上 下
98 / 101
本編●主人公、外の世界に出て色々衝撃を受けたりしながら遊ぶ

ぼくはこの世界のネコの身体機能を見くびっていた

しおりを挟む
両足を大きく広げられた姿は確かにぼくを誘っているように見えた。
既に達したアルフォンソの蜜が滴り、肌を伝って慎ましい窄まりへと流れる様子は、どんな快楽小説よりも淫らで興奮する。
だが入り口の準備はまだ出来ていないはずだ。


「ア…ドル、お願い……、……もう…っ。」
「アルフォンソ……。駄目だよ、すぐには入れられない。」

出来るだけ優しく声を掛けながら、アルフォンソの太腿を撫でる。不安そうにやや眉を寄せる姿にぼくは微笑みで返して、谷間へと滑らせた指先で孔の縁に触れた。
熱を帯びたそこは、まだ解してはいないんだ。
二度の射精があったからか、強張っているとまでは言わないが、それでももっと柔らかくしてやらなければお互いに痛い思いをするだけだろう。

「……ぃ、や…っ、アドル……!」
「必要な事なんだよ、お互いの為に。追い詰めるような真似はしないから……アルフォンソ、信じて。……ね?」

縋り付くような視線を振り切って、ぼくは備え付けのローションを手に取る。意外と冷たさは感じないので、これならすぐに身体に塗り付けても大丈夫そうだ。
挿入への準備という様子を見て、アルフォンソはそれ以上に急かす事を止めた。
それでも表情からは、また自分だけ気持ち良くなって果ててしまうのではないか、そう心配しているのが分かる。


ぼくは液体を手指に塗りたくりながら、そっと思案する。


さぁて……どうしたものかな。
イメージでは普通、愛撫して気持ち良くなって貰いながらどさくさ紛れに解すのが一番、なんだろうが……。
ぼくがさっき興奮し過ぎた所為で、今のアルフォンソの心理状態では、それは難しそうだよね。
何度もイクのは辛いだろうし、ひょっとしたらこのまま一方的に弄るだけで抱く気が無いのかと、そう疑われる可能性まで出て来そうだ。それは良くないね。

となれば。ある程度以上の時間を掛けて、アルフォンソにもきちんと説明しながら納得を得て。解して行く他は無いかな。
幸いな事には、今はまだ午後を過ぎてから間もないだろうから。時間は充分ある。


「少しずつ広げて行くからね? 痛かったら教えてよ?」
「ぃ、痛いのなんか、仕方な…」
「だぁ~めっ。入れられているアルフォンソが痛いと、入れている方のぼくも痛いんだよ? だから、ちゃんと準備しよう?」
「……嫌に、ならないか?」
「ならないよ。アルフォンソの中に触れられるんだから。精一杯、丁寧にするよ。」

はっきりと断言したのを聞いて、やっとアルフォンソは頷いてくれた。
やはりと言うか。解す事に時間が掛かると、嫌気が差したぼくは止めてしまうのでは、という不安があったようだ。
だからこそ、初めてであるにも関わらず。大胆に足を開いて強請って見せたんだ。
自分から広げるなんて、きっと内心は怖かっただろうに。

「我慢はしないでね? どんな声でも、出していいから。」


世野悟は、男でも女でも、処女を抱いた事は無い。誘われる専門だった。
その為、単なる知識でしか無いが、『処女の股は十人力』という言葉があるらしいからな。……うん、良くは分からないが、それぐらい開き難いという事だろう。きっとそうだろう。


「本当は、こうしている間も。気持ち良くさせてあげたいんだよ……。」
「それ、は…もう、……駄目ぇ。」

頭の片隅で馬鹿な事を考えつつ、ぼくの手は勤勉に動いている。
ローションを襞に塗り付けるように撫でて、悪戯程度に中心の孔を押す。それを根気良く繰り返している。



そうしていると、徐々に解れて行く気配がして来た。
人差し指の腹を押し付けた時に、ちゅぷっと吸い付くような感覚。

「どうやら解れて来たみたいだよ。少し入れるね?」
「や……やっと、……っんぅ。」

思わぬ痛みを与えないよう、声を掛けて人差し指を少しだけ、埋めて…


ちゅぽんっ。


「んぁっ!」
「えっ?」


少しだけの予定が指の大部分、入ってしまった。
焦る余り、咄嗟に引き抜こうとしたのを、ぼくは寸での所で思い止まる。

いきなり入れた上に、すぐさま抜くとか……流石に良くないだろう。


アルフォンソの様子を観察しながら指を全部入れてみる。

「んっ! ……ん、くぅ。」

表情も声も、内壁の動きからも大丈夫そうかな。
そんなに柔らかくなっているとは思わなかったが、入れてみれば意外と……スムーズに入るもんだね。
締め付けているが、もう少し余裕もありそうだ。



