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むかしとは違う
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課長の頼みで参加した取引相手のホームパーティー。楽しく過ごしていたご主人様だったけど、遅れてやってきた人間を見た途端顔から血の気が引いていった。
「矢尾?矢尾なのか?」
「お、お久しぶりです…依田部長」
必死に笑顔を作ろうとしているけど、依田って人の顔を真っすぐ見れずに俯き加減だし声が震えている。
「矢尾?」
課長もご主人様の異変に気づいたみたいだ。怪訝そうに様子を窺っている。
一方で、依田部長はパッと顔を明るくして何だと声を上げた。
「三年、いや四年ぶりか?元気そうじゃないか」
「は、はい。お陰様で…」
「依田部長、彼女とは?」
高橋社長に聞かれて、依田部長はいやあと頭を掻きながら答える。
「本部にいた頃の部下ですよ。新卒で入ってきた彼女に仕事のやり方を教えていたんです。まあ、色々あって辞めてしまったんですが」
意味ありげな目で見られたご主人様が、グラスを持っていた手に力を込める。ご主人様の前の上司。おいらはそれを聞いて、真っ先に確信した。こいつだ。こいつがご主人様をいじめて追い詰めたんだ。一気に怒りが込み上げてくるのがわかる。
ダルマみたいな体に思いっきり噛みついてやりたいところだけど、ここは我慢だ。おいらが暴れたら、その責任はご主人様が取らなきゃいけない。課長と高橋社長の関係も壊れちゃう。我慢するんだ、おいら。
「そうだったのか。いやはや世間は狭いというか、こんな事もあるんだねぇ」
高橋社長が笑いながら、他のお客さんに紹介するために依田部長を連れていく。
「…大丈夫か?」
「へっ?」
課長に声をかけられたご主人様が、パッと顔を上げる。
「いや…顔色悪いぞ」
「あ、えへへ、酔っちゃいましたかね?ちょっとお水頂いてきます」
適当に理由をつけて離れていこうとするご主人様の手を課長が掴む。
「か、課長?」
「…いや。気分が悪くなったら言えよ」
何か言いたそうだったけど、課長はそれだけ言ってご主人様の手を離すとそのまま高橋社長の方へ行ってしまった。
おいらは心配だからご主人様の後を追いかける。ピッチャーからグラスに入れたお水を一気に飲み干すご主人様の足を引っ掻いて甘えてみる。
「クゥーン」
「アハハ、とむにも心配させちゃったかな?大丈夫だよ。大丈夫…」
そんな言葉とは正反対に、おいらを抱きしめる力はすごく強かった。
*
「それにしても、まさかこんな所で矢尾に会うとはなぁ」
お酒が入ったからなのか、それとも高橋社長が契約をしてくれると言った事に喜んでなのか、依田部長は赤くなった顔でご主人様と課長に近づいてきた。
「和生さん、でしたかな?お若いのに課長職とは、よっぽど優秀なんですな」
「そんな事はありませんよ。私一人の力でここまで来たとは思っていません。部下に恵まれただけの事です」
「部下、ですか」
依田部長はチラッとご主人様を見て鼻を鳴らす。
「何か?」
「ああ、いや、失礼。矢尾はそちらではご迷惑をおかけしていませんかな?」
「というのは?」
「いやあ、覚えが悪くて大変でしょう。私が上司だった頃は、本当に手を焼きましてね。同期がどんどん独り立ちしていくというのに、書類一つまともに作れないは電話もろくに取れないは、毎日何かしらの尻拭いをさせられていたものですよ」
「そうでしたか。確かに矢尾は、すぐに焦ってはトラブルを起こしがちではありますね」
「っ、ハハ…本当に、課長にはいつもご迷惑をおかけしてます」
引き攣った笑いでこの場をやり過ごそうとしているご主人様が痛々しい。
「《おい、大丈夫かおたくの飼い主》」
「《大丈夫じゃないよ。でも、おいらが今できる事なんてないんだ》」
ルークまでご主人様の心配をしてくれてる。悔しい。お前なんかがご主人様をわかったような事を言うな。お前がご主人様の何を知ってるって言うんだ。
「挙句の果てには体調を崩して休みがちになりましてね。社会人にもなって体調管理すらできないのかと叱ったら、簡単に辞めると言い出す始末で。お陰で私は責任を取って支店に異動させられたんですよ。全く近頃の若者は堪え性がないというか、目を見て謝る事もできないなんて社会人として失格。そうは思いませんか?」
「ええ、そうですね。どうやら私は、あなたに感謝しなければならないようです」
笑みを浮かべてそう言った課長に、おいらはガンと頭を殴られたような気持ちになる。課長もご主人様の事いじめるの?こいつの味方をするの?
