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本編●主人公、外の世界に出て色々衝撃を受けたりしながら遊ぶ
ぼくはすぐ気が散るので本題に入れない
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目の前にいる二人……『麗しい』が高ランクなエイベル兄さんと、顔面偏差値が『無い』も同然なアルフォンソが心配そうな目でぼくを見ている。
うっかり迂闊に卑猥な妄想をしてしまいそうになるが、そんな事で時間を潰している場合じゃない。
今回のぼくの通学は、一応、明日が最終日。そう、もう慌てるような時間なんだ。
妄想なんかは一人で自室にいる時にでもしたらいい。
ぼくは先程、二人に言おうとした「明日の昼は同級生と一緒にランチしたい」という希望を伝えるべく、『格好良い』の微笑みを……作ろうとして止めた。
作り笑いを向けた所で、二人の本物の色気微笑に撃沈されるだけだ。
学習したぼくは、顔面の表情筋を放っておく事にして、これからの話の展開に神経を集中させる。
だって、この二人は……特にエイベル兄さんは割と本気で……ぼくが同級生、又は同じ学校の誰かにレイプされるんじゃないかと心配しているからね。
だが現実は、レイプところかナンパすら無いがね。
同級生からどうにかこうにか、挨拶だけはして貰えているレベルだよ。
恐らく兄は、通学初日の阿呆なタチ共の事が頭から抜けないんだろう。
ぼくだって「あぁ、そういう所なんだな」と思ったよ。
でもそれっきりだよ、あいつ等は何処に行ってしまったんだろうね。きっとアレだね。毎日登校している生徒じゃないんだね。
今なら遭遇しても、全然平気なんだがなぁ。残念だよ。
「……アドル? 本当に大丈夫…」
「もちろんだよ、エイベル兄さん。」
この数日でぼくはだいぶ、この世界の下ネタ事情も分かって来た。
だからもしも、あの阿呆なタチ共から襲われたとしたら。逆に襲い返しても問題無い、という事も分かったんだ。
未だタチもネコも経験の無い、初回はタチ役で、と決めているぼくだが……。
可愛いネコ同級生達になかなか声を掛ける事が出来ないのは、もしかすると自分は下手糞なんじゃないか、という恐れがあるからだ。
もうね、実はいっそ、懐いてくれているエドガーを押し倒そうかとも思ったよ? でもね? この世界のネコ達は、どうやらタチに厳しいみたいじゃないか。
タチらしくない言動に厳しかったアリーとか。満足いかないセックスを友達に喋るネコ同級生とか。
だからもしぼくとの行為に不満があったとしたら、それは恐らく瞬く間に知れ渡ってしまうに違いない。
ぼくが『格好良い』の奇跡ランクである事がアダとなる。外見による期待が大きいだけに、ガッカリ感が半端ないだろう。
あぁ、だからつまり、何が言いたいか……それは。
ネコに襲われる。又は、襲って来たタチを襲い返す。そんな非常事態的な状況下でのセックスであれば、多少ぼくが不慣れでも、出来が今一つだったとしても大丈夫なんじゃないか。……という事だ。
そうだ、それが良い。そこそこ見た目の良い子にレイプされよう!
結論を出したぼくは再び現実世界に戻って来た。
……あれ? 同級生と昼食を摂りたい、という話をする為に集中していたはずなんだが。全然違う事を考えちゃったな。
まぁいいよね。これから二人に話せば良いんだから。
ぼくはぼくに甘いよ。
「ねぇ、兄さん。アルフォンソ。……二人は、毎日ぼくとランチを一緒に摂っているんだが…」
「それは当たり前だろう? 明日も当然、一緒の予定だ。」
「俺も……アドルが嫌でなければ、明日も三人で一緒に食べたい。」
明日の昼食について話そうとした、ぼくは。
兄とアルフォンソの二人が纏めて視界に入っている、それは『ぼく得』な情景だが、ふと疑問が浮かんだ。
「ぇーと……。兄さんとアルフォンソは、その……付き合っているのか?」
「………。」
「………。」
ぼくの問い掛けに。
二人。無言。
チラッ。ちらっ。
お互いに窺い合ってから、咳払いをしたアルフォンソが口を開いた。
「そんな事があるはず無いだろう、アドル。こんなに『麗しい』なエイベルと、顔面偏差値の無い俺が……。友達でいられるのさえ、不思議なくらいなのに…」
「アルフォンソっ。友達である事に、顔面偏差値なんか関係ないだろうっ。」
良かった。兄の言う『友達』は、普通の友達なんだね。
少々頬を染めたように見えるんだが、本当に、二人の間に『そういう気持ち』は無いと思って良いのかな?
