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本編●主人公、外の世界に出て色々衝撃を受けたりしながら遊ぶ
ぼくは事前確認と事前連絡を怠らない
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「……あ、ふっ! にゅ、う……ッあ、あっ!」
風呂椅子に腰掛けたアルフォンソが、上半身だけでぼくに縋り付く。
助けを求めるような腕の強さは余裕の無さを表している。
「あ、…っやあ……っ! もう、だ…め……、っで、出ちゃっ……!」
戦慄きながら咽喉を反らして。
ぼくを煽り立てる声に色味が増して行く。
何かフェロモンみたいなものでも出ているんだろうか。凄く、良い香が……。
「出るっ、で…ぅからぁ……! 離し……って、……あぁーーーっ!」
先端の孔がぶるりと震えたかと思うと、程なくしてアルフォンソは精を放った。
出した後も何度か、背中や太腿、ペニスもびくびくさせている。
浅い呼吸をするアルフォンソがぼくを睨んだ。
その表情はぼくにとって御褒美以外の何物でもない。
「可愛かったよ、アルフォンソ。……続きはベッドで、ね?」
「………。」
苦情を言われそうな気配を敏感に察したぼくは、アルフォンソの唇が開く前に、甘い台詞を口に出して頬へと口付けを落とした。
サトル的なボクが随分と活躍している気がするよ。
タイミングを逃したアルフォンソがジト目で見るが、ただ恥ずかしがっているだけなようでホッとする。
だって実際、可愛かったんだから仕方がない。
悦がり方が初心で色っぽくて、止められなかったんだから仕方がない。
ベッドでもっとちゃんと可愛がるから許して。
「……ところで。ねぇ、アルフォンソ?」
ベッドで。というキーワードで、ぼくは大事な事を思い出した。
アレックの二の舞にならぬように、確認しておかなくちゃならない事を。
「アルフォンソはネコだよね? アナルが濡れる方の、ネコ。」
「そ、そうだな……一応……。」
肯定するアルフォンソの返事に内心ガッツポーズ。
勝った! 勝ったよ、ぼくは!
些か微妙な言い回しのような気はするが、聞かなくても良いかな……。
いや、スルーせずに確認しておこう。
「なぁに? 何だか含みがあるね?」
「……あぁ、そ…その……。」
言い難そうなアルフォンソの手を取り、爪先に啄むようなキスをした。
尖らせた唇でつん、つんと突っついてみたり、指先の本当に先端部分だけを舐めてみたり。しながら、アルフォンソの言葉を促す視線を送る。
顔を羞恥で染めながらアルフォンソが口を開いた。
「俺は……初めて、なんだ。こんな事をする相手など、いない。……だから、その。そっちの手管は、あんまりどころか全く自信が無くて……一応、と。」
「アルフォンソにはお兄さんが居るんじゃなかったか?」
「居るには居る、が……。」
アレックから聞いた情報、という点で信憑性に難ありだが。
初体験を済ませる……つまり抱いてくれる……相手がいない場合には兄弟が面倒を見る。という話じゃなかった?
アルフォンソはやや肩を竦めて苦笑を浮かべる。
「兄も俺と同じで。偏差値があんまり、だからな。……お互いに無理をするのは止そう、という話になったんだ。だから、シてない。」
そうだったか……。これはしくじったかも知れない。
つまりぼく達は初めて同士、という事だ。
もしかするとアルフォンソは、ぼくが何回かでも経験があると考えているだろうか。
だとしたら、ぼくが『初めて』だと知ったら、嫌がるだろうか。
スムーズに進める為には黙っていた方が良さそう。という予測ぐらいはぼくにも出来る。
安心させるという面からもそうするべきだとは思うが、後から何らかのアクシデントで真相を知られるよりは、自分から伝える方がまだマシというものか。
「アルフォンソ、実はぼくも……初めてなんだ。」
「えっ……アドルも?」
驚いたようにやや目を見開くアルフォンソ。戸惑ってもいるようだ。
やはり誤解されていたようだね。ぼくは最近まで引き篭もりだったと言うのにね。
『初めて同士は上手く行かない』という前提なのか。
だからと言って、今更ぼくに引く気は無い。
何故ならぼくには世野悟の経験値がある。今なら何とかなりそうな気がする。
「上手く行き難い、と言われている事は分かっているよ。でも……。」
ぼくはアルフォンソの手をそっと握り込んだ。
手の甲に口付けてから、熱意を込めて見詰めると視線が絡む。
「ぼくの『初めて』はアルフォンソが良い。アルフォンソの『初めて』が欲しい。……ぼくに、任せて?」
「アドル……。」
必死にお願いするぼく。
こんな調子でぼくの『格好良い』が維持出来ているか疑わしいもんだ。
ぼくの指に、アルフォンソの指が絡められる。
