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第一章・幼少期

13.グレイシアたんは、実の父親に恩を売り付け、猫を被る。

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使用人A「エメラルド王妃様が痛みを訴えられ、倒れられました……!容態は悪化の一途を辿るばかりです……!」

マーリン「何っ、エメラルドが……!?」


エメラルド王妃様……国王陛下の王妃で、アザルド王子の実の母親。身体が元々、病弱で、ゲーム開始時には、亡くなったとされている。だから、跡継ぎを側室に産ませたという経緯があるが、アザルド王子を産んだことで、少しは、病弱な王妃様と揶揄されていた、声が減ったが、結局、どういう理由かは、分からぬまま、死んでしまう。確か、これも、アザルド王子が、幼少期の頃と言われていたが。


国王陛下は、シアたんをチラッと見て、手を引っ張ってエメラルド王妃の寝室へと転移スキルを使われる、グレイシアたん。その時の表情は、汚物を見るような顔をして、国王陛下を見下していたように、動いていたと思う。触られるのさえ、嫌らしいシアたん。鏡がないから、主観で、言ってるだけですけど。その後、アザルド王子も、エメラルド王妃様の元に、辿り着く。


マーリン「エメラルドッ!エメラルドォ!大丈夫か、エメラルドォォォ!」

アザルド「母上、母上、死なないでください。貴方がいなければ、俺は、嫌です……!」


グレイシアたんは、さっくりスマートフォンを出して、原因追究。早く事を終わらせたいらしいです。だが、スマートフォンのカメラ機能で映った原因は、意外なもので、前世で、薬学部に所属していた俺の知識が、問われるものだった。


アザルド「グレイシア!母上を助けて、どうかこのまま死なせないで……!グレイシアには、光魔法があるから、大丈夫だよね??」

グレイシア「いや、これは、この世界にはない知識を使わないと、難しいし、第一、こんなの国王陛下が、お許しになる訳、ない。だから、無理」

マーリン「何故、そう思うのだ??」

グレイシア「エメラルド王妃様は、ご懐妊しており、お腹の中には、9つの命が宿っております。倒れられた原因は、赤ん坊が産まれるサイン。もう、このような状況になれば、自然分娩は、無理です。なので、対処方法として、挙げるなら、3つ。1.エメラルド王妃様に宿っているお腹の子供たちを殺すこと。2.エメラルド王妃の命を代償に子供たちを外に、出すこと。その際、子供たちの命の生死は、問わない。3.エメラルド王妃のお腹を切って、そこから子供たちを出産させること。これが、一番エメラルド王妃様も、子供たちも助かる可能性は高い。だけど、その際、注意することは、この懐妊は、異常なものであり、子供たちも無事産まれたとして、何日か、何週間か様子を見なければ、数日もしない内に、亡くなってしまうでしょう。さて、国王陛下??どれか一つだけ選んでください。ああ、早めに助産師は呼んでくださいね!」

アザルド「腹を切る……!?それこそは、死ねと言っているようなものではないか!」

グレイシア「子供たちがいる部分だけを切るから、切腹とは意味合いが全然違う。後、これは、医療行為であって、死を選ぶ為のものではないこと。まぁ、僕は、手先が器用なものでね??その選択肢を選ばれた暁には、簡単には、死なせたりしないから、安心してくださいな??さて、どうするのですかね。まぁ、僕個人としては、爵位さえ与えられて、領地を獲得できれば良いので、どう判断なさる??」


というか、知識こそあれども、帝王切開なんて、やったことはないしぃいい!


グレイシア『でも、やろうとすれば、その技術はあるんでしょう??だったら、僕が出来ないはずないし。上手くいけば、もっと爵位が上がるかもしれないね!フフッ』


マーリン「腹を切れば、エメラルドは、救われるんだな??」

グレイシア「まぁ、お腹を切って、子供たちを全員出産させた暁には、お腹の傷毎、僕が光魔法で、傷を治して差し上げますので、エメラルド王妃様の負担は、少ないですよ??」

マーリン「だったら、やってくれ。私にはまだエメラルドが必要だ」

グレイシア「……仰せのままに、後世に受け継がれる技術故に、助産師は多めによろしくお願いいたしますね??」
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