「兄さん。アルフォンソ。……ぼくに気を遣わなくて良いんだよ? 本当に、付き合っていない?」
「アドル、誤解だ。俺にとってアルフォンソは、信頼出来る友人だ。……肉体関係になる事は無い。」
「俺もエイベルを好ましいと思っているが、あくまで友人として、だ。」
キッパリと否定する二人。ぼくは少しニヤけそうになってしまう。
何故なら、アルフォンソがまるで、ぼくに誤解されたくないと思って必死になっているような、そんな表情をするからだ。
こんなん見せられたら嬉しくなっちゃうよね。
うっかり迂闊に卑猥な妄想をしてしまいそうになるが、そんな事で時間を潰している場合じゃない。
今回のぼくの通学は、一応、明日が最終日。そう、もう慌てるような時間なんだ。
妄想なんかは一人で自室にいる時にでもしたらいい。
ぼくは先程、二人に言おうとした「明日の昼は同級生と一緒にランチしたい」という希望を伝えるべく、『格好良い』の微笑みを……作ろうとして止めた。
作り笑いを向けた所で、二人の本物の色気微笑に撃沈されるだけだ。
学習したぼくは、顔面の表情筋を放っておく事にして、これからの話の展開に神経を集中させる。
だって、この二人は……特にエイベル兄さんは割と本気で……ぼくが同級生、又は同じ学校の誰かにレイプされるんじゃないかと心配しているからね。
だが現実は、レイプところかナンパすら無いがね。
同級生からどうにかこうにか、挨拶だけはして貰えているレベルだよ。
恐らく兄は、通学初日の阿呆なタチ共の事が頭から抜けないんだろう。
ぼくだって「あぁ、そういう所なんだな」と思ったよ。
でもそれっきりだよ、あいつ等は何処に行ってしまったんだろうね。きっとアレだね。毎日登校している生徒じゃないんだね。
今なら遭遇しても、全然平気なんだがなぁ。残念だよ。
「……アドル? 本当に大丈夫…」
「もちろんだよ、エイベル兄さん。」
この数日でぼくはだいぶ、この世界の下ネタ事情も分かって来た。
だからもしも、あの阿呆なタチ共から襲われたとしたら。逆に襲い返しても問題無い、という事も分かったんだ。
未だタチもネコも経験の無い、初回はタチ役で、と決めているぼくだが……。
可愛いネコ同級生達になかなか声を掛ける事が出来ないのは、もしかすると自分は下手糞なんじゃないか、という恐れがあるからだ。
もうね、実はいっそ、懐いてくれているエドガーを押し倒そうかとも思ったよ? でもね? この世界のネコ達は、どうやらタチに厳しいみたいじゃないか。
タチらしくない言動に厳しかったアリーとか。満足いかないセックスを友達に喋るネコ同級生とか。
だからもしぼくとの行為に不満があったとしたら、それは恐らく瞬く間に知れ渡ってしまうに違いない。
ぼくが『格好良い』の奇跡ランクである事がアダとなる。外見による期待が大きいだけに、ガッカリ感が半端ないだろう。
あぁ、だからつまり、何が言いたいか……それは。
ネコに襲われる。又は、襲って来たタチを襲い返す。そんな非常事態的な状況下でのセックスであれば、多少ぼくが不慣れでも、出来が今一つだったとしても大丈夫なんじゃないか。……という事だ。
そうだ、それが良い。そこそこ見た目の良い子にレイプされよう!
結論を出したぼくは再び現実世界に戻って来た。
……あれ? 同級生と昼食を摂りたい、という話をする為に集中していたはずなんだが。全然違う事を考えちゃったな。
まぁいいよね。これから二人に話せば良いんだから。
ぼくはぼくに甘いよ。
「ねぇ、兄さん。アルフォンソ。……二人は、毎日ぼくとランチを一緒に摂っているんだが…」
「それは当たり前だろう? 明日も当然、一緒の予定だ。」
「俺も……アドルが嫌でなければ、明日も三人で一緒に食べたい。」
明日の昼食について話そうとした、ぼくは。
兄とアルフォンソの二人が纏めて視界に入っている、それは『ぼく得』な情景だが、ふと疑問が浮かんだ。
「ぇーと……。兄さんとアルフォンソは、その……付き合っているのか?」
「………。」
「………。」
ぼくの問い掛けに。
二人。無言。
チラッ。ちらっ。
お互いに窺い合ってから、咳払いをしたアルフォンソが口を開いた。
「そんな事があるはず無いだろう、アドル。こんなに『麗しい』なエイベルと、顔面偏差値の無い俺が……。友達でいられるのさえ、不思議なくらいなのに…」
「アルフォンソっ。友達である事に、顔面偏差値なんか関係ないだろうっ。」
良かった。兄の言う『友達』は、普通の友達なんだね。
少々頬を染めたように見えるんだが、本当に、二人の間に『そういう気持ち』は無いと思って良いのかな?
「兄さん。アルフォンソ。……ぼくに気を遣わなくて良いんだよ? 本当に、付き合っていない?」
「アドル、誤解だ。俺にとってアルフォンソは、信頼出来る友人だ。……肉体関係になる事は無い。」
「俺もエイベルを好ましいと思っているが、あくまで友人として、だ。」
キッパリと否定する二人。ぼくは少しニヤけそうになってしまう。
何故なら、アルフォンソがまるで、ぼくに誤解されたくないと思って必死になっているような、そんな表情をするからだ。
こんなん見せられたら嬉しくなっちゃうよね。
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