上 下
96 / 101
本編●主人公、外の世界に出て色々衝撃を受けたりしながら遊ぶ

ぼくはアルフォンソを怒らせるかも知れない

しおりを挟む
ベッドは大きさに見合った安定感と、見た目通りの丁度良い柔らかさだった。
スプリングの利いたマットレス、つるりとした肌触りのシーツの上で、アルフォンソが裸体をくねらせる。


「ぁ、んっ、…んぅ……。」

アルフォンソは拠り所を求めて枕をぎゅっと掴んだ。
快感をやり過ごそうとして背中を反るから、胸を突き出すような姿勢になる。

その胸を当然の如く、ぼくは手で揉みしだいていた。
しなやかな筋肉の張りが掌に吸い付いて来るのが楽しくて。ぼくはずっとそこを、下方から持ち上げるようにしたり、指の腹も使って揉み込んだり、敏感な部分を避けて撫で回したり。


それと同時に、下半身はアルフォンソのそこに押し当てて適度に揺らしている。
アルフォンソは抱かれるのが初めてだから、胸よりも直接的に気持ち良くなる場所も触った方が良いだろう。
お互いのペニス同士が触れ合うような位置で、まるで挿入しているように強く擦り付けて。
アルフォンソも腰を揺らしてそっちの快感を追おうとしたら、それへの刺激を緩めて、入れ違いみたいに乳首を指先で掠める。

「……あ、アドル…、アドルぅっ。……やっ、もっと触って…」
「触っているよ? 足りない?」
「ぅんん~っ、もぉ……、ちゃん、と。…っん、……弄って。」

射精感が来る程じゃないが、じんわりと気持ち良くなるような動きで。凄く感じる場所や強さを避けていたら、もどかしそうな声を聞いた。
もっと快感が欲しいと、アルフォンソの顔に書いてあるようだ。

「じゃあ教えて? ぼくに、アルフォンソの、弄って気持ち良いとこ……。」
「ッここ……、ここ、触っ……あっ。ち…くび……っ、抓んで、弄ってぇ……。」

乳輪の外側でくるくる円を描いているぼくの指を、アルフォンソが摘んで来た。
欲情に塗れた瞳が正面からぼくを捉えている。



ベッドに身体を横たえた直後の、緊張や羞恥に身体を強張らせていた姿とは大違い。
欲しい快楽を追い掛ける、淫靡で可愛らしい姿態だ。

要望を受けたぼくが乳首を強く弾くと、それに連動してアルフォンソの身体は跳ねた。
勃ち上がって尖るのを親指と中指とで挟み、頂点の少し抉れた部分を人差し指で速めに擦ってやる。
かなり気持ち良いみたいで、アルフォンソは嬌声を上げた。

「あぁっ、それ! それ、……イっ、あんっ、あッ、……いいっ!」
「気持ち良いね、アルフォンソ。……乳首、好き?」
「……っん、ぁ…好き、すきぃ……っ!」

素直で、いやらしいアルフォンソは最高だよ。
気持ち良くなりたい、という意思が明確な方が当然、気持ち良くなれるからね。


「ぁ、どる……っんん。」

嬉しそうに声を上げるアルフォンソが、ぼくへと両腕を広げた。

「キスっ、したい……して……っ。」

気持ち良いのに足りないらしい。
口を開いて舌先を覗かせる。


いつも控えめなアルフォンソに、そんなにはっきりと強請られて。応えない理由が見当たらない。
何度目かになる唇を重ねて、たっぷりと唾液を交換した。
アルフォンソがふにゃっと甘えたように瞳を細める。

そんな風に無防備な顔を見せられたら苛めたくなっちゃうよ。


右胸の乳首はアルフォンソの好きな弄り方で。もっと強く、痛いぐらいに。
左胸の方を口に含んだ。指の動きを真似するように、唇で挟んで、先端を舌でざらざらと舐め擦った。
それをしながら、もう一方のぼくの手はアルフォンソの下腹部を擽ってから、ペニスの真ん中から根元辺りを握り込んだ。
両乳首を虐めるのと同時に、しゅこしゅこと音が出そうな勢いで上下させる。