戸惑っていたはずのアルフォンソは、ぼくへ向かって艶やかな笑みを浮かべた。
「俺を、貰ってくれるか……?」
風呂椅子に腰掛けたアルフォンソが、上半身だけでぼくに縋り付く。
助けを求めるような腕の強さは余裕の無さを表している。
「あ、…っやあ……っ! もう、だ…め……、っで、出ちゃっ……!」
戦慄きながら咽喉を反らして。
ぼくを煽り立てる声に色味が増して行く。
何かフェロモンみたいなものでも出ているんだろうか。凄く、良い香が……。
「出るっ、で…ぅからぁ……! 離し……って、……あぁーーーっ!」
先端の孔がぶるりと震えたかと思うと、程なくしてアルフォンソは精を放った。
出した後も何度か、背中や太腿、ペニスもびくびくさせている。
浅い呼吸をするアルフォンソがぼくを睨んだ。
その表情はぼくにとって御褒美以外の何物でもない。
「可愛かったよ、アルフォンソ。……続きはベッドで、ね?」
「………。」
苦情を言われそうな気配を敏感に察したぼくは、アルフォンソの唇が開く前に、甘い台詞を口に出して頬へと口付けを落とした。
サトル的なボクが随分と活躍している気がするよ。
タイミングを逃したアルフォンソがジト目で見るが、ただ恥ずかしがっているだけなようでホッとする。
だって実際、可愛かったんだから仕方がない。
悦がり方が初心で色っぽくて、止められなかったんだから仕方がない。
ベッドでもっとちゃんと可愛がるから許して。
「……ところで。ねぇ、アルフォンソ?」
ベッドで。というキーワードで、ぼくは大事な事を思い出した。
アレックの二の舞にならぬように、確認しておかなくちゃならない事を。
「アルフォンソはネコだよね? アナルが濡れる方の、ネコ。」
「そ、そうだな……一応……。」
肯定するアルフォンソの返事に内心ガッツポーズ。
勝った! 勝ったよ、ぼくは!
些か微妙な言い回しのような気はするが、聞かなくても良いかな……。
いや、スルーせずに確認しておこう。
「なぁに? 何だか含みがあるね?」
「……あぁ、そ…その……。」
言い難そうなアルフォンソの手を取り、爪先に啄むようなキスをした。
尖らせた唇でつん、つんと突っついてみたり、指先の本当に先端部分だけを舐めてみたり。しながら、アルフォンソの言葉を促す視線を送る。
顔を羞恥で染めながらアルフォンソが口を開いた。
「俺は……初めて、なんだ。こんな事をする相手など、いない。……だから、その。そっちの手管は、あんまりどころか全く自信が無くて……一応、と。」
「アルフォンソにはお兄さんが居るんじゃなかったか?」
「居るには居る、が……。」
アレックから聞いた情報、という点で信憑性に難ありだが。
初体験を済ませる……つまり抱いてくれる……相手がいない場合には兄弟が面倒を見る。という話じゃなかった?
アルフォンソはやや肩を竦めて苦笑を浮かべる。
「兄も俺と同じで。偏差値があんまり、だからな。……お互いに無理をするのは止そう、という話になったんだ。だから、シてない。」
そうだったか……。これはしくじったかも知れない。
つまりぼく達は初めて同士、という事だ。
もしかするとアルフォンソは、ぼくが何回かでも経験があると考えているだろうか。
だとしたら、ぼくが『初めて』だと知ったら、嫌がるだろうか。
スムーズに進める為には黙っていた方が良さそう。という予測ぐらいはぼくにも出来る。
安心させるという面からもそうするべきだとは思うが、後から何らかのアクシデントで真相を知られるよりは、自分から伝える方がまだマシというものか。
「アルフォンソ、実はぼくも……初めてなんだ。」
「えっ……アドルも?」
驚いたようにやや目を見開くアルフォンソ。戸惑ってもいるようだ。
やはり誤解されていたようだね。ぼくは最近まで引き篭もりだったと言うのにね。
『初めて同士は上手く行かない』という前提なのか。
だからと言って、今更ぼくに引く気は無い。
何故ならぼくには世野悟の経験値がある。今なら何とかなりそうな気がする。
「上手く行き難い、と言われている事は分かっているよ。でも……。」
ぼくはアルフォンソの手をそっと握り込んだ。
手の甲に口付けてから、熱意を込めて見詰めると視線が絡む。
「ぼくの『初めて』はアルフォンソが良い。アルフォンソの『初めて』が欲しい。……ぼくに、任せて?」
「アドル……。」
必死にお願いするぼく。
こんな調子でぼくの『格好良い』が維持出来ているか疑わしいもんだ。
ぼくの指に、アルフォンソの指が絡められる。
戸惑っていたはずのアルフォンソは、ぼくへ向かって艶やかな笑みを浮かべた。
「俺を、貰ってくれるか……?」
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