慎重にしなければと思いつつ。
指で広げる動きを大胆にして行く。本数も増やしてみる。




結果……。




「どう……だ? ……入り、そうか?」
「あぁ、そう……だね。大丈夫そう、だよ……。」

アルフォンソが心配そうに尋ねて来る。
ぼくは指三本を易々と咥え込んだ情景に衝撃を受けながら、どうにか返事をした。



この世界は地球じゃないんだから、身体の常識もサトル的なボクの知識とは異なる。
そりゃそうだ。どうして、こんな簡単な事に気が付かなかったんだろう。
アドル的なぼくに性知識が乏しいから、サトル的なボクに頼り過ぎたんだ。その弊害、その結果がこのザマだ。
女という生物が乱獲で絶滅した、男しかいない世界。ネコという存在がいる世界。男同士で身体を繋げるのに、腸内洗浄が必要の無い世界。魔法も存在する、実はファンタジックな世界。

しかもぼくは、アルフォンソに聞いたのにね。
後ろが濡れるネコか、と。


そう! つまり!
ネコなアルフォンソのアナルは、排泄孔じゃなくて、ちゃんと挿入孔なんだよ!
確かにいきなりの結合は無理だろうが、あんなにそんなにこんなに、入念に解し捲る必要は無かった。という事になる、のかな。



無駄な時間を過ごしてしまった。と、一瞬考えたが。
これはこれで良い勉強になった。と、思う事にした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

もしかしてこの世界美醜逆転?………はっ、勝った!妹よ、そのブサメン第2王子は喜んで差し上げますわ!

結ノ葉
ファンタジー
目が冷めたらめ~っちゃくちゃ美少女!って言うわけではないけど色々ケアしまくってそこそこの美少女になった昨日と同じ顔の私が!(それどころか若返ってる分ほっぺ何て、ぷにっぷにだよぷにっぷに…)  でもちょっと小さい?ってことは…私の唯一自慢のわがままぼでぃーがない! 何てこと‼まぁ…成長を願いましょう…きっときっと大丈夫よ………… ……で何コレ……もしや転生?よっしゃこれテンプレで何回も見た、人生勝ち組!って思ってたら…何で周りの人たち布被ってんの!?宗教?宗教なの?え…親もお兄ちゃまも?この家で布被ってないのが私と妹だけ? え?イケメンは?新聞見ても外に出てもブサメンばっか……イヤ無理無理無理外出たく無い… え?何で俺イケメンだろみたいな顔して外歩いてんの?絶対にケア何もしてない…まじで無理清潔感皆無じゃん…清潔感…com…back… ってん?あれは………うちのバカ(妹)と第2王子? 無理…清潔感皆無×清潔感皆無…うぇ…せめて布してよ、布! って、こっち来ないでよ!マジで来ないで!恥ずかしいとかじゃないから!やだ!匂い移るじゃない! イヤー!!!!!助けてお兄ー様!

旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜

ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉 転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!? のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました…… イケメン山盛りの逆ハーです 前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります 小説家になろう、カクヨムに転載しています

異世界の美醜と私の認識について

佐藤 ちな
恋愛
 ある日気づくと、美玲は異世界に落ちた。  そこまでならラノベなら良くある話だが、更にその世界は女性が少ない上に、美醜感覚が美玲とは激しく異なるという不思議な世界だった。  そんな世界で稀人として特別扱いされる醜女(この世界では超美人)の美玲と、咎人として忌み嫌われる醜男(美玲がいた世界では超美青年)のルークが出会う。  不遇の扱いを受けるルークを、幸せにしてあげたい!そして出来ることなら、私も幸せに!  美醜逆転・一妻多夫の異世界で、美玲の迷走が始まる。 * 話の展開に伴い、あらすじを変更させて頂きました。

社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈

めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。 しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈ 記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。 しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。 異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆! 推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!

独占欲強い系の同居人

狼蝶
BL
ある美醜逆転の世界。 その世界での底辺男子=リョウは学校の帰り、道に倒れていた美形な男=翔人を家に運び介抱する。 同居生活を始めることになった二人には、お互い恋心を抱きながらも相手を独占したい気持ちがあった。彼らはそんな気持ちに駆られながら、それぞれの生活を送っていく。

転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい

翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。 それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん? 「え、俺何か、犬になってない?」 豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。 ※どんどん年齢は上がっていきます。 ※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ
ファンタジー
「ここわぁ、地獄かぁ――!?」  悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、気がつきゃ金糸のような髪の小娘に!? 「えっ、ファンタジーかと思ったぁ? 残っ念っ、ハイ坊主ハラペコSFファンタジーでしたぁ――ウケケケッケッ♪」  やかましぃやぁ。  ※小説家になろうさんにも投稿しています。投稿時は初稿そのまま。順次整えます。よろしくお願いします。

転生したら美醜逆転世界だったので、人生イージーモードです

狼蝶
恋愛
 転生したらそこは、美醜が逆転していて顔が良ければ待遇最高の世界だった!?侯爵令嬢と婚約し人生イージーモードじゃんと思っていたら、人生はそれほど甘くはない・・・・?  学校に入ったら、ここはまさかの美醜逆転世界の乙女ゲームの中だということがわかり、さらに自分の婚約者はなんとそのゲームの悪役令嬢で!!!?

処理中です...