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1.プロローグ。
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俺は、気が付いたら、母親の胎内にいた。そう、感じるのは何故?
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俺には微かに前世の記憶というものがある。俺の名は・・・アキト。そう、呼ばれていたんだ。でも、以前何をしていたか、何歳だったのか、覚えてはいない。でも、それ相応の年齢だったのではないか。
そして、俺にはその身に大きな力を宿している・・・。だからかな?見える訳もないのに、ここが母親の胎内だって事が分かってしまうのだから。
でも、それ故に、母親の体力を奪っているのも事実だって事に罪悪感を感じる。
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そして、時は経ち、俺は産まれた。しかし、母親の命を犠牲にして、この世に生を受けた。
母親は人からとても愛されていた人物であった。だから、その命を奪った俺への扱いはぞんざいであった。食事もろくに与えられず、俺が何をしようと怒られ、双子の兄とは大きく態度が異なっていた。双子の兄には、俺はいないと伝えられたの事も知っている。
あぁ、だったら、死んでしまおうか?その方が皆にとって、きっと良い事なんだろう。でもー・・・。
『待ってください!!貴方には、この世界を救う義務があるのですっ!!』
たまに、聞こえてくるこの声。声は透き通っていて、綺麗だ。姿は見えないけれど、きっと綺麗な人に違いない。こんな俺に、声をかけてくれるんだから。でもね?俺には、何も出来やしないんだよ。世界よりも、俺の周りの世界を救いたい。
俺が、いなくなる。それだけで、きっと世界は救われる。だって、俺は『呪われた子供』なんだからー・・・。
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天への祈りが通じたのか、俺は簡単に誘拐された。その日は、やたらと、警備が薄かったから、何かあると思った。でも、俺は何もしなかった。出来なかった・・・訳ではなく。
強い力を宿しているのは事実。たまに、未来の自分の姿になって、街を彷徨う。街に出ると、至って平和である。・・・どこに、救う義務が生じるのだろう?
だからね、犯人グループが俺を、崖から突き落としたとしても文句は言わない。・・・そのはずだったのに。
咄嗟に思ってしまったんだ。もっと生きていたかった、って。
そして、黒い靄みたいなのに包まれて、俺は靄に吸い込まれてしまった。俺が、出したって気付いているのに。
・
・
・
気が付いたら、見た事ない世界に目を奪われていた。大きな建物が多く、意表をつかれてしまったが、俺は疲れて眠ってしまった。ここが、俺が今までいた世界とは違う事にまだ気付く事はない。また、これが『俺が元いた世界の災厄の時代が始まりである事』に誰も気付かなかった。
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俺には微かに前世の記憶というものがある。俺の名は・・・アキト。そう、呼ばれていたんだ。でも、以前何をしていたか、何歳だったのか、覚えてはいない。でも、それ相応の年齢だったのではないか。
そして、俺にはその身に大きな力を宿している・・・。だからかな?見える訳もないのに、ここが母親の胎内だって事が分かってしまうのだから。
でも、それ故に、母親の体力を奪っているのも事実だって事に罪悪感を感じる。
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そして、時は経ち、俺は産まれた。しかし、母親の命を犠牲にして、この世に生を受けた。
母親は人からとても愛されていた人物であった。だから、その命を奪った俺への扱いはぞんざいであった。食事もろくに与えられず、俺が何をしようと怒られ、双子の兄とは大きく態度が異なっていた。双子の兄には、俺はいないと伝えられたの事も知っている。
あぁ、だったら、死んでしまおうか?その方が皆にとって、きっと良い事なんだろう。でもー・・・。
『待ってください!!貴方には、この世界を救う義務があるのですっ!!』
たまに、聞こえてくるこの声。声は透き通っていて、綺麗だ。姿は見えないけれど、きっと綺麗な人に違いない。こんな俺に、声をかけてくれるんだから。でもね?俺には、何も出来やしないんだよ。世界よりも、俺の周りの世界を救いたい。
俺が、いなくなる。それだけで、きっと世界は救われる。だって、俺は『呪われた子供』なんだからー・・・。
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天への祈りが通じたのか、俺は簡単に誘拐された。その日は、やたらと、警備が薄かったから、何かあると思った。でも、俺は何もしなかった。出来なかった・・・訳ではなく。
強い力を宿しているのは事実。たまに、未来の自分の姿になって、街を彷徨う。街に出ると、至って平和である。・・・どこに、救う義務が生じるのだろう?
だからね、犯人グループが俺を、崖から突き落としたとしても文句は言わない。・・・そのはずだったのに。
咄嗟に思ってしまったんだ。もっと生きていたかった、って。
そして、黒い靄みたいなのに包まれて、俺は靄に吸い込まれてしまった。俺が、出したって気付いているのに。
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気が付いたら、見た事ない世界に目を奪われていた。大きな建物が多く、意表をつかれてしまったが、俺は疲れて眠ってしまった。ここが、俺が今までいた世界とは違う事にまだ気付く事はない。また、これが『俺が元いた世界の災厄の時代が始まりである事』に誰も気付かなかった。
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