「感謝だなんてとんでもない。私はただ、上司として部下を一人前に育てようと力を尽くしたまでで…」
「あなたが矢尾を退職に追い込んでくれたお陰で、彼女は今私の元で私の力になろうと懸命に働いてくれている事がわかりましたから」
「はい?」
思ってもみない言葉に、依田部長だけでなくおいらもキョトンとする。
「部下の覚えが悪いのは上司の教えが悪いという事です。矢尾はトラブルメーカーではありますが、任された仕事に手を抜いた事は一度もありません。少しでも多くの事を学ぼうとする向上心も持っている。それでもミスをしたというのなら、それはしっかりとフォローできなかった上司である私の責任です。ましてや、部下の失態だけを取り上げて責め立て、会社を離れて尚、貶めようとするような人間が、必死に努力する者をどうこう言う資格はない」
「な…っ」
「か、課長…?」
依田部長の顔がさらに赤くなる。酔っ払ってるからじゃない。自分を悪く言われて怒ってるからだ。
「し、失礼な!それではまるで、私が無能であるような言い方じゃないか!」
「そう聞こえなかったのなら、私はさらに言葉を尽くさなければいけませんね」
「不愉快だ!これだから最近の若者は礼儀がなっていなくて困る!」
「楽しい時間を過ごす場で誰かを侮辱するのが礼儀なら、私は喜んで無作法者を名乗ります」
「何を…」
「あらあら、大変」
緊迫した空気を和らげるような、のんびりとした声が会話を遮る。
「矢尾さん、髪飾りが曲がってしまっているわ。直してあげるから、後ろを向いてもらえるかしら?」
「え…」
自然だけど不思議な強制力のある雰囲気で、高橋社長の奥さんがご主人様を後ろに向かせる。課長や他の人達からは見えなかっただろうけど、奥さんがご主人様にそっとハンカチを渡すのがおいらには見えた。
そのまま奥さんは、ご主人様の髪飾りを直す振りをしてご主人様がハンカチを目に当てる時間を稼いだ。そして少ししてから、まあ!と驚いたような声を出した。
「矢尾さん、よく見たら顔色があんまり良くないわ。ご気分が優れないのかしら」
奥さんに目配せをされた課長が、高橋社長に頭を下げる。
「申し訳ありません、社長。矢尾を連れて帰りますので、今日はここでお暇させて頂きます」
「いやいや、こちらこそ無理を言ってしまったからね。どうやら、慣れない場に誘ってだいぶ緊張させたようだ。また機会があれば、とむ君の話でも聞かせてくれるかな?」
「は、はい、ぜひ」
高橋社長と奥さんの連携プレーがすごい。依田部長が声を荒げて何事だとこっちを見ていた他のお客さんも、納得した様子でいる。
ご主人様の肩を抱いた課長は、とても爽やかな笑顔を依田部長に向けて言った。
「では依田部長。もうお会いする事はないと思いますが、どうぞお元気で。私の部下が大変お世話になりました」
むかしとは違う、だって一人じゃないから。
「矢尾?矢尾なのか?」
「お、お久しぶりです…依田部長」
必死に笑顔を作ろうとしているけど、依田って人の顔を真っすぐ見れずに俯き加減だし声が震えている。
「矢尾?」
課長もご主人様の異変に気づいたみたいだ。怪訝そうに様子を窺っている。
一方で、依田部長はパッと顔を明るくして何だと声を上げた。
「三年、いや四年ぶりか?元気そうじゃないか」
「は、はい。お陰様で…」
「依田部長、彼女とは?」
高橋社長に聞かれて、依田部長はいやあと頭を掻きながら答える。
「本部にいた頃の部下ですよ。新卒で入ってきた彼女に仕事のやり方を教えていたんです。まあ、色々あって辞めてしまったんですが」
意味ありげな目で見られたご主人様が、グラスを持っていた手に力を込める。ご主人様の前の上司。おいらはそれを聞いて、真っ先に確信した。こいつだ。こいつがご主人様をいじめて追い詰めたんだ。一気に怒りが込み上げてくるのがわかる。
ダルマみたいな体に思いっきり噛みついてやりたいところだけど、ここは我慢だ。おいらが暴れたら、その責任はご主人様が取らなきゃいけない。課長と高橋社長の関係も壊れちゃう。我慢するんだ、おいら。
「そうだったのか。いやはや世間は狭いというか、こんな事もあるんだねぇ」
高橋社長が笑いながら、他のお客さんに紹介するために依田部長を連れていく。
「…大丈夫か?」
「へっ?」
課長に声をかけられたご主人様が、パッと顔を上げる。
「いや…顔色悪いぞ」
「あ、えへへ、酔っちゃいましたかね?ちょっとお水頂いてきます」
適当に理由をつけて離れていこうとするご主人様の手を課長が掴む。
「か、課長?」
「…いや。気分が悪くなったら言えよ」
何か言いたそうだったけど、課長はそれだけ言ってご主人様の手を離すとそのまま高橋社長の方へ行ってしまった。
おいらは心配だからご主人様の後を追いかける。ピッチャーからグラスに入れたお水を一気に飲み干すご主人様の足を引っ掻いて甘えてみる。
「クゥーン」
「アハハ、とむにも心配させちゃったかな?大丈夫だよ。大丈夫…」
そんな言葉とは正反対に、おいらを抱きしめる力はすごく強かった。
*
