう少し恋人でいたいな、って。……思っちゃった。
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