「やあっ、やっ、駄目……っ、つ…強いっ、……それ、強いっ、からぁ!」

アルフォンソの甘い声に悲鳴の色が滲んだ。
強過ぎな快楽で、瞳には涙も滲む。


御免ね……。と申し訳なく思う気持ちもあるが、それを興奮と喜びが大きく上回る。

だって。

今は。

アルフォンソはぼくのものだ。



「や、っんん、も……、……ダメぇ、許し…っ……!」

上擦った声で許しを請われるが。

ぼくの方こそ許して。
自分でも止められないんだよ。
泣かせたくて、鳴かせたくて堪らない。
追い詰めたい気持ちがどうしても抑えられない。


「ゃだ、やめ……っ、……痛いっ…」
「えっ?」

しまった、きつく握り過ぎたか。それとも早く擦り過ぎたか。
どちらにせよ、手での刺激は今は辛いだろうか。


反射的にそう感じたぼくは、大きく開いたアルフォンソの足の間に挟まり。
透明な雫に濡れたペニスを咥内に含んだ。
唾液を絡ませて舐めれば痛くないはず、と思ったんだよ。


「ひぁっ、それ……、だめっ、もぉ……っ、や! やっ、あっ、ああぁぁっ!」

痙攣するように突き出したペニスを口の奥で受け止める。
びゅるっと精液が出されたのはそれとほぼ同時ぐらいだった。


「……っふ、……っク、うぅ……。」

アルフォンソの押し殺した声を聞きながら、ぼくは少しずつ冷静になって行く。


初めて飲むんだが、味の感想どころじゃない。
勢い余った、なんて可愛いもんじゃない。
完全に、やらかしてしまった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

とある美醜逆転世界の王子様

狼蝶
BL
とある美醜逆転世界には一風変わった王子がいた。容姿が悪くとも誰でも可愛がる様子にB専だという認識を持たれていた彼だが、実際のところは――??

主人公の兄になったなんて知らない

さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を レインは知らない自分が神に愛されている事を 表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346

推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。 そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。 ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。 そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

俺が総受けって何かの間違いですよね?

彩ノ華
BL
生まれた時から体が弱く病院生活を送っていた俺。 17歳で死んだ俺だが女神様のおかげで男同志が恋愛をするのが普通だという世界に転生した。 ここで俺は青春と愛情を感じてみたい! ひっそりと平和な日常を送ります。 待って!俺ってモブだよね…?? 女神様が言ってた話では… このゲームってヒロインが総受けにされるんでしょっ!? 俺ヒロインじゃないから!ヒロインあっちだよ!俺モブだから…!! 平和に日常を過ごさせて〜〜〜!!!(泣) 女神様…俺が総受けって何かの間違いですよね? モブ(無自覚ヒロイン)がみんなから総愛されるお話です。

美醜逆転の世界で推し似のイケメンを幸せにする話

BL
異世界転生してしまった主人公が推し似のイケメンと出会い、何だかんだにと幸せになる話です。

同室の奴が俺好みだったので喰おうと思ったら逆に俺が喰われた…泣

彩ノ華
BL
高校から寮生活をすることになった主人公(チャラ男)が同室の子(めちゃ美人)を喰べようとしたら逆に喰われた話。 主人公は見た目チャラ男で中身陰キャ童貞。 とにかくはやく童貞卒業したい ゲイではないけどこいつなら余裕で抱ける♡…ってなって手を出そうとします。 美人攻め×偽チャラ男受け *←エロいのにはこれをつけます

秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~

めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆ ―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。― モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。 だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。 そう、あの「秘密」が表に出るまでは。

【完結済】(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。

キノア9g
BL
完結済。騎士エリオット視点を含め全10話(エリオット視点2話と主人公視点8話構成) エロなし。騎士×妖精 ※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。 気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。 木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。 色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。 ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。 捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。 彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。 少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──? いいねありがとうございます!励みになります。

処理中です...