「それにしても、まさかこんな所で矢尾に会うとはなぁ」
お酒が入ったからなのか、それとも高橋社長が契約をしてくれると言った事に喜んでなのか、依田部長は赤くなった顔でご主人様と課長に近づいてきた。
「和生さん、でしたかな?お若いのに課長職とは、よっぽど優秀なんですな」
「そんな事はありませんよ。私一人の力でここまで来たとは思っていません。部下に恵まれただけの事です」
「部下、ですか」
依田部長はチラッとご主人様を見て鼻を鳴らす。
「何か?」
「ああ、いや、失礼。矢尾はそちらではご迷惑をおかけしていませんかな?」
「というのは?」
「いやあ、覚えが悪くて大変でしょう。私が上司だった頃は、本当に手を焼きましてね。同期がどんどん独り立ちしていくというのに、書類一つまともに作れないは電話もろくに取れないは、毎日何かしらの尻拭いをさせられていたものですよ」
「そうでしたか。確かに矢尾は、すぐに焦ってはトラブルを起こしがちではありますね」
「っ、ハハ…本当に、課長にはいつもご迷惑をおかけしてます」
引き攣った笑いでこの場をやり過ごそうとしているご主人様が痛々しい。
「《おい、大丈夫かおたくの飼い主》」
「《大丈夫じゃないよ。でも、おいらが今できる事なんてないんだ》」
ルークまでご主人様の心配をしてくれてる。悔しい。お前なんかがご主人様をわかったような事を言うな。お前がご主人様の何を知ってるって言うんだ。
「挙句の果てには体調を崩して休みがちになりましてね。社会人にもなって体調管理すらできないのかと叱ったら、簡単に辞めると言い出す始末で。お陰で私は責任を取って支店に異動させられたんですよ。全く近頃の若者は堪え性がないというか、目を見て謝る事もできないなんて社会人として失格。そうは思いませんか?」
「ええ、そうですね。どうやら私は、あなたに感謝しなければならないようです」
笑みを浮かべてそう言った課長に、おいらはガンと頭を殴られたような気持ちになる。課長もご主人様の事いじめるの?こいつの味方をするの?
「感謝だなんてとんでもない。私はただ、上司として部下を一人前に育てようと力を尽くしたまでで…」
「あなたが矢尾を退職に追い込んでくれたお陰で、彼女は今私の元で私の力になろうと懸命に働いてくれている事がわかりましたから」
「はい?」
思ってもみない言葉に、依田部長だけでなくおいらもキョトンとする。
「部下の覚えが悪いのは上司の教えが悪いという事です。矢尾はトラブルメーカーではありますが、任された仕事に手を抜いた事は一度もありません。少しでも多くの事を学ぼうとする向上心も持っている。それでもミスをしたというのなら、それはしっかりとフォローできなかった上司である私の責任です。ましてや、部下の失態だけを取り上げて責め立て、会社を離れて尚、貶めようとするような人間が、必死に努力する者をどうこう言う資格はない」
「な…っ」
「か、課長…?」
依田部長の顔がさらに赤くなる。酔っ払ってるからじゃない。自分を悪く言われて怒ってるからだ。
「し、失礼な!それではまるで、私が無能であるような言い方じゃないか!」
「そう聞こえなかったのなら、私はさらに言葉を尽くさなければいけませんね」
「不愉快だ!これだから最近の若者は礼儀がなっていなくて困る!」
「楽しい時間を過ごす場で誰かを侮辱するのが礼儀なら、私は喜んで無作法者を名乗ります」
「何を…」
「あらあら、大変」
緊迫した空気を和らげるような、のんびりとした声が会話を遮る。
「矢尾さん、髪飾りが曲がってしまっているわ。直してあげるから、後ろを向いてもらえるかしら?」
「え…」
自然だけど不思議な強制力のある雰囲気で、高橋社長の奥さんがご主人様を後ろに向かせる。課長や他の人達からは見えなかっただろうけど、奥さんがご主人様にそっとハンカチを渡すのがおいらには見えた。
そのまま奥さんは、ご主人様の髪飾りを直す振りをしてご主人様がハンカチを目に当てる時間を稼いだ。そして少ししてから、まあ!と驚いたような声を出した。
「矢尾さん、よく見たら顔色があんまり良くないわ。ご気分が優れないのかしら」
奥さんに目配せをされた課長が、高橋社長に頭を下げる。
「申し訳ありません、社長。矢尾を連れて帰りますので、今日はここでお暇させて頂きます」
「いやいや、こちらこそ無理を言ってしまったからね。どうやら、慣れない場に誘ってだいぶ緊張させたようだ。また機会があれば、とむ君の話でも聞かせてくれるかな?」
「は、はい、ぜひ」
高橋社長と奥さんの連携プレーがすごい。依田部長が声を荒げて何事だとこっちを見ていた他のお客さんも、納得した様子でいる。
ご主人様の肩を抱いた課長は、とても爽やかな笑顔を依田部長に向けて言った。
「では依田部長。もうお会いする事はないと思いますが、どうぞお元気で。私の部下が大変お世話になりました」
むかしとは違う、だって一人じゃないから。
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